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はらぺこサイクルキッチン<22>菜食×トレーニングの体重推移 9日間の豪レース「クロコダイルトロフィー」参戦にカウントダウン

by 池田清子 / Sayako IKEDA
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 マウンテンバイクプロアスリートである夫の池田祐樹は、10月18日から26日までオーストラリアでノンストップの9日間闘いが繰り広げられる「クロコダイルトロフィー」に向けて調整を続けています。今回は、レースへ向けた食事トレーニングの様子に加えて、会う人会う人に「痩せたね」という反応をもらう祐樹さんの体重の推移を大公開。遠征などで重要となる、他国へ食材を持ち込む際の注意点も調べました。

左は2014年4月、顔が少しふっくらしています。そして右が2014年10月上旬。比べてみると、顔も身体もラインが違いますね左は2014年4月、顔が少しふっくらしています。そして右が2014年10月上旬。比べてみると、顔も身体もラインが違いますね

目的は「健康に、強くなる」

体重計測を始めた今年5月から10月までのグラフ。徐々に減っていて、最近は目標体重であった63kg前後で安定してきました体重計測を始めた今年5月から10月までのグラフ。徐々に減っていて、最近は目標体重であった63kg前後で安定してきました

 まずは、2014年5月から計測している祐樹さんの体重グラフをご覧いただきましょう。測定開始時に66.2kg、プラントベースダイエット(菜食中心の食事)を開始した時は66.4kg(5月27日)。67.4kgをピークにどんどん下降し、目標体重に設定した63kgを下回る日もちらほらあります。直近の計測では62.7kgを記録しました。平均体脂肪率は7~8%をキープしています。

 マウンテンバイクを始めた25歳ごろは70kg近くあったというので、身体つきはずいぶん変化したのではないかと思います。公式プロフィールも67kgから63kgに書き換えました。もちろん、体重が全てではありません。私たちの目的は「健康に、強くなる」ということ。日々のトレーニング、適切な休養、使った分を補いながらも身体をリードしていく偏りのない栄養素を意識しています。

 体重はその目安のひとつ。体重が落ちたからといって、手放しで喜べるということではなく、酷使する身体(内蔵も)をいたわって、明日へと繋げることができる身体をつくります。

マンネリを防ぐ菜食グルメ

トレーニング後の昼食。強度が高いトレーニングの後は米も多め。レンコンと柿を黒酢と梅干しで煮たものなどを具材に、ノンオイルで。めずらしくオーガニックのキウイが手に入りましたトレーニング後の昼食。強度が高いトレーニングの後は米も多め。レンコンと柿を黒酢と梅干しで煮たものなどを具材に、ノンオイルで。めずらしくオーガニックのキウイが手に入りました

 食事は、基本的にはプラントベースダイエットを続けています。“基本的に”というのは、お誘いを受けた時や皆で同じものを食べる機会など、動物性のものいただくこともあるからです。その際は、ストレスにならないようにその場を楽しみながら食しています。調整ができる自宅での食事は「できるだけ菜食を実行したい」という祐樹さんの要望で、動物性を抜く食事にしています。やはり消化の速さ、回復の速さ、持久力アップが実感できるそうです。

 プラントベースダイエットの中でも、作り手は工夫が必要です。実りの秋、おいしいものが沢山ありますね。最近では一年中手に入る野菜も多いですが、季節に応じた栄養素が強い旬のものを積極的に使っています。例えば同じ“炒め物”でも野菜や味付け、盛りつけ方、トッピングを変えると全く違った食事になるので、マンネリ化を防ぐことができますし、栄養のバランスも整います。ついつい同じような食事のローテーションになりがちなので、意識して気を付けています。

ある日の昼食。王滝でいただいた採れたてきのこを大根おろしやモロヘイヤと。ピーマンのおから詰めある日の昼食。王滝でいただいた採れたてきのこを大根おろしやモロヘイヤと。ピーマンのおから詰め
トレーニング後の昼食。ビーフンをスープ仕立てに。たんぱく質が足りていないと感じた時はヘンプシードを上からふりかけますトレーニング後の昼食。ビーフンをスープ仕立てに。たんぱく質が足りていないと感じた時はヘンプシードを上からふりかけます
アマランサスとキヌア混ぜて、発芽させて炊いた無農薬玄米。味も食感もほとんど変わりませんアマランサスとキヌア混ぜて、発芽させて炊いた無農薬玄米。味も食感もほとんど変わりません

 エネルギー源として欠かせない炭水化物のうち、主となるものはコメ。玄米にアマランサスやキヌアを入れて炊いています。これだけでも上質なビタミンやたんぱく質、ミネラルが簡単に摂れますので「栄養が偏りがち」「特に栄養を強化したい目的(レースなど)がある」という方はぜひ試してみてください。

 祐樹さんは、「体重は落としてもパワーは落とさないように気を付けている。菜食にするに当たって、最初はパワーが落ちるのではないかという不安はあった」と今年5月のプラントベースダイエット開始時を振り返りました。

 「徐々に体重が減る中で、体重に対してのパワー値は向上している。体感的には、回復が早いということ。体調が安定していて、風邪も全く引いていません。見た目の変化もうれしい。『絞れている、しなやかな筋肉』『見た目がスッキリした』と言われることが増えた。いまのところ、食事がどの位影響しているか分からないけれど“爆発的な最大パワー値”をもっと高めたいと思っています」

トレーニング後の昼食。発芽玄米にオクラ納豆、野菜をふんだんに入れて。味噌汁にも根菜がたっぷり。昼食は丼ものが多いトレーニング後の昼食。発芽玄米にオクラ納豆、野菜をふんだんに入れて。味噌汁にも根菜がたっぷり。昼食は丼ものが多い
とある日の夕食。大豆ミートを使った麻婆豆腐、かぼちゃ、イチジクなど。10月、さつま芋・栗・かぼちゃを取り入れていますとある日の夕食。大豆ミートを使った麻婆豆腐、かぼちゃ、イチジクなど。10月、さつま芋・栗・かぼちゃを取り入れています
野菜の切り方も変化をつけて、食感のバリエーションも持たせています。こちらは人参と大根を、ツマ風にできるカッターで細切りにしたサラダ。適量加えたミックスナッツやレーズンもアクセントに。黒酢と塩コショウで味付け野菜の切り方も変化をつけて、食感のバリエーションも持たせています。こちらは人参と大根を、ツマ風にできるカッターで細切りにしたサラダ。適量加えたミックスナッツやレーズンもアクセントに。黒酢と塩コショウで味付け

国によって規制が異なる検疫

 9日間のステージレース「クロコダイルトロフィー」では、オーストラリア・ケアンズからスタートして各地を周ります。夫は今回初参加で、私も同行します。サポートの参考にレースのことをインターネットで検索すると、あちらこちら「世界で最も過酷なレース」と称されているではありませんか。2月に参戦した「ヤックアタック」でも同じようなことを耳にしたような…。

 レース前後は、キッチン付きの宿を予約しました。レース中は、カナダのステージレース「シングルトラック6」で経験したような、大会側が用意する“ミールプラン”を申込みました。こちらも楽しみですが、カナダと同様に今回もセレクトした食材を持参しようと考えています。

 今回「オーストラリアは食材の持ち込みに関する規制が厳しい」という噂を聞き、大使館のウェブサイトで調べたり電話で問い合わせをしたりしました。持参するナンバーワンには玄米をリストアップしていたのですが、まさに玄米など「発芽する可能性がある状態の穀物はNG」(精米された白米はOK)とのことで、残念ですが断念しました。それ以外にも、次のような細かい規制が定められていました。

 ■許可が下りている食材であっても、入国カードに必ず申告をすること
■未開封、かつ常温で長期保存できるものであること
■開封されているもの、または容器を移し替えての持ち込み、市販でない手作りの加工食品は没収の可能性がある
■乾燥食品は2kgまで
■グレーゾーンなものは現地の担当官ごとの判断になる

 これを受けて、既に開封してしまっていたものは新たに購入したり、大使館の方も判断ができなかった“グレーゾーンの食材”などは冒険せずに現地調達に切り替えたり、対策を取りました。

シーズンの残りのレースもわずか。がんばります!シーズンの残りのレースもわずか。がんばります!

 結果的に日本から持参する食材は、未開封の梅干し(シソの葉と塩だけで漬けたもの)、昆布、ワカメふりかけ、ビーツパウダー、ほうれん草パウダー、モリンガ(緑の植物)パウダー、となりました。何度か渡航した経験のあったオーストラリアであっても、食材を持参することはなかったのでまたひとつ勉強になりました。トラブルを防ぐ為にも、当然ですが準備の段階で確認することは重要ですね。

 ちなみに“日本人のソウルフード”でもある梅干しは、レース直前に食してもらう予定です。現地では灼熱の太陽&高湿度が予想されますので、クエン酸とナトリウム(塩分)の摂取により疲労回復を促したいと思います。

◇         ◇

「アドベンチャー イン 富士見 MTB」の表彰状と完走賞。当日は強い雨が降り、レインジャケットを着用して臨みました。様々な状況に対応していく能力もアスリートには求められます「アドベンチャー イン 富士見 MTB」の表彰状と完走賞。当日は強い雨が降り、レインジャケットを着用して臨みました。様々な状況に対応していく能力もアスリートには求められます

 遠征前の10月5日、最後のフィットネスの確認の意味でも出場した「アドベンチャー イン 富士見 MTB」では、招待選手ではありましたが優勝を飾りました。このままオーストラリアへと繋げたいと思います。

 オーストラリアでは、実は私にとって人生初のキャンプ生活が待ち受けています。お風呂は、洗濯は?…不安もありますが、この際楽しみながら、準備をしっかりとして精一杯頑張って参ります。

池田清子池田清子(いけだ・さやこ)

アスリートフード研究家。モデル事務所でのマネージャー経験を生かし2013年夏よりトピーク・エルゴンレーシングチームUSA所属ライダー、池田祐樹選手のマネージメントを開始、同秋結婚。平行して「アスリートフードマイスター」の資格を取得。アスリートのパフォーマンス向上や減量など、目的に合わせたメニューを日々研究している。ブログ「Sayako’s kitchen」にて情報配信中。

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