じてつう物語<6>鉄道と大差ない所要時間で心身ともにシャキッと 中山順司さん

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 企業や個人にブログやソーシャルメディアを活用したインターネット・ソリューションを提供する企業「シックス・アパート」に勤務するかたわら、ITビジネス系のニュースサイトでライターとしても活躍されている中山順司さん。その守備範囲はアイデア発想法から健康、婚活、防災、そして自転車通勤まで幅広い。聞けば、川口市から赤坂まで、ダホンのフォールディングバイクで通勤する「ツーキニスト」だという。

中山順司さん(41)中山順司さん(41)

疋田智さんの著書をきっかけに自転車にはまる

中山さんが勤めるシックス・アパートは「ブログ」を支えるソフトウェアを開発している企業中山さんが勤めるシックス・アパートは「ブログ」を支えるソフトウェアを開発している企業

 一般の個人から芸能人や企業まで、今や多くの人や組織が取り組んでいる、ブログ。シックス・アパート株式会社は、ブログ/CMS(コンテンツ管理システム)の「Movable Type」、ソーシャルメディアを利用したサービス「Lekumo(ルクモ)」や「Zenback」などを提供している企業で、いわゆる「ブログ界隈」では老舗と呼べる存在だ。今回お話を伺う中山順司さん(41)は、同社のプロダクト担当として、パートナーリレーション等の仕事に携わっている。

 IT系のニュースサイトを頻繁に閲覧している人なら、中山さんのもうひとつの顔である、ライターとしての活動を目にしているかもしれない。シックス・アパートはもともと、社外でも様々な分野で活躍されている方が多い、個性的な会社。ライターとしての顔を持つ中山さんもその一人と言える。執筆する内容は、業務の中で得た思考法、発想法を紹介したり、新たな手法を実験してみるといった、日々の仕事に関わっている話題もあれば、ときには婚活や夫婦関係について書き、またあるときは防災について書いたりもする。そして近年では、自転車通勤についても執筆するようになった。

 自転車通勤にはまったきっかけは、元祖ツーキニストとして知られる疋田智さん(NPO法人自転車活用推進研究会理事)の著書を読んだことだった。

 「疋田さん自転車通勤の本を読んでみたら、これは面白そうだなと感じました。それで自転車屋さんに足を運び、即購入してしまったんです。もともとサッカーやジョギングをやっていたので、身体を動かすことに関しては抵抗がなかったし、自転車に乗ることが苦になるということはありませんでした。そうして自転車通勤を始めたのが、2010年のことです」

最初の頃は都心の車道が怖かった

じてつう用の愛車はフォールディングバイクのDAHON Mu P8。自分好みにカスタムして、オリジナルはフレームのみじてつう用の愛車はフォールディングバイクのDAHON Mu P8。自分好みにカスタムして、オリジナルはフレームのみ

 通勤ルートは川口市から赤坂までで、距離にして24kmほど。大通りメインのコースを選んで、週に2回の自転車通勤をしている。

 「交通の流れに乗っていける太い道を選んで走り、所要時間は1時間半くらいです。実は、最初は自転車で車道を走るのが怖かったんです。都内に入って幹線道路を走っている最中に、すぐ横を大型トラックが追い抜いていくときの恐怖に“もう無理!”と思ったりもしました。そこで最初の頃は、走りやすい区間だけ自転車に乗り、その他の区間は輪行(自転車を袋に入れて車内に持ち込む)してみたりもしました。ただ、いくら折りたたみ自転車といっても朝のラッシュ時に輪行するのは気が引けますし、折りたたむ作業や袋の出し入れといった時間ももったいないので、結局はふつうに自転車で走るようになりました」
 
 怖さを克服する時間は必要だったものの、中山さんはすぐに自転車通勤の魅力にとりつかれた。

マニアックな仕上がりのハンドル周りマニアックな仕上がりのハンドル周り

 「会社に着いたらタオルで汗を拭き、シャツを着替えてから仕事に入ります(服装は自由)。気分はすごくいいですよね。電車と徒歩で出社するときよりも、身体も心もシャキッとしています。電車で通勤するときは、埼玉高速鉄道から地下鉄南北線直通の電車で都心まで出るのですが、実は電車と自転車とでそんなに所要時間は変わらないんです」

 地下鉄は駅間距離が短くてカーブも多いので、意外と時間がかかるもの。自転車と地下鉄とで所要時間に大差がないことは珍しくない。途中に乗り換えがあったり、目的地が駅から少々歩くところにあるといったケースでは、その傾向がある。通勤ラッシュから開放されて、所要時間もさして変わらず、さらに朝から身も心もすっきり。まさに良いことだらけだった。

自転車にとっての脅威は「ルールを守らない自転車」

 シックス・アパートでは特に「自転車通勤制度」が定められているというわけではないが、中山さんの他にも何名かのスタッフが、職務規定から自己判断して自転車通勤をしている。会社としては、最寄りの駅まで自転車で通うことの延長として自転車通勤を捉えている。同社代表取締役CEOの関信浩さんは「気にしているのは安全と法令遵守です。しかしそれらは職務規定に書くまでもなく、当たり前のことだと考えています」と話す。そして「本人が良いと思うことをやればよい」とも。

ビンディングペダルを使用している。帰宅時に買い物等で寄り道することもあるので歩きやすいMTB用のシューズ&ペダルシステムを選択ビンディングペダルを使用している。帰宅時に買い物等で寄り道することもあるので歩きやすいMTB用のシューズ&ペダルシステムを選択

 もちろん中山さんは、前後のライトやヘルメット、グローブといった安全装備を身につけ、交通ルールを守って自転車通勤することを心がけている。そして中山さんは次のように話す。

 「今では、自転車に乗っていてクルマのドライバーが危ないと思うことはほとんどありません。幅寄せなど意地悪なことをしてくる人も、たまにいるかどうか。ヘルメットをかぶり交通ルールを守って走行し、手信号を出すなどすれば、ドライバーとはきちんとわかりあえると思っています。それよりも、ルールを守らない自転車乗りに怖さを感じます。車道の逆走、音楽を聞いたり携帯電話をいじりながらの運転、夜間の無灯火……それらがコンボになって自分に迫ってくると、さすがに声を出してしまうこともあります。でも、そういう行為をしている人は、何がいけないのかもわかっていないのですよね」

Webの力で自転車の良さを多くの人に伝えたい

リアに取り付けたボックスにはお弁当箱がリアに取り付けたボックスにはお弁当箱が

 自身が自転車通勤にはまり、そして経験を重ねていくさなか、東日本大震災が発生。都内の交通も数日に渡りマヒし、自転車が社会から大きく注目された。その一方で、中山さんが恐怖を感じるような、ルールを知らない自転車乗りが増えたのも事実だった。中山さんがITビジネス系のニュースサイトで自転車のことを執筆するようになったのは、自転車マニアではないふつうの人たちに、自転車の良さやルールの重要性、自転車の走行環境といった話題についてもっと知って欲しいと考えたからだ。

 「世の中には自転車の良さに気づいていない人が、まだまだたくさんいます。もっと多くの人に自転車の良さを知って欲しいですし、自転車文化を広げるお手伝いができたらよいですね。ただ、いくら自転車が注目されているとはいえ、新聞やテレビなどのマスメディアで取り上げられる機会はそれほど多くありませんし、取り上げられたとしてもネガティブな話題であったりします。そこで、Webメディアを活用し、“自分もちょっと自転車に乗ってみようかな?”という気持ちを後押しできたらと思っているんです」

 自分が自転車にはまっただけでは気が済まない、たくさんの人に自転車の魅力を伝えて、良い方向に広げたい……そんな中山さんの真摯な姿勢が伝わってくる。それにしても、最後はしっかりWebの話になるところは、さすがはシックス・アパート!?

勤務先:シックス・アパート株式会社
ルート:埼玉県川口市〜東京都港区赤坂、往復48km
時間:1時間30分
頻度:週2回
マシン:DAHON Mu P8
じてつうの工夫:服装自由の職場だが、着替えのシャツとタオルは必ず用意している

シックス・アパート
http://www.sixapart.jp

TEXT&PHOTO BY Gen SUGAI

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