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私の落車<カルテ1>峠の下りで後ろ荷重を失念 道路に投げ出され鎖骨と肋骨を骨折 50代男性

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 どんなに安全運転を心がけ、万全を期していても、起きるときには起きてしまうのが事故や落車。ロードバイクは、車と違ってシートベルトもエアバッグもありません。衝撃はすべて生身の身体で受け止めることになり、深刻なけがにつながりやすいもの。そこでCyclistでは、先人たちの落車体験を赤裸々に語ってもらうことで事故予防の極意を探るドキュメント企画「私の落車」の連載をスタートします。

◇         ◇

【落車カルテ1】

Sさん(50代 男性)
ロードバイク歴:30年以上(高校生の時から乗り始めた)

<事故発生状況>
・峠の下り道
・迷子になった仲間を探していた
・ペダルの上に立ち、首を左右に振りながら下っていた
・路面のうねりで前輪が浮き、ハンドルコントロールを失って道路に投げ出され、鎖骨と肋骨を骨折

マイルールを失念

 いつも心がけているのが「常に後ろ荷重で走る」なんです。後ろ荷重でいるほうがハンドルのコントロールがしやすいし、急ブレーキでも身体が前に持って行かれにくいのでより安全だからです。ダウンヒルはもちろん、平地でも後ろ荷重を意識して走っています。

ロードバイク歴30年以上というSさん。峠の下りで落車事故に見舞われた(写真はイメージ)ロードバイク歴30年以上というSさん。峠の下りで落車事故に見舞われた(写真はイメージ)

 でも、このときは前荷重になっていました。キョロキョロ首を振りながら走っていたので、路面状況をしっかり確認できていませんでした。さらに、腰を浮かせてペダルに立った状態で坂を下っていたので、前荷重だったんですね。

 で、路面の窪みに落ちてハンドルのコントロールを失ってしまいました。立て直そうと試みる間もなく前方に投げ出され、道路に激しく叩きつけられてしまいました。

手はブラケットから離さない

 ロードバイクで横転するときや前転するとき、「ブラケットから手を離さない」のが被害を最小限におさえるコツです。本能的に手で受け身をとってしまいたくなりますが、それをするとむしろ骨折が起きやすい。手はブラケットを持ったまま、背中を丸め、なるべく自転車といっしょに倒れるほうがベターです。

 まあ、偉そうなことを言っていますが、私はこのときブラケットにかるく手を添えていただけの状態でした。だから、いともかんたんに身体が投げ出されてしまったんです。してはいけない運転の見本ですね。

骨折した鎖骨は手術により金具で固定骨折した鎖骨は手術により金具で固定
肋骨は複数本が骨折した肋骨は複数本が骨折した

 後頭部から着地して、鎖骨と肋骨を折る重傷を負ってしまいました。手術ですか? しましたよ。肋骨が折れた状態だと、クシャミをしただけで全身に痛みが走り、30秒ほど息もできないで悶絶してしまいます。寝返りはうてないし、散々ですよ。術後は神経ブロック麻酔というのを数日間点滴で打ち込むんですが…え?生々し過ぎるからもう聞きたくない?(笑)

ヘルメットで命拾い

激しく傷ついたヘルメット。外側だけでなく中までパックリ亀裂が入った激しく傷ついたヘルメット。外側だけでなく中までパックリ亀裂が入った

 事故後にヘルメットを見たら、側頭部がバッキリと割れていてゾッとしましたね。ヘルメットのおかげで頭はまったくの無傷でしたが、もしノーヘルだったら脳障害とか後遺症とか……考えたくもない事態になっていたのは間違いないです。ヘルメットで命拾いしましたね。

 ロードバイクに乗る方に声を大にして言いたいのは、「ヘルメットをせずに走るのは自殺行為に等しい」ですよ。街乗りだからいらないとかじゃなくて、絶対にかぶってほしいです。

横着をすると事故りやすい

 事故を起こさないための心がけですか?そりゃもう「横着をしない」。これに尽きます。走りながら複数の作業を同時にやらないことです。探しものをするなら一時停止する。クリートをペダルから外すのを面倒くさがらない。初心者のうちは緊張感もあって慎重な運転を心がけるものですが、ちょっと慣れてきて「そこそこの経験者」になったあたりが危険。

 横着をしがちなのが、”疲れてきたとき”なんですよね。気が張っているダウンヒルやヒルクライム中は意外に事故らないものです。むしろ、頂上にたどり着いて、後続の仲間をスタンディングで見守ろうとしているときが危ない。あと、クリートを外すのを面倒くさがって、路上で円を描くようにクルクル回っている方もいますが、ふいに前輪がガクッと曲がって、ドスンと落ちることもあります。

事故は減らせても、ゼロにはできない

 スタンディングの立ちごけって、たいしたことなさそうに聞こえるかもしれませんが、もろに地面から衝撃を喰らうので、大きなけがにつながることもあります。疲労がたまると事故りやすいという意味では、往路よりも復路のほうが事故が発生しやすいかもしれませんね。

 ただ、いくら注意したって不可抗力はあるし、避けきれない状況に遭遇することもあります。事故は減らせるけれど、ゼロにはできません。だからこそヘルメットなどの安全装備に意味があるんです。もう一度言いますけど、ローディーの皆さん、どうかヘルメット装着は厳守してくださいねー!

(取材・編集 中山順司)

中山 順司中山 順司(なかやま・じゅんじ)

ロードバイクをこよなく愛するアラフォーブロガー。ブログ「サイクルガジェット」を運営。”徹底的&圧倒的なユーザー目線で情熱的に情報発信する”ことがモットー。ローディーの方はもちろん、これからロードバイクを始めようかとお考えの方が、「こんなコンテンツを読みたかった!」とヒザを打って喜ぶ記事をつくります。

こんな時に対応できる自転車向け保険 <PR>

 自転車の事故やけがを防ぐコツですが、まずは「ヘルメットを被ること」。頭の致命的なけがを軽減できます。2つ目に、「日常の自転車のメンテナンス」。ブレーキやライトなどが整備不良のまま乗ってしまうことは危険ですし、道路交通法違反にもあたります。3つ目は、「左側通行を守ること」。交差点で出会い頭の事故にあう可能性が低くなります。

 そして、自転車に乗る全ての方に備えていただきたいのが、自転車向け保険です。一般的に「自転車保険」と呼ばれるものですが、自転車を運転する際の2つの大きなリスク、すなわち事故で「加害者」になってしまう場合と、自分が「けが」をしてしまう場合に対し、それぞれ「個人賠償責任補償」と「傷害補償」の2つの補償でカバーします。

 au損保では「あうて ケガの保険Bycle(バイクル)」という自転車向け保険を販売しています。個人賠償責任補償は、自転車事故以外に、日常生活での事故にも適用されます。また、自転車事故によるけがには保険金を倍額でお支払いします。

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 さらに、例えば自宅から遠く離れた場所で自転車にトラブルが発生した場合、自転車ロードサービスが便利です。最長で20kmを1年に2回まで無料で搬送します。全都道府県に拠点を整備しているので、24時間・365日、一部離島を除けば全国ほぼどこへでも駆けつけることが可能。ロングライドの不安も軽減する、ローディーにとって強い味方のサービスです。

【提供:au損害保険株式会社】

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