選手村には修善寺のホテルを活用2020年東京五輪の「伊豆ベロドローム開催」に舛添都知事が理解 自転車・トラック会場問題で

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 2020年東京オリンピック・パラリンピックの自転車競技・トラック種目の会場について、大会組織委員会は2月5日の記者会見で、静岡県伊豆市の「伊豆ベロドローム」を活用する方向で検討していると発表した。

 当初の開催計画では、東京都江東区有明に、木製自転車トラックと5000人収容のスタンドを備えた仮設のベロドロームを建設することになっているが、大会終了後の施設活用方法は決まっていない。このため、会場建設費(隣接のBMX会場を含め65億円)などの経費節減を念頭に、既存施設がある伊豆市での開催案が浮上し、2014年7月には静岡県の川勝平太知事が伊豆ベロドローム開催の誘致検討を表明していた。

 東京五輪の競技会場をめぐっては、自転車のほかに馬術なども会場の変更が検討されている。IOCによると、今月のIOC理事会で一部の会場計画が承認され、残りの会場計画についても4月の理事会で承認される見通しという。

◇         ◇

定例記者会見に臨む東京都の舛添要一知事 =2月6日、東京都新宿区の都庁定例記者会見に臨む東京都の舛添要一知事 =2月6日、東京都新宿区の都庁

 東京都の舛添要一知事は、2月6日午後2時から都庁会見室で開いた定例記者会見で、自転車競技・トラックの会場計画変更について記者団の質問に答え、検討の背景や考え方を詳しく説明。トラック種目の伊豆ベロドロームでの開催に一定の理解を示した。

 以下、産経ニュースより、記者会見における五輪競技会場に関する質疑を抜粋してお届けする。

2020年はゴールではなく一つの通過点

 ――間もなく就任から1年を迎えるが、この1年での東京五輪に向けた準備状況、施策についてどういうふうに自己評価しているのか。また、新たな1年に向けて、どういうことをやっていきたいか

 「一般的によく1年で仕事の自己評価というのを聞かれますが、私は基本的に評価というのは他人がするもので、自分がするべきものではないということで一貫しております」

当初の東京五輪開催計画で、自転車競技・トラック種目の会場とされている「有明ベロドローム」(右)とBMXコース当初の東京五輪開催計画で、自転車競技・トラック種目の会場とされている「有明ベロドローム」(右)とBMXコース

 「ただ、今の東京五輪についてですけれども、競技施設の見直しということで、2000億円の経費削減等々をやりました。IOCも同じ方向に向いてきたということなので、更なる経費の削減ということを含めて努力していきたいと思っております」

 「最大の眼目は2020年がゴールではありませんということで、2020年は一つの通過点であって、良いレガシーを東京に残したいということに尽きると思います」

 「ですから、そういう観点から選手村をつくるという大きな仕事をしないといけないですけれど、その後どのようにして住居用のマンションに変えていくかというようなことをまず考える。それから、交通アクセスについても同様に、10年、20年、30年後の東京の姿を考えないといけません」

 「それから、スポーツということに直結して言えば、オリンピックにしてもパラリンピックにしても、私たちの税金で新しい施設をつくるとすれば、それはつくったかいがありますと」

昨秋、ロンドンを訪問した東京都の舛添要一知事は、ロンドン五輪で自転車競技会場として利用されたベロドロームを視察。五輪開催後のレガシー(遺産)活用などを検討した =2014年10月28日、ロンドン(共同)昨秋、ロンドンを訪問した東京都の舛添要一知事は、ロンドン五輪で自転車競技会場として利用されたベロドロームを視察。五輪開催後のレガシー(遺産)活用などを検討した =2014年10月28日、ロンドン(共同)

 「オリンピックの2週間、パラリンピックの2週間というだけではなく、10年後、20年後に、この施設があったからこうしてスポーツができると都民が思えるような、そういう観点をしっかりやっていくというのが一番大事だと思っています」

 「ですから、競技施設の見直し案は、仮設も含め、主として組織委員会の担当でありますけれども、今年の夏ぐらいまでには見直しは終わるだろうということで」

 「追加種目についてはIOCが少し時間が必要だということで、日本側の代替案は9月ぐらいにはまとまると思いますが、最終的にはIOCに決定権があります。そのIOCの決定は、来年の8月に持ち込むということだと思います」

 「したがいまして、そういうタイムスケジュールの中で、今年の夏ぐらいまでには競技施設の見直しは基本的にはファイナル。これで終わりと思いますので、基本設計を始めたり、着工していったりということが今から始まっていくと思っております」

 「それで後は少しパラリンピックの方にも人とコストを掛けて、これも遅れないようにやっていきます」

 「それからもう一つ、新しいというか、特に重くなっている課題は、最近の人質殺害事件のように、テロリストに対してどう対応するかということが非常に大きくなると思いますので、今朝、国民保護法に基づく会議を開きましたけれども、この問題についても抜かりのないようにやっていきたいと思います」

 「着実に一つ一つ課題を克服していって、史上最高のオリンピック・パラリンピックにするという所期の目的を達したいというのが今の状況です」

(中略)

セキュリティー確保は「伊豆でやるなら静岡県警に」

国際競技規格の自転車競技トラック「伊豆ベロドローム」 =静岡県伊豆市(小林廉撮影)国際競技規格の自転車競技トラック「伊豆ベロドローム」 =静岡県伊豆市(小林廉撮影)

 ――五輪関連で2点。種目追加の件で、来年8月のリオデジャネイロでのIOC総会で決まる見通しになった。本番の4年前に迫っての種目追加になり、準備期間がその分短くなると思うが、その影響をどのように考えているか。また、自転車競技について、伊豆での開催を検討していると発表された。セキュリティーの強化範囲が、会場の分散化によって拡大すると思うが、懸念はないか。コストの増大につながるとは考えていないか

 「まず第1点ですが、基本的にはこの2月9日から追加種目検討委員会、いわゆる7人の会議が始まります」

 「追加種目で10ばかりのさまざまな各団体が手を挙げておられますが、その検討委員会の方で大体素案を作っていただいて、われわれは大体夏から9月にかけて、私ども東京都側の案、例えば野球であるとか、空手であるとか、スカッシュであるとか。綱引きの方も手を挙げておられるので、そういうのを2つとか3つ決めます」

 「(IOC東京五輪調整委員会のジョン・)コーツ委員長の話ですと、基本はそれを尊重するということなので変わらないと思いますが、問題は、意図的にということではないと思いますが、IOCの総会が来年の8月まで開かれないこと」

伊豆ベロドロームの内部 (小林廉撮影)伊豆ベロドロームの内部 (小林廉撮影)

 「したがって、今おっしゃったように、その時に今から建設する、ゼロから建設するというようなことだと間に合わなくなる可能性は十分出てくると思いますが、そういうことも全て頭に入れた上で、コストのかからない五輪にしようということが12月のIOCの『アジェンダ2020』の方針なので、そこから判断したときに、どの種目に絞られるというのは自然と衆目の一致するところとなると思いますから、私はあまり心配をしておりません」

 「それからセキュリティーの問題ですが、1カ所に集中している方が、守る立場から言うと守りやすいのか、分散しているのが守りやすいのか。それから、裏側なのですけれども、攻撃する側から見たときに、分散している方が攻撃しにくいという点もあり得ますね。戦争に例えると、兵隊さんの数によりけりな訳ですけれど」

 「そうすると、静岡県警もセキュリティーは抜かりなくやっているので、伊豆でやるなら静岡県警にしっかりやってもらう。それで、分散か集中かということで、セキュリティー上はプラス・マイナス両方ありますから、そこは問題ないと思っております」

なぜ遠くに行くか? 全てコストカットのため

 ――伊豆となれば距離も時間も東京から離れる。移動に時間がかかるのではないかという懸念もあるが、選手村の分村を近くに建設する可能性が出てきたという認識はあるか

 「ご存じのように、これは伊豆の修善寺です。私も自転車に乗るのでよく行きますから、どういう場所でというのはよく知っています。設備は国際規格で非常に素晴らしいです」

国内唯一の屋内板張り250mトラックを持つ静岡県伊豆市の伊豆ベロドローム =2013年11月17日のJBCFトラックチャンピオンシップ(写真・JBCF 全日本実業団自転車競技連盟)国内唯一の屋内板張り250mトラックを持つ静岡県伊豆市の伊豆ベロドローム =2013年11月17日のJBCFトラックチャンピオンシップ(写真・JBCF 全日本実業団自転車競技連盟)

 「つまり、コストカットということから見ると、新たなものをつくるよりはるかに安いだろうということは申し上げられると思います」

 「これは私が決めるわけではないですけれど、感想を言えということなので、ホテル対応で良いのではないかと思っています。たくさんありますし。自転車で疲れたアスリートには、温泉もありますので」

 「それから足について言うと、東京から新幹線に乗れば1時間で行きます。そこからの道は、大したことはありません。そういう臨機応変の対応をするときに、例えば今おっしゃったように分村して競技場をつくるお金よりももっと掛かったとかですと全然話にならない」

 「なぜ遠くに行くかというのは、全てコストカットのためなのです。だから、厳しいコスト計算というのは、今一番IOCの頭にあるので、コスト計算をした上で、分村してコスト上がるなら絶対やらないと思います」

 「だから、そういう観点で計算してみなさいと言うのであれば、私ならホテルと思っています。絶対に今の案よりはコストが掛からないし、つくって壊すということもばかばかしいので、今素晴らしいものがあればそれを使う」

 「こういう若干離れた所に行くときには、選手村から新幹線で東京駅ないし品川駅に出ていくと、やはり最低1時間半は見ないといけません。そうすると、せめて前の日には修善寺のホテル、旅館に泊まっていただいて、そして競技に臨む」

 「だけど、2日前ぐらいまでは選手村にいて、いろいろな所で練習するとか、場合によっては、修善寺には自転車用の練習できる施設がたくさんありますし、簡単な合宿所もありますので、数日前から来て、温泉に入って体や体調を整えながらやることも可能だと思います」

 「いろいろなアイデアがあると思いますけれども、今のお答えをどう思うかというのは全くの私見ですから、これで決まるわけでも何でもない。あなたはどう思うかというのは、私は現場をよく知っているので、こういうのが良いのではないかという一つのアイデアにしかすぎません」

産経ニュースより抜粋)

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