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RENの「自転車のススメ」<9>ゆけ、いざ益田へ…青春18きっぷで! 今年は北陸回り、やっぱり線路は続くよどこまでよ

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 金曜の朝6時。私は出発の地、東京駅のホームを踏みしめた。愛車が入った輪行バッグと共に、目指すは島根県益田市。今年も開催される「益田I・NA・KAライド」に参加するのです。ただし、私の手に握られた切符は「青春18きっぷ」…そう、今年も行きます鈍行で島根県へ! 愛車と共に2日間の遥かなる乗り鉄の旅に出発です! 「線路は続くよ。どこまでよ?」

東京駅のど真ん中。日本の鉄道の起点となる「0キロポスト」が存在する。やはり、東京駅は遥かなる乗り鉄の旅に相応しい聖地!東京駅のど真ん中。日本の鉄道の起点となる「0キロポスト」が存在する。やはり、東京駅は遥かなる乗り鉄の旅に相応しい聖地!
出発の数日前、サイクリスト編集部へ「青春18きっぷ」を受取りに。編集長「REN君、日本海が見たいんだよね…」出発の数日前、サイクリスト編集部へ「青春18きっぷ」を受取りに。編集長「REN君、日本海が見たいんだよね…」
5日間で11850円、1日あたり2370円の魔法のチケット。「青春18きっぷ」と書いてあるが、18歳以上でも使用可能5日間で11850円、1日あたり2370円の魔法のチケット。「青春18きっぷ」と書いてあるが、18歳以上でも使用可能
イーボックのトラベルバック。帰りは飛行機なので安心できる製品をチョイスイーボックのトラベルバック。帰りは飛行機なので安心できる製品をチョイス

編集長の一言から、北陸経由のルートに…

 日本の鉄道の“中心”が、東京駅のホームから見えるのをご存知でしょうか? ホームから見える「0」のモニュメントを見て、まずは上野に向かいます。

 「ん? ちょっと待って? 島根県を目指すのになぜ東京駅から上野駅へ?」と思った方がいらっしゃるかもしれませんね。

身長188cmの私がボックスシートに座るとこんな感じ。満員電車ではいつも座るのをためらいます身長188cmの私がボックスシートに座るとこんな感じ。満員電車ではいつも座るのをためらいます

 その理由とはですね、「REN君。僕は綺麗な日本海の風景が見たいんだよね」というCyclist編集長の夢を叶えるため、なのです。昨年は東海道線でまっすぐ西を目指したのですが、今年はぐるっと北陸経由です。という事はですよ…そう、去年とは比べられないほど列車にたくさん乗れるのです!(ひ、ひぃ…)

 上野駅で高崎線に乗り換え。始発駅にはやはり趣がある。何と言っても電車が出発時刻を待っている姿。旅情を誘います。予定より一本早い、06:15発の827M(←列車番号です)に乗って高崎駅を目指します。

 首都圏を走っている新型のE231系は、長時間の乗車を考えていないので、椅子のクッションが薄く硬いのが不満。通勤・通学に焦点を当てているから、コレばっかりはしょうがないですかね…。

上野駅を出発してすぐに尾久車両センターが見えてくる。広大な敷地を隅々までチェックし鉄分補給上野駅を出発してすぐに尾久車両センターが見えてくる。広大な敷地を隅々までチェックし鉄分補給
「マルチプルタイタンパー」を捕獲。線路の歪みを直す保線車両。夜勤の彼は朝に眠る「マルチプルタイタンパー」を捕獲。線路の歪みを直す保線車両。夜勤の彼は朝に眠る
だんだんと住宅が少なくなり、緑が多くなってきた。車窓の変化を楽しむ余裕がまだまだあるだんだんと住宅が少なくなり、緑が多くなってきた。車窓の変化を楽しむ余裕がまだまだある

お弁当食べながら、楽しく上越線

車両は短くなり、乗客の数も減る。鉄道旅の醍醐味が、ここからスタートしたと言っても過言ではない車両は短くなり、乗客の数も減る。鉄道旅の醍醐味が、ここからスタートしたと言っても過言ではない

 高崎駅に08:01到着。

 予定の時刻より早い列車に乗れたため、時間に少し余裕ができたので、すかさずお弁当を買っておく。昨年は東海道線の乗継ぎがあまりにもスムーズ過ぎて食料難に陥りました。購入したのは「だるま弁当」。身体の大きい私には朝食にピッタリのサイズ。山菜がふんだんに使われ、優しい味でした。食べた後は貯金箱になるという粋な計らい。

 高崎駅で乗り換えた08:24発の727Mは、前回の旅(東海道~山陽本線)ではなかなか乗れなかった、国鉄時代の車両、115系です。早速、フカフカなクッションのボックスシートに座ることができました。次の目的地は、温泉で有名な水上駅です。

 新前橋駅で両毛線とお別れし、いよいよローカル線色が濃くなる。山間部に突入したため、上越線は右へ左へ蛇行している。電車のモーターは唸りを上げ、峠を登っていく。

115系湘南色。旧型車両がまだ現役で頑張っている。自転車と一緒で鋼鉄製の車体は長生きする115系湘南色。旧型車両がまだ現役で頑張っている。自転車と一緒で鋼鉄製の車体は長生きする
だるま弁当は朝ごはんにピッタリだった。お弁当はボックスシートじゃなきゃ食べる気にならない! 最高!だるま弁当は朝ごはんにピッタリだった。お弁当はボックスシートじゃなきゃ食べる気にならない! 最高!
かつて常磐線を走っていた俊足の651系。改造を施され高崎線を走る。LEDヘッドマークが特徴かつて常磐線を走っていた俊足の651系。改造を施され高崎線を走る。LEDヘッドマークが特徴

18キッパーサイクリストの青年と、土合駅に大興奮

 水上駅には定時の09:31に到着。冬は雪深い場所として有名ですね。ホームにもそれを物語るように、滑り止めの人口芝が設置されていました。普段、都会での生活の中では知る事ができない、ちょっとした発見が嬉しい。09:47発1733M、長岡行きの各駅停車へ乗り込もう。

 すると輪行袋を抱え、ホームを右往左往している青年を発見。きっと自転車を置く場所に困っているのだろう。声を掛け、私のバイクと重ねて置くことを勧めました。

 話を聞くと、佐渡ヶ島で開催されるトライアスロンに出場するとのこと! おお! しかもお互いに電車好きの「18キッパー」! 歳の離れた友人が誕生した瞬間です。

新潟に所属する115系はこの色。耐寒耐雪の車両です。車両の性格が変わるのも長距離移動ならでは新潟に所属する115系はこの色。耐寒耐雪の車両です。車両の性格が変わるのも長距離移動ならでは
水上駅のホームに敷かれた人工芝。雪を払って車内に乗り込むためのもの。雪国ならではですね水上駅のホームに敷かれた人工芝。雪を払って車内に乗り込むためのもの。雪国ならではですね
学生として最後の大会に向かうという青年。鉄道好きでもあるようで下記の土合駅では一緒に大興奮学生として最後の大会に向かうという青年。鉄道好きでもあるようで下記の土合駅では一緒に大興奮

 電車は「国境の長いトンネルを抜けると…」の新清水トンネルへ突入。そして鉄道好きの間で有名なモグラ駅(土合駅)に到着。ドアを開けると「ドッ」と冷気が流れ込みます。

別世界と言ってもおかしくないほどの空気。今回は下車できなかったが一度は訪れてみたい地だ別世界と言ってもおかしくないほどの空気。今回は下車できなかったが一度は訪れてみたい地だ

 この駅は深部にあることで有名で、改札を通ってからホームへ辿りつくまで462段の階段を降りなくてはいけません。所要時間約10分。目がくらむような光景らしい…後ろ髪を引かれる思いですが、またの機会に。

 電車は新幹線接続駅でもある越後湯沢駅へ10:28に到着! 短い時間を共にした青年とは、お互いの健闘を祈ってお別れしました。

ほくほく線を行く スピードとトンネルは男のロマンだ!

 ここからは北越急行、通称「ほくほく線」に乗車。10:39発3832M、直江津駅行き快速列車に乗り込み発車の時を待ちます。この路線は、上越新幹線から北陸地方をバイパスするための第三セクター方式の路線。何と言っても特徴的なのはそのスピードです。特急「はくたか」は160km/hという、在来線最速のスピードで駆け抜けます。しかし来春の北陸新幹線開通で、「はくたか」はその役目を終えて廃止となってしまうのが寂しいところです…。

いかにも速そうな雰囲気の681系「はくたか」号。ほくほく線内を在来線国内最高速160km/hで駆け抜けるいかにも速そうな雰囲気の681系「はくたか」号。ほくほく線内を在来線国内最高速160km/hで駆け抜ける
こちらはほくほく線の各停・快速用車両。2両編成でこぢんまりしているが、特急列車から逃げる為、素晴らしい加速をみせるこちらはほくほく線の各停・快速用車両。2両編成でこぢんまりしているが、特急列車から逃げる為、素晴らしい加速をみせる
ほくほく線はJRではないので別途料金を払わなくてはならない。直江津駅まで北越急行が乗り入れているほくほく線はJRではないので別途料金を払わなくてはならない。直江津駅まで北越急行が乗り入れている
新幹線の線路?と錯覚するような緩やかな線形。イコール全く人里離れた部分にも駅があるということ。そういった場所にも是非訪れてみたい新幹線の線路?と錯覚するような緩やかな線形。イコール全く人里離れた部分にも駅があるということ。そういった場所にも是非訪れてみたい
急行列車並の豪華な車内。トンネルが多い路線を活かし、休日になるとプラネタリウムを上映するロマンチックな車両も走っている急行列車並の豪華な車内。トンネルが多い路線を活かし、休日になるとプラネタリウムを上映するロマンチックな車両も走っている

 出発すると、線路はスキー場を縫うように走り、そしてトンネルと超高速コーナーが連続するステージへ。建築物好きやトンネルフリークは、この路線にある「鍋立山トンネル」を涙なくしては通過できません。私も例に漏れず、先頭車両からの前面展望でトンネル内をくまなくチェックします。トンネル断面が馬蹄形~円形~馬蹄形とその形状を変化させていきます。

鍋立山トンネルに突入! 「トンネルってどれも一緒でしょ?」と思う事なかれ。長い歳月を掛け作られたトンネルマンの思いがぎっしりと詰まっている鍋立山トンネルに突入! 「トンネルってどれも一緒でしょ?」と思う事なかれ。長い歳月を掛け作られたトンネルマンの思いがぎっしりと詰まっている

 実はここ、世界的にも難工事だったことで有名なトンネル。全長9116.5mを掘るのに、工事中断期間も含めて22年も要してしまったのです。難工事の原因は、高圧ガスと軟弱な地盤。掘り進んでも、猛烈な地圧と泥で切削機が入り口まで押し戻されてしまうという、想像を絶する事故が発生。窮地に陥ったのです。例えるなら、豆腐の山に穴をあけるような…。

 しかし、日本のトンネルマンは見事に貫通させたのです。難関を打破するのに選んだ方法は、「掘削部分に薬剤やミルクセメント等を注入し山の性質を変える」というもの。実はトンネル断面が変化するのは、様々なトンネル工法を駆使した名残りなのです。日本のトンネル技術は世界一。納得です。

 いくつものトンネルを抜け、ついに日本海が見えてきました。終点、直江津駅に到着です。

ついに来たよ北陸・日本海!

ついに日本海を見た! 都内から約6時間程。早い!早い?と感じるかはその人次第…。「飛行機だったら…」と考えるのは止めましょうついに日本海を見た! 都内から約6時間程。早い!早い?と感じるかはその人次第…。「飛行機だったら…」と考えるのは止めましょう

 時刻は12:01。次は12:08発550M、富山行きに約2時間乗車です。まだまだ、長い…長いな…。日本海を右手に見ながら、北陸地方を進みます。素晴らしいダイナミックな景色。前回の旅と比べても、窓の外を眺める時間が長いです。

 14:10に富山駅に着き、14:13出発の金沢行き450Mに乗換え。途中駅の高岡から城端線に乗れば私の母方の祖母に会えるのですが、今日は先を急ぎます。そしてついに北陸の中心地、石川県は金沢駅に15:27到着! 「ここまで来たか!」何か一区切りついた感じです。

最新型である521系。物々しい先頭車デザインだ。増結することが多いので転落防止用の幌が取り付けられている最新型である521系。物々しい先頭車デザインだ。増結することが多いので転落防止用の幌が取り付けられている
重機がズラズラと並んでいる。ここは小松。やはりコマツ。海外の採掘場でも活躍する建設機械メーカーですね重機がズラズラと並んでいる。ここは小松。やはりコマツ。海外の採掘場でも活躍する建設機械メーカーですね
駅から見える場所に超大型のダンプカーが! もちろん日本の公道は走れない大きさ。スケール感が奇妙で笑ってしまう。ここも降りてみたい場所の一つに駅から見える場所に超大型のダンプカーが! もちろん日本の公道は走れない大きさ。スケール感が奇妙で笑ってしまう。ここも降りてみたい場所の一つに

 それにしても北陸本線は特急列車も頻繁に走っており、次の列車も15:30発と乗換えがスムーズ。なかなか駅で売店に寄る時間がありません。福井駅行き350Mに乗車。終点まで乗りたいところですが、その先の敦賀までの接続が悪く、16:43芦原温泉駅で一旦降車。次の乗車まで、貴重な約30分のインターバル。ホームのベンチでお弁当とちくわを食べておきます。

カニ寿司とちくわをゲット。駅弁は鉄道旅行の楽しみの一つでもありますよね。冷えていても美味しいというのは、素晴らしい味付けの技術カニ寿司とちくわをゲット。駅弁は鉄道旅行の楽しみの一つでもありますよね。冷えていても美味しいというのは、素晴らしい味付けの技術
ちくわ絶品! 補給食として流行るんじゃないだろうか?と思うほどです。手を汚さず気軽に食べられますちくわ絶品! 補給食として流行るんじゃないだろうか?と思うほどです。手を汚さず気軽に食べられます

だんだんと日も暮れて…

 芦原温泉駅17:15発、敦賀駅行き352Mに乗車。日本海側は曇りがちな日が多く、「弁当わすれても傘わすれるな」という言葉があるほど。ですが、今日はたっぷりと景色を楽しめています。

 さすがに疲労の色が濃くなりウトウト…。

 メガネで有名な鯖江駅。うっすらと目を開けると、窓の外を必死で走り回る人の姿が…。

 あ、あれ!? 福井に住む先輩MTBライダー、S崎さんじゃないですか!

 なんと今回の旅をFacebookで知り、お弁当と缶ビールを差し入れてくださいました。短い停車時間でしたが、出会えたことが奇跡! ほんの一言だけ言葉を交わすことができました。感動です。敦賀駅には18:37到着。ここで北陸本線とお別れし、「YES, WE CAN」小浜線へ。

 いよいよ日が暮れ、景色を楽しむことができなくなります。ここからは得意のゾンビタイム。精神を無にし、時間を潰します。

敦賀からは小浜線。電化する必要があったのか疑問に残る運転本数で、旅客数もグッと減る。ここで登場するのは125系敦賀からは小浜線。電化する必要があったのか疑問に残る運転本数で、旅客数もグッと減る。ここで登場するのは125系
「Yes We Can!」「Yes We Can!」
もう少し! 真っ暗闇の中を115系が駆け抜ける。「いかにも回ってます」という旧世代の唸るモーター音が心地いいもう少し! 真っ暗闇の中を115系が駆け抜ける。「いかにも回ってます」という旧世代の唸るモーター音が心地いい
貸切状態。座席は転換クロスシートに改造済み。シートピッチはお世辞にも広いとはいえないが、進行方向に向ける安心感はプライスレス貸切状態。座席は転換クロスシートに改造済み。シートピッチはお世辞にも広いとはいえないが、進行方向に向ける安心感はプライスレス
ついに本日の乗り鉄終了! 緑色のカエルみたいな車両。まだまだ元気に走ってほしいものですついに本日の乗り鉄終了! 緑色のカエルみたいな車両。まだまだ元気に走ってほしいものです

着いた! 長かった! まだ1日目だ!

 小浜線、舞鶴線、山陰本線はスムーズに乗継ぎに成功。ゾンビなので記憶がありません。最後は、園部駅22:04発の449M「リレー号」に乗車。快調に飛ばし、23:14、遂に本日の目的地豊岡駅に到着!

 長かった…。そして疲れた…。前回の旅より、見所は沢山あったかな。その分、疲れも倍増か?

「つかれたぁー」約17時間を電車の中で過ごしました。「飛行機だったら地球の裏側に行けるのに…」ちなみに最終目的地はまだ先です(笑)「つかれたぁー」約17時間を電車の中で過ごしました。「飛行機だったら地球の裏側に行けるのに…」ちなみに最終目的地はまだ先です(笑)

 旅は次回へ続きます。2日目も益田への移動をこなしつつ、「出雲大社」と廃線となった「大社線」を散策! お楽しみに!

 さて、夜はホテルで長旅の疲れを癒しましょう。駅に一番近いホテルに電話をすると、「むむむ…」何か嫌な予感がします。ホテルに着くと、その予想は的中。オバケが出そうな古いホテルで、部屋の電気を消さずに寝ることに。写真を撮るのをためらうほど…トラウマになりそうな経験でした…。

2日目はちょっと寄り道 出雲大社や廃線跡、サイクルトレインで極楽旅

小林 廉(こばやし・れん)/REN小林 廉(こばやし・れん)/REN

数々のCM・雑誌・ファッションショーで活躍するトップモデル。08年より本格的にスポーツサイクルに乗り始める。毎月発行される自転車雑誌に見ない月はないというほどの“乗れるモデル”。日本マウンテンバイク協会公認インストラクター。特技はウィリー(映像を見る)。身長188cm、体重74kg。東京都在住。オフィシャルブログ「REN’s World」。取材のお問い合わせは info.studioren@gmail.com まで

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