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はらぺこサイクルキッチン<20>米マウンテンバイク大会主催の選手向けSUSHIパーティーで料理を提供 ドキドキのちニヤニヤ

by 池田清子 / Sayako IKEDA
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パーティーでは豪華なロール寿司が舟盛りにアレンジパーティーでは豪華なロール寿司が舟盛りにアレンジ

 先日初めて、米コロラド州のブリッケンリッジで8月10日~15日に行われたステージレース「ブレックエピック(Breck Epic)」での大会主催パーティーで、ケータリングを体験させていただきました。ブレックエピックは、6日間のフルステージまたは前・後半3日間のステージが設定されたMTBのレース。特に6日間のステージは受付開始後かなり早いタイミングで完売してしまうほど、毎年多くの熱きファンが集います。

「ブレックエピック」ステージ5スタートラインの様子。遠くからでも選手の熱気が伝わってきます「ブレックエピック」ステージ5スタートラインの様子。遠くからでも選手の熱気が伝わってきます
パーティーはビュッフェ形式で行われました。料理を待つ長い列ができましたパーティーはビュッフェ形式で行われました。料理を待つ長い列ができました

オリジナルメニュー「ビーツハマス」を大量製作

レース主催者のマイク・マコマックさん(右)と「Mountain Flying Fish」オーナーシェフであり3day年代別で優勝された下田テツオさんレース主催者のマイク・マコマックさん(右)と「Mountain Flying Fish」オーナーシェフであり3day年代別で優勝された下田テツオさん

 「ブレックエピック・プライベートパーティー2014」へは、前半3日間が終わった時点での各カテゴリーからトップ3選手、および大会スポンサースタッフ・メディアが招待されました。今回私は、ご縁があってアスリートフードマイスターとして1品提供させていただくことになりました。

 会場は、町のメインストリートにある私が大好きな寿司屋さん、「Mountain Flying Fish (MFF)」。前回の記事では、MTBマラソンレース「レッドヴィル・トレイル100」後に、夫・池田祐樹の所属するトピーク・エルゴンレーシングチームのメンバーと来たお店でもあります。こちらのオーナーシェフである下田テツオ(Shimoda Tetsuo)さんは、今回のブレックエピック3日間年代別カテゴリーで、見事完全優勝を果たした選手でもあるのです。

でき上がったハマスの一部。かなりの重量感!でき上がったハマスの一部。かなりの重量感!

 普段夫をはじめ友人たちに料理を作ることはあっても、大勢のアスリートのために食事を提供するという経験は初めてでした。何を作ればよいだろうか…3日間の過酷なレースを終えた選手の疲労を取りつつ、回復の助けになるものにしたい。そしてできれば高たんぱく・低脂質・消化がよいものとしたい。

 それらを踏まえ真っ先に思いついたのは、今遠征中に何度も作っていたオリジナルメニュー「ビーツハマス」でした。栄養価だけでなく、ベジタリアンやグルテンフリーの食生活を実践している方にも最適です。

 パーティー前日、合わせて約2kgの黒豆とひよこ豆、そして真っ赤なビーツを主原料に約3時間かけてビーツハマスを作りました。一般的なハマスはひよこ豆とパクチー、ニンニク、タヒニ(練りゴマ)、レモンまたはライム、塩から作ります。私はそれらにオーブンで焼いたタマネギ、ビーツを合わせてペースト状に。ひよこ豆だけでなく、脂肪の吸収を抑える働き、そしてポリフェノールやカルシウム、食物繊維が豊富な黒豆を使うところもポイントです。

 作りながら、いつもと違うワクワク感がありました。と同時に、国内外から集まる出席者に食べてもらえるかどうかというドキドキ感。「こういう感覚は悪くないなぁ」と、大量の材料を前にニヤニヤしたのでした。

一晩浸水しておいた黒豆とひよこ豆をクツクツと2時間ほど煮ます一晩浸水しておいた黒豆とひよこ豆をクツクツと2時間ほど煮ます
日本では少々高価なパクチーも、アメリカでは手軽に手に入るのが嬉しい日本では少々高価なパクチーも、アメリカでは手軽に手に入るのが嬉しい
各テーブルにハマス&チップスもスタンバイ。気軽につまんでくださいな~各テーブルにハマス&チップスもスタンバイ。気軽につまんでくださいな~

メニューリストのトップに登場

「Mountain Flying Fish」で開かれたパーティーの様子「Mountain Flying Fish」で開かれたパーティーの様子

 パーティー当日、招待された参加者およそ45人が表彰式を終えて会場へ。オープン、年代、体重(!)などカテゴリー数も多いので、プロ選手でなくとも入賞するチャンスは十分にあり、今回も男女ともに、様々な年代の選手が集まりました。前半3日間のトップ3選手に対してこんなにステキなパーティーが行われるのであれば、喜びも倍増ですね。6日目のイベント最終日まで滞在することのできない選手への配慮は素晴らしいと思いました。

 私が作ったハマスとチップスは、パーティーがスタートする前からつまんでもらえるように各テーブルにスタンバイ。トッピングには、こちらもたんぱく質が豊富なヘンプシード(麻の種)、そしてパクチーを盛りつけました。

各テーブルに設置されたメニューリスト各テーブルに設置されたメニューリスト
「Mountain Flying Fish」店内のテーブルセッティング「Mountain Flying Fish」店内のテーブルセッティング

 テーブルに置かれたメニューリストのトップには、「Roasted Beet hummus by Certified Athlete Food Meister Saya(アスリートフードマイスターSayaによる焼きビーツのハマス)」の文字。恐縮すると共に、感動が押し寄せてきました。

 パーティーは、大会主催者でもあるマイク・マコマックさん(Mike McCormack)の挨拶からスタートしました。「恐らく“世界で初めて”寿司屋さんで行われるマウンテンバイクレースパーティーだろう。準備してくれたスタッフや仲間にも感謝して、みんなで楽しもうじゃないか」

 そして、ついに…ハマスを食べてくださいましたー! なぜここまでドキドキするのか自分でも分かりませんが、とにかく嬉しかったです。ハマスは通常ベージュですが、ビビッドなピンクという珍しい色に最初は「これは何?」といった感じでしたが、一口食べて気に入ってくれたのか「そんなに食べたらこのあとのメインが入らなくなるのでは?」と心配するほどつまんでくれた方もいました。

日本ではあまり見かけない斬新なロールも。奥には握り寿司。アメリカではサーモンとマグロが特に人気だとか日本ではあまり見かけない斬新なロールも。奥には握り寿司。アメリカではサーモンとマグロが特に人気だとか
コーナーの先には揚げ物や串焼きなども。ベジタリアン向けの料理もありましたコーナーの先には揚げ物や串焼きなども。ベジタリアン向けの料理もありました

柱の陰から観察していると…

ハマスを沢山食べてくださった、ノリのいいおふたり。レストランのオーナーとオーナーシェフでもあり、今回は表彰台ライダーとしてパーティーに参加ハマスを沢山食べてくださった、ノリのいいおふたり。レストランのオーナーとオーナーシェフでもあり、今回は表彰台ライダーとしてパーティーに参加

 会場ではそのほか豪華なお寿司をはじめとする食事が、カウンターに並べられました。こういった場にお寿司屋さんが選ばれるのは、「SUSHI」が世界的に人気であるということを改めて感じるとともに、日本人としてなんだか私まで誇らしい気持ちになりました。

 柱の陰から皆さんの様子を観察していたところ、お寿司を食べながらも休みなくハマスをつまんでいるおふたりが。声をかけてみると、地元にある人気レストランのオーナーとオーナーシェフだと言うではありませんか。

 「これ君が作ったの? すごくおいしいよ!」と言ってくださいました。レストランのシェフに褒められるとは、嬉しいものです。ちょっと自信もついちゃったりして。その後約2時間、選手や関係者の方々は話も尽きることなくパーティーを楽しんでいらっしゃいました。

◇         ◇

 夫の池田祐樹選手のレース結果はというと、後半3日間に参戦して完全総合優勝を果たしました。2013年はデュオ6日間での完全優勝でしたが、今年はソロオープンメンでの勝利でした。全ステージ終了後に参加者全員で行われたパーティーにも参加しました。レースが終わって、選手やサポーター、スタッフとゆっくりと交流を持つことができるのもステージレースならではですね。

リーダージャージを着てスタートを待つ池田祐樹選手リーダージャージを着てスタートを待つ池田祐樹選手
後半3日間で優勝を果たしリーダージャージを着る池田祐樹選手と清子さん。秋も力を合わせて頑張ります!後半3日間で優勝を果たしリーダージャージを着る池田祐樹選手と清子さん。秋も力を合わせて頑張ります!

 さて、南アフリカからスタートした約2カ月半にわたる夏の遠征も終わりです。アスリートフード研究家として、微力ながら新たな経験をさせていただくことができたのにも感謝。秋もレースが盛り沢山ですので、またここで得たことを生かしたいと思います。

池田清子池田清子(いけだ・さやこ)

アスリートフード研究家。モデル事務所でのマネージャー経験を生かし2013年夏よりトピーク・エルゴンレーシングチームUSA所属ライダー、池田祐樹選手のマネージメントを開始、同秋結婚。平行して「アスリートフードマイスター」の資格を取得。アスリートのパフォーマンス向上や減量など、目的に合わせたメニューを日々研究している。ブログ「Sayako’s kitchen」にて情報配信中。

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