工具はともだち<62>メンテナンスで肝心な「トルク」の値を決めるのは「工具に加える力」と「工具の長さ」

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KTC「6.3sq.プレセット型トルクレンチ」。今回は「トルク」についての復習ですKTC「6.3sq.プレセット型トルクレンチ」。今回は「トルク」についての復習です

 この季節は、寒さの関係で活動が鈍くなりそうですが、Cyclist読者の皆さんは精力的に活動されていることでしょう。愛車と向き合ってメンテナンスしてみたり、新しいパーツを買ってみたり、工具が活躍する機会が増えそうな時期でもあります。

 「寒いのに~」と思われる方も多いかと思いますが、意外に二輪雑誌などでは、メンテナンスはこの時期の鉄板コンテンツだったりもします。メンテナンスの不十分な自転車に乗ると、走り出してからの数km区間が、一番トラブルが発生しやすいんですよね。ある自転車パーツメーカーの方も「メンテナンス経験が浅い参加者が多い大会は、特にトラブルが多い」と、おっしゃってました。

トルクだけでなく素材にも注意

 メンテナンスの肝は、最適な部品、用品を適正に取り付け、良い状態を保つこと。そのためにも、理解しておいていただきたい仕組みをご紹介します。

 ねじ(ボルト・ナット)には、適正に縮むことができる範囲を示すトルクがあります。それらは、JISで目安となる値が提示されていますので、ねじの太さなどの種類ごとに調べてみてくださいね。最近ではホームセンターのねじコーナーでも、サイズやトルクの参考になるような資料が置いてあるようです。

 ただ、それらの値はあくまでも一つの参考であり、締め付ける対象物の素材や形状などにも左右される、ということも合わせてご理解下さい。

トルクとは「ねじに与えられる回転力」

 ところで、肝心の「トルク」ってどのようなものか、お分かりですか?念のため、復習しておきましょう。

 ねじの締め付けを例に説明をすると、図のように工具を使った場合、工具にある力(F)を加えたときに、ねじに与えられる回転力(T)がトルクなんです。そもそも、ねじが締まるということは、座面の摩擦力やねじ部の摩擦力が大きく起因しますが、この「トルク」を代用とした締め付けの管理も重要となります。

 数学が苦手な方は、頭が混乱してしまうかもわかりませんが、簡単に数式を説明すると

 F(力)× L(長さ)= T(トルク)

 といった計算式になります。ですので、高いトルクで締め付けを行うには、長さを確保する、もしくは、工具類に加える力を大きくすることになります。

 高いトルクで締め付けるために「じゃあ、工具類を長くすればいいのか」と、特に非力な方なら、思われるかもしれません。それは、その通り。しかし、工具本体は、機能を最優先にした形状、寸法とされていますので、むやみに長いものを使ってしまうと、細い部分や、力が集中してしまう部分から、破損してしまうなんてこともあります。楽せずルールを守って、安全なトルクでの締め付けを心がけてくださいね。

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小池覚(こいけ・さとる)

KTC(京都機械工具)へ入社後、販売企画や商品開発に携わる。学生時代から二輪、四輪が趣味で、整備経験が豊富。自転車は実は始めたばかりだが、工具のプロとして、サイクリストにも整備の“いろは”を伝えることに燃えている。

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