日本人の上位争いも白熱晴れても泥んこの「野辺山シクロクロス」 男女のイタリアU23王者が2日連続優勝

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 「野辺山シクロクロス」は2日目の11月30日もUCI公認レースのエリート男子、女子など各カテゴリーで熱戦が展開された。雨で始まった初日と打って変わって、雲ひとつない晴天で迎えたこの日のレース。小さな子供からマスターズのベテラン選手まで大勢の選手たちに、ギャラリーから応援のカウベルが打ち鳴らされた。エリート男女は、初日のレースを制したジョエーレ・ベルトリーニとアリスマリア・アルツッフィ(ともにイタリア、セライタリア・グエルチョッティ)がそれぞれ連勝を飾った。

(文・写真 平澤尚威) 

野辺山シクロクロスの会場、滝沢牧場から眺めた八ヶ岳連峰。雲ひとつない美しい風景野辺山シクロクロスの会場、滝沢牧場から眺めた八ヶ岳連峰。雲ひとつない美しい風景

バイクにこびりつく泥に苦戦

 会場となった長野・野辺山高原の滝沢牧場(長野県南牧村)は快晴の朝を迎えた。この時期は雪が降ってもおかしくない野辺山としては、かなり暖かい天候だ。ギャラリーにとっては観戦日和となったが、選手は決して楽なわけではない。水分量が減ったせいで、かえってバイクにこびりつくようになった泥に苦しめられたからだ。

幼児向けのキンダーガーデンクラスでは、小さなシケインが用意された幼児向けのキンダーガーデンクラスでは、小さなシケインが用意された
シクロクロス観戦のお供といえばビールシクロクロス観戦のお供といえばビール

エリート男子は海外勢の一騎打ちに

スタートしたエリート男子の選手たちスタートしたエリート男子の選手たち

 最終レースの男子エリートが始まる頃には雲が空を覆い始め、気温も下がってきたが、レースは熱かった。スタート直後に先行したのはザック・マクドナルド(アメリカ、シクロクロス プロジェクト2015)。初日はメカトラブルで悔しいリタイアとなったが、2日目はファンの期待に応える走りを見せ、2周目にはマクドナルドとベルトリーニによる一騎打ちの展開になった。

序盤はザック・マクドナルドが先行した序盤はザック・マクドナルドが先行した
トップに立ったジョエーレ・ベルトリーニが、ザック・マクドナルドを引き離したトップに立ったジョエーレ・ベルトリーニが、ザック・マクドナルドを引き離した

 しかし初日の勝者、ベルトリーニはこの日も強かった。10秒ほどのリードを築くと、マクドナルドの追随を許さない。しばらくは付かず離れずの展開が続いたが、マクドナルドがタイムをロスしたことで、勝負はほぼ決した。プレッシャーなく自分のペースで走れるようになったベルトリーニが、リードを守りきって2日連続優勝を達成した。トップ争いを演じた2人は表彰台で「ありがとう野辺山。たくさんの声援がうれしかった」と、そろって感謝の気持ちをファンに伝えた。

2日連続の完勝を果たしたジョエーレ・ベルトリーニ2日連続の完勝を果たしたジョエーレ・ベルトリーニ

 3位を争ったのは山本和弘(弱虫ペダル シクロクロスチーム)と全日本チャンピオンの竹之内悠(ベランクラシック・ドルチーニ)、そして横山航太(シマノレーシング)ら。横山は順調な走りで、単独3位に浮上する場面も。山本はスタート直後に出遅れたが、前日と同じように徐々に順位を上げていった。一方、スタート直後は2番手につけていた竹之内は、徐々に順位を下げる苦しい展開に。それでも終盤に粘り強く追い上げを見せた。

 横山を捉えた山本と竹之内は、ラスト2周で抜きつ抜かれつの攻防を繰り広げ、最後は山本が激しい3位争いを制した。山本は「終盤、竹之内がうまく走り、競いあう展開になったので、最後まで緊迫していた」と戦いを振り返った。

竹之内悠はレース中盤に順位を落としたものの、終盤に巻き返し一時は3位まで浮上した竹之内悠はレース中盤に順位を落としたものの、終盤に巻き返し一時は3位まで浮上した
徐々に順位を上げていった山本和弘。いい走りを見せていた横山航太を引き離した徐々に順位を上げていった山本和弘。いい走りを見せていた横山航太を引き離した

■野辺山シクロクロス2014 エリート男子第2日結果
1 ジョエーレ・ベルトリーニ(イタリア、セライタリア・グエルチョッティ) 59分21秒
2 ザック・マクドナルド(アメリカ、シクロクロス プロジェクト2015) +48秒
3 山本和弘(弱虫ペダル シクロクロスチーム) +1分06秒
4 竹之内悠(ベランクラシック・ドルチーニ) +1分21秒
5 横山航太(シマノレーシング) +1分42秒
6 小坂光(宇都宮ブリッツェン シクロクロスチーム) +2分12秒
7 丸山厚(BOMAレーシング) +2分56秒
8 小橋勇利(JP SPORTS TEST TEAM-MASSA-ANDEX) +4分06秒
9 沢田時(ブリヂストンアンカー サイクリングチーム) +4分20秒
10 ブレナン・ウォットリ(アメリカ、SPEEDVAGEN Family Racing) +4分20秒

エリート女子はアルツッフィが連日の独壇場

 エリート女子はアルツッフィによる2日連続の圧勝劇だった。序盤は豊岡英子(パナソニックレディース)がアルツッフィのペースに合わせようと試みたが粘れず、やがて突き放された。独走状態に入ったアルツッフィは危なげない走りでリードを広げ、堂々の“完全勝利”を果たした。

連日の圧勝劇を見せたアリスマリア・アルツッフィ連日の圧勝劇を見せたアリスマリア・アルツッフィ

 宮内佐季子(チーム チェーンリング)が前日から1つ順位を上げて2位、豊岡は3位でフィニッシュ。宮内は「勝負ごとなので、勝てないのはくやしい」としながらも、2日間とも泥だらけだったレースについて「すごく楽しかった」と笑顔を見せた。チャレンジングな走りを見せた豊岡は、「序盤のオーバーペースから回復できなかった。手術明けで、練習不足もあってミスが増えた」と振り返った。

前日から1つ順位を上げた宮内佐季子前日から1つ順位を上げた宮内佐季子
豊岡英子は3位に後退しながらも、前を走る宮内佐季子に食らいついた豊岡英子は3位に後退しながらも、前を走る宮内佐季子に食らいついた

■野辺山シクロクロス2014 エリート女子第2日結果
1 アリスマリア・アルツッフィ(イタリア、セライタリア・グエルチョッティ) 44分57秒
2 宮内佐季子(チーム チェーンリング) +2分24秒
3 豊岡英子(パナソニックレディース) +2分42秒
4 相野田静香(クラブ グロウ) +4分17秒
5 今井美穂(サイクルクラブ.jp) +5分44秒
6 武田和佳(チーム チェーンリング) +6分47秒
7 上田順子(ダム部/獣遊) +8分47秒
8 橋口陽子(TEAM轍屋) -2LAP

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