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栗村修の“輪”生相談<30>43歳男性「実業団レースでは国際サーキットを使った周回レースってないのですか?」

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自転車にハマってから2年、時には原チャリ以上のスピードを自力で出せることに魅力を感じる43歳のおっさんです。もとい、お兄さんです。

自分が知らないだけならすみません。素人参加型の自転車レースでは、国際サーキットを使うことも多いと思いますが、実業団レースでは国際サーキットを使った周回レースってないように思います。

 大会運営の容易さ、集客、選手の安全性からみても、国際サーキットでの開催が良いのでは?と思うのですが、いかがでしょうか?

(40代男性)

 たしかに、自分の体をエンジンにして、原チャリ以上のスピードが出るのも自転車の魅力ですね。でも、くれぐれもお気をつけてくださいね。事故は怖いですから…。

 さて、ご質問への回答です。僕も内実を詳しく知っているわけではないのですが、理由はシンプルだと思います。ズバリ、お金の問題でしょう。ちなみに、昔は鈴鹿サーキットで実業団レースもありました。

 たとえば、鈴鹿を借りるとします。使用料は相当の額になるはずです。それをペイするためには、かなりのお金が必要です。実業団レースの場合は若干ながらスポンサー収入などもあるのですが、いずれにしても主催者の収入の大半は参加費ですから、たくさんの参加者数が必用になります。

夏のロードレースの祭典として、毎年8月末に開催される「シマノ鈴鹿ロードレース」夏のロードレースの祭典として、毎年8月末に開催される「シマノ鈴鹿ロードレース」

 そして、実業団レースの参加者数は、使用料を払えるほど多くはないのでしょう。参加者数は1000人にも程遠いレベルです。参加費は十分には集まりません。これが主な理由じゃないでしょうか。一方で、ホビーレーサー向けのレースならば参加者も多く、エントリー費用も高めです。出展ブースからの収入などもあるでしょう。つまり、実業団レースとホビーレースでは、売り上げが全然違うんですね。

 公道で開催することで、その地域から町おこしとしての予算を出してもらえるならともかく、サーキットでは自分たちでお金を出さなければいけません。鈴鹿のサーキットを借りるのに、地元がお金を出してくれるということは考えにくいのではないでしょうか。あと、公道でレースをした方が周囲からの評価が高まる、というのもありますね。

 実業団レースはイベント色が薄く、あくまで公式戦なので、収入面が非常に弱いんです。他方で、審判やサポート体制にお金がかかります。昔は潤沢な補助金がありましたが、それもどんどん減っています。そんな流れもあって、サーキットで実業団レースをやろう、という流れがなくなったのでしょう。なんだか夢のない回答で恐縮ですが、お金の問題は避けて通れないんですね。

(編集 佐藤喬/写真 米山一輝)

回答者 栗村修(くりむら おさむ)

 一般財団法人日本自転車普及協会 主幹調査役、ツアー・オブ・ジャパン 大会副ディレクター、スポーツ専門TV局 J SPORTS サイクルロードレース解説者。選手時代はポーランドのチームと契約するなど国内外で活躍。引退後はTV解説者として、ユニークな語り口でサイクルロードレースの魅力を多くの人に伝え続けている。著書に『栗村修のかなり本気のロードバイクトレーニング』『栗村修の100倍楽しむ! サイクルロードレース観戦術』(いずれも洋泉社)など。

※栗村さんにあなたの自転車に関する悩みを相談してみませんか?
ml.sd-cyclist-info@sankei.co.jpまでお寄せください。

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