ブエルタ・ア・エスパーニャ2014 第7ステージ“逃げのスペシャリスト”デマルキが独走でグランツール初勝利 総合上位陣は大きな変動なし

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 ブエルタ・ア・エスパーニャは29日、第7ステージが行われ、序盤から逃げ集団でレースを進めたアレッサンドロ・デマルキ(イタリア、キャノンデール)が優勝。グランツールで初勝利を挙げた。逃げ切りを容認したメーン集団は総合上位陣がまとまってゴール。総合首位のアレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター チーム)もこの中でステージを終え、マイヨロホを危なげなくキープしている。

逃げ切っての優勝を飾ったデマルキ逃げ切っての優勝を飾ったデマルキ
スタート前に消防隊員のヘルメットを手にするバルベルデスタート前に消防隊員のヘルメットを手にするバルベルデ

 165.4kmのレースは、スタートのアレンディーンとゴールのアルカウデーテともにブエルタ初登場。序盤こそ平坦路を進むが、このステージ最初上りとなる3級山岳が始まる32km地点からはゴールまで細かいアップダウンの連続。逃げ向きのステージとの評判だ。

 それもあってか、スタート直後から20人が逃げを試みた。レースが進むにつれ人数を減らしていき、3級山岳へと入る頃には4選手に絞られる。顔触れは、デマルキ、ライダー・ヘシェダル(カナダ、ガーミン・シャープ)、ユベール・デュポン(フランス、アージェードゥーゼール ラモンディアル)、ヨアン・チョップ(スイス、イアム サイクリング)。いずれも経験豊富な選手たちだ。

 メーン集団では、3級山岳の上り途中でクリストファー・フルーム(イギリス、チーム スカイ)が数選手と絡み落車。一時は集団から1分以上後れをとったものの、アシストの力を借りて無事に復帰している。ツール・ド・フランスに続く落車でけがの具合が心配されたが、右大腿部と膝、肘の擦過傷程度で済んだ様子だ。

落車してリタイアに追い込まれたサラモンティス落車してリタイアに追い込まれたサラモンティス

 また、この落車に関連し、イヴァン・サンタロミータ(イタリア、オリカ・グリーンエッジ)、ブライアン・ノロー(フランス、チーム ヨーロッパカー)、アレクセイ・サラモティンス(ラトビア、イアム サイクリング)がリタイアしている。

 順調に先頭を走る4選手だったが、残り15.5kmでデュポンが遅れ始める。メーン集団とは3分25秒あり、3選手は勝利を信じてペースを上げる。しかし、その直後にヘシェダルが落車。左コーナーで車輪が取られ、地面に落ちてしまう。さらには、後ろを走っていたカメラバイクがヘシェダルのバイクを踏んでしまうハプニング。これでしばらく足止めを食う形に。

 残されたデマルキとチョップの2人はヘシェダルを待つことはせず、勝負に集中する。先に仕掛けたのはデマルキ。残り13.5kmでペースアップを図ると、チョップは対応できず、デマルキがゴールに向かって独走を開始する。

 終盤にかけて追走の意思を見せていたメーン集団だったが、残り10kmを切ってからもデマルキとは3分以上の差があり、追うことを断念。リーダーチームのモビスター チームやチーム スカイが集団をコントロールしながらゴールへと向かった。

区間2位に終わったヘシェダル。落車の痕が生々しい区間2位に終わったヘシェダル。落車の痕が生々しい

 1人になっても勢いが衰えなかったデマルキは、ラスト1.5kmで勝利を確信しチームカーに乗るスタッフとがっちり握手。ジャージに記されたキャノンデール社のロゴをアピールしながら、フィニッシュラインを通過した。

 デマルキから遅れること1分35秒。落車後から前を追い続けたヘシェダルが2位でゴール。デュポン、チョップも続いた。

 勝利したデマルキはプロ4年目の28歳。トラック出身で、チームパシュート(団体追抜)でイタリアチャンピオンに2度輝いた実績を持つ。アンドローニジョカットリ時代の2012年にはジロ・デ・イタリア第16ステージで2位、キャノンデールに移籍した2013年にはクリテリウム・ドゥ・ドーフィネ第8ステージ優勝を経験。今年のツール・ド・フランスでも再三逃げを試み、ステージ優勝こそ挙げられなかったものの、積極的な走りが評価され総合敢闘賞を獲得した。そして、連戦となるブエルタでグランツール初勝利をつかんだ。2015年シーズンは、BMCレーシングチームへの移籍が決まっている。

妊娠中のバルベルデ夫人。世界選が予定日だという妊娠中のバルベルデ夫人。世界選が予定日だという

 メーン集団はデマルキのゴールから2分以上経ってゴール前へと姿を表した。ダニエル・マーティン(アイルランド、ガーミン・シャープ)とフィリップ・ジルベール(ベルギー、BMCレーシングチーム)が上りスプリントを開始すると、フルームがそれに続いた。落車負傷の心配をよそに、総合上位陣に対し2秒先着。トップとの総合タイム差を20秒としている。そのほかは大きな変動はなく、マイヨロホは引き続きバルベルデが袖を通すことになる。

 第8ステージは、バエサからアルバセテまでの207km。今大会最長ステージだ。大会序盤の舞台となったアンダルシア州を抜け、カスティーリャ・ラ・マンチャ州へと入る。山岳ポイントは設けられておらず、後半の70kmは下り基調。ステージ優勝争いはスプリントが予想されるが、この地域特有の強風がレースに変化を与える可能性もある。総合上位の選手たちにとっても、一切の気の緩みは許されない1日となるだろう。

(文 福光俊介/写真 砂田弓弦)

第7ステージ結果
1 アレッサンドロ・デマルキ(イタリア、キャノンデール) 4時間1分52秒
2 ライダー・ヘシェダル(カナダ、ガーミン・シャープ) +1分34秒
3 ユベール・デュポン(フランス、アージェードゥーゼール ラモンディアル) +1分35秒
4 ヨアン・チョップ(スイス、イアム サイクリング) +1分35秒
5 フィリップ・ジルベール(ベルギー、BMC レーシングチーム) +2分17秒
6 ダニエル・マーティン(アイルランド、ガーミン・シャープ) +2分17秒
7 クリストファー・フルーム(イギリス、チーム スカイ) +2分18秒
8 ジャンルーカ・ブランビッラ(イタリア、オメガファルマ・クイックステップ) +2分20秒
9 アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター チーム) +2分20秒
10 アルベルト・コンタドール(スペイン、ティンコフ・サクソ) +2分20秒

個人総合(マイヨロホ)
1 アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター チーム) 26時間52分20秒
2 ナイロアレクサンデル・キンタナ(コロンピア、モビスター チーム) +15秒
3 アルベルト・コンタドール(スペイン、ティンコフ・サクソ) +18秒
4 クリストファー・フルーム(イギリス、チーム スカイ) +20秒
5 ヨアンエステバン・チャベス(コロンビア、オリカ・グリーンエッジ) +41秒
6 ホアキン・ロドリゲス(スペイン、チーム カチューシャ) +45秒
7 ロベルト・ヘーシンク(オランダ、ベルキン プロサイクリングチーム) +55秒
8 ファビオ・アール(イタリア、アスタナ プロチーム) +58秒
9 ワレン・バルギル(フランス、チーム ジャイアント・シマノ) +1分2秒
10 ウィルコ・ケルデルマン(オランダ、ベルキン プロサイクリングチーム) +1分6秒

ポイント賞(プントス)
1 ジョン・デゲンコルプ(ドイツ、チーム ジャイアント・シマノ) 72 pts
2 マイケル・マシューズ(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ) 51 pts
3 ナセル・ブアニ(フランス、エフデジ ポワン エフエル) 49 pts

山岳賞(モンターニャ)
1 リュイスギジェルモ・マス(スペイン、カハルラル・セグロス RGA) 18 pts
2 アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター チーム) 10 pts
3 ジェローム・クザン(フランス、チーム ヨーロッパカー) 10 pts

複合賞(コンビナーダ)
1 アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター チーム) 9 pts
2 クリストファー・フルーム(イギリス、チーム スカイ) 15 pts
3 ホアキン・ロドリゲス(スペイン、チーム カチューシャ) 27 pts

チーム総合
1 ベルキン プロサイクリングチーム 80時間10分53秒
2 モビスター チーム +45秒
3 チーム カチューシャ +2分28秒

敢闘賞
ライダー・ヘシェダル(カナダ、ガーミン・シャープ)

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