2015年北陸新幹線開通まで待ちきれない!進め、海と里山のカントリーロード ポタガール埼玉の「能登半島一周」自転車旅<後編>

  • 一覧

 北陸新幹線開通まで待てない、いますぐ黄金色の棚田に出会いたい、砂浜を走り抜けてみたい! ――そんな熱い思いと自転車を背負い、ポタガール埼玉のさおりん(後口沙織)と、私、まさみん(岩崎雅美)のペアが石川県・能登半島一周ライドへ行ってきました。4日間で約260kmを走るプランを立て、台風18号を背にしながらワープ(輪行)が使えないこの女子ライド。無事に完走することができるのか…さおりんの装備中心レポート<前編>に続いて、レポートします。

行ってきました、さおりん(左)&まさみんの能登半島一周ライド行ってきました、さおりん(左)&まさみんの能登半島一周ライド

 今回の能登ライドのきっかけとなったのは、2014年2月に行われた「埼玉サイクルエキスポ2014」でした。能登半島は、アップダウンは多いものの勾配はゆるく走りやすいためビギナーにも楽しめる地形。雪が降るため側道は広く、定期的に整備されている快適な道路環境も魅力のひとつです。欧米や東南アジアなどから多くのサイクリストが訪れているというほど自転車人にはたまらない魅力が詰まっていると知り、さおりんと計画を立てました。

北陸新幹線の開通を待てずに飛行機で輪行して走ってきました北陸新幹線の開通を待てずに飛行機で輪行して走ってきました

 ルート作成で参考にしたのが「奥能登ロードマップ」。よくある観光マップと違うのが道の駅やトイレの設置箇所の情報だけではなく、「ちょっとした峠越え」「日本海を見ながら走れる快走路」「走りやすい山間路」など道路情報まで載せてくれている点です。また観光スポット付近や、目印のわかりにくい交差点などは拡大図もあるのでこのマップさえあれば安心して旅ができます。裏面には観光スポットがわかりやすくまとめられており、各店舗の営業時間やご当地グルメもしっかり案内されているので観光ガイドとしても十分な情報量でした(入手方法は、奥能登広域圏事務組合0768-26-2314あるいは能登半島広域観光協会0767-53-7767)。

さおりん&まさみんの能登半島一周ライド

【1日目】のと里山空港~ボラ待ちやぐら~九十九湾~恋路海岸~見附島~鉢ケ埼温泉
【2日目】珠洲~禄剛崎灯台~椿展望台~白米千枚田~輪島
【3日目】輪島朝市~総持院祖院~門前~琴ケ浜鳴き砂パーク~世界一長いベンチ~ヤセの断崖~機具岩~中島~能登島~和倉温泉
【4日目】和倉温泉~気多大社~なぎさドライブウェイ

「新米」味ジェラートのおいしさに絶叫

 のと里山空港へは、羽田空港からおよそ1時間のフライトでに到着。2015年春に北陸新幹線が開通すれば、JR東京駅から金沢駅までは2時間半です。自転車を組み立て走り始めると、さっそく能登ならではの風景が待ち受けていました。平坦な道に加え、波打つように緩やかな上りと下りを繰り返す里山はリズムよく走ることができました。

「抹茶プリンにかけたキラキラ光る黒蜜」の風景(笑)「抹茶プリンにかけたキラキラ光る黒蜜」の風景(笑)

 緩やかな道を登りきると、黄金色のお米をつけた田んぼのなかに、この地方独特の黒い瓦屋根がキラキラと光る景色が目に入りこみ、思わず「きれい…」つぶやいてしまいました。この風景を女子ワードで表現すると、まるで「抹茶プリンにかけたキラキラ光る黒蜜」です(笑)。

「マルガージェラート」の「新米」味は絶叫するおいしさ「マルガージェラート」の「新米」味は絶叫するおいしさ

 そんなことを考えながら走り続けているとジェラートの看板を発見。即右折し、“能登で一番おいしいジェラート”が食べられるという「マルガージェラート」を目指しました。店頭にはいちじくや栗など、季節の味が多く並んでいました。「新米」味のあまりのおいしさには、2人で絶叫。もちもちで大粒のお米が入っていてとってもおいしいのです。マルガージェラートは、空港から20kmほど走った場所なので、休憩ポイントしてもちょうどいい距離です。

 その後は九十九湾というイカの漁船が停泊する海の町を走り抜け、悲恋伝説をもつ恋路海岸へ。海岸に浮かぶ島の両側から波が押し寄せ、ちょうど鳥居の前で波のぶつかる様子がなんとも情緒的でした。

ランチのクジラ丼をいただきますランチのクジラ丼をいただきます
悲恋伝説をもつ恋路海岸悲恋伝説をもつ恋路海岸

 数キロ進むとその形から「軍艦島」とも呼ばれる見附島も見ることができました。手入れされた芝に立ち並ぶ松の木から漂ってくるリゾート感のなかで一息ついたものの、夕暮れの気配に慌てて先を急ぎました。そしてホテルに到着するなり急いで海岸へ。海に沈む夕日をなんとか見ようと駆け込みセーフで写真撮影をしました。

 日の出に始まり、日の入りに終わる一日――これこそ旅の贅沢です。

夕日に間に合いました! 珠洲ビーチホテルの浜辺で夕日をバックに夕日に間に合いました! 珠洲ビーチホテルの浜辺で夕日をバックに

能登に来たら絶対に走ってほしいオススメルート

イギリス人設計者によって建てられたという禄剛崎灯台にてジャンプイギリス人設計者によって建てられたという禄剛崎灯台にてジャンプ

 2日目はホテルを出発し、まずは能登半島の最北端にある須須神社や、“日本三大パワースポット”に数えられる「聖域の岬」の空中展望台に立ち寄りました。能登には珍しい5%を超える傾斜の坂も登場。途中、白亜のオシャレな禄剛崎灯台(ろっこうさきとうだい)で恒例のジャンプ写真をおさめ、道の駅「狼煙(のろし)」でスイーツがわりに濃厚なお豆腐でエネルギー補給し再度気合いを入れました。そして少しずつ標高を獲得しながら、「椿展望台」を目指しました。

 キャリアに荷物を積んだクロスバイクで上るのは、なかなかツライ…。時速10km以下にスピードを落としつつペダルを廻し続け、ついに展望台へ。「やったー!って、ここは沖縄?」、そう思うほどキレイな青色の海岸を眼下にしてテンションは最高潮でした。

 展望台からは、「ツール・ド・のと400」の舞台となるS字の道(通称「ラケット道路」)を望むことができました。下るのは気持ちよくても、大会ではこの道を上ってくるというから恐ろしい。

スイーツがわりの豆腐には、珠洲の特産品「大浜大豆」が使われている。能登塩といっしょにスイーツがわりの豆腐には、珠洲の特産品「大浜大豆」が使われている。能登塩といっしょに
「聖域の岬」の空中展望台「スカイバード」も訪れましたが、高所恐怖症の筆者(手前)は手すりから手を離すことができず笑顔もひきつる…「聖域の岬」の空中展望台「スカイバード」も訪れましたが、高所恐怖症の筆者(手前)は手すりから手を離すことができず笑顔もひきつる…
自転車好きの店長について語るスタッフ吉田さん自転車好きの店長について語るスタッフ吉田さん

 少し進んだところにある「しおカフェ」は、自転車好きの店長がサイクリストのために作ったカフェ。素通りすることは許されません。しおカフェでは、「普段は割と無口な店長が、サイクリストが入ってくると急にキラキラした子供の顔になって自転車トークを始める」とスタッフの吉田さんが教えてくれました。私は、ノンアルコールの塩サイダーカクテルをいただきました。ヒルクライムで熱くなった体にご褒美の一杯となりました。吉田さんも「お店に入ってきてくれるサイクリストがきまってすごくいい笑顔なので、そろそろ1台目の自転車を買おうかなと考えています」とサイクリスト宣言をしてくれました。

千枚田を見下ろせるスポットに来ました千枚田を見下ろせるスポットに来ました

 その後も昔ながらの製法を守る塩田や、暗くて荒い日本海のイメージを壊すような海の色で目を保養しながら次の目的地へと向かいました。本日最後の登り坂を制覇してたどり着いたのは、「白米千米田(しろよねせんまいだ)」。海を望む急斜面に、ちょうど稲刈りを終えた千を超える棚田の形がくっきりと描かれ圧巻の景色が広がっていました。

 いくつかつらい坂もあったけれど、最高の景色やグルメを楽しみながら走れる60km。この日のコースは、能登に来たら絶対に走ってほしいポタガールオススメのルートになりました。

石川県に来たら能登牛は“マスト”

輪島朝市では「えがらまんじゅう」を朝のデザートに輪島朝市では「えがらまんじゅう」を朝のデザートに

 3日目に訪れた輪島朝市では、「おそろいの服? かわいいわね~」「どこから来たの?」とお店のお母さんや行き交う人たちが声をかけてくれました。走っているときもお父さんが農作業しながら手を振ってくれたり、井戸端会議中のお母さんたちも声援を送ってくれたりと、能登はサイクリストを歓迎する雰囲気に満ちていると感じました。

 この日は、緩やかだけど長い上りの道が続きペースダウン。それでも、「お昼には能登牛が待っている。カロリーを消費するのだ!」という気持ちと、癒しの里山風景に背中を押されて前へと進むことができました。

 予定より少し遅れて辿り着いたのが、石川県内でしか食べられないという能登牛のステーキ丼。これは…おいしい! みなさん、石川県に来たら能登牛は“絶対”ですよ! 能登牛パワーをつけたいまなら、どんな坂でも越えられる。だけど、できるだけ平坦な道がいいな…だって女子だもの♡(もちろん旅慣れた人は走りごたえのあるルート設定も可能です)

能登牛のステーキ丼!能登牛のステーキ丼!
和倉温泉の足湯でホッと一息和倉温泉の足湯でホッと一息
世界一ながいベンチでかっこつけるふたり世界一ながいベンチでかっこつけるふたり
輪島温泉近くの輪島漁港も訪れました輪島温泉近くの輪島漁港も訪れました
琴が浜鳴き砂パークではしゃぐ“海なし県民”琴が浜鳴き砂パークではしゃぐ“海なし県民”

 …ということで選んだのが県道48号。この選択は大正解でした。地元の人しか通らないような昔から変わらぬ風景のカントリーロードは、これまで走ってきた能登の風景の中でも格別。朝市で買った柚餅子総本店中浦屋の「玉ゆべし」でエネルギー補給しながら能登島へと進み、和倉温泉に向かって能登島大橋を渡るときには、右手に沈んでいく夕日を眺め感無量でした。

 最終日は和倉温泉からおよそ30km南下し、ついにクルマで走ることができる砂浜「千里浜なぎさドライブウェイ」へ。台風の影響で砂浜は走ることができないかもと不安もよぎりましたが、晴れ女が2人もいれば心配なし。マイ自転車やレンタルのビーチクルーザーで、波とかけっこしながら走るのは本当に楽しい経験でした。

念願叶い、クルマで走ることができる砂浜「千里浜なぎさドライブウェイ」を疾走!念願叶い、クルマで走ることができる砂浜「千里浜なぎさドライブウェイ」を疾走!

◇         ◇

 私たちが終始心を震わされたのが能登の家並み。能登瓦の黒く輝く木造建築からは、重厚感と華やかさが共存した文化や悠久の歴史まで感じることができました。来年の「埼玉サイクルエキスポ2015」(http://cycle-expo.jp)では、能登ブースでポタガールの走った女子ライドを紹介する予定です。楽しみにしていてくださいね。

(レポート ポタガール埼玉・岩崎雅美)

この記事のコメント

利用規約順守の上ご投稿ください。

関連記事

この記事のタグ

グルメ ツーリング ポタガール

  • 一覧

新着ニュース

もっと見る

ピックアップ

e-BIKE最新特集

スペシャル

自転車協会バナー

ソーシャルランキング

インプレッション

インプレッション一覧へ

連載