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はらぺこサイクルキッチン<30>オンラインで受けるコーチングの魅力 冬のトレーニングにオススメのリカバリーフード

by 池田清子 / Sayako IKEDA
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2015年シーズンからオンラインコーチングを始めた池田祐樹選手。情報共有だけでなく月に数回はスカイプなどを利用してミーティングを行う2015年シーズンからオンラインコーチングを始めた池田祐樹選手。情報共有だけでなく月に数回はスカイプなどを利用してミーティングを行う

 今シーズンから、夫でマウンテンバイクプロアスリートの池田祐樹がオンラインコーチングを受けることになりました。コーチングの資格を持ち、指導経験もある祐樹さんですが、本格的にコーチングを受けるのは初めて。講師は、「Peaks Coaching Group」(PCG)代表でパワートレーニングの第一人者、ハンター・アレンさんと愛弟子の中田尚志さん。二人による豪華なコーチングです。今回は、まだ日本に馴染みの薄いオンラインコーチングについてご紹介します。

ネットさえ繋がれば世界中どこにいてもOK

「Peaks Coaching Group」(PCG)のハンター・アレン代表(右)とPCG-Japanの中田尚志さん「Peaks Coaching Group」(PCG)のハンター・アレン代表(右)とPCG-Japanの中田尚志さん

 海外、ことにアメリカでは、オンラインコーチングは何年も前から浸透しています。プロのみならず一般のライダーの間でもコーチを付け、多くの方が利用しています。世界中どこにいても、ネットさえ繋がれば指導を受けることができるのがオンラインコーチングのメリットです。

 指導の内容は、ピークに持っていきたいレースやイベントに合わせたトレーニングメニューを作ってもらうこと。祐樹さんも、年間スケジュールや外せないレース、そして年間で最も成績を上げたいレースをすでに共有しています。

トレーニングメニューの一例トレーニングメニューの一例
雪が降ってもトレーニングは続く。冬での注意点とは?雪が降ってもトレーニングは続く。冬での注意点とは?

 その指針となるベースは、パワーメーターの数値です。さらに、精神面であったり、気候であったり、環境の変化であったり、様々な数値では計れない要因もあります。例えば、祐樹さんとアメリカにいる中田さんは一定の周期でスカイプなどを利用して顔を突き合わせながら近況報告なども行っています。私もなるべく隣で聞き、状況を把握するようにしています。先日は、冬のトレーニングの特性と補給について話をしました。

冬のトレーニングで気をつけるべきこと

・寒い環境では、腰が湾曲した姿勢でのロングトレーニング、運動中の補給食の消化負担、路面から来る絶え間ない振動によって、内蔵に大きな負担がかかってくる。
・血管が縮んでいる状態で筋肉を激しく動かして酸素を毛細血管まで運ぶので、余計に負担が掛かる。
・冷たい空気を吸うことで内蔵までもが冷えてしまう。

食事面での対策

・弱りがちな腸内環境を活性化させるためにも、腸には温度が必要。
・消化の良いものをチョイス。
・トレーニング後は無理に冷たいプロテインドリンクを飲むのではなく、まずは内蔵から身体を温めるスープやみそ汁がおすすめ。おいしいと思って飲んだ方が吸収もよいことが分かっている。
・身体を冷やすといわれているコーヒーよりも、体を温める飲み物の方が良い。

トレーニング内容を共有して食事づくりに活用

冬のライドは気温よりも体感温度がさらに数度下がるので、帰宅後は身体を温めるものを優先します冬のライドは気温よりも体感温度がさらに数度下がるので、帰宅後は身体を温めるものを優先します

 季節に応じて摂取するものを変えていくことは大事ですね。早速トレーニングから帰宅した祐樹さんに白湯と、温かいお汁粉を用意。小豆はたんぱく質も豊富に含まれているのでリカバリーにとても有効な食材。トレーニング時間が長かったので、焼き玄米餅も添えてエネルギー補給も兼ねてみました。疲労が大きい場合は消化を優先し、餅を入れず、こしあんがおすすめです。

専用アプリでトレーニングメニューと合わせて、消費カロリーや強度、アドバイス、祐樹さんの感想なども見ることができます。情報の共有は大事ですね専用アプリでトレーニングメニューと合わせて、消費カロリーや強度、アドバイス、祐樹さんの感想なども見ることができます。情報の共有は大事ですね

 そして私が食事作りに活用しているのが、携帯用アプリも用意されている「TrainingPeaks」です。コーチと祐樹さんが情報を共有しているシステムで、祐樹さんのトレーニング内容や結果が管理されています。乗った時間、距離、消費カロリーが分かるので、トレーニング後にアップデートすれば、携帯からその日の強度(=疲労度)を確認し、食事作りに反映することができる――というわけです。

 グラフで疲労度合いが数値化され、予測もされているので体調管理にも役立てています。サポートする立場として「どんなトレーニングをやっていて、どんなことで相談をしているのか」を“共有する”ことの重要性と効果を感じています。

選手とサポート側の両方を支えるコーチ

2014年夏にアメリカはコロラド州で初めてお会いした中田さん。一緒にライドをしたりロードレース「USAプロチャレンジ」を観戦したりしました2014年夏にアメリカはコロラド州で初めてお会いした中田さん。一緒にライドをしたりロードレース「USAプロチャレンジ」を観戦したりしました

 コーチは、時に「頑張りすぎない」ことも教えてくれます。トレーニングを始めたばかりだと、まだシーズン中の数値との間に開きがあり、つい比べて焦ってしまう。それを「大丈夫。今は当然の数値。必ず変わってくる」と諭し、オーバートレーニングを防いでくれます。

 また、会話の中でコーチはクライアントを否定しないということに気が付きました。身内だとつい余計な一言まで口走ってしまうので、参考になります。“相談できる相手がいる”ということは、精神的にも大きな支えとなりますね。

 選手だけではなく、サポートをする私にとっても心強い存在となりました。私も中田さんに、祐樹さんと意見が合わないこと(!)や疑問に思うこと、今回のように季節に応じた注意点などを直接尋ねることができるので、少し客観的に考えられるようになったと思います。

◇         ◇

 祐樹さんの今年最初のビッグレースは、4月13日から18日に南米・アルゼンチン、チリの2カ国をまたいで初開催される「The Alpac Attack」。パタゴニアの過酷な大自然を舞台に、6日間で700kmを走破します。ステージレースとワンデーレースではまた、それまでのトレーニングもレースへの心構えも変わってきます。さて今年はどんなシーズンになるでしょうか。例年以上に楽しみです。

2015年も頑張ります!2015年も頑張ります!
池田清子池田清子(いけだ・さやこ)

アスリートフード研究家。モデル事務所でのマネージャー経験を生かし2013年夏よりトピーク・エルゴンレーシングチームUSA所属ライダー、池田祐樹選手のマネージメントを開始、同秋結婚。平行して「アスリートフードマイスター」の資格を取得。アスリートのパフォーマンス向上や減量など、目的に合わせたメニューを日々研究している。ブログ「Sayako’s kitchen」にて情報配信中。

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