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選手生活の最後を飾った世界記録1時間で51.115km走破 43歳のイェンス・フォイクトがアワーレコードを更新

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 8月にロードレースから現役引退したイェンス・フォイクト(ドイツ、トレック ファクトリーレーシング)が9月18日、スイスのグレンヘンでアワーレコードに挑戦し51.115kmの新記録を打ち立てた。

アワーレコードに挑戦し51.115kmの新記録を樹立したイェンス・フォイクト(photo:Ulf Schillerschillerphoto.com)アワーレコードに挑戦し51.115kmの新記録を樹立したイェンス・フォイクト(photo:Ulf Schillerschillerphoto.com)
スタートするイェンス・フォイクト(photo:Ulf Schillerschillerphoto.com)スタートするフォイクト(photo:Ulf Schillerschillerphoto.com)

 アワーレコードは1時間でどれだけ走れるかを競うトラック競技。選手はトラックのなかを1時間にわたり、ひたすら高出力で走り続ける。その過酷な競技に、前日に誕生日を迎え43歳になったばかりの大ベテランが挑んだ。フォイクトは8月にアメリカで開催されたステージレース「USAプロチャレンジ」でロードレースから現役引退。そしてキャリア最後の挑戦に選んだのがアワーレコードだった。

 フォイクトは序盤から、オンドレイ・ソセンカ(チェコ)が2005年に樹立した49.7kmを上回るペースを維持。58分9秒の時点でソセンカの49.7kmに到達し、ベロドロームに集まった観客を大いに沸かせた。終盤にペースを上げる驚異的な走りを見せたフォイクトは、1周250mのベロドロームを約204周、51.115kmを走破。ソセンカの記録を約1.4km上回る新記録を打ち立てた。

オンドレイ・ソセンカの記録を上回るペースで走り続けたイェンス・フォイクト(photo:Ulf Schillerschillerphoto.com)オンドレイ・ソセンカの記録を上回るペースで走り続けたフォイクト(photo:Ulf Schillerschillerphoto.com)
新記録を達成し、観客の声援に応えるイェンス・フォイクト(photo:Ulf Schillerschillerphoto.com)新記録を達成し、観客の声援に応える(photo:Ulf Schillerschillerphoto.com)

ルール再改正でアワーレコード新時代へ

 アワーレコードは機材の進化とともに記録が更新されてきた歴史をもち、1996年にはクリス・ボードマン(イギリス)が56.375kmをマークした。また、ボードマンやグレアム・オブリー(イギリス)らは、空気抵抗を大幅に減らすための独特なライディングフォームで記録を更新していた。

“スーパーマンポジション”で1996年に56.375kmのアワーレコードを樹立したクリス・ボードマン(砂田弓弦撮影)“スーパーマンポジション”で1996年に56.375kmのアワーレコードを樹立したクリス・ボードマン(砂田弓弦撮影)
“タック・ポジション”で走るグレアム・オブリー(砂田弓弦撮影、ヨーロピアントラックチャンピオンシップ2003)“タック・ポジション”で走るグレアム・オブリー(砂田弓弦撮影、ヨーロピアントラックチャンピオンシップ2003)

 しかしUCI自転車国際競技連合は、機材やライディングフォームの違いを取り除くため2000年にルールを改正。1972年にエディ・メルクス(ベルギー)が記録を更新した際と同様の、ドロップハンドルやスポークホイールを用いたバイクでの挑戦のみをアワーレコードとして認めることになった。このルール改正が、現役選手たちの挑戦意欲を削ぐ形になっていた。

 ところが今年、UCIはアワーレコードを再び盛り上げるためルールを改正し、トラックレースのルールに則した範囲での、DHバーやディスクホイールなど空力効果のある機材の使用を認めた。現行ルールで初挑戦となったフォイクトによる新記録の樹立は、アワーレコードの新しい時代の幕開けとなった。

(文 平澤尚威)

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