個人総合はトリビオが堅守エドワード・プラデスが初優勝、スペイン勢が表彰台独占 Jプロツアー「南魚沼ロードレース」

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 国内ロードレースのシリーズ戦「Jプロツアー」の第16戦「JBCF 南魚沼サイクルロードレース」が9月28日、新潟県南魚沼市の三国川ダム周辺で行われ、エドワード・プラデス(マトリックスパワータグ)が最後の上りでのアタックを決めてツアー初優勝を挙げた。2位にはサルバドール・グアルディオラ(チームUKYO)、3位には優勝したエドワードの兄、ベンジャミン・プラデス(マトリックスパワータグ)が入り、スペイン勢が表彰台を独占した。

最後の上りでアタックしたエドワード・プラデス(マトリックスパワータグ)が優勝を飾った最後の上りでアタックしたエドワード・プラデス(マトリックスパワータグ)が優勝を飾った
スタートラインに並んだ有力選手たちスタートラインに並んだ有力選手たち

 Jプロツアーとしては初開催となる南魚沼ロードは、2009年に開かれた新潟国体のコースの一部を使用。三国川(さぐりがわ)ダムの下流をスタートしてダム湖まで駆け上がり、湖の周囲を回って戻ってくる12kmの周回コースが設定された。P1(Jプロツアー)ではこれを10周回し、最後にダム湖まで約2kmを上ってゴールとなる122.0kmで争われた。明確な上り区間はダムの下から上までの1カ所のみだが、ここは10%近い斜度を約1.5km上る厳しい区間だ。

三国川(さぐりがわ)ダムを望む補給ゾーン三国川(さぐりがわ)ダムを望む補給ゾーン
上り区間は10%近い平均斜度上り区間は10%近い平均斜度

 午前11時15分、89人の選手がスタート。晴天に恵まれたが、風と日差しが強く、気温も上昇し、やや厳しいコンディションでの戦いとなった。

1周目、ブリッツェンが集団をコントロール1周目、ブリッツェンが集団をコントロール
1周目に形成された逃げ集団1周目に形成された逃げ集団
逃げる2人とメーン集団逃げる2人とメーン集団

 スタート後、ダム湖畔の平坦区間に入って9人が抜け出した。ここに後続から3人が追い付き12人の逃げ集団となるが、まだメーン集団も動きが活発で、次の上り区間の頂上手前で逃げを吸収。この直後にアタックが決まり、最初の12人の中に入っていた阿部‎嵩之と堀孝明(ともに宇都宮ブリッツェン)の2人が抜け出すことに成功した。

 2人を追うメーン集団は、上りでスピードアップした影響からいったん35人程度に絞られ、せめぎ合いが続いたが、前方をブリッツェンが固めたことからスローダウン。遅れた選手も合流し、集団は50人以上に膨らんだ。逃げとの差は最大で2分半程度にまで開いた。

4周目、上りで堀孝明を牽引する阿部‎嵩之4周目、上りで堀孝明を牽引する阿部‎嵩之
宇都宮ブリッツェンがメーン集団をコントロールし、逃げる2人との差が広がった宇都宮ブリッツェンがメーン集団をコントロールし、逃げる2人との差が広がった

 しかし、人数が増えたメーン集団は、残り5周を前に上り区間で一気にペースアップし、先頭をチームUKYOが固めて本格的な追走体制に入った。逃げの2人は阿部‎が積極的にペースを作り、上りに強い堀を終盤の戦いに温存する構え。しかし阿部‎の表情は厳しく、ペースを思うように上げられない。

チームUKYOがメーン集団をコントロールチームUKYOがメーン集団をコントロール
この日2位に入ったサルバドール・グアルディオラが、リーダージャージのホセビセンテ・トリビオを牽引この日2位に入ったサルバドール・グアルディオラが、リーダージャージのホセビセンテ・トリビオを牽引

 残り3周で逃げとメーン集団の差は1分弱。上りでペースアップしたことで、集団も25人程度まで人数が減っている。集団内の動きは活性化し、畑中勇介(シマノレーシング)が単独で先頭グループへのブリッジを試みたほか、個人総合首位のルビーレッドジャージを着るホセビセンテ・トリビオ(チームUKYO)も数人で飛び出し、これを個人総合争いのライバル増田成幸(宇都宮ブリッツェン)が追う場面も見られた。

単独でブリッヂを試みた畑中勇介単独でブリッヂを試みた畑中勇介
メーン集団から飛び出したエドワード・プラデス、ホセビセンテ・トリビオ、入部正太朗メーン集団から飛び出したエドワード・プラデス、ホセビセンテ・トリビオ、入部正太朗

 先頭ではあと2周を残した上りで阿部‎が脱落。単独で先頭となった堀も、頂上を目前にして集団に飲み込まれた。ここからカウンターアタックの攻防で抜け出したのは、再度逃げた堀と、ルビーレッドジャージのトリビオ、そして入部正太朗(シマノレーシング)、ベンジャミン・プラデス(マトリックスパワータグ)の4人だ。

(左から)入部正太朗、ベンジャミン・プラデス、ホセビセンテ・トリビオ(左から)入部正太朗、ベンジャミン・プラデス、ホセビセンテ・トリビオ

 その後、堀は力尽きたが、チームメイトの増田ら数人が後続集団からブリッジを掛けて先頭グループに追い付くことに成功した。

 いよいよ残り1周となり、先頭グループはわずか10人弱。ダム周回のアタック合戦では入部、グアルディオラ、エドワード・プラデスの3人が抜け出すことに成功した。

先行するグループを追い上げる増田成幸先行するグループを追い上げる増田成幸
残り1周で抜け出した入部、グアルディオラ、エドワード・プラデス残り1周で抜け出した入部、グアルディオラ、エドワード・プラデス

 追走グループには上りで遅れていた10人ほどが追い付き、15人弱の集団が20秒ほどの差で追いかける。チームUKYO、マトリックスパワータグは3人以上の選手を先頭グループと追走集団に送り込んだが、ブリッツェンはすでに増田ただ一人。しかも、個人総合を争うトリビオらUKYO勢の執拗なマークに動きを封じられた状態だ。

 集団からは武末真和(ロヂャースレーシングチーム)のアタックをきっかけに窪木一茂(チームUKYO)、ベンジャミン・プラデスが先頭を追った。最後の上りに入り残り1km地点で、窪木とベンジャミン・プラデスが先頭3人に追い付くことに成功。最後のスプリント勝負に挑むのは、UKYO勢の窪木とグアルディオラ、マトリックス勢はベンジャミン&エドワードのプラデス兄弟、そしてシマノレーシングの入部という陣容だ。

上りでアタックを決め、単独先頭に立ったエドワード・プラデス上りでアタックを決め、単独先頭に立ったエドワード・プラデス

 残り500mを前にエドワードが仕掛けると、窪木と入部が遅れ、グアルディオラとベンジャミンもやがて離れた。最終コーナーを前に十分な差を付けたエドワード・プラデスが、そのまま先頭で両手を挙げてゴール。グアルディオラ、ベンジャミンと続き、3位までをスペイン勢が独占する形となった。日本人最高位は4位の窪木だった。

 優勝したエドワード・プラデスは27歳。Jプロツアーは初勝利だが、今年と昨年、スペイン選手権で2年連続5位という実力者だ。今シーズン当初はポルトガルのコンチネンタルチームに所属していたが、チームが資金難に陥ったため、兄のベンジャミンを頼り来日、8月よりマトリックスパワータグに加入した。加入当初はレースのブランクから苦戦するレースが続いたが、9月後半に入って本来の実力を発揮し始めている。

 レース後のエドワードは、「チームの皆の助けがあって、もちろん兄にも最後に一番助けてもらって、兄と表彰台に一緒に立ててとても嬉しい。今日は兄を勝たせるために走ったが、結果としてはこうなった。とても上手くいったと思う。次のレースでも自分ができることをして頑張っていきたい」と謙虚にコメントした。

スペイン人の3選手が表彰台を独占。左からサルバドール・グアルディオラ、エドワード・プラデス、ベンジャミン・プラデススペイン人の3選手が表彰台を独占。左からサルバドール・グアルディオラ、エドワード・プラデス、ベンジャミン・プラデス
トリビオと堀が、それぞれルビーレッドジャージとピュアホワイトジャージを守ったトリビオと堀が、それぞれルビーレッドジャージとピュアホワイトジャージを守った
ゴール前で争うホセビセンテ・トリビオ(左)と増田成幸ゴール前で争うホセビセンテ・トリビオ(左)と増田成幸

 年間ポイント争いではルビーレッドジャージのトリビオが、最後の上りでの増田との攻防に競り勝って7位でゴール。僅差で続く増田との間にUKYOのリカルド・ガルシアが差し込む念の入れようで、シリーズ首位の座を守った。チームUKYOは10位までに5人を送り込み、9位の増田のみだったブリッツェンに対し、大きくポイントを加算することに成功した。

 シリーズは秋の連戦が続き、次戦は1週間後の10月4日と5日、福島県で「いわきクリテリウム」が開催される。

(文・米山一輝/写真・米山一輝、平澤尚威)

プラデス兄弟の兄、3位に入ったベンジャミン・プラデスプラデス兄弟の兄、3位に入ったベンジャミン・プラデス
E1で優勝を飾った西薗良太選手に、コースの印象を聞く解説の栗村修さん(右)E1で優勝を飾った西薗良太選手に、コースの印象を聞く解説の栗村修さん(右)
智野真央がゴール前の上りで2位以下を引き離して優勝智野真央がゴール前の上りで2位以下を引き離して優勝
女子2位の樫木(左)、優勝した智野、3位の針谷女子2位の樫木(左)、優勝した智野、3位の針谷

P1結果(122.00km)
1 エドワード・プラデス(マトリックスパワータグ) 3時間14分28秒
2 サルバドール・グアルディオラ(チームUKYO) +8秒
3 ベンジャミン・プラデス(マトリックスパワータグ) +21秒
4 窪木一茂(チームUKYO) +28秒
5 入部正太朗(シマノレーシング) +36秒
6 武末真和(ロヂャースレーシングチーム) +36秒
7 ホセビセンテ・トリビオ(チームUKYO) +57秒
8 リカルド・ガルシア(チームUKYO) +57秒
9 増田成幸(宇都宮ブリッツェン) +57秒
10 山本隼(チームUKYO) +1分10秒

Jプロツアーリーダー(ルビーレッドジャージ)
ホセビセンテ・トリビオ(チームUKYO)

U23リーダー(ピュアホワイトジャージ)
堀孝明(宇都宮ブリッツェン)

F結果(38km)
1 智野真央(NEILPRYDE-MENS CLUB JFT) 1時間14分20秒
2 樫木祥子(駒澤大学自転車部) +9秒
3 針谷千紗子(Live GARDEN BICI STELLE) +17秒

Jフェミニンリーダー
棟近陽子(EURO-WORKS Racing)

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