病気をコントロールして夢を実現ジャパンカップを駆け抜けた糖尿病のレーサーたち チーム ノボノルディスクが初来日

by 上野嘉之 / Yoshiyuki KOZUKE
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 宇都宮市で10月18、19日に開催された2014ジャパンカップサイクルロードレースに、選手全員が1型糖尿病患者という「チーム ノボノルディスク」が初来日し、世界のトップ選手とともにコースを駆け抜けた。またレース後、会場でトークイベントに臨み、病気をコントロールして夢を実現することの素晴らしさをアピールした。

チーム ノボノルディスクの(左から)ジョー・エルドリッジ、ハビエル・メヤスレアル、ダヴィド・ロサノリバ、ケビン・デメスメーカー、チャールズ・プラネットの5選手。全員が1型糖尿病をコントロールしながらレース活動を続けているチーム ノボノルディスクの(左から)ジョー・エルドリッジ、ハビエル・メヤスレアル、ダヴィド・ロサノリバ、ケビン・デメスメーカー、チャールズ・プラネットの5選手。全員が1型糖尿病をコントロールしながらレース活動を続けている

糖尿病を「何かができない言い訳にはしない」

 チーム ノボノルディスクは米国籍のUCIプロコンチネンタルチーム。前身は、米国を拠点に活動する1型糖尿病患者の団体「チーム タイプ1」で、2005年に設立された。2012年にデンマークの製薬会社「ノボ ノルディスク社」とスポンサー契約を締結。2013年は3つのレースで表彰台に立ち、20以上のレースでトップ10入りした。今シーズンも8月までに16のレースでトップ10入りするなど、活躍を続けている。

 1型糖尿病は、生活習慣が原因ではなく、自己免疫反応の異常やウイルス感染が原因であったり、あるいは原因不明で発症したりするという。今回、ジャパンカップに出場したジョー・エルドリッジ(32、アメリカ)、ケビン・デメスメーカー(23、ベルギー)、ダヴィド・ロサノリバ(25、スペイン)、チャールズ・プラネット(20、フランス)、ハビエル・メヤスレアル(30、スペイン)の5選手は、それぞれ10~22歳に発症したという。

 チーム タイプ1の共同設立者でもあるエルドリッジ選手は、「糖尿病を持つアスリートが、それぞれの分野のトップレベルで競うことができると示すことは大きな価値がある」と考えて活動を主宰してきた。自ら厳しい競技活動を続ける背景には、「僕は糖尿病があるために自分にできないことがあるとは思わないし、糖尿病を何かができない言い訳にはしない」との考えがあるという。

日本の糖尿病患者らにエール

 ジャパンカップのレース後行われたトークイベントには、元プロロードレース選手の山本雅道さんと、夫人で元バレーボール日本代表の益子直美さんがゲスト出演した。

トークショーに登場し、夢を追うことの素晴らしさを語る益子直美さん、山本雅道さん夫妻トークショーに登場し、夢を追うことの素晴らしさを語る益子直美さん、山本雅道さん夫妻

 山本さんは、チーム ノボノルディスクの活動について、「彼らは病気をコントロールしながら1日5~6時間練習し、世界中を転戦している。周囲の支えもないと続けられないこと。本当に感動しました」などと語り、プロアスリートとして夢を追う選手たちを称えた。

 続いて登壇した5人の選手を代表して、エルドリッジ選手がチームを紹介。「5人とも1型糖尿病ですが、日本最高峰のレースに参戦することができた。走っている間はずっと、日本で糖尿病と闘っている皆さんのことを考えていた。そのことが私たちを強くしてくれた」と語り、日本の1型糖尿病の患者や家族らにエールを送った。

地元・栃木の1型糖尿病患者を代表して4人も参加。チーム ノボノルディスクの選手にメッセージを贈った地元・栃木の1型糖尿病患者を代表して4人も参加。チーム ノボノルディスクの選手にメッセージを贈った

 さらに、地元・栃木県の1型糖尿病患者を代表して小、中学生ら4人も参加。星野将大くん(11)は「両親は僕のためにこれまでがんばってきてくれた。今は僕も小学5年生になり、少しずつでも自分でできることはやろうとがんばっている」、笠倉麻衣さん(14)は「大変なことを乗り越えてがんばっているみなさんの姿は、私の目標になりました」などと語り、病気を乗り越えて夢を実現する意気込みを語った。

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