MSN産経ニュースwest【車椅子バスケの魅力】より試合中に五官で感じる「タイヤの焦げた臭い」「機械的な音」 車椅子バスケ・網本麻里さん<2>

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 車椅子バスケットボール女子日本代表のポイントゲッター、網本麻里さん(25)。2020年に開催される東京オリンピック・パラリンピックでの活躍が期待される“浪速っ娘”だ。まず2年後のリオデジャネイロ・パラリンピック出場が目標だが、アジア・オセアニアゾーン予選で強豪オーストラリアと中国が立ちはだかる。 (聞き手・産経新聞大阪編集局 野瀬吉信)

◇         ◇

火花散るような競り合いはまるで格闘技

世界選手権でプレーする網本麻里さん。女子日本代表のポイントゲッターだ =2014年6月、カナダ世界選手権でプレーする網本麻里さん。女子日本代表のポイントゲッターだ =2014年6月、カナダ

――現在所属するチーム「カクテル」とは

 車椅子バスケットボールのアマチュアのチームです。もともとは京都を本拠地にしたチームで、昔は女子のチームが神戸にもあったんですけど、そのチームがなくなって関西で女子の唯一のチームです。メンバーは8人。寂しい人数です。でも、障害者スポーツはそんな感じです。特に女子は。練習試合もなくて、大会が年に6回ある。うち4回が女子との試合です。カクテルは女子のチームですが、車椅子バスケットボールの近畿ブロックに所属していて、2回は男子が相手です。女子チーム同士は少なくて、これからチームを増やそうとみんなで活動しています。

――日々の過ごし方は

 トレーニングとバスケの練習をしていますね。6月にカナダで開催された世界選手権までは毎日バスケ、バスケ、バスケ…。個人練習です。メニューを自分で組んで、シュートの練習をしたり、走ったりですね。コーチがいるときも1人のときもありました。

――バスケと車椅子バスケの違いは

 簡単にいうと違いは2つしかなくて、まずは、車椅子に乗ってるか乗ってないか。もう1つはダブルドリブル。

 ドリブルしてボール持って、またドリブルしてというのが車椅子バスケでは認められています。あとは、障害者スポーツなので障害の程度によって選手それぞれ持ち点がある。一番障害が重い人、例えば鳩尾(みぞおち)から下に感覚がない人は1点という持ち点を与えられる。そこから0.5刻みで4.5まで8段階。一番障害の軽い人、例えば私は4.5なんですけど、普段から歩いているような人でも障害があれば車椅子バスケで世界にチャレンジできるということです。

 試合は5人でするのですが、その5人の持ち点の合計が14点以内じゃないとダメというルールがある。大きくはこれだけの違いですね。リングの高さもボールの大きさもコートの広さも全部一緒です。

――車椅子は

 基本、全選手オーダーメードです。なぜかというと、障害の重さやどういう障害かは全員それぞれ違う。靴と一緒です。自分の好みとかサイズとか色とか。靴紐がいいか、マジックテープがいいかとかあるじゃないですか。それと同じで車椅子の高さも一応決まっているのですが、地面から座面の高さが53センチ以内だったら何センチでもいいのです。

 座面に敷くクッションの高さも障害の程度によるのですが5センチから10まで認められています。大きいタイヤは24、25、26、27インチまであります。自転車のタイヤと同じです。

――魅力はバスケも車椅子バスケも一緒ということ

 そうですね。でも、観戦する方の魅力として一番違うのは五官で感じられるところです。普通のバスケットってキュッ、キュッといった靴の音を聞いたり、見たり。車椅子バスケはタイヤの音とか、金属音というか機械的なガシャガシャという音がして、後はタイヤの焦げた臭いとかもするのですよ、大会の会場にいたら。こういうのって普通のバスケじゃ感じられないじゃないですか。車椅子独特なんですが、やっぱりそれはすごい魅力的やなって、自分でやっていても思いますね。

――床でスリップしてタイヤが焦げる

 接触が激しいから火花が散るんじゃないかぐらいに競り合ったりするんで。あとは、激しく転倒したときとか。

<3>へつづく

網本麻里(あみもと・まり)

 1988(昭和63)年、大阪市出身。小3でバスケットボールを始めるが先天性内反足という右足首の病気のため断念。2004(平成16)年の高校1年時から車椅子バスケットボールを始め、翌年日本代表入り。08年の北京パラリンピックは4位だったが7試合133点をマークして得点王。11年のU25世界選手権メキシコ戦では51得点し、1試合得点の女子世界記録を樹立した。

MSN産経ニュースwestより)

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