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布袋田沙織のパワートレーニングで速くなる!<1>フツーの女子だった私がMTBエリートクラスに挑戦 運動強度を数値化できる秘密兵器を導入

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布袋田沙織です。どうぞよろしくお願いいたします!布袋田沙織です。どうぞよろしくお願いいたします!

 自転車競技の世界に急速な進歩をもたらしている「パワートレーニング」。スピードや心拍数ではなく、ペダルを漕ぐ力を指標とするトレーニング方法で、効果の最大化や取り組みの効率化に大きく寄与している。そんなパワートレーニングを導入して好成績を連発しているマウンテンバイク(MTB)ライダーの布袋田沙織(ほていだ・さおり)さんが、トレーニングの実際について、自身のデータや体験を交えながらCyclistへ連載していきます。

◇         ◇

 1年半前にはフツーの女子だった私…それが自転車に出会い、今では毎週のようにレースに出る日々を送っています。そんな中で出会ったパワートレーニング! 私の場合、「PowerTap」(パワータップ)という計測機器を使用して、そのデータを基にトレーニングを進めています。近年はプロ選手のみならず、アマチュアサイクリストの間でもパワータップの愛用者が増えているので、気になっている方も多いのでは? そう、パワートレーニングは、私の自転車生活にも劇的な変化をもたらしてくれました。

王滝100kmで足切りに スポーツマン魂に火がついた!

 普段は、3歳からのダンス経験を生かし、ボディメイクトレーナーとして体型維持のお手伝いやピラティスの指導をしています。そんな私が自転車選手になるなんて、昨年の今ごろは全く想像もできなかったことで、本人が一番びっくりしています。

 「山を駆け回る自転車があり、自然の中を走る楽しいレースがあるよ」とお誘いを受けたのが、MTBとの出会いでした。もともと自然が大好きで、話を聞いただけでワクワクして、すぐに「行きます!」と答えてしまったのです。

 そのレースは、昨年9月に開かれた「セルフディスカバリー in 王滝」。そうです! MTBに乗っている方ならご存知のことでしょう。日本のMTBレースでは一番過酷で、これを最大の目標にする選手も多い、難関のMTB耐久レースだったのです。

初めてのライド。2年前、初めてビンディングシューズを履いて60kmのライドへ行きました初めてのライド。2年前、初めてビンディングシューズを履いて60kmのライドへ行きました
2度目のライドは、初めての100km超え。1年前、交通祈願を兼ねて川崎大師へ2度目のライドは、初めての100km超え。1年前、交通祈願を兼ねて川崎大師へ
王滝に向けての練習は転んでばかり。それなのに、楽しくて仕方なかったです!王滝に向けての練習は転んでばかり。それなのに、楽しくて仕方なかったです!

 そんなタフなレースだとは知らず練習に取り組み始めました。レースまでの期間はおよそ1カ月半。最初の日に、ロードバイクで富士スバルラインを5合目まで登ったところ、2時間20分もかかってしまい…。私の気持ちは焦るばかりで、周囲から「伸びしろはたっぷりある!」と、全く慰めにならない言葉で励ましてもらったものです。

初めてのレースだった王滝初めてのレースだった王滝

 2003年9月、王滝のレース当日は台風! 小雨の降る中、100km完走を目指してスタートしましたが、道を間違え、寒さに凍え、森の中でトイレに行き、なんと第1チェックポイントで制限時間をオーバーしてしまう散々な結末。私の初レースはあっという間に終わってしまいました。でもね、この足切りという経験が、私のスポーツマン魂に火をつけたのです。

最速でエリートカテゴリーへ昇格

初優勝を飾ったミヤタ・メリダカップ初優勝を飾ったミヤタ・メリダカップ

 2カ月後の11月、悔しさをぶつけるように「メリダ・ミヤタカップ」へ参戦し、個人ビギナークラスで優勝することができました。これをきっかけにMTBクロスカントリーという競技を知り、挑戦してみたいなという気持ちが芽生えました。

 やるからには本気で! さっそく、MTB界の大御所である中込辰吾さん、由香里さん夫妻を紹介してもらい、お二人の活動拠点であるペンション「シーナック・キャビン」を訪ねました。私のヘタクソなライディングを見てもらい、貴重な経験談を聞かせてもらったのです。ここで、心を決めましたね。

 2014年よりMTBの公式戦「ジャパンシリーズ」に参戦。4月のJ2緑山大会で優勝、5月のJ1朽木大会でも優勝し、最速でエリートカテゴリーに昇格しました。

Jシリーズ初戦で優勝となったJ2緑山のレースJシリーズ初戦で優勝となったJ2緑山のレース
初J1となった朽木のレースでも優勝初J1となった朽木のレースでも優勝

やみくもに走り込み…パワーメーターは必要不可欠と確信

初めての全日本選手権、まったく歯が立たず、2周遅れの15人中11位。がむしゃらに練習するだけじゃ勝てないな、と改めて思い知った一戦です初めての全日本選手権、まったく歯が立たず、2周遅れの15人中11位。がむしゃらに練習するだけじゃ勝てないな、と改めて思い知った一戦です

 自転車歴もレース経験も、とっても浅い中でのスピード昇格だったので、周囲からは「すごい!」と注目されましたが、現実はそんなに甘くない。エリートに上がれば、私の力は全く通用しませんでした。

 まずは競技時間。1時間45分という時間に体が耐えられないのです。そして、登り。コースには必ずある3分〜6分くらいの登りセクションでは脚が耐えられません。なんとか完走はするものの、「前半に飛ばし過ぎたのがいけなかったのか?」「あの登りをクリアするにはどうしたらいいの?」といった疑問に答えが見つからないまま、やみくもに走り込み、焦っては走り込み、そしてレースで思い通りの走りができない…という悪循環が続きました。

 そんな時、選手仲間からパワーメーターの存在を教えてもらいました。パワーメーターを用いた練習方法を聞くうちに、自分がいかに“練習になっていない練習”で時間を無駄にしていたかを知ることになりました。サイクルコンピューターさえ使っていなかった私は、体感と直感だけが頼りだったのです。

トレーニングの秘密兵器、パワータップMTB。ディスクブレーキ対応ですトレーニングの秘密兵器、パワータップMTB。ディスクブレーキ対応です

 百戦錬磨のベテラン選手ならまだしも、初心者の域を出ない私にとって、運動強度を客観的に数値化できるパワーメーターは必要不可欠だと確信しました。

 パワーメーターは高価な機材ですが、速くなるために、そして目標を叶えるためには、最低限の投資だと思いました。実際に選ぶ段階では、周りに愛用者が多く、利便性・信頼性、実績の評価が高い「パワータップ」(PowerTap)という製品を導入しました。パワータップの利点などについては、今後ご紹介していきますね。

データをトレーニングやレースに生かすノウハウ

 こうして、晴れてパワーメーターデビューを果たしました。しかし、自分の体力レベルを数値で把握する事はできましたが、そこからどうやって力をつければいいのか…日頃のトレーニングメニューにどう組み込めばいいのか…さっぱり分かりませんでした。

 実はこういう悩みに陥っているパワーメーターユーザーは多いのではないでしょうか。パワーメーターはあくまでも現時点での能力を測る機器であり、そのデータをトレーニングやレースに生かすノウハウがないと、先には進めないのです。

パワータップには、ロードバイク用もありますパワータップには、ロードバイク用もあります

 幸い、そのノウハウを伝授してくれるサービスに出会いました。自転車トレーニングの世界的権威であるハンター・アレン氏率いるアメリカの「Peaks Coaching Group」(ピークス・コーチング・グループ、以下PCG)です。今年7月、PCGが日本のパワーメーターユーザー向けに、約2か月間の“お試し”トレーニングプログラムを展開していたので、すぐに飛びつきました。アメリカのサービスですが、現地の日本人スタッフと日本語でコミュニケーションできるのも特長です。こうして、綿密なトレーニングスケジュールに沿った本当のパワートレーニングが始まり、日々の練習への取り組み方が180度変わったのです。

 パワートレーニングのひとつの利点は、選手にメニューを提供してくれるコーチ(私の場合はPCG)へのフィードバックで、ウソをつけないことです。やれと言われたことをやらずにサボッていれば、それはコーチに提出するデータに如実に表れます。このため、一人きりでの練習でも手を抜くことはできません。辛い点でもありますが、トレーニングで手を抜いていたら、何のために機材とコーチングにここまで手間や費用をかけているのか分かりませんよね。

私はパワートレーニングで速くなる!

J2グリーンピア三木で優勝! 前日までの大雨で、バイクを降りて押すセクションもたくさんありましたJ2グリーンピア三木で優勝! 前日までの大雨で、バイクを降りて押すセクションもたくさんありました

 パワータップとPCGでトレーニングを開始してから、8月の「J2 グリーンピア三木」、「タイムトライアルジャパン・ステージ3」、そして9月の「全日本マウンテンサイクリング in 乗鞍 MTBの部」と、立て続けに優勝を飾ることができました。短期間で結果が出ているのは、すべてがパワートレーニングのおかげとは言えませんが、練習やレースで何に気を付けて走ればいいのかということに理解が深まり、自分の走りに自信が持てるようになって、それが好結果につながっているのだと思っています。これらのレースにおけるパワーデータも今後、連載の中でお見せしていきたいと思います。

タイムトライアルジャパン第3戦で優勝。寒い雨の中のサーキットは集中力との戦いでした。実は1度最初のカーブで落車しているのです(笑)タイムトライアルジャパン第3戦で優勝。寒い雨の中のサーキットは集中力との戦いでした。実は1度最初のカーブで落車しているのです(笑)
乗鞍のMTB部門で優勝。パワートレーニングの成果が実り始めているな、という実感が湧いたレースでした。中だるみすることなく、納得の走りをすることができました乗鞍のMTB部門で優勝。パワートレーニングの成果が実り始めているな、という実感が湧いたレースでした。中だるみすることなく、納得の走りをすることができました

 パワートレーニングに出会えて本当に良かった! 心からそう思います。これからもパワートレーニングを続けて、より速く、よりパワフルなライダーに成長したいな…そんな風にワクワクしています。

 目標がある! もっと速くなりたい! そんな方々に、私とパワートレーニングとの格闘が、ラブレターのように届けば嬉しいです。

布袋田沙織 布袋田沙織(ほていだ・さおり)

大学を卒業後、IT企業に務め2010年に独立。2012年に表参道にてパーソナルスタジオmiao(ミャオ)を開始。モデル、アナウンサー、スポーツ選手、一般の方々にトレーニングを指導。MTBは2013年より始め、初年度で表彰台を獲得。グローブ・スポーツコミュニケーションズ契約ライダー、バイシクルアドバイザー、ボディメイクトレーナー、パーソナルスタジオmiao 代表。ブログ:http://ameblo.jp/saoringo825/

【PowerTap Column<1>】パワータップとは?

初期のパワータップモデル。現行モデルと違い有線方式で重量もかなりあったが、これらなくしては今日パワーメーターがここまで市場に浸透することはなかった初期のパワータップモデル。現行モデルと違い有線方式で重量もかなりあったが、これらなくしては今日パワーメーターがここまで市場に浸透することはなかった
パワータップでは後輪ハブだけでなく、ペダル、カセット、スポーク、シューズのインソール(!)など、様々な箇所で出力を計測する研究開発を進めているパワータップでは後輪ハブだけでなく、ペダル、カセット、スポーク、シューズのインソール(!)など、様々な箇所で出力を計測する研究開発を進めている

 パワータップは16年の歴史を持つパワーメーターの老舗ブランドで、プロ選手からアマチュアサイクリストまで、世界中で愛用されています。世界初のワイヤレスパワーメーターや心拍ストラップ型パワーメーター『パワーキャル』の発表など、商品開発力と先見性は業界髄一であり、来年早々にも次なる重大発表を控えています。

アメリカのウィスコンシン州に開発・製造拠点を置くアメリカのウィスコンシン州に開発・製造拠点を置く

 パワータップを開発・製造するのは米国企業の『サリス・サイクリング・グループ』で、海外でよく見かける公共自転車スタンドのほか、車載ラック(キャリア)、インドアトレーナーやローラー台なども手掛けています。様々なチャリティ活動を通じて、米国内外の自転車コミュニティーの発展にも寄与している、自転車を愛する企業です。

(文 Peaks Coaching Group)

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