ブエルタ・ア・エスパーニャ2014 第11ステージ残り1kmでアタックしたアールがブエルタ初勝利 キンタナが2日連続の落車でリタイア

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 ブエルタ・ア・エスパーニャは3日、第11ステージが行われ、頂上ゴールの残り1kmでアタックしたファビオ・アール(イタリア、アスタナ プロチーム)が、ゴールまで逃げ切ってブエルタ初勝利を挙げた。総合上位勢は競り合いつつもまとまってゴールし、マイヨロホはアルベルト・コンタドール(スペイン、ティンコフ・サクソ)がキープ。しかし前日までマイヨロホを着ていたナイロアレクサンデル・キンタナ(コロンピア、モビスター チーム)はレース序盤で落車し、リタイアを決めた。

切れの良いアタックを決めたアールがステージ優勝切れの良いアタックを決めたアールがステージ優勝

 この日はパンプローナからサン・ミゲル・デ・アララールに至る151.0kmのステージ。前半は大きなアップダウンはないが、後半に3級山岳を越えたあとで、最後は1級山岳の頂上ゴールとなる。最後の上りは9.9kmで平均勾配7.7%、最大勾配14%というパンチの効いたものだ。

スタートに向かうコンタドール。この日もマイヨロホを守ったスタートに向かうコンタドール。この日もマイヨロホを守った

 スタートして間もなく、メーン集団で落車が発生し、キンタナも巻き込まれた。前日の個人タイムトライアルではマイヨロホを着た状態で落車を喫し、大きく遅れてしまったが、2日連続で落車に見舞われてしまったのだ。キンタナは起き上がりはするものの、しきりに右肩を気にする様子。再スタートを切ることができず、無念のリタイアとなった。検査の結果、右肩甲骨の骨折が判明した。

 レースはアタックと逃げが繰り返されるなか、落ち着くことなくハイペースで進み、59km地点の第1スプリントポイントは総合2位のアレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター チーム)がトップ通過。ボーナスタイムを獲得した。

 その後、エリア・ファヴィッリ(イタリア、ランプレ・メリダ)、ジョアン・ルボン(フランス、エフデジ ポワン エフエル)、ピム・リヒトハルト(オランダ、ロット・ベリソル)、ヴァシル・キリエンカ(ベラルーシ、チーム スカイ)の4人がメーン集団を引き離し、さらにペイオ・ビルバオ(スペイン、カハルラル・セグロス RGA)が単独で追い付いて5人の逃げグループが形成された。

 第2中間スプリントはリヒトハルトが先頭で通過し、やがてレースは3級山岳の上りへ。ここでキリエンカが単独で抜け出した。メーン集団は3分強の差で、先頭をチーム カチューシャの選手たちがコントロールする。

スタートでファンに応える地元の英雄インドゥライン。1990年代にツール5勝を挙げたスタートでファンに応える地元の英雄インドゥライン。1990年代にツール5勝を挙げた

 スペインらしく木々の少ない山岳区間。キリエンカが先頭で山岳ポイントを通過し、メーン集団は約2分の差で通過。ダウンヒルを経てからの平坦区間で、徐々に各チームの位置取り争いが激しくなり、集団はスピードアップして一気にキリエンカとの差を縮めていく。

 最後のサン・ミゲル・デ・アララールの上りに入ってすぐ、集団はキリエンカを飲み込んだ。道幅が狭くなり、勾配もいきなり10%近くになるなか、先頭はチーム スカイのアシストが強力に牽引。しかしエースのクリストファー・フルーム(イギリス)は集団後方に位置しており、やや苦しそうな様子だ。

 途中、わずかな下り区間でスカイのアシスト陣がフルームを集団先頭付近まで引き上げるが、上りに入るとやはりフルームは位置を下げてしまう。残り30人弱まで人数を減らした集団の、ほぼ最後尾で苦しそうに走るフルーム。一方コンタドール、バルベルデらは集団先頭付近に位置してチャンスをうかがう。

 上り中盤で集団からはロベルト・ヘーシンク(オランダ、ベルキン プロサイクリングチーム)やダニエル・マーティン(アイルランド、ガーミン・シャープ)らがそれぞれ仕掛け、わずかに先行。集団先頭ではコンタドール、バルベルデ、ホアキン・ロドリゲス(スペイン、チーム カチューシャ)らが互いに見合って牽制気味に。これに乗じて集団後方で苦しんでいたフルームが、今度は集団先頭に上がって自ら加速する。

 残り2km、斜度14%の急勾配区間に入ると、コンタドールがついにアタック。すかさずバルベルデ、ロドリゲスらが反応し、一気に勝負の火がついた。先行していたヘーシンク、マーティンを飲み込み、アタック合戦が続くなかで、残り1kmから切れの良いアタックを見せたのは、イタリアの新星アールだった。

 アールは互いに見合うスペイン勢を尻目に、一気に5秒ほどの差を付けると、そのまま力強いダンシングで突き進む。勢いはゴールまで衰えず、独走でブエルタ初勝利を挙げた。今年のジロ・デ・イタリア第15ステージに続いて、グランツールの山岳ステージでの殊勲となった。

ゴール前でのロドリゲス、コンタドール、サムエル・サンチェスゴール前でのロドリゲス、コンタドール、サムエル・サンチェス

 2位争いはコンタドール、バルベルデ、ロドリゲスが激しいスプリント。バルベルデが2位、ロドリゲスが3位に入り、それぞれボーナスタイムを獲得して、総合首位のコンタドールとのタイム差を縮めることに成功した。苦しんだフルームは辛うじて3人に食らい付き、タイム差なしでゴールした。

 総合成績では4位に付けていたウィナーアンドルー・アナコナ(コロンビア、ランプレ・メリダ)が大きく遅れて8位まで後退。ほかにも、それぞれのタイム差に若干の変化が付いた。敢闘賞は長時間の単独逃げを見せたキリエンカが獲得した。

 翌第12ステージは、ログローニョで一周20.8kmの周回を8周する、168.0kmの平坦ステージだ。レースは完全にスプリンターの争いとなり、総合上位を争う選手とチームにとっては小休止の一日となるだろう。

(文 米山一輝/写真 砂田弓弦)

第11ステージ結果
1 ファビオ・アール(イタリア、アスタナ プロチーム) 3時間41分3秒
2 アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター チーム) +6秒
3 ホアキン・ロドリゲス(スペイン、チーム カチューシャ) +6秒
4 アルベルト・コンタドール(スペイン、ティンコフ・サクソ) +6秒
5 クリストファー・フルーム(イギリス、チーム スカイ) +6秒
6 リゴベルト・ウラン(コロンビア、オメガファルマ・クイックステップ) +13秒
7 サムエル・サンチェス(スペイン、BMC レーシングチーム) +15秒
8 ダニエル・マーティン(アイルランド、ガーミン・シャープ) +15秒
9 ダニエル・ナバロ(スペイン、コフィディス ソリュシオンクレディ) +16秒
10 ロベルト・ヘーシンク(オランダ、ベルキン プロサイクリングチーム) +21秒

個人総合(マイヨロホ)
1 アルベルト・コンタドール(スペイン、ティンコフ・サクソ) 40時間26分56秒
2 アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター チーム) +20秒
3 リゴベルト・ウラン(コロンビア、オメガファルマ・クイックステップ) +1分8秒
4 クリストファー・フルーム(イギリス、チーム スカイ) +1分20秒
5 ホアキン・ロドリゲス(スペイン、チーム カチューシャ) +1分35秒
6 サムエル・サンチェス(スペイン、BMC レーシングチーム) +1分52秒
7 ファビオ・アール(イタリア、アスタナ プロチーム) +2分13秒
8 ウィナーアンドルー・アナコナ(コロンビア、ランプレ・メリダ) +2分22秒
9 ロベルト・ヘーシンク(オランダ、ベルキン プロサイクリングチーム) +2分55秒
10 ダミアーノ・カルーゾ(イタリア、キャノンデール) +3分51秒

ポイント賞(プントス)
1 ジョン・デゲンコルプ(ドイツ、チーム ジャイアント・シマノ) 87 pts
2 ナセル・ブアニ(フランス、エフデジ ポワン エフエル) 74 pts
3 マイケル・マシューズ(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ) 71 pts

山岳賞(モンターニャ)
1 リュイスギジェルモ・マス(スペイン、カハルラル・セグロス RGA) 20 pts
2 ウィナーアンドルー・アナコナ(コロンビア、ランプレ・メリダ) 18 pts
3 アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター チーム) 18 pts

複合賞(コンビナーダ)
1 アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター チーム) 9 pts
2 アルベルト・コンタドール(スペイン、ティンコフ・サクソ) 12 pts
3 クリストファー・フルーム(イギリス、チーム スカイ) 20 pts

チーム総合
1 モビスター チーム 121時間3分40秒
2 チーム カチューシャ +3分35秒
3 オメガファルマ・クイックステップ +5分3秒

敢闘賞
ヴァシル・キリエンカ(ベラルーシ、チーム スカイ)

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