ブエルタ・ア・エスパーニャ2014 第19ステージ“鉄人”ハンセンがラスト5kmから独走勝利 総合上位勢は同タイムでゴール

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 ブエルタ・ア・エスパーニャ第19ステージが12日に行われ、ラスト5kmから飛び出したアダム・ハンセン(オーストラリア、ロット・ベリソル)が独走で逃げ切ってステージ優勝。今大会に「10大会連続グランツール完走」という記録がかかる“鉄人”が、自身グランツール2勝目を挙げた。今大会4勝を挙げているスプリンター、ジョン・デゲンコルプ(ドイツ、チーム ジャイアント・シマノ)は2位に入ってポイント賞首位を確実なものにした。総合上位勢はタイム差なしでゴールし、アルベルト・コンタドール(スペイン、ティンコフ・サクソ)がマイヨロホを守っている。

第19ステージを制したアダム・ハンセン第19ステージを制したアダム・ハンセン

 サルバテーラ・デ・ミーニョからカンガス・ド・モラソまでの180.5kmで行われた中級山岳ステージ。スペイン南西部、ポルトガル国境の近くを走ってから大西洋沿岸を北上するルートで、中盤と終盤に2級山岳が設けられた。第2山岳を下りきると、ラスト10kmは平坦基調ながらゆるやかな勾配のあるコースレイアウトとなっている。

スペインのテレビ解説を務めるペドロ・デルガド氏。ツール、ブエルタで総合優勝した名クライマースペインのテレビ解説を務めるペドロ・デルガド氏。ツール、ブエルタで総合優勝した名クライマー

 序盤はアタック合戦が繰り広げられ、逃げが決まったのは約25km地点。ローラン・マンジェル(フランス、エフデジ ポワン エフエル)、ピム・リヒトハルト(オランダ、ロット・ベリソル)、ヴァウテル・プールス(オランダ、オメガファルマ・クイックステップ)という3選手の逃げ集団が形成された。

 メーン集団はジャイアント・シマノがコントロール。今大会4勝を挙げポイント賞争いで首位に立つデゲンコルプのため、スプリント勝負に持ち込んでステージ優勝とポイント獲得を狙う態勢だ。小規模ながらまずまずのメンバーをそろえた逃げ集団に対し、タイム差を最大でも3分台に留めながらレースを展開していった。

UCIのクックソン会長(左)とティンコフ・サクソのオーナー、ティンコフ氏。出場停止中のロマン・クロイツィゲル問題について話し合い?UCIのクックソン会長(左)とティンコフ・サクソのオーナー、ティンコフ氏。出場停止中のロマン・クロイツィゲル問題について話し合い?

 ゴールまで残り50kmほどで、マイケル・マシューズ(オーストラリア)の勝利を狙うオリカ・グリーンエッジもコントロールに加わり始めた。さらに残り30kmからはティンコフ・サクソやチーム スカイなど総合系のチームが危険回避と位置取りのため集団前方へ。そして2つ目の2級山岳を前に逃げの3人を吸収した。

 残り20kmからの2級に入った直後、アレクセイ・ルツェンコ(カザフスタン、アスタナ プロチーム)がアタックすると、これには誰も反応しない。ルツェンコはメーン集団に対してリードを築くと頂上をトップ通過し、下りでも単独で逃げ続けた。メーン集団ではプロトン屈指の下りのスペシャリスト、総合7位のサムエル・サンチェス(スペイン、BMC レーシングチーム)が下りでアタック。一時は後続を突き放す快走を見せたが、このアタックは吸収された。

 単独で下りきったルツェンコは、ゆるやかな勾配のラスト10kmへ。2級山岳を越えた各チームのアシスト陣は、消耗しているうえ数もそろっていない。ルツェンコを視界に捉えてからも、なかなかキャッチできない状況が続いた。それでも残り5km、上り区間でルツェンコのペースが落ちたところで、ようやく吸収した。

ゴール後に座り込んだアダム・ハンセンゴール後に座り込んだアダム・ハンセン

 ここからハンセンが勝負に出た。上りを利用して粘り強く数回のアタックを重ね、単独で飛び出すことに成功。集団から総合9位のダニエル・ナバロ(スペイン、コフィディス ソリュシオンクレディ)が追走を試みるが、同8位のワレン・バルギル(フランス、チーム ジャイアント・シマノ)がデゲンコルプを引き上げながらチェックに入り阻止。すると組織立って追走できなくなったメーン集団のスピードが落ち、ハンセンとのタイム差が開いていった。

 メーン集団内でアシストが機能していない状況を見極めた、絶妙なタイミングのアタックだった。ハンセンは残り3kmからのゆるやかな下りを独走。2013年のジロ・デ・イタリアに続く、自身2度目のグランツールステージ優勝を挙げた。あと2ステージを走りきれば、10大会連続グランツール完走という記録を達成するハンセン。その記念すべき大会に、自ら花を添える勝利となった。

リーダージャージをキープしたアルベルト・コンタドールリーダージャージをキープしたアルベルト・コンタドール

 メーン集団はハンセンから5秒遅れでゴール。2位にはデゲンコルプ、3位にはフィリッポ・ポッツァート(イタリア、ランプレ・メリダ)、マシューズは5位に入った。デゲンコルプが20ポイントを獲得した一方、ライバルとなるアレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター チーム)はポイントを取れなかったため、両者の差は39ポイントまで開いた。残り2ステージでの逆転はなくなり、デゲンコルプは完走すればポイント賞ジャージ、プントスを獲得できる。総合上位勢は全員が同タイムでゴールしており順位、タイム差ともに変動はない。

 翌第20ステージはサント・エステボ・デ・リバス・デ・シルからプエルト・デ・アンカレスまでの185.7kmで行われる難関山岳ステージ。コースの後半に2級、3級、1級、そして超級頂上ゴールと4つの山岳が連続する。しかも山岳カテゴリーの設定されていない峠が数回登場する山だらけの1日だ。総合優勝、総合順位の逆転をかけて最後の山岳決戦が繰り広げられる。

(文 平澤尚威/写真 砂田弓弦)

第19ステージ結果
1 アダム・ハンセン(オーストラリア、ロット・ベリソル) 4時間21分58秒
2 ジョン・デゲンコルプ(ドイツ、チーム ジャイアント・シマノ) +5秒
3 フィリッポ・ポッツァート(イタリア、ランプレ・メリダ) +5秒
4 ヤニック・マルティネス(フランス、チーム ヨーロッパカー) +5秒
5 マイケル・マシューズ(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ) +5秒
6 ジョフレ・スープ(フランス、エフデジ ポワン エフエル) +5秒
7 ポール・マルテンス(ドイツ、ベルキン プロサイクリングチーム) +5秒
8 ジャスパー・ストゥイヴェン(ベルギー、トレック ファクトリーレーシング) +5秒
9 ロマン・アルディ(フランス、コフィディス ソリュシオンクレディ) +5秒
10 ダミアーノ・カルーゾ(イタリア、キャノンデール) +5秒

個人総合(マイヨロホ)
1 アルベルト・コンタドール(スペイン、ティンコフ・サクソ) 76時間0分40秒
2 クリストファー・フルーム(イギリス、チーム スカイ) +1分19秒
3 アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター チーム) +1分32秒
4 ホアキン・ロドリゲス(スペイン、チーム カチューシャ) +2分29秒
5 ファビオ・アール(イタリア、アスタナ プロチーム) +3分15秒
6 ダニエル・マーティン(アイルランド、ガーミン・シャープ) +6分52秒
7 サムエル・サンチェス(スペイン、BMC レーシングチーム) +6分59秒
8 ワレン・バルギル(フランス、チーム ジャイアント・シマノ) +9分12秒
9 ダニエル・ナバロ(スペイン、コフィディス ソリュシオンクレディ) +9分44秒
10 ダミアーノ・カルーゾ(イタリア、キャノンデール) +9分45秒

ポイント賞(プントス)
1 ジョン・デゲンコルプ(ドイツ、チーム ジャイアント・シマノ) 169 pts
2 アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター チーム) 130 pts
3 アルベルト・コンタドール(スペイン、ティンコフ・サクソ) 120 pts

山岳賞(モンターニャ)
1 ルイスレオン・サンチェス(スペイン、カハルラル・セグロス RGA) 58 pts
2 アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター チーム) 30 pts
3 アルベルト・コンタドール(スペイン、ティンコフ・サクソ) 24 pts

複合賞(コンビナーダ)
1 アルベルト・コンタドール(スペイン、ティンコフ・サクソ) 7 pts
2 アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター チーム) 7 pts
3 クリストファー・フルーム(イギリス、チーム スカイ) 14 pts

チーム総合
1 チーム カチューシャ 228時間1分0秒
2 モビスター チーム +26分32秒
3 ティンコフ・サクソ +32分55秒

敢闘賞
ピム・リヒトハルト(オランダ、ロット・ベリソル)

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