【カスタムバイク特集】体験!プロジェクトワン<中>「Cyclistスペシャル号」カスタムの過程を公開 絹代さんの“美人バイク”はひと足早く納車

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 Cyclist編集部のジャージに合わせてデザインしたロードバイク「Cyclistスペシャル号」を、トレックのカスタムプログラム「プロジェクトワン」でオーダーしてから、はや半月が過ぎた。実車が完成するまで、もう少し。待ちきれない思いを抱きつつ、ここで「Cyclist号」の仕様を振り返り、改めてプロジェクトワンの仕組みやオーダー方法を解剖してみよう。 (文・米山一輝)

<上>「Cyclistスペシャル号」を作ろう ドキドキのオーダーに挑戦

前回、「バイクプラスさいたま大宮店」でロードバイクをオーダー。店舗スタッフの宮﨑早香さんと一緒にニッコリ!前回、「バイクプラスさいたま大宮店」でロードバイクをオーダー。店舗スタッフの宮﨑早香さんと一緒にニッコリ!

 前回の記事では、プロジェクトワンを取り扱うサイクルショップ「バイクプラスさいたま大宮店」を訪ねて、採寸をしながらサイズを決めたり、パソコンの画面でカラーを決めた過程を中心に紹介した。しかし、フレーム以外のドライブトレイン、ホイール、ハンドル、サドルなどのパーツ類を選択する場面にはあまり触れることができなかった。今回は、フレームやカラーの選択肢や、パーツ類の選択方法をさらに具体的に示していきたい。

すべてはここから始まる モデル選択

 まず最初に、カスタマイズをするモデル(車種)を選択する。現在、プロジェクトワンに対応しているのは全12モデル。ロードは「エモンダ」「マドン」「ドマーネ」の主要3シリーズと、女性用ロード「シルク」、TTバイク「スピードコンセプト」。MTBはハードテールXCとフルサスXCの「スーパーフライ」、29erトレイルバイク「フューエルEX」だ。

 ロードのマドンとMTB3車種はハイエンドモデルのみだが、他のシリーズではトップグレードとサードグレード(無い場合はセカンドグレード)が選択可能。以前はハイエンドのみの特権だったプロジェクトワンだが、昨年からミドルグレードにも対応モデルが広げられ、より多くのユーザーにカスタマイズの楽しみを提供できるようになった。

シグネチャーシリーズで選べるカラーリングの数々。カラーコンビネーションも選択可能だシグネチャーシリーズで選べるカラーリングの数々。カラーコンビネーションも選択可能だ

 トップグレードとミドルグレードの違いは、もちろんフレームは異なるのだが、選べるカラーリングも違ってくる。まず、基本となる塗り分けパターンが同じではないし、トップグレードでは、熟練の職人が手作業で仕上げてくれる「シグネチャーシリーズ」で選択できるカラーリングも、より凝ったものが用意されている。エアブラシのテクニックを駆使した、アートの領域まで達するようなカラーリングは、やはりトップグレードの特権なのだ。

カラーリングを極める トレックのこだわり

 シグネチャーシリーズでは、フレームの塗装を担当した職人のアーティストサインをフレームに入れることができる。これはシグネチャーシリーズの塗装作業において、一つのフレームに対し一人の職人が一貫して担当することの表れでもある。

 トレックがグローバルなバイクメーカーとしては画期的なカスタムバイクプログラムを、「プロジェクトワン」として世に送り出したのは2001年。大量生産のラインを乱すリスクを冒しながら、その大胆な挑戦は年を追うごとに支持を広げてきた。

 増え続けるプロジェクトワンの需要に応えるため、トレックはついに本拠地である米国ウィスコンシン州ウォータールーに、全く新しい大規模ペイント工房をオープンさせるに至った。プロジェクトワンに関わるペインターたちには、個別の広い作業空間が与えられ、それぞれの作業に集中することができる。

トレックのペイント工房でジェイソンが塗装したプロジェクトワンのロードフレーム ©TREKトレックのペイント工房でジェイソンが塗装したプロジェクトワンのロードフレーム ©TREK
シグネチャーシリーズには、ペインターのアーティストサインの記入を選択できる ©TREKシグネチャーシリーズには、ペインターのアーティストサインの記入を選択できる ©TREK

 ペイントブースはガラスの壁で囲まれ、ペインターはこのブースに入る前に、紙製のツナギを着て、エアシャワーをはじめとする汚染除去を行い、埃や不純物を徹底的に取り除く。病院の手術室と同様のクリーンな環境に保たれたブースで、ペイントの行程が進められている。

 完成したフレームのチェーンステーのつけ根に、一つ一つ手書きで入れられるペインターのシグネチャー(記名)は、仕事に対する責任と誇りの表れだ。

◇         ◇

 「Cyclistスペシャル号」のオーダーよりひと足早く、サイクルライフナビゲーターの絹代さんも「プロジェクトワン」でロードバイクをオーダーし、12月に無事、納車されました。絹代さんから、プロジェクトワンで作った愛車の感想や、オーダー時のアドバイスについて、メッセージをいただきました。

■見たこともないくらい華やかなフレーム! 絹代さんのプロジェクトワン

 プロジェクトワンでオーダーした自転車が完成しました!

絹代さんと、プロジェクトワンで出来上がった愛車絹代さんと、プロジェクトワンで出来上がった愛車

 車種は女性専用設計のロードバイク「シルク」。最初は既製のラインナップから選ぼうと思っていたけれど、どうせなら、世界に一台、自分だけのものを作ろうとプロジェクトワンを選択しました。
 
最近、ロードバイクに乗る女性が増えてきたこともあり、女性ならではの華やかさを表現できるようなバイクにしたい。さらに、プロジェクトワンでなければできないものにしたいと思い、デザインは最も“プロジェクトワンらしい”炎のモチーフを選びました。ただし、いかにも炎に見せるのではなく、マーブル模様や花のようにも見えるような配色を、考えに考えてオーダーしました。
 
ウェブ上で見るのと、実際の塗装とはイメージが異なることがあるので、店舗で色見本を見せてもらうことを強くおススメします。ウェブ上ではパールのある/なしや細かいトーンの差は表現しきれないようです。私は、バイクを組んでくれた「バイクプラス港北N.T.店」で色見本を借り、アドバイスをいただきながら配色を決めました。
 
かなり攻めたカラーリングだったのでドキドキしたけれど、実際に出来上がったフレームと対面して、感動! 見たこともないくらい華やかなフレームに仕上がっていました。

 メーンコンポが黒系の色であること、そして高級感を出したいことから、サドルやステムといったパーツ類は黒を選びました。ただし、アウターケーブルのカラーは赤をセレクト。このパーツの色も、バイクのイメージをかなり大きく変えるので、慎重に選んだ方がいいですよ! サドルはこれまでのものより、ちょっとレーシーなタイプにしました。これがラメっぽくて、すごく映えました!
 
最終的に仕上がったバイクは、まさに世界に一台という存在感を放っています。実はちょっと不安だったけど、思い切ってこのパターンを選んでよかった! 気品があって、強くて、華やかで、とても美しいバイク。私は「美人バイク」と呼んでいます。
 
ファーストライドは、四国・高知の四万十川。緑にも、川や海の景色にも、すばらしく映えました。自然豊かな場所を走ることが多いことから、緑の景色の中で映えるデザインを計算したので、作戦成功です! トレック「シルク」自体の乗り心地のよさは、もはや言うまでもないのですが、見た目がよいことでライドは何倍も楽しくなります。
 
バイクに乗ることを楽しみたいなら、プロジェクトワンを選ぶ価値は十分にありますよ!

(サイクルライフナビゲーター 絹代)

バイクの心臓部 ドライブトレイン

 フレームの仕様が固まったら、次はドライブトレインの選択だ。ロードではグループセットでの選択となり、シマノのデュラエースから105まで、Di2(電動変速)を含めた5グレードと、スラムの「レッド」「フォース」という上位2グレードが選択可能だ。トップグレードにあたるデュラエース、デュラエースDi2、レッドに関しては、SRM(パワーメーター)のインストールもOK。以前はカンパニョーロのコンポを選べた時期もあったが、現在はメニューから外されている。

プロジェクトワンのロードバイクで選択可能なグループセットプロジェクトワンのロードバイクで選択可能なグループセット

 Cyclist号はアルテグラ6800(ワイヤー変速)を選択した。実のところハイエンドのデュラエースとセカンドグレードのアルテグラは、価格差ほどの性能差は感じられないし、真っ先に新機軸を投入してデビューするデュラエースよりも、その1年後に細かい改良を織り込んで登場するアルテグラの方が、設計がこなれている部分もあるからだ。電動コンポのDi2を選ばなかったのは、いつか充電を忘れる自信があるため。そして現行のシマノのワイヤー変速モデルは、ほぼ究極と言ってもいいほどの性能に達しているからだ。

目的や使用環境に合わせたホイール選び

ツール・デ・フランドル2014を制し、大会2連覇を果たしたトレック ファクトリーレーシングのファビアン・カンチェッラーラ(右)。彼もボントレガーのホイールをいつも愛用している (砂田弓弦撮影)ツール・デ・フランドル2014を制し、大会2連覇を果たしたトレック ファクトリーレーシングのファビアン・カンチェッラーラ(右)。ボントレガーのホイールをいつも愛用している(砂田弓弦撮影)

 ホイールは、トレック社のパーツ・アクセサリーブランドである「ボントレガー」製の幅広いラインナップから選択できる。その対象となるのは、カーボンディープリムの「Aeolus」(アイオロス)シリーズと、アルミ/カーボンディープの「Aura」(オーラ)、そしてアルミリムの「Race」(レース)の3シリーズ。アイオロスシリーズでは、リムのロゴデカールやスポークの色まで選択可能だ。

 タイヤはチューブラーホイールの場合は「Race XXX Lite」の一択。クリンチャーホイールの場合は「R3」、「R4」、「R3 TLR」から選択可能。レース仕様はR4だが、R3は6色のカラーバリエーションが魅力。TLRはチューブレスレディ仕様となる。

 ちなみにトレックやボントレガーでは、「数字が大きいほど上級グレード」という法則がある。つまりドマーネ4より6の方が、タイヤはR3よりR4が上級。また、「Race(R)」→「Race Lite(RL)」→「Race X Lite(RXL)」→「XXX」、というランク分けもあり(XXXが最上級)、これを覚えておけばモデル名を見るだけで、おおよそどのくらいのグレードなのかを判断できる。

Aeolus 5(左)と、Race X Lite TLR(右)Aeolus 5(左)と、Race X Lite TLR(右)

 Cyclist号ではホイールをRace X Lite TLR、タイヤをR3(ブルー)とした。さまざまなイベントへ参加することを想定すると、若干ハードな(手荒な)扱いも避けられないことから、丈夫でトラブルが起こりにくいアルミリムのホイールを選んだ。タイヤはカラーリング選択可能なR3。プロレベルのレースタイヤのR4ほどではないものの、重量は190gと十分に軽く高性能なタイヤだ。

個性を演出するコンポーネント

 続いて「コンポーネント」、すなわちハンドル、バーテープ、ヘッドセット、ステム、シートポスト、サドルなどのパーツ類を選んでいく。ヘッドパーツ(ケーンクリーク)以外はボントレガー製だ。ドロップハンドルは振動吸収パッド「IsoZone」を組み込んだモデルもある。形状としては125mmドロップ・85mmリーチのVR-C(可変半径コンパクト)と、120mmドロップ・70mmリーチのVR-S(可変半径ショート)の系統に大別される。末尾にFが付くとフレア(ドロップ先端が広がった)形状となる。

ドロップバーの形状比較チャート。F(フレア)はドロップバー先端がハの字状に広がるドロップバーの形状比較チャート。F(フレア)はドロップバー先端がハの字状に広がる
Race Lite IsoZoneは、IsoZoneフォームパッドをバーの構造に一体化させ、振動を20%低減させるRace Lite IsoZoneは、IsoZoneフォームパッドをバーの構造に一体化させ、振動を20%低減させる

 バーテープは3種類から選べるが、15色のカラーバリエーションが選べる「Gel Cork」テープが楽しい。ステムはRace X Lite(アルミ)と、Race XXX Lite(カーボン)から選択可能だ。シートポストは現在は種類は選べず、シートマストキャップの場合に黒と白を選べるのみだ。

さまざまなバリエーションのサドル。左上よりAffinity、Serano、Paradigm、Team Issue、Ajna WSDさまざまなバリエーションのサドル。左上よりAffinity、Serano、Paradigm、Team Issue、Ajna WSD

 サドルはパフォーマンスシリーズから、快適性と効率性を両立するポジションとなる「Affinity」シリーズと、深い前傾姿勢となるアスリート向けの「Serano」シリーズ、両者の中間となる穴あきの「Paradigm」シリーズ、トレック ファクトリーレーシングと共同開発した「Team Issue」、女性向けの「Ajna WSD」シリーズが選択可能だ。全てのモデルで黒と白の色選択可能なのがうれしい。

 Cyclist号では、ハンドルバーをRace X Lite(ホワイト)、バーテープをGel Cork(クリスタルブルー)、ヘッドセットをCane Creek IS2 carbon、サドルをinForm Serano RLとした。おおよそ標準どおりだが、サドルのみ前傾姿勢を深く取れるものを選んだ。

 バイクを組むにあたって必要なものは以上だが、追加アクセサリーとしてペダル(ガーミン・ベクター)、サイクルコンピューター(ボントレガー、SRMなど)、ボトルケージ、Duotrapセンサーなどが選択可能だ。このあたりは必要であれば付ければいいだろう。

 なお、カラーやコンポーネントやなどのオプションは、トレック社の世界的な生産システムの都合により、事前の告知なしに変更される場合があるとのこと。欲しいオプションがある場合は、早めのオーダーがオススメだ。

次回はいよいよ納車の予定

 Cyclistスペシャル号をオーダーした過程を、できる限り詳しく紹介してきた。あとは、読者の皆さん自身で、プロジェクトワンのウェブページを訪ねてオーダーのシミュレーションをしてみてほしい。想像以上に幅広い選択肢が用意されていることに驚くとともに、どんなパーツを選ぼうか、きっと迷ってしまうことだろう。それもまたカスタムプログラムの楽しみなのだ。

 Cyclistスペシャル号が出来上がってくるのは1月前半の見通し。納車の日は、ショップからその足でライドに出かけるつもりだ。そして真っ先に、読者の皆さまにプロジェクトワンの乗り味をお伝えしたい。

<下>夢のカスタムバイクと対面

【取材協力 絹代さん、トレック・ジャパン】 

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