ブエルタ・ア・エスパーニャ2014 第9ステージコンタドールがアタック、キンタナが総合首位に浮上 逃げ切ったアナコナがプロ初勝利

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 ブエルタ・ア・エスパーニャは31日、第9ステージが行われ、大人数の逃げ集団から抜け出したウィナーアンドルー・アナコナ(コロンビア、ランプレ・メリダ)がプロ初勝利となるステージ優勝を挙げた。メーン集団では、ラスト2kmでアルベルト・コンタドール(スペイン、ティンコフ・サクソ)がアタック。これにより、総合上位陣の多くが苦しめられることとなった。ゴール前でコンタドールに合流したナイロアレクサンデル・キンタナ(コロンビア、モビスター チーム)が、チームメートのアレハンドロ・バルベルデ(スペイン)に代わって総合首位のマイヨロホを手にしている。

第9ステージを制したアナコナ第9ステージを制したアナコナ
スタート前に空気圧を確かめるバルギルスタート前に空気圧を確かめるバルギル

 開幕から走り続けたブエルタは、このステージの後に最初の休息日を迎える。事実上の第1週目の最後に迎えるのは、今大会2度目の頂上ゴールだ。カルボネーラス・デ・グアダサオーンをスタートし、しばらくは緩やかに上り、一旦下りへ。その後再び上り基調に。中盤以降はカテゴリー山岳が立て続けに登場し、3級、2級、そして頂上ゴールの1級山岳へと続く。1級山岳バルデリナレスは、登坂距離8km、平均勾配6.6%、ゴール前2.5kmから最大勾配の8.5%の上りとなる。

 スタート以降、時速45km前後のハイペースで推移し、逃げ狙いのアタックが思うように決まらない。逃げが容認されたのは40km地点。なんと27選手の大所帯だ。さらに4人が追走を試み、のちに合流。31人の逃げ集団が形成された。

 逃げグループは山岳巧者や巡航力のあるスピードマンが多く加わったこともあり、快調にレースを進める。その中で総合成績の最上位は、トップから2分50秒差につけるアナコナ。メーン集団は、リーダーチームのモビスター チームがコントロール。逃げとの差を最大8分にとどめ、少しずつではあるがその差を縮小させていった。

この日攻撃を見せたコンタドールこの日攻撃を見せたコンタドール

 逃げ集団に動きが見られたのは、残り25kmを前にしたあたり。サム・ビューリー(ニュージーランド、オリカ・グリーンエッジ)が下りを利用してペースアップすると、これを機に集団の人数が徐々に絞られてゆく。すると今度はアナコナがペースを上げる。一度は追いつかれたアナコナだったが、再び抜け出すと、これに続いたのはボブ・ユンゲルス(ルクセンブルク、トレック ファクトリーレーシング)とハビエル・モレノ(スペイン、モビスター チーム)の2人。そのうち、モレノはマイヨロホのバルベルデがメーン集団に控えていることから、先頭交代のローテーションには加わらない。アナコナとユンゲルスがペースメイクを図った。

 メーン集団では、オメガファルマ・クイックステップやチーム スカイが牽引を行うが、先頭3選手との差がなかなか縮まらない。4分前後の差のままレースが進んだことで、先頭ではアナコナにマイヨロホ獲得のチャンスが膨らんだ。

 残り7kmでモレノがローテーションに加わると、ユンゲルスが遅れ始める。残り6.5kmで今度はアナコナがスピードアップ。これにモレノが対応できず、アナコナの独走が始まった。

 大観衆が押し寄せた最終盤の急坂区間も淡々とペースを刻むアナコナ。苦しい素振りをほとんど見せることなくゴール前へとやってきた。ジャージに記されたチームロゴを指さし、最後は高々と両手を掲げてフィニッシュラインを通過した。

 アナコナのゴール後、前半から逃げていた選手たちが次々とフィニッシュしていたが、さらに後方のメーン集団では大きな動きが起こっていた。残り2kmのアーチを超えた瞬間に猛然とアタックを繰り出したのはコンタドール。軽やかなダンシングでライバルを置き去りにし、単独でゴールを目指す。

総合3位に落ちたバルベルデ総合3位に落ちたバルベルデ

 一瞬お見合いになった総合上位陣だったが、ホアキン・ロドリゲス(スペイン、チーム カチューシャ)が追走を始めると、これに付くことができたのはキンタナのみ。徐々に苦しそうな表情に変わっていったコンタドールに対し、少しずつその差を詰めるロドリゲスとキンタナ。一方で、マイヨロホのバルベルデと総合優勝候補であるクリストファー・フルーム(イギリス、チーム スカイ)は失速。先を行くライバル3選手との差は広がるばかりだ。

 ゴール前の直線に姿を現したコンタドールは、追い上げてきたロドリゲスとキンタナを確認すると、ペダリングを緩めてフィニッシュラインを越えた。3選手はアナコナから2分16秒遅れてのゴール。バルベルデ、フルームら有力総合勢はさらに23秒遅れてのゴールとなった。

バルベルデからリーダージャージを受け継ぐ形となったキンタナバルベルデからリーダージャージを受け継ぐ形となったキンタナ

 これにより、総合首位の証であるマイヨロホは、キンタナへと移った。3秒差でコンタドールが続き、リーダージャージをチームメートに譲ったバルベルデが8秒差となっている。苦しい走りとなったフルームは28秒差の総合5位につける。

 このステージを終えて総合でジャンプアップに成功したのは、優勝したアナコナだ。9秒差の総合4位となり、レース後のインタビューでも「総合トップ10が目標だ」とコメントしている。8月上旬のツアー・オブ・ユタでは総合3位に入っており、その勢いを持続したまま迎えたブエルタでプロ初勝利。第2週目以降の走りにも期待がかかる。

 9月1日の休息日を挟み、翌2日からはスペイン北部へ移動。第10ステージは、サンタ・マリーア・デ・ベルエーラからボルハまで34.5km個人タイムトライアルで争われる。11.2km地点に3級山岳ポイントが設けられているが、以降ゴールまで下り基調。TTを得意とする選手向きのコースだ。また、総合成績を見据える選手たちにとっても勝負のステージ。ここでのタイム差が後々の戦いに影響することも大いに考えられる。

(文 福光俊介/写真 砂田弓弦)

第9ステージ結果
1 ウィナーアンドルー・アナコナ(コロンビア、ランプレ・メリダ) 4時間34分14秒
2 アレクセイ・ルツェンコ(カザフスタン、アスタナ プロチーム) +45秒
3 ダミアーノ・クネゴ(イタリア、ランプレ・メリダ) +50秒
4 ハビエル・モレノ(スペイン、モビスター チーム) +1分4秒
5 ペイオ・ビルバオ(スペイン、カハルラル・セグロス RGA) +1分12秒
6 ジェローム・コッペル(フランス、コフィディス ソリュシオンクレディ) +1分21秒
7 ライダー・ヘシェダル(カナダ、ガーミン・シャープ) +1分33秒
8 アダム・ハンセン(オーストラリア、ロット・ベリソル) +1分45秒
9 ボブ・ユンゲルス(ルクセンブルク、トレック ファクトリーレーシング) +1分49秒
10 ファビオ・フェッリーネ(イタリア、トレック ファクトリーレーシング) +2分8秒

個人総合(マイヨロホ)
1 ナイロアレクサンデル・キンタナ(コロンピア、モビスター チーム) 35時間58分5秒
2 アルベルト・コンタドール(スペイン、ティンコフ・サクソ) +3秒
3 アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター チーム) +8秒
4 ウィナーアンドルー・アナコナ(コロンビア、ランプレ・メリダ) +9秒
5 クリストファー・フルーム(イギリス、チーム スカイ) +28秒
6 ホアキン・ロドリゲス(スペイン、チーム カチューシャ) +30秒
7 ファビオ・アール(イタリア、アスタナ プロチーム) +1分6秒
8 ロベルト・ヘーシンク(オランダ、ベルキン プロサイクリングチーム) +1分19秒
9 リゴベルト・ウラン(コロンビア、オメガファルマ・クイックステップ) +1分26秒
10 ワレン・バルギル(フランス、チーム ジャイアント・シマノ) +1分26秒

ポイント賞(プントス)
1 ジョン・デゲンコルプ(ドイツ、チーム ジャイアント・シマノ) 87 pts
2 ナセル・ブアニ(フランス、エフデジ ポワン エフエル) 74 pts
3 マイケル・マシューズ(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ) 71 pts

山岳賞(モンターニャ)
1 リュイスギジェルモ・マス(スペイン、カハルラル・セグロス RGA) 20 pts
2 ウィナーアンドルー・アナコナ(コロンビア、ランプレ・メリダ) 18 pts
3 ジェローム・クザン(フランス、チーム ヨーロッパカー) 13 pts

複合賞(コンビナーダ)
1 アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター チーム) 15 pts
2 クリストファー・フルーム(イギリス、チーム スカイ) 18 pts
3 ウィナーアンドルー・アナコナ(コロンビア、ランプレ・メリダ) 20 pts

チーム総合
1 モビスター チーム 107時間27分19秒
2 チーム カチューシャ +3分11秒
3 ベルキン プロサイクリングチーム +5分37秒

敢闘賞
リュイスギジェルモ・マス(スペイン、カハルラル・セグロス RGA)

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