イベントレポート日本の巨匠とホープが集った「2015ハンドメイドバイシクル展」で美しいフレームを堪能

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大勢の来場者で賑わった「2015ハンドメイドバイシクル展」。ビルダーの高井悠氏の普段乗りだという、ステンレスのスリーブを重ねて繋いでいる「My Dixie」も注目の的となった =東京都千代田区の科学技術館大勢の来場者で賑わった「2015ハンドメイドバイシクル展」。ビルダーの高井悠氏の普段乗りだという、ステンレスのスリーブを重ねて繋いでいる「My Dixie」も注目の的となった =東京都千代田区の科学技術館

 ハンドメイドビルダーの匠の技が光る自転車を、実際に見て楽しむことができる「2015ハンドメイドバイシクル展」が1月24、25両日、東京都千代田区の科学技術館で開催された。約40社が集結した会場では、ハンドメイドで製作された様々な自転車の展示に加えて、ビルダーやメーカーによるトークショーと座談会が行われ、和やかな雰囲気のなか昨年を上回る2433人の来場者で賑わった。

レトロからモダンまで 技術の粋が集結

 会場で真っ先に目に入ったのは、「フレームビルダーによるハンドメイドバイシクルの制作現場」と題したコーナー。パイプの切削作業から溶接、芯出しまで、フレーム製作工程が映像と写真展示で詳細に紹介されていた。

 注目の催しや出展社、展示車両を写真とともにレポートする。

エム.マキノサイクルファクトリーの「1960年代風ロードレーサー」は、30年~40年も昔のレイノルズ531というパイプで制作された1台。細部の美しい仕上がりは見飽きることがないエム.マキノサイクルファクトリーの「1960年代風ロードレーサー」は、30年~40年も昔のレイノルズ531というパイプで制作された1台。細部の美しい仕上がりは見飽きることがない
薄く鋭いラインが見事なラグ。来場者は顔を近づけてじっくりと眺めていた薄く鋭いラインが見事なラグ。来場者は顔を近づけてじっくりと眺めていた
ヘッドチューブ周りも、他にない美しさを誇る。フォーククラウンは工房の在庫から、全体の雰囲気に合うものを選んだというヘッドチューブ周りも、他にない美しさを誇る。フォーククラウンは工房の在庫から、全体の雰囲気に合うものを選んだという
25日に行われたフリートーク座談会には牧野政彦氏(エム.マキノサイクルファクトリー)や今野真一氏(今野製作所)をはじめ、10人のビルダーが参加し、来場者からの質問に答えた25日に行われたフリートーク座談会には牧野政彦氏(エム.マキノサイクルファクトリー)や今野真一氏(今野製作所)をはじめ、10人のビルダーが参加し、来場者からの質問に答えた
ドバッツの「Phoebe」は自分のペースで自転車を楽しむ小柄な女性向けに制作されたバイク。ろうを盛ってチューブをつなぐフィレット溶接だが、ラッピング技法によりラグのように見せてレトロ感を演出しているのが特徴だドバッツの「Phoebe」は自分のペースで自転車を楽しむ小柄な女性向けに制作されたバイク。ろうを盛ってチューブをつなぐフィレット溶接だが、ラッピング技法によりラグのように見せてレトロ感を演出しているのが特徴だ
絹自転車製作所の「シルク クラブ デモンタ」は、フロントフォーク・前三角・シートステーから後ろの部分へと3分割が可能。輪行でサイクリングを楽しみたい人に最適なモデルだ絹自転車製作所の「シルク クラブ デモンタ」は、フロントフォーク・前三角・シートステーから後ろの部分へと3分割が可能。輪行でサイクリングを楽しみたい人に最適なモデルだ
アマンダのビルダー、千葉洋三氏と「ロングディスタンス ファナティック」。シマノの電動コンポ「Di2」仕様のCF80+40トンのフレームに、振動吸収性を求めたホイールの組み合わせは、アマンダならではのベストチョイスアマンダのビルダー、千葉洋三氏と「ロングディスタンス ファナティック」。シマノの電動コンポ「Di2」仕様のCF80+40トンのフレームに、振動吸収性を求めたホイールの組み合わせは、アマンダならではのベストチョイス
エンメアッカの「Tritubi Jiccolo Bike」はコロンバス社のGARAチューブを採用したクロモリのフレーム。ダウンチューブが3本ある独特なデザインは、ボトルがちょうどよく収まり、BBのウィップを抑える効果もエンメアッカの「Tritubi Jiccolo Bike」はコロンバス社のGARAチューブを採用したクロモリのフレーム。ダウンチューブが3本ある独特なデザインは、ボトルがちょうどよく収まり、BBのウィップを抑える効果も

ハンドメイド新境地へ期待感

紀洋産業の「ツインサイクル」を試乗する親子連れの姿も。ペダリングする人のサドルの前に、幼児用サドルが付いている紀洋産業の「ツインサイクル」を試乗する親子連れの姿も。ペダリングする人のサドルの前に、幼児用サドルが付いている

 ハンドメイドバイシクル展は、有名ビルダーの多くが一同に会する貴重な機会であり、作り手から直接話しを聞いたり相談ができるのもこの展示会の変わらない魅力。それぞれの出展ブースには所在地や創業などの基本情報が掲示してあるが、今年は初出展のメーカーや個人出展などこの数年に創業したという新興ブランドがたくさん集まっていたのが印象的だった。

 自転車であるからには採寸や強度といった基本が整っていてこそだが、ハンドメイドバイシクルの新境地に対する期待感とエネルギーが会場内からは感じ取れた。

文・写真 齋藤むつみ

競輪用のフレームのほか、あらゆるレベルのスポーツサイクルに合わせたオーダーバイクを得意とするマツダ自転車工場の「LEVEL」。ショー用に用意したトラックレーサーは、“しのぎを削る”の言葉から“刀の鎬(しのぎ)”に見立ててラグを成形した意欲作だ競輪用のフレームのほか、あらゆるレベルのスポーツサイクルに合わせたオーダーバイクを得意とするマツダ自転車工場の「LEVEL」。ショー用に用意したトラックレーサーは、“しのぎを削る”の言葉から“刀の鎬(しのぎ)”に見立ててラグを成形した意欲作だ
「LEVEL」のクラウン部分「LEVEL」のクラウン部分
鎬(しのぎ)とは日本刀のイチバン厚みのある部分のこと。ラグの中央部分がわずかに隆起しているが、これは手作業で削りだされているのだ鎬(しのぎ)とは日本刀のイチバン厚みのある部分のこと。ラグの中央部分がわずかに隆起しているが、これは手作業で削りだされているのだ
「LEVEL」のコラムのラグ部分「LEVEL」のコラムのラグ部分
2010年創業のSunrise cyclesは、思わず足を止めてしまう印象的な2台を展示。「M's Neo-classic road」は伝統的なスタイルを残しつつ、強い個性を持ったクロモリフレーム2010年創業のSunrise cyclesは、思わず足を止めてしまう印象的な2台を展示。「M's Neo-classic road」は伝統的なスタイルを残しつつ、強い個性を持ったクロモリフレーム
大きく肉抜き加工されたエンド周りは、繋ぎあわせたパーツと溶接跡が見て取れる大きく肉抜き加工されたエンド周りは、繋ぎあわせたパーツと溶接跡が見て取れる
裏側から覗きこむとますます見入ってしまうBB周辺。ガイドを通したケーブルルーティングや完成車の姿を想像するのが楽しい1台だ裏側から覗きこむとますます見入ってしまうBB周辺。ガイドを通したケーブルルーティングや完成車の姿を想像するのが楽しい1台だ
ハンドルが途切れるように中央に備え付けられたフロントライトのアームハンドルが途切れるように中央に備え付けられたフロントライトのアーム
競輪選手のサドルからシティサイクル用まで、ハンドメイドで制作されているサドルメーカー、KASHIMAX。持ち込み生地での製作も可能だ競輪選手のサドルからシティサイクル用まで、ハンドメイドで制作されているサドルメーカー、KASHIMAX。持ち込み生地での製作も可能だ
航空機エンジンの部品や超精密機械部品などを製作している近藤機械製作所「GOKISO」から、BBが発売になる。JIS、ITA、BB30、PF BB30に対応する予定だ航空機エンジンの部品や超精密機械部品などを製作している近藤機械製作所「GOKISO」から、BBが発売になる。JIS、ITA、BB30、PF BB30に対応する予定だ
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ケルビムの「Racer Stainless」のエンド部分は肉抜き加工ケルビムの「Racer Stainless」のエンド部分は肉抜き加工
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