第5戦のエントリーは11月17日まで井本はじめがマッドなSRAM PARKで初優勝飾る MTB「ダウンヒルシリーズ」第4戦

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 マウンテンバイク(MTB)ダウンヒル競技の新しいシリーズ戦「DOWNHILL SERIES」(ダウンヒルシリーズ)の第4戦が11月1日、2日に愛知県瀬戸市のSRAM PARKで開催された。第1、2戦に続いてマッドコンディションのなかで行われ、男子エリートでは井本はじめ(LoveBikes)がシリーズ初優勝を飾った。

プラクティスではスタート直後のドロップオフで苦戦していた井本はじめ(LoveBikes)だったが、決勝では上手く攻略し優勝を果たしたプラクティスではスタート直後のドロップオフで苦戦していた井本はじめ(LoveBikes)だったが、決勝では上手く攻略し優勝を果たした

天候は“雨ときどき土砂降り”

SRAM PARK全景。中央部分はモトクロスコースとして整備されているSRAM PARK全景。中央部分はモトクロスコースとして整備されている

 第4戦はまたしても雨。SRAM PARKは、ダウンヒルシリーズ開催会場のなかでは唯一、完成したばかりのコースである。元々は、SRAM代理店であるダートフリーク社の部品開発のためのテストコースとして採石場跡地を買い取り、整備されてきた。今夏から会員制のモトクロスバイク&MTB専用のライディングパークとして一般にも解放されており、今回はお披露目イベントでもある。会場には16社もの出展ブースが立ち並んだ。

 見渡しのいい斜面に造られたダウンヒルコースは標高差48m、全長が395mと短め。しかし、クネクネのバンクとジャンプを組み合わせたレイアウトは、ダウンヒルのテクニックやBMX、ジャンプスキルなどバイクコントロールのあらゆる要素が問われる、シンプルながら奥の深い構成となっている。マウンテンバイクライディングの基礎的な要素がタイムの鍵を握るこのコースは、ある意味ライダーの実力を問われる、ごまかしのきかないコースとも言える。

2位となった永田隼也(AKI FACTORY TEAM)。多くのライダーを苦しめたクランクを攻略する2位となった永田隼也(AKI FACTORY TEAM)。多くのライダーを苦しめたクランクを攻略する
排水溝を備えた洗車場も用意されている。山を切り崩したバイクパークだが、水洗トイレや電源など、山で遊ぶ環境ながら快適さを兼ね備えていた排水溝を備えた洗車場も用意されている。山を切り崩したバイクパークだが、水洗トイレや電源など、山で遊ぶ環境ながら快適さを兼ね備えていた
過酷なコンディションは機材の性能、適正を知る良い機会となったはずだ過酷なコンディションは機材の性能、適正を知る良い機会となったはずだ

 そんな文句をうたっていたが、土曜日は「雨ときどき土砂降り」と言えるほどの天候。泥は重く、そして滑り、コブは泥で隠れた。

 同日開催されていた「MTB 最強店長選手権」では、会場内に作られたショートXCコースを24人の自転車店店長たちが泥だらけになって走った。滑るなんてもんじゃない。進まない。そんななか、XC部門では三上和志店長(サイクルハウスMIKAMI)が、DH部門では堀田マサキ店長(HOTTSPIN)が優勝した。そして夜には雨が止み、日曜日の朝。

押し上げでピンポイントのセクションを練習する三瓶将廣(SystematicBMX)。コンディションは悪かったが、トップライダーであるほど、気になるセクションの攻略に時間をかけていた押し上げでピンポイントのセクションを練習する三瓶将廣(SystematicBMX)。コンディションは悪かったが、トップライダーであるほど、気になるセクションの攻略に時間をかけていた
搬送車からコースのほぼ全てが見渡せるレイアウトとなっていた搬送車からコースのほぼ全てが見渡せるレイアウトとなっていた
同時開催されたサイクルスポーツ最強店長選手権、ダウンヒルの部で優勝したホットスピンの堀田昌希。本戦ではエリートクラスを走った同時開催されたサイクルスポーツ最強店長選手権、ダウンヒルの部で優勝したホットスピンの堀田昌希。本戦ではエリートクラスを走った

 「瀬戸の土は瀬戸物を作ってたってだけあってすごく水はけがいいから、昼間にはドライになるかも!」なんて噂はどこへやら。「これなら雨が降り続いた方がよかった…?」とため息が聞こえるほど、ぐちゃぐちゃ、ぬたぬたのコースができあがっていた。

 試走と本戦の間には、フリースタイルモトクロスのデモンストレーションも行われた。本戦の始まる頃には、アクセスの良さからからロードバイク姿の観戦者や、家族連れの姿も目立つようになった。スタートからゴールまでを見渡すことのできるコース半ばの尾根には観戦者がズラリと並びんだ。

コースは雨によって深いマッドとなったコースは雨によって深いマッドとなった
本戦のスタートを待つファーストタイマークラスの参加者たち。洗車し、きれいなジャージでこの一本に挑んだ本戦のスタートを待つファーストタイマークラスの参加者たち。洗車し、きれいなジャージでこの一本に挑んだ

マッドのおかげで「楽しく、難しく」

難しいコンディションで驚異的な走りを見せた井本はじめ(LoveBikes)難しいコンディションで驚異的な走りを見せた井本はじめ(LoveBikes)

 エリート男子クラスは、前日のタイムドセッションで大転倒し、出走者中最下位になった井本はじめ(LoveBikes)が早い段階で出走。58秒という好タイムでホットシートに座る。順調なスピードを刻んでいた九島勇気(玄武/MONDRAKER)は、観客のいちばん集まるコーナーで転倒。その後も、DOWNHILL SERIES歴代優勝者たちが次々と降りてくるが、スリップダウンや転倒が相次ぎ、タイムが伸びない。注目のBMXライダー三瓶将廣(SystematicBMX)も1分12秒に沈んだ。

 最後のランは、前日に雨の中での56秒台というスピードを見せつけた優勝候補の加藤将来(LOVEBIKES RACING/ACCEL)。だが、フィニッシュした瞬間、首を振る。井本はじめの初優勝が決まった。

現役時代は4X を得意とした増田直樹(DTP)、リズムとバームのスムーズさは今でもトップクラスだ現役時代は4X を得意とした増田直樹(DTP)、リズムとバームのスムーズさは今でもトップクラスだ
今回はBMX レースの日本代表である三瓶将廣(SystematicBMX)も参戦。バランス力優れた走りを見せたが、転倒で18位に今回はBMX レースの日本代表である三瓶将廣(SystematicBMX)も参戦。バランス力優れた走りを見せたが、転倒で18位に

 井本はレース後、「序盤が上手くいきました。後半は少し苦手だったので最後のUターンで力みすぎてグリップ回っちゃってスリップダウンしそうになった。でも、マッドのおかげで楽しさだけじゃなく、難しさがプラスされておもしろかったです!」と語った。

 2位には永田隼也(AKI FACTORY TEAM)が、3位にはダウンヒルシリーズ初出場の九島賛汰(玄武NinjaTV)が入った。

前半でミスはあったものの後半に精度の高い走りで2位となった永田隼也(AKI FACTORY TEAM)前半でミスはあったものの後半に精度の高い走りで2位となった永田隼也(AKI FACTORY TEAM)
ダウンヒルシリーズ初参戦の九島賛汰(玄武 NinjaTV)は見事3位で表彰台に登ったダウンヒルシリーズ初参戦の九島賛汰(玄武 NinjaTV)は見事3位で表彰台に登った
シリーズ3戦を終えてポイントランキングのトップだった阿藤寛(COMMENCAL/Topknot)はペダルを上手くキャッチできずに4位。ランク2位に後退したシリーズ3戦を終えてポイントランキングのトップだった阿藤寛(COMMENCAL/Topknot)はペダルを上手くキャッチできずに4位。ランク2位に後退した

 できたてほやほやの短いコースながらも、「おもしろかった!」と声を揃えた参加者たち。「次はドライコンディションで走りに来たい!」とも。来年は、ドライになるだろうか。そのときに勝つのは誰だろうか。雨は雨で、見応えとドラマと、次回への期待をくれる。

エリート男子表彰式エリート男子表彰式

レポート・平野志磨子
写真・SLmedia / Hiroyuki Nakagawa / atuyr

第5戦はクロスカントリーを併催

 次戦は11月22日、23日に兵庫県たつの市の菖蒲谷森林公園・特設コースを舞台に行われる。エントリーは11月17日まで、下記リンクの「ダウンヒルシリーズ」ウェブサイトで受け付けている。

 菖蒲谷森林公園はMTBパークが整備されており、10年ほど前から地元のMTBライダーが集まって練習会やレースを開催してきた。今大会のオーガナイザーである龍野MTB協会は、さまざまなMTBレースを年に15回ほど開催している。4年前からはJCF公認のクロスカントリー(XC)レースを開催しているため、XCライダーによく知られており、選手からの評価も高いXCコースもある。

 今回のレースで使用される特設コースは、ショートダウンヒルで使用されるコースでもある。全長は545m、標高差は79m。スタート地点までは押し上げとなるが、漕ぎ区間あり、キャンバーあり、土質の変化あり(30mほどの舗装路がある)で、パワー・スキル・経験を必要とされるコースだ。

 さらに「菖蒲谷CUP」と題し、XCバイク部門も設けられる。XCライダーにとっては、DHの上級ライダーの走りを見て、しかも同じコースを走れるなかなかない機会だ。ダウンヒルシリーズの主催者は「これを機に、クロスカントリーライダーにも下り系イベントに興味を持ってもらえればと思います。クロカンのトップライダーの参加も大歓迎です」と呼び掛けている。

DOWNHILL SERIES #5

日時:2014年11月22日(タイムドセッション)、23日(本戦)
参加費:4000円(日曜日だけの参加者も同条件)
募集定員:100人
※ダウンヒルシリーズと菖蒲谷CUPのダブルエントリー可能
エントリー期間:2014年11月17日(月)23:59まで
会場:兵庫県たつの市揖西町菖蒲谷 菖蒲谷森林公園
会場地図:http://goo.gl/maps/vi5JM
アクセス:山陽自動車道・龍野西ICから北へ県道195号線至り、交差点右折し約1分で菖蒲谷森林公園入り口

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