震災と事故乗り越え回復「バス旅行」復権へ サイクリング、酒蔵見学、日本一周…多彩なプランが好評

  • 一覧
サイクリングの目的地までバスで移動するサイクリングバスツアー(国際興業提供)サイクリングの目的地までバスで移動するサイクリングバスツアー(国際興業提供)

 東日本大震災や関越自動車道の高速ツアーバス事故の影響で一時落ち込んだバス旅行が、回復しつつある。サイクリングや酒蔵見学など旅行者のニーズに合わせた多彩なプランが人気を呼んでいる。
(産経新聞文化部 村島有紀)

荷物用スペースに自転車を収納して

 「都心を離れ、サイクリングを楽しみたいけど、電車で輪行(りんこう)したり、自分で車を運転したりするのは大変という人もいる。そうした人向けのプランです」と話すのは、サイクリング専用バスツアーを主催する国際興業(東京都中央区)の広報担当、焼野真介さんだ。

 同社の「サイクリングバスツアー(サイバス)」((電)03-3273-2853)は、平成24年4月から土日を中心に開始。都心の東京駅と新宿駅付近を出発帰着地点に、日帰りや1、2泊で茨城県の筑波山、静岡県の富士山麓などを訪れる。現在募集中のツアーは、房総半島の海沿い約60キロをサイクリングする「千葉県・南房総コース」(日帰り、昼食付き10980円)。サイクリング後の温泉入浴券などもツアー代金に含まれる。

大型バスの荷物用スペースに、専用スタンドを使って自転車を積み込む(国際興業提供)大型バスの荷物用スペースに、専用スタンドを使って自転車を積み込む(国際興業提供)

 自転車はバスの座席下にある荷物用スペースに専用スタンドを設置して収納。自転車を積載できるバスでツアーを実施しているのは、国内で同社のみだという。スペースの関係上、募集人数は25人まで。参加者の7割が一人参加で、団塊世代の男性が多い。

 焼野さんは「東日本大震災の後、バス旅行の需要が減り、新しい企画を考える中でサイクリングバスを発案した」と語る。

地酒で“ほろ酔い”ツアー好評

 地酒の消費拡大を通じて地域振興を図る自治体もあり、酒蔵を巡るツアーも増加傾向だ。企画旅行などを手掛ける「フレンドリートラベル」(中央区)は、茨城県笠間市の「笠間市地酒を笠間焼で乾杯する条例」制定に合わせ、市内4軒の蔵元を訪ね、試飲するツアーを昨年3月に企画。好評だったため、今年は2月21日に栃木県内の蔵元4軒を訪ねる「栃木の日本酒 蔵めぐり」(日帰り、昼食付き9千円、(電)03-5117-2811)を主催する。

 ジェイアール東海バス(名古屋市中川区)も、名古屋駅発着で岐阜県の酒蔵を訪ねるバスツアー「岩村醸造蔵開きと高山酒蔵めぐり」(日帰り、5480円、(電)052-586-9850)を2月に実施する。

広い化粧室備え、47都道府県を周遊

「日本一周の旅」に使用するバスの化粧スペース(クラブツーリズム提供)「日本一周の旅」に使用するバスの化粧スペース(クラブツーリズム提供)

 女性向けの環境整備も進む。トイレと別に広い化粧スペースがあるバスを4、5年前から本格導入したのはバスツアー大手のクラブツーリズム(東京都新宿区)。今年は大阪、神戸、京都などを発着地点に、22日間で全47都道府県を周遊する「日本一周の旅」(5月9日発、2人1室1人50万円、(電)06-6733-0070)の旅を企画。発売から5日間で完売し、追加プランを用意した。

 同社によると、関越道の事故で、一時バスツアーが減ったが昨春ごろから持ち直したという。

 バス愛好家で、埼玉県ふじみ野市の「日本バス友の会」顧問、城谷邦男さん(71)は「出発地に到着すれば、あとはバスに乗るだけでいろいろなところを巡ることができるのがバス旅行の魅力。関越道の事故以降、業界全体のモラルは向上した。安全なバス旅行のために、車体に社名を大きく掲示するなど、信頼できる業者を選んで」と話している。

産経ニュースより)

関越道高速ツアーバス事故

 平成24年4月、群馬県藤岡市の関越道で、高速ツアーバスの運転手が、居眠り運転をして防音壁に衝突し乗客7人が死亡、38人が重軽傷を負った。運転手が長時間にわたり1人で運転していたことなどが判明。国土交通省は25年8月から、高速ツアーバスの運行を廃止し、安全規制が厳しい「高速乗合バス」に統一。連続運転が4時間を超える場合は運転手2人体制、夜間走行は400キロまでなど、運行基準を厳格化した。

この記事のコメント

利用規約順守の上ご投稿ください。

関連記事

この記事のタグ

国際興業

  • 一覧

新着ニュース

もっと見る

ピックアップ

e-BIKE最新特集

スペシャル

自転車協会バナー

ソーシャルランキング

インプレッション

インプレッション一覧へ

連載