初めて語った引退後のビジョン「欧州での経験を伝え、日本の皆さんに恩返ししたい」 宮澤崇史さんインタビュー

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Cyclistのインタビューに応じる宮澤崇史さんCyclistのインタビューに応じる宮澤崇史さん

 今シーズン限りで現役ロードレース選手を引退した宮澤崇史さん(36)がCyclistのインタビューに応じ、今後は自らの競技経験を自転車業界やレース界に還元していきたいと意気込みを語った。また、欧州での生活、さらには母に肝臓の一部を提供したドナー(臓器提供者)としての経験なども「皆さんの役に立つなら伝えたい」と述べ、企業・団体への講演やセミナーなどを通じて積極的に貢献したいという考えを示した。

自転車の本場・欧州で得た知見を日本へ

サクソ・ティンコフ時代の2012年、ジャパンカップで集団をけん引サクソ・ティンコフ時代の2012年、ジャパンカップで集団をけん引

 宮澤さんは高校卒業後にイタリアへ留学し、その後も日本と欧州のチームを行き来しながら競技を継続。2007年アジア選手権ロード優勝、2010年には全日本選手権ロードを制するなど、日本を代表するスプリンターとして活躍した。また2012、13年にはUCI(国際自転車競技連合)登録プロチームのサクソバンク(13年はサクソ・ティンコフ)に所属し、世界トップクラスの選手たちと競った。一方、2001年に肝臓の一部を母親に生体移植で提供したことでも知られている。

現役最後のシーズンとなった2014年はヴィーニファンティーニ・NIPPO・デローザで走った (田中苑子撮影)現役最後のシーズンとなった2014年はヴィーニファンティーニ・NIPPO・デローザで走った (田中苑子撮影)

 インタビューで引退後の“第2の人生”に触れた宮澤さんは、18年間に及ぶプロ選手生活で得た知見、特に日本の自転車界の現状について、「僕が『もっとこうなった方がいいのではないか』と思っていることを周りの人にも伝え、感じてもらいたい」と語った。例えば、レース中のチームの動きやレースへのアプローチなど若手選手の育成についての考えも、サイクルスポーツの本場・欧州での経験を反映させたいという。

 また宮澤さんは、自転車関連メーカーの商品開発やPRにおけるアドバイザリー業務、各種イベントへの出演、サイクルショップ主催イベントへの協力―なども引き受けていく考えだ。「経験を生かし、一般サイクリストが持っている疑問をインプレッションやセミナーを通して解決する手伝いができれば」と話し、自転車業界におけるあらゆる事柄に、これまで以上に関わり、期待に添いたい考えだ。

企業・団体向けの講演にも対応

 自転車競技への貢献では、クラブチームの監督・コーチを請け負うことも視野に入れているという。宮澤さんは「依頼があれば、チームのマネジメント業務から選手育成、監督業、コーチングまで、できることを引き受け、選手時代に培ったノウハウや感性をよりより自転車界の創造につなげたい」と話した。

宮澤崇史さん宮澤崇史さん

 ただ、選手育成については「若いというだけで過度な期待をするのは、そもそも間違っている」とも指摘。ステップアップの近道や抜け道を作るのではなく、実力ある若者を本場・欧州の地へ送り込んでも自立できる体制作りに取り組む考えだ。

 セミナーや講演については、サイクリスト向けでも、企業・団体向けでも対応するという。ロードレースの話題以外にも、生体肝移植からの復帰、スポーツ選手の食生活やコンディショニング、基本的なトレーニング―など、幅広いテーマを語れるのが宮澤さんの魅力だ。

 イベントやセミナーについての依頼は、宮澤さんのオフィシャルサイト「bravo」の事務局(bravo@info.com)が受け付ける.

(聞き手 上野嘉之) 

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