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海とそよ風の湘南デイズ<4>憧れの新潟・笹川流れスイム、海沿いのバイク、城下町のラン! 何にも代えられない達成感

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 新潟県村上市で9月28日に行なわれた「村上・笹川流れ国際トライアスロン大会」に父娘で参加し、完走してきました。5月に「横浜トライアスロン」を完走してから4カ月とちょっと。横浜で走り終えた際に「次は距離が倍のもの(計51.5kmのオリンピックディスタンス)に出ようよ、これで一人前だよ!」と仲間の勢いと口車に乗せられ、迷っているうちにエントリーをした大会でした。また、村上は私の“始まりの地”でもあります。今回のレポートとともに、トライアスロンへの想いをまとめました。

父と私(左)、病院スタッフのひとりである林さんと「村上・笹川流れ国際トライアスロン大会」出場しました。3人とも見事完走!父と私(左)、病院スタッフのひとりである林さんと「村上・笹川流れ国際トライアスロン大会」出場しました。3人とも見事完走!

あまりにも真剣な選手の表情にドキドキ

 横浜では、まさか私がトライアスロン完走するとは思わなかったからか、仲間は大喜びで私をほめたたえお祭り騒ぎ。そしてそのまま参加することになったわけですが、そもそも数ある大会の中でなぜ村上・笹川流れ国際トライアスロンを選んだのかというと、実は、私の自転車への興味、ひいては今ここに文を寄せている「今」は村上から始まったといっても過言ではない大会だからです。

数年前は父の撮影をしに村上へ行きました数年前は父の撮影をしに村上へ行きました

 数年前、父が「トライアスロンに出るから写真を撮ってくれないか」と私に頼んできました。場所は、“新潟県の上のほう”。「うちから遠いし、ちょっと面倒くさいなぁ」と思いましたが、暇だし食べ物がおいしそうだったのでオーケーを出しました。

 会場近くに前泊し、翌朝からスイム会場へ。広くてきれいな海を背景にして、細くて速そうな自転車がずらりと並んでいました。その中で、たくさんの人が真剣な顔でバイクの点検やトランジットの準備をしていました。その選手たちの顔があまりにも真剣で、運動というものを何もしたことがなかった私には、これから何が起きるんだろうとドキドキしました。

 日差しが一層強くなる中、会場の雰囲気だけでなく見ている私の気分も一層盛り上がってきました。いよいよ競技スタート。色違いのスイムキャップをかぶった選手たちが海に飛び込んでいきます。私は父が海から上がるのをカメラ片手に待っていたのですが、スイムアップしてきた選手の表情、バイクに乗り初めの急な坂道を登ってゆく後ろ姿、バイクが終わってランに向かう様子、どれも最高にかっこいい! 夢中で何枚もシャッターを切ったことを覚えています。

準備は万端。「忘れ物はもう二度としません」宣言準備は万端。「忘れ物はもう二度としません」宣言
「村上・笹川流れ国際トライアスロン大会」受付会場「村上・笹川流れ国際トライアスロン大会」受付会場
道中、おいしい海鮮丼を頂きました道中、おいしい海鮮丼を頂きました

スポーツの美しさに衝撃 「うらやましい」

 選手たちがランに行ったのち、私はシャトルバスで先回りをしてゴール地点で待機していました。そこで印象に残ったのは、沿道やゴール会場での地元の人達の温かい応援や、ゴールで選手に配る食事を作る人達の姿でした。一生命頑張っている選手を一生懸命サポートする様子はまた素敵で、人の温かさを見た瞬間でした。

2014年、ついに「村上・笹川流れ国際トライアスロン」を完走しました2014年、ついに「村上・笹川流れ国際トライアスロン」を完走しました

 それまで音楽だけをやってきた私には、まったく知らなかった世界。汗くさいと思っていたスポーツの尊さや美しさを初めて目にし、その想像とのギャップは衝撃的でした。

 ようやく父がゴールしてきました。満足そうな顔で、「達成感でいっぱいだ」と語る父をうらやましいとまで感じました。そして帰るころには、「自分もいつかあの中で挑戦したい」と思っていたのです。

 ただし、運動嫌いで1kmもまともに走れない私がいきなり3種目もやるなんて無理だとは思っていました。そこでまずは、一番かっこよさそうな自転車を買ってみるのがいいんじゃないかなと考えたわけです。

2012年に出会った愛車「デニーロ」2012年に出会った愛車「デニーロ」
大会前夜の村上牛がおいしすぎて、ご飯を3杯おかわりしました大会前夜の村上牛がおいしすぎて、ご飯を3杯おかわりしました

 2012年には愛車「デニーロ」と出会い、仲間ができて、「Cyclist」を知り…ようやく、村上・笹川流れ国際トライアスロン出場までたどり着いたのです。

スイムは海底の小魚の数を数えながら…

大会前日、不安でいっぱいで目もうつろ大会前日、不安でいっぱいで目もうつろ

 美しい海で泳ぐスイム、笹川流れを望むバイクコース、そして城下町を走るランコースは、どれも憧れでした。念願叶い、加速するナルシストな妄想とともにチャレンジが始まったかのように見えました…が、努力家な父とは対照的に相変わらず練習怠惰な私。

 当日もオーシャンスイムでは、まわりの選手たちが先を競い合って泳ぐ中、カッコだけは速そうな私は海底の小魚の数を数えながらノロノロ泳ぎ。トランジットでは急ぐどころか座り込んで洗顔まで始めるマイペースぶり。でも実は…疲れすぎて立っていられなかったんです!

 大好きなバイクパートでは向かい風に体力を削られ、巡航速度も思うように上がらずはたから見たらサイクリングのようだったと思います。せっかくの美しい日本海も、強風との戦いでまともに見ている暇はありませんでした。ただ、私のように最後のほうに現れる選手にも手を振って応援してくれる村上の人の応援には絶対応えようと思い、全員にありがとうとひたすら返事をしていました。

競技中に発見! “下ハン”で楽々

父娘でゴール! 父の着ているトライスーツは私からの誕生日プレゼント父娘でゴール! 父の着ているトライスーツは私からの誕生日プレゼント

 自転車を40kmも連続して走っていると、新しい発見もありました。強風で向かい風だと姿勢を低くしたほうが速くなることが分かり、今まで怖くて持てなかったハンドルの下部分“下ハン”を慎重に持ってみました。それが、思った以上に楽だったんです!

 その後はずーっと下ハンで走行。なぜみんなDHバーをつけるのか、身にしみてわかりました。すさまじい肉体疲労をよそに、「競技中に発見・進化できるなんて」と頭の中はルンルンでした。

 その後のランは、結構ペースもよく沿道に手を振りながらさくさくと走れました。一番苦手だったランが一番楽だったなんて。最近まで1kmも走れなかった自分が信じられませんでした。沿道の人にかっこいい姿を見せたい、という妙なナルシズムが奮い立たせたのかもしれません。

 最後は、先にフィニッシュして待っていた父親と一緒にゴールテープを切らさせてもらい、長くてあっという間のチャレンジは成功裏に終えることができました。あの達成感は何にも代えがたく、最高の気分で眺めた帰りがけの夕日は一生忘れられないと思います。

大会後に見た夕日。 時が止まったような瞬間です大会後に見た夕日。 時が止まったような瞬間です

◇         ◇

 競技を終えてからも、どうしてもアドレナリンを制御できず、帰り道に父娘で寄った回転すしでは30皿以上を平らげました。味噌汁を何回もおかわりし、アイスをほおばり、クルマの中でコーヒーを飲みながらケーキを食べ、大音量のロックを聴きながら夜中に湘南へ帰宅…変な父娘の姿は、かなり怪しかったかもしれません。

米どころでいただく完走後のお寿司はおいしかった~!米どころでいただく完走後のお寿司はおいしかった~!
アイアンマンの食欲のすさまじさを物語る写真アイアンマンの食欲のすさまじさを物語る写真

 次回は何が待っているのでしょうか。さらなる挑戦が楽しみです!

塩田菜々塩田菜々(シオタ・ナナ)

湘南生まれ、湘南育ち。2012年よりロードバイクに乗り始め、翌年には「バイシクルライド東京」「GREAT EARTH 富良野ライド」「ワイズカップ彩湖4時間エンデューロ」といったサイクリングイベントのほか、「大磯ロングビーチ・ファミリートライアスロン」へ出場。2014年には「横浜トライアスロン」スプリントディスタンス・エイジ部門を完走。愛車は「デ・ローザ R848」(愛称デニーロ)。歯科医師として日々の臨床に携わりながら、大学院でスポーツ医歯学研究にも従事している。特技は英会話。好きなものは愛犬とおいしいパン、嫌いなものは採血と激坂。

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