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はらぺこサイクルキッチン<21>菜食生活を送りやすい日本 竹谷、小野寺両選手のレース持参フードも拝見

by 池田清子 / Sayako IKEDA
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 8月に海外遠征を終え、帰国して10日後の9月15日に迎えたのは、長野県王滝村の山々を120km走る「セルフディスカバリーアドベンチャー(SDA)・イン・王滝」のクロスマウンテンバイクマラソンレースでした。夫、池田祐樹選手にとっては、年間3つのレースを通しての総合首位“キング・オブ・マウンテンバイク”3連覇がかかった大事なレース。今回の連載では、帰国後からレース中までの食事を公開するほか、6月下旬からプラントベースダイエット(菜食の食生活)を始めたという小野寺健選手(MIYATA-MERIDA BIKING TEAM)の食事も紹介します。

プラントベースダイエットを6月下旬から続けている小野寺選手(中央)、夫の池田祐樹選手とともにプラントベースダイエットを6月下旬から続けている小野寺選手(中央)、夫の池田祐樹選手とともに

やっぱり日本食

帰国後の夕食の一例。この日は豆腐&納豆丼、揚げ豆腐の炒め物、モロヘイヤの豆乳スープなど大豆づくし帰国後の夕食の一例。この日は豆腐&納豆丼、揚げ豆腐の炒め物、モロヘイヤの豆乳スープなど大豆づくし

 帰国して最初に感じたのは、やはり日本はプラントベースダイエットを実行しやすい国だということ。たんぱく源として欠かせない納豆や豆腐などの大豆製品は、海外でも手に入りやすくなったとはいえ、日本では手頃な価格ですし、慣れ親しんだ日本製品の食感はまた格別です。

 それらに加えて帰国後、大豆でできた植物たんぱく食品“大豆ミート”を新たに発見。見た目も食感もまるでお肉なのです。作り手の私にとっては、メニューを考えやすくなり、料理のバリエーションも増えました。さっそく回鍋肉風の炒め物などを作りました。

帰国後は大豆ミートを使って、プラントベースダイエットメニューにバリエーションを増やしました帰国後は大豆ミートを使って、プラントベースダイエットメニューにバリエーションを増やしました
大豆ミートを使って回鍋肉風に。見た目も食感もお肉そっくりで、作り手としてありがたい存在大豆ミートを使って回鍋肉風に。見た目も食感もお肉そっくりで、作り手としてありがたい存在

 逆に、日本で手に入りにくくなったのは、栄養価の高いスーパーフードと呼ばれる食物。アメリカで愛用していたビーツ、ケール、ヘンプシード、チアシードなどは普通のスーパーではまだまだ見かけませんね。持ち帰ったストックがなくなる前に、日本で入手できる方法を探そうと思っています。

コンディションは良好

 王滝のレース前に一番重視したことは、夏野菜と秋野菜を組み合わせ、とにかく体調を崩さないでレースに臨んでもらうこと。体重も安定し、特に減量の必要もなかったので、バランスの良い食事を心がけました。体調も極めて良く、改めて植物性食物の持つパワーはすごいと感じました。

王滝村の民宿藤屋にて、レース2日前の夕食。國井選手(左)と鍋を囲んで王滝村の民宿藤屋にて、レース2日前の夕食。國井選手(左)と鍋を囲んで
宿のご主人(写真)自ら採って来てくださったきのこ。奥がボウズで手前はとっても珍しいクロカワ。新鮮な旬のものを食べられることも、遠征での楽しみのひとつ宿のご主人(写真)自ら採って来てくださったきのこ。奥がボウズで手前はとっても珍しいクロカワ。新鮮な旬のものを食べられることも、遠征での楽しみのひとつ

 2日前の夕食からは、定宿「藤屋」で植物性のみの食事をいただきました。この日は國井敏夫選手(MilePost BMC Racing)もご一緒に、宿のご主人自らが採ってきてくださったきのこのお鍋を囲みました。

 レース当日朝の祐樹さんの体重は、63.1kgとベスト。会場では多くの方に「痩せたね」「お尻が小さくなった」「体格が変わった?」などと言われました。見た目の変化がかなりあったようです。ちなみに私にも「はらぺこの記事を参考に食事を作っている」「紹介していたキヌアを食べるようになった」などと、何人かが声をかけてくださいました。ありがとうございます。

パワーの上がる食事へ見直しも必要

レースにはハイドレーションパックとジェルを溶かしたボトル1本の計1920kcalレースにはハイドレーションパックとジェルを溶かしたボトル1本の計1920kcal

 レース当日、朝6時スタートのため3時40分に起床し、すぐに朝食。40cmほどのバゲット1本を、蜂蜜とバナナ、豆乳とともにスタートの2時間前にはペロリと完食しました。

 そして今レースの補給物は、ハイドレーションに2リットルの濃い目のスポーツドリンクを蓄え、ボトルにはジェルを7つ溶かしました。計1920kcal。固形物は摂らない予定ですが、念のためグミを1袋携帯しました(結果的に摂りませんでした)。会場では「池田祐樹が教える補給アドバイス」として、補給の目安やプランについて紹介した紙も配布されましたよ。

 レース結果は3位。キング・オブ・マウンテンバイクには一歩届かず2位でした。機材トラブルが2回あったことを除いても、実力面でおよばなかったと受け止めています。当日のパワーも、コンディションは悪くなかったものの上がりきりませんでした。使う食材のレパートリーをもっと増やすなどして、食事面も見直そうと思っています。

受付時に参加者に配布された「池田祐樹が教える補給アドバイス」。祐樹さんの基本補給プランも紹介受付時に参加者に配布された「池田祐樹が教える補給アドバイス」。祐樹さんの基本補給プランも紹介
120kmを5時間45分56秒でフィニッシュ。優勝は5時間39分10秒の恩田祐一選手(MIYATA-MERIDA BIKING TEAM)120kmを5時間45分56秒でフィニッシュ。優勝は5時間39分10秒の恩田祐一選手(MIYATA-MERIDA BIKING TEAM)
男子120kmの表彰台男子120kmの表彰台

補給食に「ういろう」

小野寺選手に見せてもらった、フィニッシュ後のリカバリーフード。豆乳をはじめ豆大福やナッツなど、全て植物性をチョイス小野寺選手に見せてもらった、フィニッシュ後のリカバリーフード。豆乳をはじめ豆大福やナッツなど、全て植物性をチョイス

 今回4位だった小野寺選手からは、6月21日に行われた「ヒルクライムおんたけ」で、祐樹さんのパフォーマンスと体型の変化を見て以来、菜食を実行しているとの報告をいただきました。この間、動物性の食事は魚3回のみ。小野寺選手は「菜食を始めた直後が一番変化を感じた」そうです。

 さらに、「トレーニングでいつもと同じメニューをやっても、『この辺りから辛い』というところでいつもより疲労を感じなかった。調子がいいので続けている。体重の変化はあまりないが、肉を食べていたときよりも調子がいい」と教えてくれました。レース後のリカバリーフードも、豆乳、豆大福、カシューナッツ、レーズンと植物性でそろえていました。

 竹谷賢二選手(SPECIALIZED)は、100kmのマウンテンバイクレースと、その2日前に行われた42kmのダートマラソンとの合計で争われる「キング・オブ・王滝」の頂点に輝きました。その竹谷選手がレースでフィニッシュした直後に、補給食についてインタビュー! バックポケットから出てきたのは「ういろう」でした。ういろうの原材料で一番多く使われているのは、砂糖。エネルギー源としては「納得!」でした。「固形物を食べると気分的にも変化が生まれるし、ういろうはおいしくてエネルギーになるから」と、特にトライアスロンの時によく食べるのだそうです。

男子100kmで優勝、ダートマラソンとの合計タイムで「キング・オブ・王滝」となった竹谷選手。フィニッシュ直後に見せていただいた、補給食のういろう男子100kmで優勝、ダートマラソンとの合計タイムで「キング・オブ・王滝」となった竹谷選手。フィニッシュ直後に見せていただいた、補給食のういろう
会場のブースにて。もっと経験を積んで、またここに戻って来ます会場のブースにて。もっと経験を積んで、またここに戻って来ます

◇         ◇

 国内での大きな大会は、これで終了。今回はとても悔しい結果でした。次は10月後半にオーストラリアで行われる9日間のステージレースが控えています。体力的にも精神的にも相当過酷なことが予想されます。私も選手と同じ気持ちで駆け抜けたいと思います。

池田清子池田清子(いけだ・さやこ)

アスリートフード研究家。モデル事務所でのマネージャー経験を生かし2013年夏よりトピーク・エルゴンレーシングチームUSA所属ライダー、池田祐樹選手のマネージメントを開始、同秋結婚。平行して「アスリートフードマイスター」の資格を取得。アスリートのパフォーマンス向上や減量など、目的に合わせたメニューを日々研究している。ブログ「Sayako’s kitchen」にて情報配信中。

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