終盤に山岳4連戦、クライマー有利?オランダ・ユトレヒトで開幕、「ユイの壁」登場 ツール・ド・フランス2015のコース概要発表

  • 一覧
ツール・ド・フランス2015のコースレイアウト (©ASO)ツール・ド・フランス2015のコースレイアウト (©ASO)

 ツール・ド・フランス2015のコースプレゼンテーションがパリで22日午前(日本時間同夜)に開催され、2014年大会の覇者ヴィンチェンツォ・ニバリ(イタリア、アスタナ プロチーム)ら多数の有力選手やゲストが見守る中、全21ステージのコース概要が発表された。2015年のツールは7月4日、オランダ・ユトレヒトで開幕し、3週間で3カ国を通過する3344kmの戦いとなる。ベルギーではクラシックレース「フレッシュ・ワロンヌ」でおなじみの激坂「ユイの壁」が登場。またパリでの最終ステージの前日となる第20ステージに、ガリビエ峠を越えてラルプ・デュエズの頂上ゴールを迎える厳しい山岳ステージが用意された。

ユイの壁とパヴェに挑む第1週 第2週はピレネー山脈へ

 コースプレゼンテーションは、華やかなプロジェクトマッピングとともにスタート。大会主催者であるアモリ・スポル・オルガニザシオン(A.S.O.)社のジャンエティエンヌ・アモリ氏が開会を宣言し、2014年大会のハイライト映像が映し出された。

 レースディレクターのクリスティアン・プリュドム氏は、ツールの将来を見据え、「今まで以上にツール・ド・フランスを愛さなければならない」などと挨拶した。

プレゼンテーションの会場で談笑する2014年大会の覇者ヴィンチェンツォ・ニバリ(右)と同2位のジャンクリストフ・ペロー (AP Photo/Christophe Ena)プレゼンテーションの会場で談笑する2014年大会の覇者ヴィンチェンツォ・ニバリ(右)と同2位のジャンクリストフ・ペロー (AP Photo/Christophe Ena)
大会主催者であるA.S.O.社のジャンエティエンヌ・アモリ氏によるスピーチ (AP Photo/Christophe Ena)大会主催者であるA.S.O.社のジャンエティエンヌ・アモリ氏によるスピーチ (AP Photo/Christophe Ena)

 グランデパール(開幕地)となるオランダ・ユトレヒト市のヤン・ヴァンザーネン市長の挨拶に続き、コースが発表された。第1ステージは、大会唯一となる14kmの個人タイムトライアル。序盤の3ステージはオランダとベルギーが舞台だ。特に第3ステージは、フレッシュ・ワロンヌでおなじみの激坂、ムール・ド・ユイ(ユイの壁)を経てゴールを迎える。

 フランス入国は第4ステージ。ベルギーとフランスの国境に差し掛かるレース後半から終盤にかけて、7セクター・計13.3kmにわたるパヴェ(石畳)区間が登場する。第5ステージ以降は、フランス北部をイギリス海峡に沿って西へと進む。1週目最後となる第9ステージは、28kmのチームタイムトライアルが設定された。

第3ステージのゴール直前に待ち構える激坂「ユイの壁」 (©ASO)第3ステージのゴール直前に待ち構える激坂「ユイの壁」 (©ASO)
第4ステージ後半のパヴェ(石畳)区間 (©ASO)第4ステージ後半のパヴェ(石畳)区間 (©ASO)
第9ステージ・チームTTのゴール前 (©ASO)第9ステージ・チームTTのゴール前 (©ASO)

 空路、フランス南部へ移動して始まる2週目は、ピレネー山脈からアルプス山脈へと進むことになる。ラ・ピエール・サン・マルタンの頂上ゴールとなる第10ステージは、大会最初の上級山岳だ。第11ステージでは、後半にトゥールマレー峠を通過。また、3つのカテゴリー山岳を通過後にプラトー・ド・ベイユの頂上を目指す第12ステージ、ゴール前4kmで10%を超える勾配を上る第14ステージも注目される。

第10ステージのコースプロフィール (©ASO)第10ステージのコースプロフィール (©ASO)
第11ステージのコースプロフィール (©ASO)第11ステージのコースプロフィール (©ASO)
第12ステージのコースプロフィール (©ASO)第12ステージのコースプロフィール (©ASO)

アルプスが舞台の第3週 最終決戦はラルプ・デュエズ

 ツール2015の決戦の舞台となるのは、アルプス山脈。3週目の初日となる第17ステージからは難関山岳4連戦が控える。ゴール前36kmからひたすら長い上りと下りをこなす第17ステージ、4つのカテゴリー山岳を含め大小さまざまなアップダウンが繰り返される第18ステージ、序盤から上級山岳が待ち受ける第19ステージと、総合争いを揺るがす日々の連続だ。

第17ステージのコースプロフィール (©ASO)第17ステージのコースプロフィール (©ASO)
第18ステージのコースプロフィール (©ASO)第18ステージのコースプロフィール (©ASO)

 勝敗が決するのは、第20ステージ。110kmと短いレース距離ながら、前半にテレグラフ峠、ガリビエ峠を前半に通過。約45kmを下り、最後の勝負はラルプ・デュエズ。泣いても笑っても、この頂上ゴールで総合優勝の帰趨が決まるだろう。

第19ステージのコースプロフィール (©ASO)第19ステージのコースプロフィール (©ASO)
第20ステージのコースプロフィール。ガリビエ峠を越えてラルプ・デュエズでゴールを迎える (©ASO)第20ステージのコースプロフィール。ガリビエ峠を越えてラルプ・デュエズでゴールを迎える (©ASO)

 そして7月26日、2015年のツールはしばしのパレード走行を経て、パリ・シャンゼリゼ通りで恒例のスプリントフィニッシュ。同時に102回大会の総合優勝者が誕生する。

 総距離は3344km。構成は、平坦ステージ9、中級山岳ステージ3、上級山岳ステージ7、頂上ゴール5、個人タイムトライアルステージ1、チームタイムトライアルステージ1となっている。

ポイント配分が変更 タイムボーナスは復活

プレゼンテーションを見守る(左から)昨年総合3位のティボー・ピノ、2位のジャンクリストフ・ペロー、総合優勝のビンチェンツォ・ニバリ (AP Photo/Christophe Ena)プレゼンテーションを見守る(左から)昨年総合3位のティボー・ピノ、2位のジャンクリストフ・ペロー、総合優勝のビンチェンツォ・ニバリ (AP Photo/Christophe Ena)

 コースは全体的に、フランス本土の外周を反時計回りに1周するイメージ。総合争いにおいては、多数の山岳ステージはもとより、2014年大会でレースを大きく動かしたパヴェステージ、2年ぶりに採用となるチームタイムトライアルがポイントとなりそうだ。一方で、個人タイムトライアルは第1ステージの14kmのみ。早くも「クライマー有利のツール」との評判も聞かれる。

 コース発表と同時に、いくつかのレギュレーション変更も明らかとなった。まず、マイヨヴェール争いに直結するポイント配分。平坦ステージでは、1位から15位でゴールした選手に50、30、20、18、16、14、12、10、8、7、6、5、4、3、2ポイントが与えられる。

 近年のツールではゴールでのボーナスタイム設定がなされていなかったが、2015年大会から復活。第1週限定で、1位10秒、2位6秒、3位4秒のボーナスが与えられる。これにより、大会序盤から総合勢がアグレッシブな走りを展開する可能性も出てきた。

 コース発表後は、次回ツールで期待されるフランス人選手のほか、2014年大会総合優勝のヴィンチェンツォ・ニバリ(イタリア、アスタナ プロチーム)、2015年2月に現役を引退するカデル・エヴァンス(オーストラリア、BMCレーシングチーム)らがステージへ。それぞれ一言ずつスピーチを行って、プレゼンテーションは閉幕した。今後、有力選手たちが次々とツールへの参戦意思を示すことになるだろう。

文 福光俊介

プレゼンテーションに出席した(左から)マルセル・キッテル、ブレル・カドリ、トニー・ギャロパン、アレクサンドル・クリツォフ、ビンチェンツォ・ニバリ、ティボー・ピノ、ジャンクリストフ・ペロー、カデル・エバンス (AP Photo/Christophe Ena)プレゼンテーションに出席した(左から)マルセル・キッテル、ブレル・カドリ、トニー・ギャロパン、アレクサンドル・クリツォフ、ビンチェンツォ・ニバリ、ティボー・ピノ、ジャンクリストフ・ペロー、カデル・エバンス (AP Photo/Christophe Ena)

■ツール・ド・フランス2015 ステージ概要

7月4日 第1ステージ ユトレヒト(オランダ)~ユトレヒト 14km(個人TT)
7月5日 第2ステージ ユトレヒト~ゼーラント(オランダ)166km
7月6日 第3ステージ アントウェルペン(ベルギー)~ユイ(ベルギー)154km
7月7日 第4ステージ セラン(ベルギー)~カンブレー 221km
7月8日 第5ステージ アラス~アミアン・メトロポール 189km
7月9日 第6ステージ アブヴィル~ル・アーヴル 191km
7月10日 第7ステージ リヴァロ~フージェール 190km
7月11日 第8ステージ レンヌ~ムール・ド・ブルターニュ 179km
7月12日 第9ステージ ヴァンヌ~プリュムレック 28km(チームタイムトライアル)
7月13日 休息日
7月14日 第10ステージ タルブ~ラ・ピエール・サン・マルタン 167km
7月15日 第11ステージ ポー~コテレ-ヴィレ・ド・サン・サヴァン 188km
7月16日 第12ステージ ラヌムザン~プラトー・ド・ベイユ 195km
7月17日 第13ステージ ミュレ~ロデーズ 200km
7月18日 第14ステージ ロデーズ~マンド 178km
7月19日 第15ステージ マンド~ヴァランス 182km
7月20日 第16ステージ プール・ド・ペアージュ~ギャップ 201km
7月21日 休息日
7月22日 第17ステージ ディーニュ・レ・バン~プラ・ルー 161km
7月23日 第18ステージ ギャップ~サン・ジャン・ド・モリエンヌ 185km
7月24日 第19ステージ サン・ジャン・ド・モリエンヌ~ラ・トゥッスイール 138km
7月25日 第20ステージ マダンヌ・ヴァルフレユ~ラルプ・デュエズ 110km
7月26日 第21ステージ セーヴル~パリ・シャンゼリゼ 107km

この記事のコメント

利用規約順守の上ご投稿ください。

関連記事

この記事のタグ

ツール・ド・フランス2015

  • 一覧

新着ニュース

もっと見る

ピックアップ

e-BIKE最新特集

スペシャル

自転車協会バナー

ソーシャルランキング

インプレッション

インプレッション一覧へ

連載