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RENの「自転車のススメ」<7>灼熱の太陽のもと、6つの峠に連続アタック 「ヒートキャラバンつくば」で筑波山を完全攻略

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 朝晩はいくらか過ごしやすくなり、秋の気配を感じますが、まだまだ暑い日が続いていますね。さて今回は、8月3日に茨城県つくば市、石岡市、桜川市にまたがる筑波山で開催された「Heat Caravan Tsukuba」(ヒートキャラバンつくば)への参戦・取材レポートをお届けします。

身も心も真っ赤な1日となったヒートキャラバンをレポート。今回、コンパクトデジカメに加え、GoProも使ってみました!身も心も真っ赤な1日となったヒートキャラバンをレポート。今回、コンパクトデジカメに加え、GoProも使ってみました!

 ヒートキャラバンつくばは、オーダーウェアで知られるチャンピオンシステム・ジャパンが主催。約100kmで大小6つの峠を、チームでまとまって走りきるという企画です…と簡単に書きましたが、コース設定はなかなか厳しく、しかも開催日は8月上旬の暑い盛り。一筋縄ではいかないに決まっています。初開催となる今回は、チャンピオンシステムのユーザーが対象のクローズド・イベントとして行なわれました。

 いつものロードバイクとウェアは自宅でお休み。今回は2015年モデルのキャノンデールSYNAPSE DISC(シナプスディスク)と、チャンピオンシステムのウェアで武装します。Jプロツアーチーム「クロップス・チャンピオンシステム」をサポートしているつくば市内のサイクルプロショップ「スペースゼロポイント」で、バイクとウェア一式をお借りして、大会受付でもあるオープニングパーティーの会場へ向かいました。どうやら美味しいディナーが待っているとのこと!

国道408号線沿いの「スペースゼロポイント」。美人店長の岩切さんは不在で、チームの監督佐藤さんがバイクを準備してくれた。佐藤さんはなんと元MTBの選手国道408号線沿いの「スペースゼロポイント」。美人店長の岩切さんは不在で、チームの監督佐藤さんがバイクを準備してくれた。佐藤さんはなんと元MTBの選手
今回の相棒、「キャノンデールSYNAPSE DISC」。制動力が高いのは正義。安心感があります今回の相棒、「キャノンデールSYNAPSE DISC」。制動力が高いのは正義。安心感があります

 パーティーは、つくばエクスプレス研究学園駅前の「トラットリアルッソ」でスタート。試走のムービーを観ながらコースの注意点を聞きます。ガーミンのカメラに映し出された峠は、なにやら厳しそうな雰囲気。それもそのはず、走行距離95.9km、獲得標高2911mという過酷なコースなのだから。場内からため息が漏れます。

 翌日のライドスタートは、07:00am。準備もあるので、ウエルカムパーティーは早めに終了しました。自転車乗りは早寝早起き!?

オシャレな店内。やっぱり食事が美味しいとお酒も進む。でも気をつけなければ明日が厳しいので、ほどほどに…オシャレな店内。やっぱり食事が美味しいとお酒も進む。でも気をつけなければ明日が厳しいので、ほどほどに…
西園良太さんによる体幹トレーニングについての講習も。難しい用語が出てくるが、わかりやすく解説してくれた。腹筋・背筋って大事ですね西園良太さんによる体幹トレーニングについての講習も。難しい用語が出てくるが、わかりやすく解説してくれた。腹筋・背筋って大事ですね
お店からのサプライズ。デコレートケーキで〆。美味しい食事を沢山頂きました。カーボローディングは大事だけど、もう食べられません(笑)お店からのサプライズ。デコレートケーキで〆。美味しい食事を沢山頂きました。カーボローディングは大事だけど、もう食べられません(笑)
チーム『12So』の皆さん。翌日のライド中は軽快なペースで走っていて、写真を撮るのに脚をつかわされましたチーム『12So』の皆さん。翌日のライド中は軽快なペースで走っていて、写真を撮るのに脚をつかわされました
仲間と来るべき!取材ということで単身このヒートキャラバンに挑んだ私は、様々なチームのお尻にくっ付いて走った。皆さんありがとう!仲間と来るべき!取材ということで単身このヒートキャラバンに挑んだ私は、様々なチームのお尻にくっ付いて走った。皆さんありがとう!

照りつける太陽の下、スタートしてすぐに上り…

1人ファッションショー。チャンピオンシステムのサマーレーススーツに身を包んで気合い十分!1人ファッションショー。チャンピオンシステムのサマーレーススーツに身を包んで気合い十分!

 イベント当日は、05:00起床。カーテンを開けるとやっぱり夏本番。スカッと晴れています。

 スタート地点となる平沢官衙遺跡(ひらさわかんがいせき)駐車場に到着すると、既に気温30℃に近いと思わせる熱気。「絶対に暑くなるだろうな」と想像していましたが、まさかここまでとは…

 この駐車場は筑波山にアタックする際の拠点として便利。ヒルクライムイベントのスタート地点にもなっているんですよ。

 それにしても暑い。ギラリと照りつける太陽が恨めしい…

 給水対策に大きめのボトルを準備。中にはCCDと水を入れました。汗をかいて塩分が足りなくなると脚が攣ってしまうので、水分だけではなく、塩分の補給にも気を配りたいですね。エイドステーションはコース上に4つ用意されていますが、足りなくなる可能性もありそうです…

筑波山をバックに集合! 皆まだまだ元気ですね。後ろの筑波山は、カワイイ顔して裏側に凶悪な顔(峠)を持っている。ツンデレなヤツだ…筑波山をバックに集合! 皆まだまだ元気ですね。後ろの筑波山は、カワイイ顔して裏側に凶悪な顔(峠)を持っている。ツンデレなヤツだ…

 皆で集合して記念撮影を終え、いよいよスタート。このキャラバンは、延々と続く砂漠ではなく、峠道の先のゴールを目指します。各チーム、2分程の時間を開けてコースへと繰り出していきます。さぁ、私も出発! ウェアラブルカメラでどんな景色を撮影できるか、楽しみです。

 スタートしてすぐ、まだ体も温まっていないうちから、いきなり登坂が始まります。頑張らないことが完走への秘訣。上り坂に身体が慣れるのを待ちます。

 不動峠の頂上を目指し、ググッと斜度がキツくなります。10%を超えるくらいでしょうか? タフなコース。手元のガーミンの標高表示を見ると、見事にギザギザ。これが延々続くと思うと、気が遠くなります(白目)。

スタートして10%を超える傾斜が続く。早くもダンシングでリズムをつくる。無理は禁物。グッッと踏まないようにスタートして10%を超える傾斜が続く。早くもダンシングでリズムをつくる。無理は禁物。グッッと踏まないように

皆で走る、キャラバンスタイル

 今回のコースは、舗装が少々荒れ気味です。しかし心強い相棒となったのが、用意してもらったシナプスでした。振動吸収性に優れたフレームに加え、28Cという太いタイヤのおかげで、乗り心地はしっとり。ビリビリとした不快な振動は感じられず、とても気持ちがいい。ペテル・サガンがパリ~ルーベを走る際に使用したのも納得できますね。

 そうこうしているうちに不動峠をクリア。まだまだ序の口、ここからの下り坂は要注意です。山の北側の斜面には、木々に囲まれ日が当たらない場所があります。そうした場所は苔が生えていることが多く、特にスリッピーな状態になります。ちょっとした危険予知ですが、普段の生活シーンでも同じような状況(北側の階段!)はあるので、気をつけたいですね。

木々の中を抜けていく。影になった場所は明らかに涼しい。そしてメッシュ状になったジャージが効果を発揮。クールダウンしてくれる木々の中を抜けていく。影になった場所は明らかに涼しい。そしてメッシュ状になったジャージが効果を発揮。クールダウンしてくれる
打って変わって、幹線道路を走る際は注意が必要だ。日を遮るものがなく、容赦なく太陽が照りつける。アスファルトから熱波が…打って変わって、幹線道路を走る際は注意が必要だ。日を遮るものがなく、容赦なく太陽が照りつける。アスファルトから熱波が…

 さて、イベントはタイムを競う競技ではなく、チーム全員でゴールするキャラバンスタイル。チームのエース(マイペースな人の事です^ ^)のためにボトルを持ってあげたり、ときどきバイクや背中を押してあげたりと、献身的に働くこともできます。過酷なコースならではのチームプレーが必要となります。

 サポートライダーとして同行するJプロツアー「クロップス・チャンピオンシステム」と実業団「チャンピオンシステム」の選手たちがペースメーキング。坂だとついついペダルをギュッっと力強く踏んでしまいがちですが、この道をホームコースとする選手の走りを盗み、おしゃべりしながらちょうど良いペースで進んでいきました。

厳しいアップダウンが続く。写真からもその斜度が伝わるだろうか? 頭から水を浴びてもあっという間に乾いてしまう厳しいアップダウンが続く。写真からもその斜度が伝わるだろうか? 頭から水を浴びてもあっという間に乾いてしまう
クロップス・チャンピオンシステムの選手でもしっかりとした練習になるコース? 初心者の方には嬉しい乗りかたアドバイスも聞けるクロップス・チャンピオンシステムの選手でもしっかりとした練習になるコース? 初心者の方には嬉しい乗りかたアドバイスも聞ける
まだ余裕? いや、ちょっと無理をしている顔…でも「大丈夫」と思ってはいけません。のどが渇いたと感じた時はすでに手遅れ。それは脱水症状ですまだ余裕? いや、ちょっと無理をしている顔…でも「大丈夫」と思ってはいけません。のどが渇いたと感じた時はすでに手遅れ。それは脱水症状です

 最初のエイドステーションに到着。バナナやクッキー、水が配られます。暑さで食欲が落ちる前にしっかりと補給しておこう。次の峠を目指します。

山頂の景色にホッと一息

カズ選手がペースを作る。ここ筑波山でトレーニングしているだけあって、コースを熟知している。本当に心強いカズ選手がペースを作る。ここ筑波山でトレーニングしているだけあって、コースを熟知している。本当に心強い

 うっそうとした森の中で、ワインディングロードが続きます。木々の間からも、ギラッと陽光が差しこみます。

 お昼近くになって、さらに気温が上昇。水分の消費量が増えてきました。森の中は日差しが遮られていても、風がなく不快指数はハイレベル。息苦しさを増していきます。とうとうペースが落ちてきた…それに合わせてくれるJプロツアーライダーの山本和弘(カズ)選手。かたじけない。おかげで山頂が見えてきました。

 峠の頂にたどりつくと、延々と広がる関東平野を一望。こんな景色に出会えるとは! ここはパラグライダーの離陸場として、森が切り開かれ整備されていました。裾野から峠に向かって谷が絞り込まれているせいで、風が集まり強い上昇気流が吹いてきます。ビュッと吹き抜ける風に、身体がよろけそうです。

関東平野を一望出来る場所へ。日中は斜面に沿って風が駆け上がり、パラグライダーの理想的な離陸ポイントだ。天然の扇風機といった感じ関東平野を一望出来る場所へ。日中は斜面に沿って風が駆け上がり、パラグライダーの理想的な離陸ポイントだ。天然の扇風機といった感じ

 先はまだ長い…次の峠へ向かいましょう。

 暑さにジワジワと体力を削り取られていきます。着ているのはサマーレーススーツ。メッシュ部が多く涼しいタイプですが、登坂時は風が当たらず熱交換がスムーズにいきません。2車線のワインディング「道祖神峠」では、広い道幅に木陰がなくなり、太陽が容赦なく照りつけます。ついにオーバーヒート。水を被ってもグロッキー状態に…。大場政登志選手に「大丈夫ですか?」と声を掛けてもらい、正気を取り戻し、なんとか集団に復帰しました。

皆さん健脚だ。ヘロヘロとそろそろ危ない感じになってきた。食欲が落ち、水分だけを欲しがる皆さん健脚だ。ヘロヘロとそろそろ危ない感じになってきた。食欲が落ち、水分だけを欲しがる
完全に脚が止まった。12時少し過ぎ。背中に強烈な太陽光線。体温はみるみる上昇し、意識が遠のく。熱中症一歩手前だ完全に脚が止まった。12時少し過ぎ。背中に強烈な太陽光線。体温はみるみる上昇し、意識が遠のく。熱中症一歩手前だ

サポートの有りがたさが身にしみる…

希少な平坦区間。風を全身に受ければ、先ほどよりは涼しい。コースは全体的に車が少なくとても走りやすい希少な平坦区間。風を全身に受ければ、先ほどよりは涼しい。コースは全体的に車が少なくとても走りやすい

 筑波山周辺は交通量も少なく、快適に走ることができます。日曜日ということもあり、トラックとはほとんどすれ違いませんでしたが、これは街道から外れていて、コンビニなど補給できる場所が少ないということでもあります。プライベートで走る際は、コンビニを見つけたら必ず立ち寄っておきたいですね。

 次の峠へのアプローチとなる田園地帯を、ヒートキャラバントレインが突き進みます。秋の収穫へ向け、稲穂が青々と輝いていました。キョロキョロと辺りを見回していると、1台の車が目に飛び込んできました。

 き、黄色がまぶしい…。

黄色がまぶしい! マヴィックのニュートラルカーがヒートキャラバンをサポート。発売されたばかりのスバル・レヴォーグだ。カッコいい!黄色がまぶしい! マヴィックのニュートラルカーがヒートキャラバンをサポート。発売されたばかりのスバル・レヴォーグだ。カッコいい!

 そうです。プロや実業団の選手の他に、力強いサポートがもう一つ。なんとマビックカーがキャラバンのサポートをしてくれているのでした。屋根には、これまた真っ黄色に塗られたスペアバイク、そしてスペアホイールのキシリウムSLRが満載。お世話になりたくないけれど、伴走してくれると大変心強いですね。選手になった気分で頑張れます。

 そして、「もうそろそろ休憩したいな…」と思うとエイドステーションが現れるという絶妙な配置(笑)。助かります。梅干しで塩分を補給します。

チャンピオンシステムの(美女から!)手厚いサポートが。嬉しいね! でも、悲しいのは、「まだ平気だよ!」って感じの顔をしなきゃいけないこと(笑)チャンピオンシステムの(美女から!)手厚いサポートが。嬉しいね! でも、悲しいのは、「まだ平気だよ!」って感じの顔をしなきゃいけないこと(笑)
参加者は地元の人が多めだった。普段から乗っている人は地脚が違う。中には千葉から毎週末、筑波山へ自走で走りにくる人も参加者は地元の人が多めだった。普段から乗っている人は地脚が違う。中には千葉から毎週末、筑波山へ自走で走りにくる人も
参加者は2015年モデルに興味津々。「ディスクってブレーキ力が高いんですよね?」「はい。安心して下れますよ!」ディスクロードはまだ珍しい存在参加者は2015年モデルに興味津々。「ディスクってブレーキ力が高いんですよね?」「はい。安心して下れますよ!」ディスクロードはまだ珍しい存在

そしていよいよ感動のゴール!

筑波山ヒルクライムメッカの「不動峠」。上の架橋は稜線を縦走する表筑波スカイライン。ここは少々交通量があるので注意が必要だ筑波山ヒルクライムメッカの「不動峠」。上の架橋は稜線を縦走する表筑波スカイライン。ここは少々交通量があるので注意が必要だ

 コースも後半に入ると、時々薄らと雲が掛かり、身体的には少し楽になりました。ですが、集中力を切らしてはなりません。なぜなら交通量が少し増えるから。最終ゴール地点の「つつじヶ丘レストハウス」に向かう観光道路「筑波パープルライン」は、観光客の乗用車やスポーツカーが多いので、十分に気をつけるようにしましょう。

 さぁラストスパート。グングンと標高が上がっていきます。そしてついに「風返し峠」から、最後のゴールまでの登りに。もう少しで終わるのなら、しっかりと追い込んで終わりたい!

 そして感動のゴール! この厳しいコースを走って来たからこその達成感です!

ついにゴールの地となる「つつじヶ丘」に到着! 筑波山観光の中心で、多数の観光客で賑わう。お土産屋も充実しており、「ガマの油」で有名な場所だついにゴールの地となる「つつじヶ丘」に到着! 筑波山観光の中心で、多数の観光客で賑わう。お土産屋も充実しており、「ガマの油」で有名な場所だ
オリジナルのアイスクリームが身に染み渡る…。レストハウスのベンチがありがたい!オリジナルのアイスクリームが身に染み渡る…。レストハウスのベンチがありがたい!

 ゴールではアイスクリームの引換券が配られ、私はバニラをチョイス。甘さで、これまでの疲れが吹き飛びます。

 一緒に走った都内からの参加者にお話を伺うと、「地元チームのアテンドがあったから筑波山の色々な峠を知る事ができた。こんなに色々な景色があったなんて!」とのこと。

 そうなんです。筑波山って独立峰ではなく、北へ向かっていくつもの山が連なる『連峰』なのです。

思った以上に難所が点在する筑波山。初心者向けのコース設定からプロ仕様な本格的な山岳コース設定まで、かなり懐の深い場所でした思った以上に難所が点在する筑波山。初心者向けのコース設定からプロ仕様な本格的な山岳コース設定まで、かなり懐の深い場所でした

 様々な出版物で見る、あの筑波山は表の顔。気軽に楽しめる山ではあると思いますが、その気軽さの奥にキツい峠道が何本もある場所なのでした。

 攻略しがいのあるコース、皆さんもぜひ一度走ってみてはいかがでしょうか?

 それではまた!RENでした!

小林 廉(こばやし・れん)/REN小林 廉(こばやし・れん)/REN

数々のCM・雑誌・ファッションショーで活躍するトップモデル。08年より本格的にスポーツサイクルに乗り始める。毎月発行される自転車雑誌に見ない月はないというほどの“乗れるモデル”。日本マウンテンバイク協会公認インストラクター。特技はウィリー(映像を見る)。身長188cm、体重74kg。東京都在住。オフィシャルブログ「REN’s World」。取材のお問い合わせは info.studioren@gmail.com まで

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