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201cmのサイクリスト 山本隆弘<7>選手時代には味わえなかった楽しさ 「岩手雫石ライド」でファンと交流、ご当地の魅力を満喫

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体に合ったサイズの自転車と出会い、ロードバイクを初めて半年が経った山本隆弘さん (佐渡ロングライド=2014年5月撮影)体に合ったサイズの自転車と出会い、ロードバイクを初めて半年が経った山本隆弘さん (佐渡ロングライド=2014年5月撮影)

 ロードバイクに乗り始めて、早いもので半年が過ぎました。自転車に乗ることに抵抗があった僕が、自分の身体に合うサイズの自転車と出会い、今までにない感覚を抱きながら走ってきましたが、正直ココまで自転車にハマるとは想像もしていませんでした。なぜこれほどに楽しいのか。それは、僕にとって全てが新鮮だからです。

勝つために我慢をしていた現役時代

 バレーボールの選手時代は全国各地を飛び回っていましたが、記憶に残っているのは試合会場の体育館と宿泊したホテルくらいでした。大会のための移動はホテル~試合会場~ホテルとなり、ゆっくり観光している時間もないし、試合に向けて食事の管理もしないといけないので、ご当地グルメをじっくり食べたこともありませんでした。町に出るとしても、コンビニに買い物に行くか、昼食が自由な時にランチを食べられるくらい。

 試合で勝つために我慢していた部分はたくさんありました。

現役時代はできなかったファンとの交流も、いまの楽しみの一つ =(佐渡ロングライド=2014年5月撮影)現役時代はできなかったファンとの交流も、いまの楽しみの一つ =(佐渡ロングライド=2014年5月撮影)

 自転車と出会ってから各地のイベントに参加させていただき、現役選手時代にはできなかった観光や、ご当地のグルメを食べることができています。ファンや住民の方との交流は、以前なら自分からガードしていたのですが、今では楽しみの1つとなりました。

 参加している方々と一緒に100km近く走りながら、上り坂でも会話を楽しめるし、自然と列車のように列をつくって一体感を味わいながら走ることもできます。バレーボールもチームワークが一番重要なので、感覚が似ていますね。

 ちゃんとした乗り方なら、自転車が自分のサイズに合っているため変な筋肉痛になることもないし、足首・ひざ・腰・肩と持病を抱えていますが全く痛くならず、逆に持病に良いように感じられます。

 最近、イベントに出ていて強く感じるのは、開催される地域に何百人・何千人ものサイクリストが集まっている、ということのすごさです。なかには、サイクリストが集結することを迷惑だと感じる住民の方もいらっしゃるかもしれませんが、自転車イベントの開催は地域の活性化にもつながっていると感じています。

 僕にとって、自転車で走りながら各地の良さを肌で感じ、ご当地グルメも堪能して、また個人的に観光へ行きたいと思えることが、自転車から離れられない理由になっています。

 サイクリスト生活を始めてからの半年間で、こんなことを感じました。きっと読者の皆さまも同じ思いなのではないでしょうか?

贅沢すぎる午前9時のジンギスカン

早朝の寒さのなか、いざ100kmのライドへ早朝の寒さのなか、いざ100kmのライドへ

 そして、10月には初めて2週連続のロングライドイベントを経験しました。前回紹介した「GREAT EARTH(グレートアース)函館大沼ライド」の次は、同じくグレートアースの「岩手雫石ライド」です。

 10月5日、青空に迎えられ岩手雫石ライドがスタートしました。雫石プリンスホテルを出発すると、直後に3kmほどの下り坂があるのですが、気温0度という寒さに加え、身体が温まっていなかったので凍りつきそうでした。ブルブル震えながら下りきると、のどかな景色を望み、稲刈りの匂いも感じながら緩やかに上っていきます。

 最初のエイドステーション、網張スキー場までは上りでしたがが、函館のヒルクライムに比べたら楽に感じました。最初のエイドを堪能し、第2エイドに向けて出発すると、下り坂が多く楽に進めました。

なんとジンギスカンがエイドとして登場。朝から贅沢ですなんとジンギスカンがエイドとして登場。朝から贅沢です

 周りに見える牧場の牛を眺めながら、あっという間に第2エイドに着きました。ここは誰もが知っている場所ではないでしょうか? 牛乳やヨーグルト、そして「小岩井コーヒー」などで有名な、小岩井牧場です。お・も・て・な・しがすごすぎてビックリしました。午前9時前ではありますが、受付で白米と味噌汁をお盆に乗せ、席まで誘導されます。すると、な…なんとジンギスカンではないですか。エイドでこんな贅沢ができるとは思いませんでした。

 満腹になって身体も温まったら、気持ちも大きくなってしまい、寒いのにソフトクリームを買ってしまいました。写真でもわかると思いますが、おいしそうでしょ? 最高においしかったです。

第2エイドステーションは乳製品などで有名な小岩井農場第2エイドステーションは乳製品などで有名な小岩井農場
ソフトクリームは寒いなかでも最高においしかったソフトクリームは寒いなかでも最高においしかった
広い農場で一休み広い農場で一休み

いつの間にか「チーム隆弘」を結成

走行中に仲良くなった女性と話が弾んだ走行中に仲良くなった女性と話が弾んだ

 こんな感じで毎回ロングライドを楽しんでいますが、さらに楽しいことがありました。僕より自転車歴の長い女性が列を作ってくれて、会話で盛り上がり、時には先頭を走り引っ張ってくれました。

 3つ目のエイドでは、雫石のフルーツを堪能してから足湯に浸かりリラックスタイム。おかげさまで足の疲れも取れ、清々しい気持ちで走ることができました。あっという間に走行距離は70kmを過ぎ、昼食場所のエイドに着いておにぎりと豚汁をいただきました。ボランティアの方々が気持ちを込めて作ってくださった食事に、愛情を感じた瞬間でした。

足湯でリラックス。疲れを癒しに参加者たちが集まってくる足湯でリラックス。疲れを癒しに参加者たちが集まってくる
雫石のフルーツ&スイーツが用意されていた雫石のフルーツ&スイーツが用意されていた
10月上旬、木々が紅く色づき始めていた10月上旬、木々が紅く色づき始めていた

 もう紅葉が始まっていて、四季を感じる風景を眺めつつ、ゴールが近づくことを惜しみながら走っていました。

 すると、名残惜しい気持ちが通じたのか、突然風向きが変わって真正面からの向かい風に。速度を落として走っていると、いつの間にか「チーム隆弘」が出来上がり、隊列は10人以上になっていました。身長が2mを超える僕が先頭で引っ張ると、後ろのライダーは全く風を受けなくて楽に走れるみたいです。チームの人数が増えれば増えるほど楽しく走ることができますね。

ゴールが近づくことを惜しむように走るゴールが近づくことを惜しむように走る

 最後のエイドでは餅つきが行われていて、地域の方々と参加者が、共同作業をして触れ合うことができました。また、皆の力を合わせてついた餅は格別の美味しさがありました。

 来年の再会を誓ってゴール地点のプリンスホテルを目指しますが、スタート後に下った分の上りが待っていました。隊列を組んでいたチーム隆弘の仲間と会話をしながら、上りのきつさを忘れて2週連続の100kmライドを完走することができました。

エイドステーションで餅つき。地元の方と触れ合える時間エイドステーションで餅つき。地元の方と触れ合える時間
2週連続の100kmライドを完走!2週連続の100kmライドを完走!

 今回も、忘れられないライドとなりました。チーム隆弘として一緒に走ってくれた仲間の皆さん、ボランティアとして数々のおもてなしをしてくださった方々、関係者の皆さま、ありがとうございました。

(文 山本隆弘)

山本隆弘山本隆弘

元バレーボール選手。201cmの長身サウスポーとしてスパイクやサーブを武器に、Vプレミアリーグのパナソニック・パンサーズや全日本でエースとして活躍。2008年には北京オリンピックに出場した。2013年に現役引退してからは解説者、タレントとして活動。身長に合わせたオーダーメードのロードバイクで、初めてのスポーツ自転車に挑戦中。山本隆弘オフィシャルブログ「志」http://ameblo.jp/takahirokokorozashi/

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