ブエルタ・ア・エスパーニャ2014 第13ステージ終盤の急坂でアタックを成功させたナバロがグランツール初勝利 総合上位陣に変動なし

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 ブエルタ・ア・エスパーニャは5日、第13ステージが行われ、ゴール直前の上りでアタックしたダニエル・ナバロ(スペイン、コフィディス ソリュシオンクレディ)がステージ優勝。グランツール初勝利を挙げた。総合上位陣に変動はなく、総合首位のマイヨロホはアルベルト・コンタドール(スペイン、ティンコフ・サクソ)がキープしている。

区間優勝したダニエル・ナバロ(スペイン、コフィディス ソリュシオンクレディ)区間優勝したダニエル・ナバロ(スペイン、コフィディス ソリュシオンクレディ)

 カスティーリャ・イ・レオン州東部のベロラドをスタートしたプロトンは、一路北上。カンタブリア州へと入り、オブレゴン・パルケ・デ・カバルセノにゴールする188.7kmのステージ。ゴール地点は、広大な動物公園内に設置されるブエルタならではの演出だ。中盤に3級2つ、2級1つの山岳ポイントが登場。その後一旦下るが、ゴール前約2.4kmから再び上る。カテゴリー山岳でこそないものの、最大勾配にして10%を超えるとの主催者からの公式発表もあり、ゴール前での攻防が注目された。

ゴールで準備をするティンコフの宮島正典マッサーゴールで準備をするティンコフの宮島正典マッサー

 スタート直後から多くの選手がエスケープにトライした結果、14選手が逃げ集団を形成。その後11人となったが、中盤までその体制でレースが進行した。

 141km地点から始まる2級山岳に入ると、逃げメンバーからアレクセイ・ルツェンコ(カザフスタン、アスタナ プロチーム)がペースアップ。これに乗じたのが、ダミアーノ・クネゴ(イタリア、ランプレ・メリダ)、ダミアン・ゴーダン(フランス、アージェードゥーゼール ラモンディアル)、ダニーロ・ウィス(スイス、BMC レーシングチーム)、ルイスレオン・サンチェス(スペイン、カハルラル・セグロス RGA)。実績のある5選手がそのまま先行する。

 一方のメーン集団では、逃げに選手を送り込むことのできなかったオリカ・グリーンエッジが主導権を握り、先頭とのタイム差を2分前後のままで推移。逃げ切りは許さない姿勢だ。残り25kmを切ると、エフデジ ポワン エフエルも先頭交代のローテーションに加わり、あっという間に逃げる5選手との差を縮小させた。

 残り15kmに差し掛かると、先頭ではわずかな上りを利用してルツェンコがアタック。他の4選手も追うが、ルツェンコのペースに合わせることができない。やがて牽制状態になってしまい、残り10kmでメーン集団に吸収されてしまった。

疲労のあまりゴールで顔を埋めてしまったマイケル・マシューズ(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ)疲労のあまりゴールで顔を埋めてしまったマイケル・マシューズ(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ)

 ただ1人粘り続けたルツェンコだったが、ペースが上がる一方の集団には勝てず、残り7.3kmでキャッチされた。以降、数チームが入り乱れて集団の主導権争いを繰り広げていたが、リーダーチームのティンコフ・サクソがスルスルと先頭へ出てくると一瞬にして集団の陣形が縦長になった。

 レースはいよいよ佳境を迎える。ゴール前の登坂区間は、上り始めが最も勾配が厳しい。有力選手たちがポジションキープに走る中、まず最初にアタックしたのはジャンルーカ・ブランビッラ(イタリア、オメガファルマ・クイックステップ)。これをナバロが追う。ブランビッラの動きに一瞬対応が遅れたナバロだったが、追い付くとすぐに先頭に立ち、後続との差を広げる。

 若干お見合い状態となったメーン集団だったが、残り1.7kmでダニエル・マーティン(アイルランド、ガーミン・シャープ)がアタック。これが失敗に終わると、今度は残り1.4kmでクリストファー・フルーム(イギリス、チーム スカイ)がカウンターアタック。しかし、アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター チーム)が難なく対応した。直後に総合争いから後れをとっているダニエル・モレノ(スペイン、チーム カチューシャ)、ウィルコ・ケルデルマン(オランダ、ベルキン プロサイクリングチーム)が相次いで飛び出すと、総合上位陣はこれを見送った。

 結局、ナバロは先頭を譲ることなく、ゴール前へと姿を現した。後続が追いついてこないことを確認すると、力強いガッツポーズで勝利をアピール。嬉しいグランツール初勝利の瞬間だ。

この日の山岳コースで5位と健闘したナセル・ブアニ(フランス、エフデジ ポワン エフエル)この日の山岳コースで5位と健闘したナセル・ブアニ(フランス、エフデジ ポワン エフエル)

 後続は、2秒差でモレノとケルデルマンがフィニッシュ。さらに3秒差でバルベルデ、コンタドールをはじめとした総合上位陣がゴールラインを通過した。なお、スプリンターのナセル・ブアニ(フランス、エフデジ ポワン エフエル)が5位。ステージ優勝こそならなかったものの、上りへの適性を示した。

 ナバロは1983年生まれの31歳。2005年のプロ入り以降、長きにわたってコンタドールのアシストを務め、数々の勝利に貢献したクライマーだ。2013年に現チームへ移籍し、グランツールではエースを務めている。同年のツール・ド・フランスでは総合9位。今年のツールは体調不良で第13ステージリタイアに終わったが、復調して臨んだこのブエルタでの勝利。キャリア通算では4勝目となった。また、ゴール地からほど近いヒホン出身とあり、地元での快走でもあった。

マイヨロホを守ったコンタドールマイヨロホを守ったコンタドール

 総合上位陣に大きな変動はなく、コンタドールがマイヨロホを堅守している。各選手とも来たる難関山岳ステージへと備える。

 第14ステージからは、第2週目の山場となる山岳3連戦が幕を開ける。港湾都市サンタンデールをスタートし、ラ・カンペローナ・ヴァレ・デ・サベロにゴールする200.8km。前半に2級山岳を越えると、中盤で登坂距離20.9kmの1級山岳サン・グロリオ峠へ。その後しばらくは下り基調となるが、ラスト8.3kmから最大の難所がやってくる。1級山岳ラ・カンペローナは、平均勾配7.5%、最大勾配19.5%の激坂だ。特に、ゴール前約1kmが最も勾配が厳しくなるポイント。場所によっては28.3%もの勾配に達するとも言われており、好ポジションをキープし続けることも選手たちに問われるコースと言えそうだ。今後の戦いを見据え、まずは大きく後退することなくゴールすることが求められる。

(文 福光俊介/写真 砂田弓弦)

第13ステージ結果
1 ダニエル・ナバロ(スペイン、コフィディス ソリュシオンクレディ) 4時間21分4秒
2 ダニエル・モレノ(スペイン、チーム カチューシャ) +2秒
3 ウィルコ・ケルデルマン(オランダ、ベルキン プロサイクリングチーム) +2秒
4 アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター チーム) +5秒
5 ナセル・ブアニ(フランス、エフデジ ポワン エフエル) +5秒
6 ダミアーノ・カルーゾ(イタリア、キャノンデール) +5秒
7 アルベルト・コンタドール(スペイン、ティンコフ・サクソ) +5秒
8 ロベルト・ヘーシンク(オランダ、ベルキン プロサイクリングチーム) +5秒
9 ダニエル・マーティン(アイルランド、ガーミン・シャープ) +5秒
10 ジャンルーカ・ブランビッラ(イタリア、オメガファルマ・クイックステップ) +5秒

個人総合(マイヨロホ)
1 アルベルト・コンタドール(スペイン、ティンコフ・サクソ) 48時間59分23秒
2 アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター チーム) +20秒
3 リゴベルト・ウラン(コロンビア、オメガファルマ・クイックステップ) +1分8秒
4 クリストファー・フルーム(イギリス、チーム スカイ) +1分20秒
5 ホアキン・ロドリゲス(スペイン、チーム カチューシャ) +1分35秒
6 サムエル・サンチェス(スペイン、BMC レーシングチーム) +1分52秒
7 ファビオ・アール(イタリア、アスタナ プロチーム) +2分13秒
8 ウィナーアンドルー・アナコナ(コロンビア、ランプレ・メリダ) +2分37秒
9 ロベルト・ヘーシンク(オランダ、ベルキン プロサイクリングチーム) +2分55秒
10 ダミアーノ・カルーゾ(イタリア、キャノンデール) +3分51秒

ポイント賞(プントス)
1 ジョン・デゲンコルプ(ドイツ、チーム ジャイアント・シマノ) 112 pts
2 ナセル・ブアニ(フランス、エフデジ ポワン エフエル) 90 pts
3 アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター チーム) 78 pts

山岳賞(モンターニャ)
1 リュイスギジェルモ・マス(スペイン、カハルラル・セグロス RGA) 20 pts
2 ウィナーアンドルー・アナコナ(コロンビア、ランプレ・メリダ) 18 pts
3 アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター チーム) 18 pts

複合賞(コンビナーダ)
1 アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター チーム) 8 pts
2 アルベルト・コンタドール(スペイン、ティンコフ・サクソ) 14 pts
3 クリストファー・フルーム(イギリス、チーム スカイ) 22 pts

チーム総合
1 モビスター チーム 146時間41分39秒
2 チーム カチューシャ +2分54秒
3 オメガファルマ・クイックステップ +4分40秒

敢闘賞
ルイスレオン・サンチェス(スペイン、カハルラル・セグロス RGA)

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