産経ニュース【スゴ技ニッポン】より電動アシスト自転車の弱点克服 “老舗”ヤマハ発動機の新型ユニットは小型・軽量・エコ

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 モーターの力で坂道も楽にペダルをこぐことができる電動アシスト自転車。国内販売台数はバイクに肩を並べ、今や欠かすことのできない市民の足になっている。ただ、悩みは通常の自転車に比べてどうしても重くなってしまうこと。20年前から電動アシスト自転車市場を開拓してきた老舗のヤマハ発動機が、軽量化で成果を出した。重さの元凶のひとつである“エンジン”にあたるドライブユニットの設計を見直し、同ユニットを20%軽くすることに成功。さらにレアアース(希土類)など高価な原料の使用量も減らした。この次世代ドライブユニットを、電動アシスト自転車「PAS」の平成27年モデルから順次搭載する。日本生まれの電動アシスト自転車は欧州でも普及が進んでおり、ヤマハ発は技術開発を加速して販売拡大を目指している。

(産経新聞社東京経済部 田村龍彦) 

モーター設計を見直し実現

新開発の電動アシスト自転車用ドライブユニットをPRするヤマハ発動機の柳弘之社長新開発の電動アシスト自転車用ドライブユニットをPRするヤマハ発動機の柳弘之社長

 チェーンにモーターの力を伝えるドライブユニットは、電動アシスト自転車の心臓部で、バッテリーと並んで重量の大きな部分を占める。発進時や坂道での走行が楽な電動アシスト自転車だが、消費者には「軽くしてほしい」というニーズが根強い。そこでヤマハ発は「重量低減が重要課題」と位置付け、ドライブユニットの軽量化に取り組んだ。

 新たに開発した次世代ドライブユニットは現行モデルより容積を約16%、重量を約20%減らし、約900グラム軽くした。

 大きく貢献したのは、ドライブユニットの重量の30%を占めるモーターの小型化。現行の出力を維持したまま小さくできるように構造を見直し、モーター内の磁石の利用率を最大化する手法をとった。モーターの配置をユニットの下側に移動させることで、重心を下げる効果も表れた。さらに制御基板のレイアウト見直しなどにも取り組んだ。

ヤマハ発動機が発表した新型ドライブユニット(右)と現行のドライブユニットヤマハ発動機が発表した新型ドライブユニット(右)と現行のドライブユニット

 ヤマハは「モーターの設計や、軽量化で素材を変更したことによる強度確保などに苦労した」(開発担当者)と打ち明けるが、できあがった次世代ドライブユニットは小型軽量だけではないメリットも備える。モーター構造の見直しで、使用する原料が減少。レアアース使用量は現行モデルに比べ35%、アルミは28%、銅線は40%節約できた。

新コンセプトは「グリーンコア」

新型ドライブユニットで「グリーンコア」コンセプトを推進新型ドライブユニットで「グリーンコア」コンセプトを推進

 ヤマハは「軽量・コンパクト・高性能・環境性能」を実現した次世代ドライブユニットを通じ、「グリーンコア」というコンセプトを打ち出した。「楽しい走り」と「より地球に優しく」の両方を目指すもので、「過去から継続して製品開発の現場において強く意識してきた考え方」という。

 ヤマハは平成5年に世界で初めて電動アシスト自転車を発売、累計生産台数(ドライブユニット含む)は280万台に上る。その間、市場は順調に成長。23年には東日本大震災で改めて自転車の利便性が認識され、国内出荷台数は年間40万台を突破した。24年は反動で減少したが、25年は44万台、26年は47万台に達する見込みだ。

 ヤマハは自社ブランド「PAS」の電動アシスト自転車を販売すると同時に、ドライブユニットをブリヂストンなどの自転車メーカーにも供給。PASの国内シェアは約3割だが、ドライブユニットについては外販も含めると5割以上という。

欧州でも市場拡大中

 電動アシスト自転車は国内だけでなく、オランダやドイツなどの欧州でも人気で、市場規模は年間約100万台に膨らんでいる。

 ヤマハはドライブユニットを欧州向けに輸出しており、今年は5万台になる見通し。柳弘之社長は「来年はさらに大きな数字を予定している」と意気込む。スポーツタイプの自転車が好まれる欧州では、より軽量で高出力のドライブユニットが求められており、開発に力を入れる。

産経ニュースより)

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