U23は中原義貴が接戦を制すエリート男女ともイタリアU23チャンプが圧勝 シクロクロス「UCIマキノラウンド」

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 滋賀県高島市のレジャー施設「マキノ高原」で11月23日、関西シクロクロスシリーズ第4戦「UCIクラス2・マキノラウンド」が行なわれた。UCI(国際自転車競技連合)公認レースとして開かれた男女のエリートクラスは、海外招待選手として参戦したイタリアの男女U23チャンピオン、ジョエーレ・ベルトリーニ(セライタリア・グエルチョッティ)とアリスマリア・アルツッフィ(同)がともに圧倒的な力をみせてアベック優勝した。

男子エリートのスタート。国内では貴重なUCI公認の国際レースだ男子エリートのスタート。国内では貴重なUCI公認の国際レースだ

 マキノラウンドは、シクロクロスでは西日本唯一のUCI公認レースで、世界選手権やワールドカップといったUCIレースに出場する際のスタート位置を決めるUCIポイントが獲得できるレースだ。

マキノラウンドに登場したフライオーバーマキノラウンドに登場したフライオーバー
フライオーバーは下りの坂の傾斜も急だフライオーバーは下りの坂の傾斜も急だ

 国際レースにふさわしく、今回のコースには本場・欧州のレースを彷彿させるフライオーバー(立体交差セクション)が設置された。昨年、同じ会場で行なわれた全日本選手権でも設置されたが、簡易的な作りのため危険と判断され、実際のレースからは除外されていた。今回は昨年の反省を踏まえて再設計され、レースデビュー。階段数が10段と高さもあり、コースのシンボルとなった。

 1周約2.9kmのコースは、マキノ高原の広い芝生エリアを駆け巡る。傾斜のあるゲレンデ上のため、上り区間も多く、厳しいコースレイアウトだ。

他を寄せ付けない2人のイタリアチャンプ

序盤は後続に大差を付けてトップを独走した小坂光(宇都宮ブリッツェンシクロクロス)序盤は後続に大差を付けてトップを独走した小坂光(宇都宮ブリッツェンシクロクロス)

 男子エリートは海外遠征を続けている日本王者・竹之内悠(ベランクラシックドルチーニ)が不在となったものの、ここまで国内シリーズで連戦連勝している山本和弘(弱虫ペダル シクロクロスチーム)や、小坂光(宇都宮ブリッツエンシクロクロス)ら国内有力選手が集結した。ベルトリーニはU23カテゴリーであるものの、「エリートでも十分戦える」というチーム監督からの指示で、エリートでの出走となった。

 スタートしてからの直線を先頭で飛び出したのはベルトリーニ。しかしテクニカルセクションで転倒し、集団に飲み込まれてしまう。コーナーが芝生で滑りやすく、ここでは山本も転倒。まずはノートラブルで抜け出した小阪が、ハイペースで後続を突き放すことに成功する。

シケインを飛び越えるジョエーレ・ベルトリーニ(セライタリア・グエルチョッティ)シケインを飛び越えるジョエーレ・ベルトリーニ(セライタリア・グエルチョッティ)
転倒から猛烈に追い上げたベルトリーニが小坂をパス転倒から猛烈に追い上げたベルトリーニが小坂をパス
後方から猛追を見せた山本和弘(弱虫ペダル シクロクロスチーム)後方から猛追を見せた山本和弘(弱虫ペダル シクロクロスチーム)

 しかしすぐにベルトリーニがペースを上げて追走。他の選手が誰も乗車して越えられないシケインを、唯一バニーホップで飛び越えていき、早くも3周目の終盤で小坂をパスした。7周回となったレースは、その後もベルトリーニが先頭で安定した走行を続け、その後方では2番手の小坂を猛追する山本がタイム差を縮めていく。

 トップ3の隊列は最後まで崩れず、ベルトリーニはフィニッシュラインで得意のウイリーを披露しての勝利。2位は小坂、3位にはおよそ10秒差まで差を詰めた山本が続いた。

男子エリートを制したジョエーレ・ベルトリーニ(セライタリア・グエルチョッティ)男子エリートを制したジョエーレ・ベルトリーニ(セライタリア・グエルチョッティ)

 「最初の周回は2回転んで、厳しかった」と語るベルトリーニ。コースについては「凄く厳しくて綺麗なコースだった。今回のようなレイアウトはイタリアにはない。イタリアは障害物が多くて、上りは少ないよ」と語った。1週間後の11月30日に開かれる野辺山シクロクロスにも出場する予定で、「野辺山は(自身にとって)新しいコースで、新たな選手も加わるので頑張るよ」と意気込みを語った。

 2位の小坂は「やっぱり向こうはパワーがあるので、途中で追いつかれてしまった」と振り返った。レース展開については「スタートから攻めたことが良かったのか、落ちついて自分のペースで走る事ができた。(ベルトリーニと)2人で走った感じでは、僕の方がテクニックはあると思うので、あとはパワー」とコメント。「今日は一番の走りができたので、次の野辺山と(12月14日の)全日本選手権は勝ちたい」と意気込みを語った。

女子エリートを制したアリスマリア・アルツッフィ(セライタリア・グエルチョッティ)女子エリートを制したアリスマリア・アルツッフィ(セライタリア・グエルチョッティ)
後続を大きく離したアリスマリア・アルツッフィ(セライタリア・グエルチョッティ)後続を大きく離したアリスマリア・アルツッフィ(セライタリア・グエルチョッティ)
国内チャンピオンの宮内佐季子(Team CHAINRING)は歯が立たず国内チャンピオンの宮内佐季子(Team CHAINRING)は歯が立たず

 女子エリートのレースは、スタートからアルツッフィが先頭を譲らず独走で勝利した。全日本チャンプの宮内佐季子(Team CHAINRING)らは全く歯がたたなかった。

 アルツッフィはレース後、「上りが得意で、今日は体調もよく、コースは自分に合っていた。オーガナイザーも良かった」と振り返り、「来週(野辺山シクロクロス)も今日のようなレースができたら嬉しい」と語った。

 一方、約1分半の大差で敗れた宮内は、1週間後の野辺山大会での挽回を誓った。

 「せっかくイタリアから招待選手を呼んでもらっているのに、全然つるめなかった。次週の野辺山では最初の1周か2周でも一緒に走って体感したい。そのための準備をこの1週間でしたい」

接戦のU23 「落ち着いて走った」中原が優勝

4人のパックでの戦いとなったU23レース。先頭から横山、沢田、前田、中原4人のパックでの戦いとなったU23レース。先頭から横山、沢田、前田、中原

 U23は横山航太(シマノレーシング)、沢田時(ブリヂストン・アンカー)、中原義貴(弱虫ペダル シクロクロスチーム)、前田公平の4人がレース中盤まで一進一退のパックで進行、しかし5周目、横山がミス、沢田がパンク、前田が遅れて、中原が先頭に躍り出た。そのままリードを保った中原が勝利。2位に横山、3位は序盤のトラブルでの遅れを挽回した小橋勇利(JPスポーツテストチーム・マッサ・アンデックス)となった。

激しい先頭争いが続いたU23のレース激しい先頭争いが続いたU23のレース
集団から抜け出た中原義貴(弱虫ペダル シクロクロスチーム)集団から抜け出た中原義貴(弱虫ペダル シクロクロスチーム)

 同世代の対決を制した中原は、「落ち着いて走ったらレースの展開も見えてきて、ここだと思ったところで(仕掛けて)勝ちました。みんな速いので辛かったのですが、割り切って自分のペースで走りました」と勝因を語った。これまでは焦って走りが雑になることもあったが、チームメイトから「落ち着いて走れ」と言われ、弱点を克服できたという。

落ち着いた走りを見せた中原がU23レースを制した落ち着いた走りを見せた中原がU23レースを制した

 2位の横山は「4人パックになった時、沢田選手と前田選手しか見ていなかった」という。積極的に動く2人に反応していたが、「中原選手がうまく立ち回って、バイク交換いたり転けたりしているうちに、最後にもっていかれた」と悔しいコメント。「野辺山、飯山(12月7日の信州クロス第7戦)で、全日本に向けて調整したい」と挽回を誓った。

(文・写真 中尾亮弘)

男子エリート表彰。(左から)2位の小坂、優勝のベルトリーニ、3位の山本男子エリート表彰。(左から)2位の小坂、優勝のベルトリーニ、3位の山本
女子エリート表彰。(左から)2位の宮内、優勝のアルツッフィ、3位の與那嶺女子エリート表彰。(左から)2位の宮内、優勝のアルツッフィ、3位の與那嶺
U23表彰。(左から)2位の横山、優勝の中原、3位の小橋U23表彰。(左から)2位の横山、優勝の中原、3位の小橋


男子エリート結果
1 ジョエーレ・ベルトリーニ(セライタリア・グエルチョッティ) 1時間03分52秒
2 小坂光(宇都宮ブリッツエン シクロクロス) +8秒
3 山本和弘(弱虫ペダル シクロクロスチーム) +15秒
4 小坂正則(スワコ レーシング) +2分16秒
5 濱由嵩(スピードバーゲン シクロクロスチーム) +2分36秒
6 合田正之(サイクルクラブ3UP) +3分42秒
7 BRENNAN Wodtli(SPEEDVAGEN Family Racing) +3分54秒
8 中村龍太郎(イナーメアイランド信濃山形) +4分6秒
9 大渕宏紀(DECOJA/NEXTPHASE) +5分6秒
10 國井敏夫(マイルポスト レーシング) +5分58秒


女子エリート結果
1 アリスマリア・アルツッフィ(セライタリア・グエルチョッティ) 47分47秒
2 宮内佐季子(チーム チェーンリング) +1分26秒
3 與那嶺惠理(サクソバンクFX証券) +2分38秒
4 武田和佳(チーム チェーンリング) +6分41秒
5 坂口楓華(パナソニックレディース) +7分29秒
6 上田順子(ダム部/獣遊) +8分33秒
7 林口幸恵(スネル シクロクロスチーム) +8分47秒
8 埜真賢美 +9分51秒
9 鈴木美香子(ckirin.com) -1Laps


U23結果
1 中原義貴(弱虫ペダル シクロクロスチーム) 56分06秒
2 横山航太(シマノレーシング) +24秒
3 小橋勇利(JPスポーツテストチーム・マッサ・アンデックス) +34秒
4 前田公平(ビオレーサー) +1分21秒
5 沢田時(ブリヂストン・アンカー) +1分40秒
6 山田誉史輝(PAX PROJECT) +3分52秒
7 中井路雅(京都産業大学) +5分40秒
8 中井唯晶(瀬田工業高) +7分23秒
9 金子楓(スネル シクロクロスチーム) +8分57秒
10 木村吉秀(JPスポーツテストチーム・マッサ・アンデックス) -1Laps

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