【カスタムバイク特集】体験!プロジェクトワン<上>トレックのカスタムプログラムで「Cyclistスペシャル号」を作ろう ドキドキのオーダーに挑戦

  • 一覧

 2014年も押し詰まり、来年の予定や目標がいろいろと話題にのぼる今日この頃。Cyclist編集部は来る2015年、ライドイベントにもっとたくさん出場し、体験取材を増やしたいと考えている。そこで編集部として、元レーサーで実走経験が豊富な私・米山に取材用バイクを新調することになった。ただ、出来合いのバイクを買ってくるのでは面白くない、ということで、トレックのカスタムプログラム「プロジェクトワン」を利用して、世界で1台のスペシャルバイクを仕立てることに。ドキドキのオーダーに挑戦します。 (文・米山一輝 写真・上野嘉之)

「自分だけの1台」を作るプロジェクトワン

 「来年はもっと走れ!」

 晩秋のある日、編集長の思いつきが鶴の一声としてとどろいた。確かに今年は、去年やその前の年に比べ、自転車に乗ってイベントを体験取材する機会は減ったような気がする。これではイカン。デスク上だけで自転車を語るなかれ。

 「米山君はレースとかロングライドとか何でも走れるのだから、これを機に1台買っちゃえば?」

 「え、いいんですか? 作っちゃいますよ?」

 「その代わり、ちゃんと取材に行ってくれよ」

 こうして始まった今回の企画。“社用車”とはいえ、どうせ自分に合ったバイクを組み上げるなら、とびっきりのオリジナルを…ということで、カスタムオーダーシステムを使って「Cyclistスペシャル号」を作り上げるのだ。

「プロジェクトワン」のカスタマイズ画面「プロジェクトワン」のカスタマイズ画面

 カスタムオーダーバイクと言えば、プロショップでフレームを単体で買い、パーツを細かく指定していって…という流れが一般的たが、その場合、デザインやカラーパターンが限られてしまう。一方、メーカーが自ら用意しているカスタムオーダーシステムには、フレームのカラーパターンを選べる仕組みもあり、まさに自分だけのオリジナルデザインに仕立て上げることができる。

 そのなかで今回は、トレックのプロジェクトワンを選択した。筆者はこれまでトレックのロードバイクを何台も試乗し、そのどれもが納得のいく走行性能や乗り心地であった点が、プロジェクトワンへの期待につながった。ハイエンドだけでなくミドルグレードまで、トレックの主要な車種をカバーしていることや、Webサイト上でカラーリングや価格、パーツの見た目も含めたシミュレーションが可能なこともポイントだ。

 上記のウェブページで、試しに色々な組み合わせをシミュレーションしてみたが、それだけでもなかなか楽しい。実際には買えないような派手な色合いや高額パーツでも、とっかえひっかえ試すことができるので面白い。

実際のオーダーは店頭へ

開放的な「バイクプラスさいたま大宮店」。店の前にはたっぷりの駐車場とバイクラック。さいたま市内だけでなく、東京都内や群馬県からも来店があるという開放的な「バイクプラスさいたま大宮店」。店の前にはたっぷりの駐車場とバイクラック。さいたま市内だけでなく、東京都内や群馬県からも来店があるという

 シミュレーションはオンライン上で好きなだけ行なうことができるが、プロジェクトワンの実際のオーダーは、トレックが認定する取扱店で行なうことになる。今回は、初心者から上級者まで幅広い層に支持され、さいたま市にありながら東京都内や群馬県からも来店があるというトレックコンセプトストア「バイクプラスさいたま大宮店」に、オーダー過程の取材に協力していただくことになった。

 「ツール・ド・フランスさいたまクリテリウム」で有名なJRさいたま新都心駅から徒歩15分、産業道路沿いの店舗は目の前に10台分の駐車場を備え、一般的な“街の自転車店”のイメージを覆すような、大きくて明るい店構えだ。

 お店に着くと、店舗スタッフの宮﨑早香さんが明るく出迎えてくれた。今回のオーダーを担当してくださる宮﨑さんは、20歳を過ぎてからスポーツバイクに魅了され、好きが高じて全く違う業種から自転車プロショップに転職したという行動派。バイクの組み立てなどメカニックも一通りこなしてしまう。

 筆者がロードに乗り始めた頃って、こんなに広くてきれいな店舗で、親切な女性スタッフが迎えてくれることなんて、まずあり得なかったよなぁ、いい時代になったなぁ…と、この時点ですでに目からボロボロとウロコが落ちる気分だ。

スタッフの宮﨑早香さんと、店長の北村仁さんスタッフの宮﨑早香さんと、店長の北村仁さん
トレック・コンセプトストアとして、店内にはトレックの幅広い製品が並ぶトレック・コンセプトストアとして、店内にはトレックの幅広い製品が並ぶ

 さて、早速オーダーにかかろう。“社用車”に対する編集長からの注文は3つ。

【1】ポタリングからロングライド、ホビーレースまで、1台でマルチに対応できること
【2】メンテナンスの手間や、部品交換のランニングコストが少なく、実用性が高いこと
【3】多くの読者の購買意欲にかないそうな金額に抑えること

 その上で、Cyclistらしいカラーに仕上げろ、とのことだ。

 まずはベースモデルを選ぶ。男性向けロードバイクであれば、軽さが自慢の「エモンダSLR」「エモンダS」、オールラウンドモデル「マドン7」、衝撃吸収性と走りの安定性が高い「ドマーネ6」「ドマーネ4」からカスタマイズが可能だ。

 ホットなのは今年登場したばかりの軽量なエモンダだが、筆者はドマーネ4を選択した。これまでの試乗経験から気に入っていたドマーネシリーズは、長距離を快適に走りたいという考えにかなう。そもそも上りは好きではない!ので、上りが軽快なエモンダに乗ったところで、自ら好んで峠を走りに行くことはない…という計算もある。

魅惑の(誘惑の?)プロジェクトワンコーナー魅惑の(誘惑の?)プロジェクトワンコーナー
展示車は特別カラーのホワイト・スパルタカスのドマーネ展示車は特別カラーのホワイト・スパルタカスのドマーネ

 ただ、選手時代のように走り込むことはないので、あのファビアン・カンチェッラーラ選手(トレック ファクトリーレーシング)が実戦で使用している最高級モデルのドマーネ6は、さすがに身に余る。金額的にも100万円クラスとなるだろう…編集長の困り顔が脳裏をよぎった。それよりも低価格のドマーネ4は、軽さや、レース環境での反応性こそドマーネ6に及ばないが、ほぼ同様の快適な乗り味を実現している優秀なミドルグレードのバイクだ。

 宮﨑さんによると、最近はエモンダシリーズが人気だそうだが、必ずしもハイエンドモデルばかりではなく、ミドルグレードのカラーカスタム版としてプロジェクトワンを利用するお客さんも少なくないという。オーダーに至るきっかけもさまざま。最初から注文する仕様をプリントアウトして持参する「指名買い」もあるが、店舗内に設けられたプロジェクトワンコーナーを見て興味を持ち、何度か来店しつつオーダーに至ることも多いという。

心躍るフレームカラー選び

画面上と実際の色は異なる場合があるので、カラーサンプルで確認しながら選んでいく画面上と実際の色は異なる場合があるので、カラーサンプルで確認しながら選んでいく

 ベースとなる車種(フレーム)を選んだら、次にフレームカラーを選択する。あらかじめペイントのパターンが決まった「セレクトシリーズ」もあるが、せっかくオーダーするのだから、ライダーの好みのカラーリングを熟練の職人が手作業で仕上げてくれる「シグネチャーシリーズ」にしたいところだ。ちなみにトレックはシグネチャーシリーズについて、2015年2月1日まで、2万円OFFキャンペーンを実施している。

 カラー選択で筆者が狙ったのは、Cyclist編集部のウェアに似合うカラーリングだ。

このCyclistウェアーに似合うデザインが欲しい…このCyclistウェアーに似合うデザインが欲しい…

 ウェアは、いつもインプレッション取材や実走取材で着用しているもので、ブルーとピンクをあしらった明るく元気なデザイン。

 これに合わせて、フレームを複数の色で塗り分けたいので、塗装パターンは各カラーの面積が大きい「Paterberg」を選択した。3つの塗りの部分はそれぞれ45色から選べるので、その組み合わせに限っても9万通り以上のパターンが存在することになる。パーツのチョイスなど全体の組み合わせの数は…考えるのはよそう。個人的な好みを言えば赤系が好きな筆者であるが、今回は「Cyclist号」ということで、思い切った色を選んでみた。

完成した「Cyclist」カラー!!完成した「Cyclist」カラー!!

 ジャーン。どうでしょう?

これでバッチリ。スマイル!これでバッチリ。スマイル!

 シアンとフランミンゴピンクの大胆な組み合わせは、Cyclist編集部のウェアにピッタリだと思いませんか? ちょっと派手めだけれど、ウェアと統一されたデザインなので、それを着て乗ってこそ相乗効果を発揮するはず! こんな風にバイクをチームウェアとコーディネートできるのも、カスタムオーダーの醍醐味です。

オンラインではできない入念なフィッティング

サドル高をセットサドル高をセット
股下測定中…股下測定中…

 カラーリングが決まったら、今度はサイズ合わせを行なう。ここはオンライン上のプロジェクトワンでは選べない部分だ。

 まずは股下の長さを測って、フレームのサイズを検討する。筆者は、身長と股下の寸法からみると540か560か微妙なようだったが、実際に店内の展示車にまたがってみて、おおまかなサドルの高さやトップチューブの長さが合っていると感じた540を選択した。ステムが長い方がカッコいいしね。宮﨑さんが持ってきてくれた同じサイズのドマーネをローラー台にセットして、いよいよ各部のサイズを詰めていく。

 最初にサドル高を調整。だいたいの高さで、またがってペダリングしてみる。

 宮﨑さん「どうですか?」

 私「気持ち、高いような気が…」

 すると宮﨑さんが何やらアンテナのような器具を取り出し、脚に当ててチェック。そして一言、「確かに、気持ち高いですね」。

脚が伸びきったときの膝の角度を器具でチェック脚が伸びきったときの膝の角度を器具でチェック

 そんなことが分かるんだぁ! 聞くと、ペダルが一番下に来たときの膝の角度が、145度くらいになるのが大体ちょうど良いのだそうだ。サドル高が決まったあとは、膝とペダル軸の位置関係から、サドル(お尻)の前後位置を決める。そしてハンドルの前後位置を、肩や腰の角度を見ながら決めることで、ステムの長さが割り出される。

 初めてロードバイクを購入する人はもちろん、2台目以降という人にも、このフィッティング作業は行なわれる。自己流で変なポジションのままオーダーすることを避けられるし、もちろん個人差や好みを汲み取って念入りに調整することも可能だ。

 スポーツバイク、特にロードバイクのポジション合わせはミリ単位のシビアなもの。やはりプロショップのスタッフと共に、体と頭を使って相談しながら決められる環境が安心だし、最終的に満足できる1台に結実する。プロジェクトワンがオンライン上だけで注文を完結させない大きな理由が、ここにある。

腰の角度チェック腰の角度チェック
肩の角度チェック肩の角度チェック
肩幅からハンドル幅を決める肩幅からハンドル幅を決める

ディティールを作りこむパーツ選び

 サイズがひと通り決まったら、再びパソコンの前に戻り、コンポーネントや細かいパーツ類を決めていく。

コンセプトストアは各種パーツも店頭にあるので、実物を見ながら選べるのがメリットコンセプトストアは各種パーツも店頭にあるので、実物を見ながら選べるのがメリット

 メーンコンポはシマノ・アルテグラ。シマノのコンポではセカンドグレードだが、実際はプロチームも使用しているレース対応の高性能機材であり、最高級グレードのデュラエースとの性能差は価格差ほど大きくないという判断だ。人気の電動コンポではなく手動をチョイスした理由は、「コンマ数秒の変速スピードや極限状況でのストレスフリーは、今の僕には必要ない」と言っておこう。本当はズボラなので充電を忘れそうだから…である。

 ホイールは、アルミクリンチャーリムの選択肢の中で最高級となる「ボントレガー Race X Lite TLR」を選択。レースに対応できる軽さや回転性能は重視しつつ、輪行でライドイベントに参加するケースなどを想定し、現場での取り扱いが容易なアルミリムとした。

パーツの細かい色選択も、こだわりポイント。上が変更前、下が変更後。統一感と遊び心をねらったパーツの細かい色選択も、こだわりポイント。上が変更前、下が変更後。統一感と遊び心をねらった

 パーツ類は原則として、トレック社のパーツ・アクセサリーブランド「ボントレガー」の製品から選択することになるが、形状やカラーのバリエーションが豊富なので、ほぼ自分の好み通りの仕様で仕上げることが可能だ。例えばサドルは、後ろが反り上がっているタイプが好みなので「inForm Serano RL」を選ぶ、といった具合。パーツごとに細かく色を決められるのもポイントで、画面を見ながらタイヤやアウターケーブル、ヘッドパーツの色まで指定した。

オーダー完了、あとは待つだけ!

よろしくお願いします!よろしくお願いします!

 完成した仕様は53万3500円(税抜)。本当は50万円を切りたいところだったが、編集部のシンボルになるバイクということで、性能面で譲れない部分もあり、目標を若干オーバーした。しかし十分に吟味して決めたので、迷いなくこれでオーダー!である。

 仕様はショップからオンラインを通じて米国のトレックの工場に送られ、カスタムバイク製作がスタートする。注文する側では、ひとまずショップに内金を納め(バイクプラスでは注文総額の10%が目安)、完成したバイクがショップに届くのを待つことになる。

 シグネチャーシリーズの納期はおよそ2カ月程度。1月にはCyclist号と対面できるはずだ。

<中>カスタムの過程を公開 絹代さんの“美人バイク”は納車

【取材協力 トレック・ジャパン、バイクプラスさいたま大宮店】

この記事のコメント

利用規約順守の上ご投稿ください。

関連記事

この記事のタグ

トレック 体験!プロジェクトワン

  • 一覧

新着ニュース

もっと見る

ピックアップ

e-BIKE最新特集

スペシャル

自転車協会バナー

ソーシャルランキング

インプレッション

インプレッション一覧へ

連載