【カスタムバイク特集】体験!プロジェクトワン<下>画面から抜け出した「Cyclistスペシャル号」 夢のカスタムバイクと対面、そして初ライド

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プロジェクトワンの画面上で作り上げられたトレック・ドマーネ4「Cyclistスペシャル号」プロジェクトワンの画面上で作り上げられたトレック・ドマーネ4「Cyclistスペシャル号」

 ロードバイク「Cyclistスペシャル号」を、トレックのカスタムプログラム「プロジェクトワン」でオーダーしてから1カ月余り。正月休みを終え、年始の慌しさもようやく一段落ついたある日、トレックから出荷予定のお知らせが届いた。アメリカで製造されていたCyclist号が、いよいよ日本へ。そして、夢のカスタムバイクと対面する日を迎えた。(文・米山一輝)

<中>カスタムの過程を公開 絹代さんの“美人バイク”はひと足早く納車

◇         ◇

 納車の日、オーダー時にお世話になったトレックコンセプトストア「バイクプラスさいたま大宮店」(さいたま市大宮区)へ再び向かった。あいにく小雪が舞う寒空となってしまったが、心は晴れやか。到着すると、オーダーを担当してくれたスタッフの宮﨑早香さんが笑顔で迎えてくれた。そしてその奥には、燦然と輝くロードバイクが待ち受けていた!

この日も素敵な笑顔で迎えてくれた宮﨑さん。そこに並んで待ち構えていたのは…!この日も素敵な笑顔で迎えてくれた宮﨑さん。そこに並んで待ち構えていたのは…!

イメージ通りの“ものすごい色” 美しい仕上がり

 「おおお…!」

 うなる筆者、そのまま無言でバイクをのぞき込む。

 「あの…やっぱりこの色、びっくりしちゃいましたか?」

美しい仕上がりにうっとり…美しい仕上がりにうっとり…

 心配そうに宮﨑さんが声を掛けてくれたが、いえいえとんでもない。画面で作った通りの色に仕上がってきたので、感動してしまったのだ。ここまでイメージ通りのものになるとは!

 …まぁ冷静に見ると、鮮やかで濃いピンクとブルーを組み合わせた結果は、確かに“ものすごい色”になっている。しかし、おそらくこんな色は世界中で他に誰も作らないだろうと思うと、むしろ誇らしく感じられるから不思議だ。

 さて、出来上がったバイクを見ると、色のパターンは立体的に塗り分けられ、パソコンで見たシミュレーション画像よりも複雑に作りこまれていることが分かる。細部のデザイン処理や、ロゴマークなどもていねいに描かれ、実に美しい仕上がりだ。プロジェクトワンは、単に色の組み合わせを選べるだけでなく、発色やツヤを含めて塗装のクオリティーが非常に高いことも魅力なのだと実感した。

 熟練の職人が手作業で仕上げてくれる「シグネチャーシリーズ」を選択したので、塗装を担当した Ken Strahota さんによるサインがチェーンステーに入れられている。エルク(ヘラジカ)を象ったような凝ったサインを見て、また嬉しくなった。Kenさん、本当にありがとう!

トレックのマークやロゴなど、細かい部分の色も指定できる。メーンカラーはド派手だが、ロゴカラーは白と黒にして落ち着きを出したトレックのマークやロゴなど、細かい部分の色も指定できる。メーンカラーはド派手だが、ロゴカラーは白と黒にして落ち着きを出した
ベースモデル「ドマーネ」の特徴である衝撃吸収構造「IsoSpeed」(アイソスピード)部分ベースモデル「ドマーネ」の特徴である衝撃吸収構造「IsoSpeed」(アイソスピード)部分
チェーンステーに入れられたサイン。Ken Strahotaさんが塗装を担当してくれたチェーンステーに入れられたサイン。Ken Strahotaさんが塗装を担当してくれた

特別に作られた、特別な一台

 ストアを通じてオーダーされたプロジェクトワンのバイクは、トレックの工場で1台ずつ職人の手によって、指定通りのカラーでフレーム・フォークの塗装が行われる。塗装後は指定のパーツが組み付けられ、「七分組み」の状態で各ストアへと配送される。配送では通常の完成車よりも大きな、プロジェクトワン専用の箱に梱包される。特別な箱の中身は、どれ一つとして同じものはないのだ。

ペインターは個別の作業ブースで、1台のバイクの塗装作業を一貫して受け持つ ©TREKペインターは個別の作業ブースで、1台のバイクの塗装作業を一貫して受け持つ ©TREK
デカールやマスキングなど、細かい作業工程の積み重ねで、美しいペイントが完成する ©TREKデカールやマスキングなど、細かい作業工程の積み重ねで、美しいペイントが完成する ©TREK

 ストアに到着後は、スタッフが最終的な組み立てとチェックを行い、オーナーに納車される。今回の「Cyclist号」は、オーダーを担当した宮﨑さん自身が組み立ててくれたという。

プロジェクトワンは通常の完成車とは異なる、やや大きな箱に梱包されてストアへ届けられる(写真はCyclist号とは別のバイク)プロジェクトワンは通常の完成車とは異なる、やや大きな箱に梱包されてストアへ届けられる(写真はCyclist号とは別のバイク)
「Cyclistスペシャル号」の梱包をていねいに解き、組み立て作業を行う宮﨑早香さん「Cyclistスペシャル号」の梱包をていねいに解き、組み立て作業を行う宮﨑早香さん

 納車引き渡しの際には、変速・ブレーキレバーの使い方や、ホイールの付け外し方、空気の入れ方、アクセサリーの使用方法などがひと通りレクチャーされる。また、トレックのバイクには、フレームの材質上および製造上の欠陥に対して生涯保証が提供されるので、その保証書の作成も行われる。

 今回、Cyclist号のベースモデルになったドマーネ4の場合、付属品として、リフレクターや、フロント・リアエンド部に付けられるダボ金具などがオーナーの手に渡る。また、スポーツバイクの一般的な使い方が記された解説書「オーナーズインフォメーション」も用意されており、各部の取り扱い方法や一般的なメンテナンス方法、またタイヤの付け外し方などが説明されている。

保証書やオーナーズインフォメーション(解説書)が店頭で手渡される。冊子は英語版で、日本語版はCD-ROMで提供される保証書やオーナーズインフォメーション(解説書)が店頭で手渡される。冊子は英語版で、日本語版はCD-ROMで提供される
ブレーキ・変速レバーの使い方を説明する宮崎さん。初心者にとって、変速操作は最初に、最も混乱する部分だブレーキ・変速レバーの使い方を説明する宮崎さん。初心者にとって、変速操作は最初に、最も混乱する部分だ
変速方法のレクチャーは、ペダルを回して実際に操作しながら行われる変速方法のレクチャーは、ペダルを回して実際に操作しながら行われる
後輪の付け外し方法も解説。外すのは意外に簡単だが、取り付けるのは結構難しい後輪の付け外し方法も解説。外すのは意外に簡単だが、取り付けるのは結構難しい
トルクレンチを使い、各部の締め付けを最終チェックトルクレンチを使い、各部の締め付けを最終チェック

仕上げは自分好みのポジションに調整

 一連の説明を受けたあと、持参したペダルをバイクに取り付け、ストアの前でバイクにまたがって、最終的なポジション合わせを行った。乗った瞬間に、サドル高がぴったり合っていたことに感動する。「オーダーのときに採寸した高さにしておきました」と宮﨑さん。嬉しい心遣いだ。

説明もセッティングも無事に終わり、納車が完了! スタッフの宮﨑早香さん、店長の北村仁さんと喜びを分かち合った説明もセッティングも無事に終わり、納車が完了! スタッフの宮﨑早香さん、店長の北村仁さんと喜びを分かち合った

 元ロードレース選手の筆者にとってはハンドルが高めに付いていたので、ヘッドスペーサーを2センチ分抜いて、ハンドルを下げてもらった。ベースモデルのドマーネはもともとヘッドチューブが長めの設定なので、2センチ下げた後でも十分にゆったりとしたポジションで乗ることができる。このあたりのセッティングはライダーの経験や好みに左右される。

 メーターやボトルケージなどのアクセサリーにも心引かれたが、カスタマイズは今後のお楽しみとすることに。今回はこれで終了…ではない。実はバイクを受け取ったあと、筆者がさいたま市から東京・大手町の編集部まで自走するのだ!

 しかし外で降る雪は、心なしか勢いを増しているような…

 「大丈夫ですか…?」と宮崎さん。

 「大丈夫です! 気のせいです!」

 もちろん気のせいではないのだが、選手時代に何度か体験した、豪雨、極寒といった笑う気も起こらない悪コンディションを思えば、この日の天候は十分に楽しく走れる範囲内だ。同行した編集長に荷物を預け、バイクプラスさいたま大宮店を後にした。

宮崎さんに見送られて、いざ東京・大手町へ出発。画面の白いものは…気にしない!宮崎さんに見送られて、いざ東京・大手町へ出発。画面の白いものは…気にしない!

さいたま~東京・大手町へ 雪の中を初ライド

 さいたま市から大手町の編集部まで、距離にして約30km。新品のまだ乗り慣れないバイクなので、比較的走り慣れているルートを選んだ。JR北浦和駅付近を通って国道17号へ抜け、東大前、御茶ノ水駅を通って、大手町へと至る道すじだ。

 最初は恐る恐るだったが、徐々にバイクが身体に馴染んできた。自分用にオーダーしたのだから当然だが、フレームもパーツも最初から自分に合った状態である。どんどん走るのが楽しくなってきたが、まだ初日、しかも悪天候ということもあって、はやる気持ちを抑える。交通量も少なくないので、とにかく安全運転だ。

国道17号線・戸田橋を渡ればいよいよ東京都だ国道17号線・戸田橋を渡ればいよいよ東京都だ
東大・赤門前にて。ここまで来れば、大手町までもう少し東大・赤門前にて。ここまで来れば、大手町までもう少し

 途中、雪が少々強くなってきた。積もるほどではないので雨よりは辛くないのだが、雪の粒が固く凍っているようで、顔や目に当たって痛い。ネックウォーマーを鼻まで上げ、ヘルメットを目深に被ってしのぐ。荒川を渡って都内に入ると、再び雪は弱くなってきた。

 濡れて滑りやすい路面、冷たい風、平日の街を行き交うクルマの列…とストレスの多いライド環境だったが、Cyclist号のベースモデル「ドマーネ4シリーズ」は安定感に優れ、乗り心地は滑らか。初めてのライドであっても、安心感や、バイクへの信頼感を抱きながら走ることができた。

 途中、サドル位置の微調整や写真撮影をはさみつつ、1時間半余りで大手町に無事到着。気温は少々低かったものの、それほど冷えも濡れもせずに走りきることができた。

無事、編集部のある大手町に到着!無事、編集部のある大手町に到着!

「Cyclistスペシャル号」の物語が、これから始まる

編集部がある産経デジタルに到着した「Cyclist号」は注目の的。社員が次々に集まり、興味津々でのぞき込んだ編集部がある産経デジタルに到着した「Cyclist号」は注目の的。社員が次々に集まり、興味津々でのぞき込んだ

 編集部に“凱旋”したCyclist号は、もちろん社内でも注目の的となった。筆者が真新しいバイクをオフィスへ持ち込むと、社員が次々に集まり、拍手で迎えてくれた。ものすごいカラーリングに驚きの声も多いが、ウェアと組み合わせると、ちょうど良い感じに収まるので、なかなか好評だ。めでたしめでたし。

 <完>

 …ではない。バイクの完成はあくまで物語のプロローグ。ここからが楽しみの本番だ。この目立つバイクで、今年はどんどん走るぞ! サイクリングイベントなどで見かけたら、気軽に声を掛けてくださいね。

【取材協力 トレック・ジャパン、バイクプラスさいたま大宮店】

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