人口過密都市の救いになるか?電力を自活する自転車道「ロンドン・アンダーライン」 旧地下鉄トンネルを再生する新インフラ案

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ゲンスラーが提案した「ロンドン・アンダーライン(The London Underline)」イメージ(Photo: Gensler)ゲンスラーが提案した「ロンドン・アンダーライン(The London Underline)」イメージ(Photo: Gensler)

 ロンドンで、現在は使用されていない市内の地下鉄のトンネルを再生して自転車道を作る構想が浮上し、話題を呼んでいる。イギリスの新聞「ガーディアン」のウェブサイトは、「棄てられた“チューブ”トンネルに自転車道 『ロンドン・アンダーライン』はホンキ?」と報じた。

「最も革新的なプロジェクト」として表彰

 ロンドン・アンダーライン(The London Underline)構想は、ロンドン市に貢献するアイディアを広く募集する「London Planning Awards」(2015年)に対し、建築デザイン事務所「ゲンスラー」が提出したプロジェクトだ。応募された企画の中で「最も革新的なプロジェクト」として表彰を受けたとして、同社が2月3日にニュースリリースで公表した。

 構想では、「チューブ」の愛称で親しまれるロンドンの地下鉄のうち、使用されていないトンネルを活用し、サイクリスト用と歩行者用のトンネル2本を並行して設ける。さらにカフェや、オンラインショッピングで購入した製品の受取りスポットなども内部に併設するという。

 また、路面には、通行者が歩いたり走行したりした際に発電する「Pavegen」(ペイヴジェン)社のタイルを採用。“世界で初めて電力を自活する交通網”が実現するとしている。

歩行者用のトンネルと併設されたカフェのイメージ(Photo: Gensler)歩行者用のトンネルと併設されたカフェのイメージ(Photo: Gensler)
「ロンドン・アンダーライン(The London Underline)」の敷設マップ(クリックするとガーディアンのウェブサイトに掲載されたマップのページが開きます)「ロンドン・アンダーライン(The London Underline)」の敷設マップ(クリックするとガーディアンのウェブサイトに掲載されたマップのページが開きます)

交通輸送能力の不足などさまざまな問題を解消

 ゲンスラーが作成した動画は、今後数十年のうちに、ロンドン市内では移動手段のキャパシティが不足すると指摘。ロンドン名物のタクシーや2階建てバスでは輸送能力が足りず、市内在住者だけでなく旅行者にとっても課題になるという。また、二酸化炭素を排出する交通手段への依存は、温暖化対策など環境面でも不安が残る。

 さらに、ロンドンで急増しているサイクリストにとっては、過密な交通環境を走る危険性や、雨天時の不快感といったサイクリング時の難題も見落とせないポイントだ。ゲンスラーは、ロンドン・アンダーラインが実現すれば、そういった問題をすべて解消できるとアピールしている。

 ゲンスラー・ロンドンの共同ディレクターを務めるイアン・マルカーイー氏(Ian Mulcahey)はプレスリリースの中で、「ロンドンの人口は歴史上最も多い水準に達し、既存のインフラを最大限活用する方策を創造的に考えなければならない。現在使われていないチューブや列車のトンネルを活用することができれば、短期間で無駄のないインフラネットワークの増加を望める」と述べ、構想の実現に期待を寄せている。

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