ブエルタ・ア・エスパーニャ2014 第20ステージコンタドールが総合優勝に王手 超級頂上ゴールでフルームとの“王者対決”制し今大会2勝目

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 ブエルタ・ア・エスパーニャ第20ステージが13日に行われ、総合首位のアルベルト・コンタドール(スペイン、ティンコフ・サクソ)が超級アンカレス峠でクリストファー・フルーム(イギリス、チーム スカイ)との一騎打ちを制し、今大会2勝目を飾った。最終ステージを残し総合2位のフルームとのタイム差を1分37秒に広げ、総合優勝を大きく引き寄せた。

第20ステージを制したアルベルト・コンタドール(Photo : Vuelta)第20ステージを制したアルベルト・コンタドール(Photo : Vuelta)

 今大会最後の山岳決戦はサント・エステボ・デ・リバス・デ・シルからプエルト・デ・アンカレスまでの185.7kmで繰り広げられた。コースの後半に2級、3級、1級、そして超級アンカレスの頂上ゴールと4つの山岳が続くレイアウト。クライマックスとなるアンカレスは、登坂距離12.7kmで平均勾配8.7%、最大勾配18%の難関山岳だ。

 スタートからしばらくはアタックが決まらず、35km地点で逃げが形成された。メンバーは第15ステージを制したプシェメスワフ・ニエメツ(ポーランド、ランプレ・メリダ)、前日も逃げたヴァウテル・プールス(オランダ、オメガファルマ・クイックステップ)、それにジェローム・コッペル(フランス、コフィディス ソリュシオンクレディ)、マキシム・メドレル(フランス、チーム ヨーロッパカー)を加えた4人。

アルベルト・コンタドールの勝利で、ビャルネ・リース監督から労をねぎらわれるダニエーレ・ベンナーティアルベルト・コンタドールの勝利で、ビャルネ・リース監督から労をねぎらわれるダニエーレ・ベンナーティ

 メーン集団は逆転を狙うフルーム擁するスカイ、総合5位ファビオ・アール(イタリア)のアスタナ プロチームがコントロールした。逃げ集団に対して最大で10分を超えるリードを与えながらも、後半の山岳からペースアップ。2級、3級山岳を越え1級へ向かう下りに入ると、スカイがアシストを集め総力を上げて一気に差を詰めていった。

 残り約32km地点から登坂距離9.7km、平均勾配6.7%の1級山岳へ。逃げ集団からはプールスが早々に脱落し、メーン集団は2分半程度のタイム差で上りに入った。スカイのアシスト勢による懸命な引きで、この差は頂上で40秒まで縮まっていた。1級の頂上の先にある小さな上りでニエメツがアタックして他の2人を引き離しにかかると、下りでコッペルが追いつき先頭は2人になった。

 残り12.7km、超級アンカレスに入るとニエメツがコッペルを引き離し、単独先頭に立った。上り始めて2kmほどの地点にある2つ目のスプリントポイントでは、先頭のニエメツが1位で通過した後、メーン集団がコッペルを吸収し、フルームが2位で通過して2秒のボーナスタイム獲得した。メーン集団は残り10kmでニエメツも捉え、18%を含む急勾配の区間へ。一気に人数が減り、先頭は総合トップ5を含む小さな集団に絞られた。

 最初に勝負に出たのは総合4位のホアキン・ロドリゲス(スペイン、チーム カチューシャ)。これに対してアレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター チーム)が反応し、一定ペースで追い上げるフルーム、フルームをマークするコンタドール、上位4人に食らい付きたいアールが続いた。

ファビオ・アール(左)とホアキン・ロドリゲスの争いファビオ・アール(左)とホアキン・ロドリゲスの争い

 ロドリゲスを追う4人のなかから、残り6.5kmでフルームがアタック。まずアールが遅れ、バルベルデもギアのトラブルの影響か急激にスピードダウンし、脱落していった。フルームがもう一度アタックを試みるもコンタドールはこれに対応し、2人はロドリゲスに合流した。その後もフルームは3人の先頭に立ち、何度もペースアップを図る。すると力尽きたロドリゲスが遅れ始め、バルベルデにも抜きさられ4番手に後退。ロドリゲスはアールとともに頂上を目指すこととなった。

 そしてフルームとコンタドールの4kmにわたる一騎打ちが始まった。攻めなければならないフルームはハイペースを維持し、コンタドールもこれに対応する。そして残り1km、フルームがアタックをかけ全力でもがくが、コンタドールも離れない。なおも先頭を走るフルームに木の枝のような物が投げつけられ腕に命中するというハプニングがあったが、フルームは意に介さず集中した表情でコンタドールを引き離しにかかった。

 フルームが再びダンシングでアタックをかけるが、これもコンタドールを引き離すには及ばない。そしてフルームが腰を下ろした瞬間、コンタドールの鮮やかなカウンターアタックが決まった。ついに先頭に踊り出たコンタドールが一気にフルームを突き放す。熱狂する観客や警備員に危うくぶつかりそうになりながらも、リードを広げていった。超級アンカレスの頂上へたどり着いたコンタドールはおなじみのピストルポーズを見せ、右ひざに巻かれた赤と黄色のテーピングを指差し、最後は大きく両手を挙げてゴール。同じく難関山岳の頂上ゴールを制した第16ステージに続き、フルームとの一騎打ちを制圧した。

観客とぶつかりそうになるアルベルト・コンタドール観客とぶつかりそうになるアルベルト・コンタドール

 サイクルロードレースシーンを代表する“王者”同士の対決で全力を尽くしたフルームは、コンタドールから16秒遅れてゴール。両者がこのステージで獲得したボーナスタイムと合わせると18秒差がつき、総合成績は1分37秒差に広がった。3位には57秒遅れでバルベルデが入り、ゴール前での競り合いとなったロドリゲスとアールは、それぞれ1分18秒、1分21秒遅れでゴールしている。総合トップ10ではサムエル・サンチェス(スペイン、BMC レーシングチーム)がダニエル・マーティン(アイルランド、ガーミン・シャープ)と入れ替わり6位に浮上。山岳賞争いトップのルイスレオン・サンチェス(スペイン、カハルラル・セグロス RGA)はコンタドールやバルベルデに対してリードを守り、リーダージャージのモンターニャを確定させた。

 最終第21ステージは、サンティアゴ・デ・コンポステーラで行われる9.7kmの個人タイムトライアル。ブエルタが個人TTで幕を閉じるのは10年ぶりのことだ。ほぼ平坦だがコーナーが多く、距離も短いことから大きなタイム差はつきにくいと予想されている。今年最後のグランツールは、キリスト教の聖地サンティアゴ・デ・コンポステーラの大聖堂の前でフィナーレを迎える。

(文 平澤尚威/写真 砂田弓弦)

第20ステージ結果
1 アルベルト・コンタドール(スペイン、ティンコフ・サクソ) 5時間11分43秒
2 クリストファー・フルーム(イギリス、チーム スカイ) +16秒
3 アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター チーム) +57秒
4 ホアキン・ロドリゲス(スペイン、チーム カチューシャ) +1分18秒
5 ファビオ・アール(イタリア、アスタナ プロチーム) +1分21秒
6 ワレン・バルギル(フランス、チーム ジャイアント・シマノ) +2分51秒
7 ジャンパオロ・カルーゾ(イタリア、チーム カチューシャ) +2分55秒
8 サムエル・サンチェス(スペイン、BMC レーシングチーム) +2分58秒
9 ダニエル・ナバロ(スペイン、コフィディス ソリュシオンクレディ) +3分15秒
10 ダミアーノ・カルーゾ(イタリア、キャノンデール) +3分20秒

個人総合(マイヨロホ)
1 アルベルト・コンタドール(スペイン、ティンコフ・サクソ) 81時間12分13秒
2 クリストファー・フルーム(イギリス、チーム スカイ) +1分37秒
3 アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター チーム) +2分35秒
4 ホアキン・ロドリゲス(スペイン、チーム カチューシャ) +3分57秒
5 ファビオ・アール(イタリア、アスタナ プロチーム) +4分46秒
6 サムエル・サンチェス(スペイン、BMC レーシングチーム) +10分7秒
7 ダニエル・マーティン(アイルランド、ガーミン・シャープ) +10分24秒
8 ワレン・バルギル(フランス、チーム ジャイアント・シマノ) +12分13秒
9 ダニエル・ナバロ(スペイン、コフィディス ソリュシオンクレディ) +13分9秒
10 ダミアーノ・カルーゾ(イタリア、キャノンデール) +13分15秒

ポイント賞(プントス)
1 ジョン・デゲンコルプ(ドイツ、チーム ジャイアント・シマノ) 169 pts
2 アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター チーム) 146 pts
3 アルベルト・コンタドール(スペイン、ティンコフ・サクソ) 145 pts

山岳賞(モンターニャ)
1 ルイスレオン・サンチェス(スペイン、カハルラル・セグロス RGA) 58 pts
2 アルベルト・コンタドール(スペイン、ティンコフ・サクソ) 45 pts
3 アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター チーム) 40 pts

複合賞(コンビナーダ)
1 アルベルト・コンタドール(スペイン、ティンコフ・サクソ) 6 pts
2 アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター チーム) 8 pts
3 クリストファー・フルーム(イギリス、チーム スカイ) 11 pts

チーム総合
1 チーム カチューシャ 243時間43分48秒
2 モビスター チーム +39分9秒
3 ティンコフ・サクソ +40分11秒

敢闘賞
ジェローム・コッペル(フランス、コフィディス ソリュシオンクレディ)

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