フレームはSLR、SL、Sの3グレードついにデビューしたトレックの軽量ロード「エモンダ」 幅広いグレードの違いを比較&試乗

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完成車重量4.65kgをアピールする、最軽量モデルのエモンダSLR 10完成車重量4.65kgをアピールする、最軽量モデルのエモンダSLR 10

 トレックが7月のワールドプレミアで発表した「エモンダ」(Émonda)は、同社が満を持して投入する軽量ロードバイクシリーズだ。最軽量モデルは完成車4.65kgという驚きの重量を達成し、世界中を驚かせた。2015年モデルのラインナップでは、これまでロードレーサーの中心モデルだったマドンを縮小させ、エモンダシリーズが同社カーボンロードバイクの主役に躍り出ている。7月のトレックワールド・ジャパンで、エモンダの各グレードの相違点などをチェックした。 (文・米山一輝/写真・中尾亮弘)

最上級のSLR、SLRと同じ形のSL、お手頃なS

 フレームのグレードは上からSLR、SL、Sの3種類。さらに末尾に付く数字が、その完成車モデルのパーツのグレードを表す。マドンやドマーネなど、これまではフレームのグレードも数字で表していたが、よりイメージしやすくするためか、いわゆる松竹梅方式になった。またマドンでは300~700の5段階のOCLVカーボンに対応して、フレームも5グレード用意されていたが、エモンダでは中間の2グレード分はなくなって、ざっくり選びやすくなったと言える。

 完成車価格は、シマノ・アルテグラモデルでSLRが72万円、SLが37万円、Sで30万円くらい。価格帯がほとんど重複していないので、最終的な選択は予算次第ということになりそうだ。ちなみに最も安価な「エモンダS 4」と最も高価な「エモンダSLR 10」の価格差は、税込みで140万円となる。

最軽量の「Émonda SLR 10」(完成車税込159万円)最軽量の「Émonda SLR 10」(完成車税込159万円)
一体型のボントレガーXXXバー/ステムを採用一体型のボントレガーXXXバー/ステムを採用
ブレーキはボントレガーのスピードストップ。メカニカルなルックスが目を引くブレーキはボントレガーのスピードストップ。メカニカルなルックスが目を引く
ホイールは独Tuneのハブ/リムを使用しているホイールは独Tuneのハブ/リムを使用している
メーンコンポはスラム・レッドを採用メーンコンポはスラム・レッドを採用

 話題を集めている最軽量モデルは「SLR 10」だ。スラム・レッドのメーンコンポに、ブレーキキャリパーやサドル、ステム一体型ハンドルなどはボントレガーのスペシャルパーツを採用。ホイール周りやワイヤー類も特別仕様で、大手メーカーの完成車としては非常に攻めた作りになっている。インパクトのある重量を実現するためのパッケージとも言えるので、実際に使うには好みの分かれるバイクになるだろう。実質的な最上位モデルは、シマノ・デュラエースDi2を装備する「SLR 9」になるのではないだろうか。

シマノ・デュラエースDi2仕様の「Émonda SLR 9」(完成車税込128万7000円)シマノ・デュラエースDi2仕様の「Émonda SLR 9」(完成車税込128万7000円)

 もちろん最軽量モデルでなくても、エモンダSLRのフレーム自体は共通だ。マドン7シリーズと同様に、最上級の700シリーズOCLVカーボンを使用。軽量化のために突き詰められ、極限まで肉厚を削ったフレームは、例えばトップチューブやダウンチューブの中央部を指で押すと、いとも簡単に変形してしまうほど薄く作られている。フレーム形状のデザインは、真横から見るのに比べて、上方向から見ると幅が広めで、平べったい感じの部分が多い。衝撃を吸収しつつ横剛性を稼ぐ意図なのだろう。

マドンではBB裏だったリアブレーキは、ノーマルの位置にダイレクトマウントマドンではBB裏だったリアブレーキは、ノーマルの位置にダイレクトマウント
ディレーラーハンガーは裏側から取り付けられるディレーラーハンガーは裏側から取り付けられる
700シリーズのOCLVカーボンを使用。ダウンチューブのBB側はかなり平たい700シリーズのOCLVカーボンを使用。ダウンチューブのBB側はかなり平たい

 セカンドグレードのSLシリーズは、素材が500シリーズOCLVカーボンとなる。マドンで言えば旧5シリーズにあたる。フレームの外観はほぼSLRと同じで、唯一、ブレーキキャリパーの取り付けに、ダイレクトマウントではないノーマルタイプを採用している。トップグレードのコンポで組むと100万円を超えてしまうSLRシリーズに対し、同一グレードのパーツの場合、ほぼ半分の完成車価格に抑えられている。

シマノ105仕様の「Émonda SL 5」(完成車税込29万9000円)シマノ105仕様の「Émonda SL 5」(完成車税込29万9000円)
シマノ105仕様の「Émonda S 5」(完成車税込22万9000円)シマノ105仕様の「Émonda S 5」(完成車税込22万9000円)
SLのブレーキキャリパーはノーマルタイプSLのブレーキキャリパーはノーマルタイプ
モノステーとなるSシリーズ。シートポストもノーマルモノステーとなるSシリーズ。シートポストもノーマル
ワイヤーは外装。バックは全体的に外観が異なるワイヤーは外装。バックは全体的に外観が異なる

 サードグレードのSシリーズは、300シリーズのOCLVカーボンを使用。上位2機種とはかなりフレームの形状が異なる。ヘッドからフォークにかけてのフロント部は共通項が認められるが、後ろの方に行くほど似ていない。シートポストはノーマルで、シートステーもモノステーになっている。ビルトインできるサイコンセンサーは、上位2機種がBluetoothにも対応のデュオトラップSなのに対して、こちらはANT+のみ対応の従来型デュオトラップだ。ワイヤー類も外装式。思い返してみれば、前身にあたるマドンの旧3シリーズも、上位シリーズとはかなり異なるフレーム形状だった。完成車で19万~30万と、本格レーサーモデルとしてはお手頃な価格帯になるので、カーボンロードに乗りたい中級者にとって現実的な選択肢となるだろう。

エモンダ全グレードを試乗

軽さが際立つSLシリーズ軽さが際立つSLシリーズ
乗ると軽いSシリーズ乗ると軽いSシリーズ

 トレックワールド・ジャパンでは、エモンダの3グレード全てに試乗する機会を持つことができた。

 まずはSシリーズのバイクに乗ったが、乗る前の印象と「あまり軽くないな…」というもの。実際、スペック資料に記されている完成車重量は、8kg台中盤で、決して軽さを売りにするバイクではない。

 が、実際に走らせてみて印象が変わった。確かに軽いのだ。ペダルを踏んでみてのフィーリングが良い。加えて乗り心地もなかなか良い。坂道もシッティングだけでなく、ダンシングした際のフィーリングが良いように感じた。見た目は上位シリーズと異なるが、エモンダとしてのコンセプトには、しっかり合わせてきているように思えた。

 続いてSLシリーズを試した。持ってみて確かな軽さを感じる完成車重量は、パーツのグレードにもよるが、だいたい7kg台前半といったところ。乗ってみても、軽さがより際立つペダリングフィールだった。持って軽く乗って軽い、まさに軽量シリーズ。一方で乗り心地に関しては、少々固いように感じた。

極上の走りのSLRシリーズ極上の走りのSLRシリーズ

 最後に乗ったのはSLRシリーズだ。これは本当に軽い。アルテグラグレードですら、UCI規定の完成車最低重量6.8kgを下回ってしまっている。上りはその軽さを最大限に発揮するフィールドだ。一方で、最上級の700シリーズOCLVカーボンフレームは、確かな剛性も発揮。ペダリングやコーナーリング、ダウンヒルなどでも、まるで不安を感じさせない。

 乗り心地はドマーネのような極楽モードではないが、要所を押さえた安心感があり、快適性においても水準以上のものを感じることができた。あらゆる面でハイレベルな極上のレースバイクで、やはりSLRがエモンダのコンセプトを最も体現しているモデルと言えるだろう。

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