既存施設利用や大会後の再利用も舛添都知事がロンドン五輪のベロドロームなどを視察 コスト削減など成功のヒント吸収

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 【ロンドン=福田涼太郎】6年後の東京五輪に向けた視察などのため、2012年大会開催地の英国・ロンドン入りした東京都の舛添要一知事は10月28日、メーンスタジアムや選手村などが集まったオリンピックパークの視察を始めた。

 舛添知事はこの日、五輪に合わせて整備された高速鉄道「オリンピックジャベリン」で宿泊先のある市内中心部から、東部のオリンピックパークまで移動。大会後に低所得者向け住宅に様変わりした選手村や、自転車競技会場などを視察した。その後、ロンドンのボリス・ジョンソン市長と面会。東京五輪の会場整備計画の参考にしたい考えだ。

ロンドン五輪で自転車競技会場として利用されたベロドロームを視察する東京都の舛添要一知事 =10月28日、ロンドン(共同)ロンドン五輪で自転車競技会場として利用されたベロドロームを視察する東京都の舛添要一知事 =10月28日、ロンドン(共同)

 同パークは選手村のほか競技会場8施設が集まっていたが、現在は公園として市民に開放されている。競泳会場だったプール施設の「アクアティクス・センター」など各施設は今も市民に利用されている。

◇         ◇

成熟した先進国の五輪モデル ロンドンは「近年で最も成功」

 東京都の舛添要一知事にとって初の本格的な五輪開催地の視察となる今回の訪英。2012年ロンドン大会は会場計画見直しによるコスト削減、終了後も順調な施設利用など成熟した先進国の五輪モデルとして名高い。6年後の東京大会に向け同じ課題に直面する舛添知事がロンドンの経験をどう吸収できるかが、大きな成功の鍵となる。

 ロンドン五輪の総事業費は当初計画の3倍以上となる約87億ポンド(約1兆1千億円)まで膨れ上がった。だが、東京五輪は建設費だけで1兆円に達する恐れがあるともいわれる。

施設管理者からロンドン五輪当時にメディアセンターだった施設の再開発について説明を受ける舛添要一知事 =10月28日、ロンドンのオリンピックパーク(福田涼太郎撮影)施設管理者からロンドン五輪当時にメディアセンターだった施設の再開発について説明を受ける舛添要一知事 =10月28日、ロンドンのオリンピックパーク(福田涼太郎撮影)

 ロンドンは施設の後利用も含め経費圧縮に成功したといえ、ある都職員は「『近年で最も成功した五輪』といわれる」と指摘する。

 ロンドン五輪では競技会場の新設を極力減らして、すでにある施設を利用する取り組みを実施。王室の儀式も行われる市内中心地の広場をビーチバレーの会場として使ったり、新体操やバドミントンなど6会場を別のエリアに移転したり、新設は全34会場のうち9会場に抑えた。

 最終的にロンドン五輪は約3千万ポンド(約46億円)の黒字となり、残った施設もスポーツのほか各種イベントに利用されている。維持費だけがかさむ「負の遺産」でなく、市民にとっての「レガシー(遺産)」を残したと評価は高い。

 ただ、都幹部は「建物の外にせり出すように仮設の観客席が付けられた会場もあったが、地震が多い日本ではまねできない」と、ロンドンとは事情の違う点が多いことも指摘する。東京でも生かせるヒントを探し出すことができれば、舛添知事が掲げる「世界一の五輪」に一歩近づく。 (産経新聞東京社会部 福田涼太郎)

産経新聞より)

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