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栗村修の“輪”生相談<31>16歳男性「自転車屋さんを開業する人は、どのような経歴の方が多いのでしょうか」

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初めまして。僕は16歳の現在高校2年生です。小学6年生の時から自転車にはまりだし、今ではMTBを2台持っているほどの自転車好きです。

 そして今、僕には将来の夢があります。

 それは、自転車を売ったりプロデュースする仕事につき、最終的には自分で自転車屋さんを開業することです。これは中学時代からずっと考えていて、そのためにと言ってはなんですが、学校の成績が足りないのに勉強を頑張り何とか某工業高等専門学校に入学しました。入学してからもこの夢を持ちつづけ、自転車について調べたり、近所の自転車屋さんを見て回ったり、MTBやロードバイクに乗っている人に会ったら話しかけたりしています。

 そこで質問です。

 自転車屋さんを開業したり自転車関係の仕事に携わっている人は、どのような経歴でそうなった方が多いのでしょうか。学校の先輩のお父さんは脱サラして自転車屋を開業したそうですが、どうなのでしょう。そして、この夢を果たすために、どのようなことを心がければいいと思いますか。周りに自転車関係の職業に携わっている人がいないので、疑問に思っています。

 ざっくりとした質問ですが、よろしくお願いします。

(16歳男性)

 頼もしいですね。僕は自転車屋さんになったことがないので、適切なお答えができるかどうかはわかりませんが、がんばってみます。

 まず、結論からいうと、仰るような仕事につく人のバックボーンに一貫性はないという印象です。あえて言えば「自転車が好き」ということでしょうか。脱サラの人もいれば、元選手もけっこういます。強かった選手も、そうでなかった選手も。メーカーで仕事をしていた人もいますね。

 前もお話したことがありますが、小売業は若干難しさが出てきている状況です。ロードバイクブームで需要が高まりましたが、その後時間が経ち、淘汰がはじまっていると思います。ウハウハとはいかないかもしれません。

 ショップを開く上で重要なのは、まず、明らかに地域ですよね。成功するかどうかは、7、8割がたココで決まると思います。お年寄りしかいない山の中の村で開店しても難しいですよね。かといって、ライバル店がひしめくような場所もどうでしょう。他にも、駅との距離とか、駐車場の値段など、たくさん要素はありそうです。

サイクルショップは、モノとともに自転車乗りの夢が集まる場所だサイクルショップは、モノとともに自転車乗りの夢が集まる場所だ

 そして、オリジナリティー。というのも、価格競争には乗らないほうがいいと思うからです。そのためにはオリジナリティーが必要です。

 これもお話ししたことですが、ネット通販が発達した今の時代に、価格で勝負しようとすると非常に苦しい。薄利多売にならざるをえません。それでも勝ち目はあるかどうか…。業界として激安通販を排除しようとする動きもあるようですが、しかし時代の流れには抗えないでしょう。

 となれば、質問者さんのショップだけの強みを打ち出すしかありません。漠然としていますが、「走る楽しさ」はネット通販にはないでしょう。機材面、つまりハードだけではなく、そういう「ソフト」を提供できれば可能性はあるのではないでしょうか。

 そのためにも、立地やショップの個性は重要だと思います。質問者さんのショップだけにしかない楽しみがあれば、お客さんは集まるはずです。そして最後に“お客さんの命を預かっている”ということも忘れないでくださいね。ショップオーナーには確かな技術力と責任感が必要となります。ぜひ、質問者さんだけの強みを生かしたショップを計画してみてください。成功を祈ります!

(編集 佐藤喬/写真 米山一輝)

回答者 栗村修(くりむら おさむ)

 一般財団法人日本自転車普及協会 主幹調査役、ツアー・オブ・ジャパン 大会副ディレクター、スポーツ専門TV局 J SPORTS サイクルロードレース解説者。選手時代はポーランドのチームと契約するなど国内外で活躍。引退後はTV解説者として、ユニークな語り口でサイクルロードレースの魅力を多くの人に伝え続けている。著書に『栗村修のかなり本気のロードバイクトレーニング』『栗村修の100倍楽しむ! サイクルロードレース観戦術』(いずれも洋泉社)など。

※栗村さんにあなたの自転車に関する悩みを相談してみませんか?
ml.sd-cyclist-info@sankei.co.jpまでお寄せください。

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