個人総合は僅差のまま翌日の最終戦へデリアックが上りゴールを制して今季2勝目 Jプロツアー「おおいたサイクルロードレース」

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 ロードレースの国内シリーズ、Jプロツアーの第20戦「JBCF おおいたサイクルロードレース」が11月2日、大分市の大分スポーツ公園で行われ、10人に絞られた先頭集団での上りゴール勝負を制したロイック・デリアック(チームJBCF)が優勝。今シーズンJプロツアー2勝目を挙げた。個人総合首位のルビーレッドジャージは、ホセビセンテ・トリビオ(チームUKYO)が総合2位に付ける増田成幸(宇都宮ブリッツェン)を終始マークし、ランキング首位の座を守った。

ロイック・デリアック(チームJBCF)が上りでのゴール勝負を制して今季2勝目ロイック・デリアック(チームJBCF)が上りでのゴール勝負を制して今季2勝目

 今年初開催となった大分ロードは、翌3日に大分駅前で行われる「おおいた いこいの道クリテリウム」とともに、「OITAサイクルフェス!!! 2014」のメーンイベントとして行われる。レースは大分市郊外の大分スポーツ公園で、2002 FIFAワールドカップの公式戦も行われた大分銀行ドーム周辺の道路を組み合わせた、1周4kmの周回コースを使用して行われた。

大銀ドーム周辺で行われた大銀ドーム周辺で行われた
下りきってからのUターンで上りに入る。後半になるほどキツくなるレイアウトだ下りきってからのUターンで上りに入る。後半になるほどキツくなるレイアウトだ

 コースはフィニッシュライン前後の連続する上りや、カーブの連続するテクニカルな区間、下りきってからUターンしての上りなど、変化に富んだ厳しい設定。最高カテゴリーのJプロツアー、P1クラスタのレースは25周回、100kmの距離だ。

 スタート直後はアタック合戦とともに落車も頻発し、集団は不安定な状況が続いた。序盤の8人の逃げが5周目に吸収された時点で、77人でスタートしたメーン集団は30人と、早くも半分以下の人数にまで絞られた。

序盤から激しい攻防序盤から激しい攻防
8人の逃げグループ8人の逃げグループ
逃げは吸収。しかし集団は早くも半分以下に逃げは吸収。しかし集団は早くも半分以下に

 6周目には有力チームの選手らによる12人が先行。ここに数人が合流し20人ほどの集団になったあと、ここからさらに7人が先行する展開となった。

 10周目を終えて、阿部‎嵩之、鈴木譲(宇都宮ブリッツェン)、トリビオとリカルド・ガルシア(チームUKYO)、アイラン・フェルナンデス(マトリックスパワータグ)、入部正太朗(シマノレーシング)、そしてデリアックが先頭グループを形成。目まぐるしい序盤戦を経て展開はいったん落ち着くかと思われたが、激しい展開はさらに続くことになる。

先行グループを猛烈なペースで追いかける清水都貴(ブリヂストンアンカー)先行グループを猛烈なペースで追いかける清水都貴(ブリヂストンアンカー)
約20人の先頭グループ。ここからさらに7人が先行する約20人の先頭グループ。ここからさらに7人が先行する
先頭は7人。この日レースに出走しなかった土井雪広(チームUKYO)がコース脇から指示を送る先頭は7人。この日レースに出走しなかった土井雪広(チームUKYO)がコース脇から指示を送る

 後方のメーン集団から追走の動きを見せたのは、ベンジャミン・プラデス(マトリックスパワータグ)、鈴木真理(宇都宮ブリッツェン)、サルバドール・グアルディオラ(チームUKYO)の3人。この動きに後方から畑中勇介(シマノレーシング)、ブリッツェン増田が合流して、15周目に先頭に追い付くことに成功した。

先頭の7人。ルビーレッドジャージのトリビオが先頭を走る先頭の7人。ルビーレッドジャージのトリビオが先頭を走る
追走の3人。さらに後ろでも活発な動きが追走の3人。さらに後ろでも活発な動きが
先頭7人の後ろに追走が迫る先頭7人の後ろに追走が迫る

 個人総合成績を僅差で争うトリビオと増田が同じ集団となったことで、先頭集団はやや牽制状態が生まれる。ペースが下がった集団に堀孝明(宇都宮ブリッツェン)、野中竜馬(シマノレーシング)、イド・ジルベルシュタイン(チームUKYO)が追い付き、さらにピュアホワイトジャージを着る雨澤毅明(那須ブラーゼン)と、中山卓士(ロヂャースレーシングチーム)も迫る。

ややこう着状態の先頭集団。先頭は阿部‎嵩之ややこう着状態の先頭集団。先頭は阿部‎嵩之

 ここで単独アタックを決めたのは、“逃げ屋”として今シーズンも数々の逃げを打ってきた阿部‎だ。にらみ合いが続く集団から一気に50秒ほどのリードを奪うことに成功した。

 阿部‎が先頭をひた逃げる一方で、追走の第2集団は個人・チームの総合争いが続く宇都宮ブリッツェンとチームUKYOが互いを牽制。散発的な追走の動きができては潰され、ペースは上下するもののトータルでは速くないという状態が続いた。先頭との差が縮まらないまま、阿倍の逃げ切りもあり得る状況となってきた。

アタック、吸収、牽制を繰り返す第2集団アタック、吸収、牽制を繰り返す第2集団
20周目に入った阿部‎20周目に入った阿部‎

 残り5周でガルシア、フェルナンデス、野中、堀の4人の追走グループが形成。これをさらに追いかける動きで、第2集団は完全に分裂した。再構成された追走集団は、UKYOのガルシアとグアルディオラ、ブリッツェンの堀と鈴木真理、マトリックスのフェルナンデスとベンジャミン・プラデス、シマノの畑中、入部、野中、そしてデリアックの10人。ルビーレッドジャージを争うトリビオと増田は見合ったまま、一気に後方に下がってしまう。

4人の追走グループが形成4人の追走グループが形成
追走グループをさらに追う動き追走グループをさらに追う動き
シマノ畑中、野中を先頭に、阿部‎を追い込む追走集団シマノ畑中、野中を先頭に、阿部‎を追い込む追走集団
ルビーレッドジャージ争いのトリビオ、増田は後退。トリビオが増田を厳重マークルビーレッドジャージ争いのトリビオ、増田は後退。トリビオが増田を厳重マーク

 ここまで追走の動きがまとまらなかった第2集団だったが、10人に再構成されてからはシマノレーシングが積極的に牽引。畑中、野中がペースを作り、残り4周で1分弱あったタイム差を、残り2周で15秒にまで縮めてきた。

 ラスト1周を前についに阿部‎は吸収。そのまま10人は阿部‎を抜き去って最後の勝負に臨む。周回の途中ではアタックはかからず、下りきってUターンした、残り600mからゴールまでの上りでの、純粋な力勝負だ。

いよいよ残り1周。追走集団が阿部‎を追い抜くいよいよ残り1周。追走集団が阿部‎を追い抜く
最終カーブの立ち上がり、先頭はデリアック最終カーブの立ち上がり、先頭はデリアック
ガルシアが抜きにかかるが並べないガルシアが抜きにかかるが並べない

 最終のカーブから一番に姿を現したのは、蛍光イエローのジャージを着るデリアックだった。デリアックは力強いスプリントでそのまま先頭を譲らず、ガッツポーズでゴールラインを切って優勝。2位はガルシア、3位には入部が入った。

 デリアックは今シーズン、みやだクリテリウムに続くJプロツアー2勝目。10月のジャパンカップオープンレースでも勝利しており、その実力とレース巧者ぶりを発揮している。この日のレースでは序盤から重要な逃げを見逃さずに反応し続けながら、最終周回でのアタックを狙っていたという。残り250mからスパートし、風下となるイン側ギリギリを走ることで、後方からの追い込みを許さなかった。

ゴール後動けなくなった鈴木真理と蛇行する畑中勇介。激しい戦いを物語るゴール後動けなくなった鈴木真理と蛇行する畑中勇介。激しい戦いを物語る
ピュアホワイトジャージ争いの2人。雨澤毅明は粘ったが後半失速ピュアホワイトジャージ争いの2人。雨澤毅明は粘ったが後半失速

 所属チームのキナンAACAがJプロツアー登録チームではないことで、今シーズンは暫定チームのチームJBCFから個人参戦しているが、来季はキナンAACAがコンチネンタルチーム登録およびJプロツアーチーム登録される見込みで、デリアックもその一員としてJプロツアーに継続参戦する予定だという。

ルビーレッドジャージを守ったトリビオと、ピュアホワイトジャージを奪回した堀ルビーレッドジャージを守ったトリビオと、ピュアホワイトジャージを奪回した堀

 年間総合争いでは、トリビオが後方グループで13位と、15位の増田にわずかに先着。ポイント差は変わらないままルビーレッドジャージを守り、最終戦へと駒を進めることになった。U23のピュアホワイトジャージは、5位に入った堀が雨澤を逆転した。個人総合両ジャージは最終戦での逆転もあり得る状況だが、チーム総合では宇都宮ブリッツェンが2年ぶりの1位を決めている。

 最終戦となる、いこいの道クリテリウムは、翌3日に開催。レースは午前中に予選、午後に決勝の2本立てで行われる。JR大分駅南口すぐの「いこいの道」を会場に、大分の食を楽しむ「おおいたマルシェ」や、各種トークショーなども併催される。

(文・写真 米山一輝)

P1表彰。(左より)2位のガルシア、優勝のデリアック、3位の入部P1表彰。(左より)2位のガルシア、優勝のデリアック、3位の入部
チームが出場を取りやめたため、個人参戦した清水都貴。今季で引退。レース後もファンサービスに務めたチームが出場を取りやめたため、個人参戦した清水都貴。今季で引退。レース後もファンサービスに務めた
残り1周を前に飛び出した牧瀬翼(チームASAHI)が独走で優勝残り1周を前に飛び出した牧瀬翼(チームASAHI)が独走で優勝
女子はチームASAHIが表彰台を独占。(左より)2位のパターソン、優勝の牧瀬、3位の吉岡女子はチームASAHIが表彰台を独占。(左より)2位のパターソン、優勝の牧瀬、3位の吉岡
智野真央がシスターローズジャージを奪還して最終戦の幕張に臨む智野真央がシスターローズジャージを奪還して最終戦の幕張に臨む

P1結果(100km)
1 ロイック・デリアック(チームJBCF) 2時間23分09秒
2 リカルド・ガルシア(チームUKYO) +0秒
3 入部正太朗(シマノレーシング)
4 アイラン・フェルナンデス(マトリックスパワータグ) +1秒
5 堀孝明(宇都宮ブリッツェン)
6 ベンジャミン・プラデス(マトリックスパワータグ) +2秒
7 サルバドール・グアルディオラ(チームUKYO)
8 鈴木真理(宇都宮ブリッツェン) +28秒
9 畑中勇介(シマノレーシング) +33秒
10 野中竜馬(シマノレーシング) +39秒

Jプロツアーリーダー(ルビーレッドジャージ)
ホセビセンテ・トリビオ(チームUKYO)

U23リーダー(ピュアホワイトジャージ)
堀孝明(宇都宮ブリッツェン)

F結果(32km)
1 牧瀬翼(チームASAHI) 54分06秒
2 ジル・パターソン(チームASAHI) +44秒
3 吉川美穂(チームASAHI) +47秒
4 智野真央(ニールプライド・メンズクラブ JFT) +51秒
5 枝光美奈(VC Fukuoka Oceans) +53秒
6 山下由起子(Vitesse-DEAN-Anchor Network) +3分08秒

Jフェミニンリーダー(シスターローズジャージ)
智野真央(ニールプライド・メンズクラブ JFT)

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