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はらぺこサイクルキッチン<25>アスリートでなくとも身体の変化を実感 スタミナをつける“マル秘”リカバリードリンクも

by 池田清子 / Sayako IKEDA
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ハナは、事前に準備できるところまで終えておいて、できたての状態で彩り良く食べてもらう工夫をしていました。1度の食事でこの大きなフライパン2つ分が全てなくなりますハナは、事前に準備できるところまで終えておいて、できたての状態で彩り良く食べてもらう工夫をしていました。1度の食事でこの大きなフライパン2つ分が全てなくなります

 オーストラリアの9日間のステージレース「クロコダイルトロフィー」で知り合ったのは、アイヴァン・ライバリック選手(チェコ)と今回ライバリック選手が所属していたチーム「Way2Live」。その食事を切り盛りするハナ・コシコヴァさん(Hana Koshikova)に誘われ、チームのベースキャンプで食事をいただくことに。前回に続きマクロビオティックを実践する食事情を詳しく紹介しながら、強くなるための食材などを見ていきます。

おいしい料理で「甘やかされているよ」とチームメンバー

 ハナからの誘いを受けベースキャンプへ遠慮なくうかがうと、まずはチアチードで作った見た目にも可愛いスイーツが出てきました。優しい甘みでとてもおいしく、私も日本に帰国してからすぐに同じものを作ってみたくらいです。

 メインには野菜たっぷりの焼きうどん。久しぶりの日本食でした。味の染み込んだお麩(ふ)が肉の代用品として使われていました。おいしくて、ボリューム満点! 葛(くず)や梅肉エキスの使い方なども熟知していて、「日本人以上に日本の食材を活用しているのでは」と感じました。

チアシードで作ってくれたかわいいスイーツ。材料は、下からココナッツミルク、ココア、抹茶、トッピングにはマンゴーチアシードで作ってくれたかわいいスイーツ。材料は、下からココナッツミルク、ココア、抹茶、トッピングにはマンゴー
ハナ特製の焼うどん。ターキー味のお麩、たっぷりの野菜と。「箸もある!」と感動しましたハナ特製の焼うどん。ターキー味のお麩、たっぷりの野菜と。「箸もある!」と感動しました

 チームメンバーはハナの作った料理を「僕らはみんな甘やかされているよ」と嬉しそうに食べていました。おいしいだけでなく、身体のことを考えて素材からこだわった食事は安全で良質。移動を繰り返すステージレースでこのクオリティーは本当にすごいと思います。コストがかかっても、食にそれだけの価値があるからこそ。妥協なき精神でベストの環境を作っていることに、衝撃を受けました。

チーム優勝に輝いたWay2Live。選手8人、サポーター2人の計10人チーム優勝に輝いたWay2Live。選手8人、サポーター2人の計10人

日本で感激した食べ物は“おやき”

チーム「Way2Live」のテント内。レース後、選手達は食事を摂りながらリラックスタイムへ。さりげなく祐樹さんも混じっていますチーム「Way2Live」のテント内。レース後、選手達は食事を摂りながらリラックスタイムへ。さりげなく祐樹さんも混じっています

 そもそもなぜハナもこの食生活を続けているのか聞いたところ、「以前は典型的な欧米食だったけれど、マクロビオティックを始めてすごく身体が変わったの。私はアスリートではないけれど、数週間で身体の中からクリーンになるのが実感できたわ。それを実感したらもう戻れなくて。肉は一切食べないけれど、魚は時々火を通して食べるの」と教えてくれました。

 「そうそう、以前オンドレイと日本に行ったのだけど、日本人は一体どんな素晴らしい食事をしているのかと楽しみにしていたら、もうビックリ。マクロビオティックのお店の大半が残念なことに閉店していたし、街はファストフード店ばかり。調べて行ったヘルシーな店も揚げ物が沢山で。折角いいものを持っている国なのに、もったいないわ!」

 「印象に残っている食べ物は、長野で出会った“おやき”。全種類野菜で感激しちゃった! あと、河口湖の近くで食べた“ほうとう鍋”。富士山から下山して寒さで震えていたけど、芯から温まって最高だったわ」

引き締まった身体をよりマッチョへ

今大会3度のステージ優勝を飾ったライバリック選手(中央)。ステージ8の表彰式にて今大会3度のステージ優勝を飾ったライバリック選手(中央)。ステージ8の表彰式にて

 動物性食を時々食べる…にしても胸の厚みがずいぶんとあるライバリック選手。かたやプラントベースダイエットを始めて細くなった祐樹さん。一体何が違うのだろう。ライバリック選手からは「ユウキは、パワーをつけたかったらもう少し筋肉があってもよいね。僕はリカバリードリンクとして運動後はヘンプパウダーを溶かして飲んで、タンパク質を補給しているよ」とアドバイスをもらいました。

 日本ではなかなか手に入りにくいのが難点ですが、ヘンプシードはこれまでも食事に取り入れていました。ドリンクでは摂っていなかったので、吸収のいい運動後に取り入れてみるのもいいかもしれません。

「クロコダイルトロフィー」のフィニッシャー全員に与えられるクロコダイル付きの盾。かなりリアル「クロコダイルトロフィー」のフィニッシャー全員に与えられるクロコダイル付きの盾。かなりリアル
ラストステージはタイムトライアル方式で。最後はビーチを約3km走って、祐樹さんも悔いのないフィニッシュ(写真提供:Crocodile Trophy/Kenneth Lorentsen)ラストステージはタイムトライアル方式で。最後はビーチを約3km走って、祐樹さんも悔いのないフィニッシュ(写真提供:Crocodile Trophy/Kenneth Lorentsen)

 そしてこの瞬間、私の中で来年に向けた祐樹さんの身体づくりの方針が決まりました。どこへ行っても「引き締まった」「痩せた」と言われた今年ですが、よりパワフルな走りに繋がるよう、次のステップへ向けて変化をつける時。来シーズンは、もう少しマッチョになった姿をお見せするかもしれません。

 身体づくりが先攻するのではなく、食事とトレーニングの相互作用によって“結果的に”適切な身体がつくられるのだとも思いますが、まず身体のイメージをつくって、逆算してそれに向けた食事を用意するのもひとつ。そして私達のこだわりは、それが「健康」ともイコールであることです。

野菜が恋しかった私達。レース後は再び自炊生活へ野菜が恋しかった私達。レース後は再び自炊生活へ
世界中から集まる選手やサポーターとの輪が一段と広がった遠征でした世界中から集まる選手やサポーターとの輪が一段と広がった遠征でした

◇         ◇

 今年最後の遠征地はスリランカで行われるステージレース。シーズン最後のレースに設定している選手も多く、栄誉と賞金総額2万ドル(約200万円)をかけて熱い闘いが繰り広げられることでしょう。私も同行しますので、選手に負けず熱くレポートしたいと思います。

池田清子池田清子(いけだ・さやこ)

アスリートフード研究家。モデル事務所でのマネージャー経験を生かし2013年夏よりトピーク・エルゴンレーシングチームUSA所属ライダー、池田祐樹選手のマネージメントを開始、同秋結婚。平行して「アスリートフードマイスター」の資格を取得。アスリートのパフォーマンス向上や減量など、目的に合わせたメニューを日々研究している。ブログ「Sayako’s kitchen」にて情報配信中。

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