ブエルタ・ア・エスパーニャ2014 第18ステージアールが残り4kmからアタックを決め今大会2勝目 ともに逃げたフルームが総合2位浮上

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 ブエルタ・ア・エスパーニャは11日、第18ステージが行われ、ゴールに向かう上り区間でのアタック合戦から抜け出したファビオ・アール(イタリア、アスタナ プロチーム)が今大会2勝目を飾った。アールとともに逃げ切りに成功したクリストファー・フルーム(イギリス、チーム スカイ)が、総合成績でアレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター チーム)を逆転して2位に浮上した。

今大会2勝目を挙げたファビオ・アール(イタリア、アスタナ プロチーム)今大会2勝目を挙げたファビオ・アール(イタリア、アスタナ プロチーム)

 この日はア・エストラーダからモン・カストローベ・メイスに至る157kmのレース。100kmを過ぎるまで山岳ポイントは設けられないが、ゴール前に10%前後の勾配が約5km続く2級山岳が設定された。この坂を125km地点から一旦上り、いったんゴール地点を過ぎて下った後、回り込んで再び同じ上りを走ってゴール。等級以上に勝負を左右する山岳となりそうだ。

山岳リーダージャージを着るルイスレオン・サンチェス(スペイン、カハルラル・セグロス RGA)山岳リーダージャージを着るルイスレオン・サンチェス(スペイン、カハルラル・セグロス RGA)

 前日でスプリンター向けのステージを全て終えたため、ファビアン・カンチェッラーラ(スイス、トレック ファクトリーレーシング)、トム・ボーネン(ベルギー、オメガファルマ・クイックステップ)らが、1週間後の世界選手権に集中するためこの日のステージに出走せずリタイア。また総合7位に付けていたロベルト・ヘーシンク(オランダ、ベルキン プロサイクリングチーム)が、家族の事情からレースを去ることになった。

 レースはスタート直後からのアタック合戦がなかなか決まらず、最初の1時間を時速50.5kmの速いペースでこなした。60kmでようやくジョアン・ルボン(フランス、エフデジ ポワン エフエル)、ユベール・デュポン(フランス、アージェードゥーゼール ラモンディアル)、そして山岳賞ジャージを着るルイスレオン・サンチェス(スペイン、カハルラル・セグロス RGA)の逃げが決まり、メーン集団に2分半ほどの差を付けた。

 メーン集団は最初の2級山岳の上り口までは、モビスター チームが中心となってコントロール。上りが近付くにつれて、他のチームも位置取り争いの隊列を組み始めた。逃げとのタイム差は少しずつ縮まり、30秒弱にまで迫った状態で上りへ突入した。

 上りでは先頭に向けて数人が追走グループを形成。メーン集団はチーム スカイが先頭を固めてペースを作る。いっぽう逃げグループでは山岳ポイントを積み重ねたいサンチェスが、ほぼ先頭固定で力強いヒルクライムを見せ、最終的には他の2人を振り切って単独で2級山岳ポイントを通過した。

 山岳ポイントを過ぎて1kmほど緩く下り、ゴール地点を一旦通過してさらに下っていく。この日の仕事を終えたサンチェスは後退。代わって追走グループにいたアルベルト・ロサダ(スペイン、チーム カチューシャ)と、逃げから残ったデュポンが合流してしばらく先行するが、これも下り区間でメーン集団に吸収された。

フルームを援護するスカイ勢フルームを援護するスカイ勢

 集団先頭は変わらずスカイ勢が占め、2度目のスプリントポイントでは何とフルームがボーナスタイムを狙ってアタック。慌てて対応したモビスター チームのアシストが1位通過となるが、2位に入ったフルームは2秒のタイムを得ることに成功した。

 最後の上り口を前に集団からアタックしたのは、クリストフ・ルメヴェル(フランス、コフィディス ソリュシオンクレディ)だ。数人が追走し、コンタドールやバルベルデ、ホアキン・ロドリゲス(スペイン、チーム カチューシャ)らもこれに続く。ここからはワレン・バルギル(フランス、チーム ジャイアント・シマノ)やジェローム・コッペル(フランス、コフィディス ソリュシオンクレディ)らが次々アタックし、目まぐるしく先頭が入れ替わる。

 コッペルが先行する中、若干牽制気味となった集団から、残り4kmでアタックを仕掛けたのはアールだ。一気にコッペルに追い付き、すぐにこれを突き放して単独で先頭に立った。力強いダンシングで、集団に約10秒の差を付ける。

 一方集団では、コンタドール、バルベルデ、フルーム、ロドリゲスの4強が小競り合いを続ける。アタックによるペースアップでアールに追い付きそうになったり、牽制で再び離れたりとペースは安定しない。ここでアタックを見せたのはフルーム。スペイン勢3人がお見合い状態で動けないのを尻目にアールに合流する。

バルベルデ、コンタドール、ロドリゲスの争いバルベルデ、コンタドール、ロドリゲスの争い

 先頭のフルームとアールが協調して逃げ続ける一方で、コンタドール、バルベルデ、ロドリゲスの3人は、互いを意識してしまい追走体制が取れない。追い付きそうな距離になると牽制が入り、その差は再び開いてしまう。

 先頭2人は山岳ポイントを通過し、残り1kmの緩やかな下り区間へと入る。追走3人からの逃げ切りは決定的だ。ゴールスプリントはアールが難なくフルームを打ち負かし、第11ステージに続く今大会2勝目を挙げた。

複合賞(コンビナーダ)でもリーダーとなったコンタドール複合賞(コンビナーダ)でもリーダーとなったコンタドール

 スペイン勢3人による3位争いはバルベルデが先頭で入ったが、1位のアールからは13秒遅れてのゴール。バルベルデは総合2位から3位に後退するとともに、複合賞トップの座も失った。フルームは首位のコンタドールとの差を1分19秒に縮め、総合2位に浮上している。

 翌第19ステージは、サルバテーラ・デ・ミーニョからカンガス・ド・モラへの180.5kmで行われる。全体的としては平坦基調だが、中盤と終盤に2つの2級山岳を越える。ゴール前15kmのモンテ・ファロ峠は、第18ステージと同様にパンチの効いた約5kmの急勾配が続き、スプリンターを振り落とすには十分。この上りでのアタック合戦と、これを越えて残り15kmの下りと平坦でのせめぎ合いは、手に汗握るものとなるだろう。

(文 米山一輝/写真 砂田弓弦)

第18ステージ結果
1 ファビオ・アール(イタリア、アスタナ プロチーム) 3時間47分17秒
2 クリストファー・フルーム(イギリス、チーム スカイ) +1秒
3 アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター チーム) +13秒
4 ホアキン・ロドリゲス(スペイン、チーム カチューシャ) +13秒
5 アルベルト・コンタドール(スペイン、ティンコフ・サクソ) +13秒
6 サムエル・サンチェス(スペイン、BMC レーシングチーム) +17秒
7 ダニエル・ナバロ(スペイン、コフィディス ソリュシオンクレディ) +33秒
8 ダニエル・モレノ(スペイン、チーム カチューシャ) +48秒
9 ダミアーノ・カルーゾ(イタリア、キャノンデール) +48秒
10 ワレン・バルギル(フランス、チーム ジャイアント・シマノ) +48秒

個人総合(マイヨロホ)
1 アルベルト・コンタドール(スペイン、ティンコフ・サクソ) 71時間38分37秒
2 クリストファー・フルーム(イギリス、チーム スカイ) +1分19秒
3 アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター チーム) +1分32秒
4 ホアキン・ロドリゲス(スペイン、チーム カチューシャ) +2分29秒
5 ファビオ・アール(イタリア、アスタナ プロチーム) +3分15秒
6 ダニエル・マーティン(アイルランド、ガーミン・シャープ) +6分52秒
7 サムエル・サンチェス(スペイン、BMC レーシングチーム) +6分59秒
8 ワレン・バルギル(フランス、チーム ジャイアント・シマノ) +9分12秒
9 ダニエル・ナバロ(スペイン、コフィディス ソリュシオンクレディ) +9分44秒
10 ダミアーノ・カルーゾ(イタリア、キャノンデール) +9分45秒

ポイント賞(プントス)
1 ジョン・デゲンコルプ(ドイツ、チーム ジャイアント・シマノ) 149 pts
2 アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター チーム) 130 pts
3 アルベルト・コンタドール(スペイン、ティンコフ・サクソ) 120 pts

山岳賞(モンターニャ)
1 ルイスレオン・サンチェス(スペイン、カハルラル・セグロス RGA) 58 pts
2 アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター チーム) 30 pts
3 アルベルト・コンタドール(スペイン、ティンコフ・サクソ) 24 pts

複合賞(コンビナーダ)
1 アルベルト・コンタドール(スペイン、ティンコフ・サクソ) 7 pts
2 アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター チーム) 7 pts
3 クリストファー・フルーム(イギリス、チーム スカイ) 14 pts

チーム総合
1 チーム カチューシャ 214時間54分51秒
2 モビスター チーム +26分32秒
3 ティンコフ・サクソ +32分55秒

敢闘賞
ルイスレオン・サンチェス(スペイン、カハルラル・セグロス RGA)

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