五輪に2大会連続出場ロンドンで「全部出し切った」 MTBライダー片山梨絵さんがトークショー

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笑顔を見せる片山梨絵選手笑顔を見せる片山梨絵選手

 ロンドンオリンピックで自転車・マウンテンバイク(MTB)競技の女子クロスカントリーに出場した片山梨絵選手のトークショーが17日、神奈川県厚木市の「ザ・スペシャライズド・ラウンジ」で開かれ、ファンやMTB愛好者にオリンピックでの体験や、これからの自転車競技への取り組みについて語った。

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 片山選手のロンドン五輪出場が決まったのは、レースを1カ月半後に控えた6月末。オランダやノルウェーが出場枠を返上したため、繰り上がりで日本に出場枠が回ってきた。片山選手は北京五輪にも出場したが、この時のレースはタイムアップで完走できなかった。「まだ終われない」という気持ちで再び五輪の舞台を目指し、特に最近2年間は「プロ生活の中で、やっと納得がいったと思えるほどに全部出し切った」と振り返るほど五輪に賭けていた。

 ただ、やっと手にした出場権だが、実感を得るにはしばらく時間がかかったそうだ。そんな中、片山選手の自宅の近くに応援の横断幕がかかったり、空港でサポートメンバーに混じって一般客も応援してくれたりしたことが、大きな励みになった。また、五輪を熱望しながらもなかなか出場権を得られなかった片山選手の状況を知っていたライバルらは、ロンドンで会うとそろって「おめでとう」と声をかけてくれた。「ヨーロッパやアジアへの遠征をしてきたからこそ知り合えた、よきライバルたちと共に味わう五輪会場での達成感と緊張感は、特別なもの。会場にあふれる“ここまで来た”感は、ワールドカップとは違うオリンピック特有の空気だと感じた」とロンドンでの気持ちを語った。

トークショー会場の様子トークショー会場の様子

 海外遠征もひとりでこなしてきた片山選手の挑戦が孤独であったかというと、そうではない。片山選手と支援者らが、ファンを巻き込んで五輪を楽しみたいとスターとさせたプロジェクト「OFFROAD to LONDON」(O2L)が、近況を伝えるブログや、レース会場での応援という形でサポートを続けてきた。五輪が確定した時の喜びようは、本人よりもO2Lのメンバーの方が大きかったとか。

 この日駆けつけた参加者の中には、ロンドンへ応援に赴いたO2Lのメンバーも。司会の竹谷賢二さんから話を振られると、テレビ中継に映し出される場所へ日の丸のフラッグをセットしたことなど、レース会場の応援の様子を紹介した。

岩場の急斜面を下る片山梨絵選手(共同)岩場の急斜面を下る片山梨絵選手(共同)
下りのタイトコーナーを攻める片山梨絵選手(共同)下りのタイトコーナーを攻める片山梨絵選手(共同)

 ロンドンでは、4.8kmの周回コースを6周する29.3kmのレースで30位から追い上げ続け、1位から1分14秒差で20位という結果を残した。レース展開に関して片山選手は、「アジア選手権が、まだ実施されていない時期だったいうこともあり、UCIポイント順の最後列スタートとなったのは不利な条件だった。1週目はついていくのがやっとというスピードで展開したが、徐々にテンポをつかんでいった。出走する30人が皆、コンディションのピークをそこに合わせてくるレースは一筋縄にはいかなかったが、私も全力で備えてきた分、他の選手に対しては『悔しさよりもリスペクト』という気持ち」と振り返った。そこに日本選手団の一員として立てたことを光栄に思うと同時に、昨年の震災の際に手助けをしてくれた国や人へ、日本の代表として感謝を伝える責任を感じたという。

 選手村では、銀メダルを獲得した卓球の選手らと相部屋だったそうだが、片山選手が到着した時にはすでに表彰が終わったあとで、朝から晩まで取材に忙しそうだったという。また、選手村近くに設置された「マルチサポートハウス」は日本のトレーニングセンター(東京都北区)が移動したかのような“完コピ”ぶりで、時差ぼけの解消やトレーニング後の体調管理に役立てていたそうだ。「おかげで、コーチが心配するほどリラックスして試合に挑めました」と会場の笑いを誘った。スクリーンには、ビニールプールが並んだ炭酸浴場や、日本食が食べられる食堂の様子などが写真で紹介された。

 4年後のリオ五輪について尋ねられると、「応援団として行きたい」。今後は、教職の道へ進みながら「これから世界を目指す若い選手らが、なるべく遠回りせずに五輪という目標にたどり着けるよう、いっしょにレースを走るなどして手助けしていきたい」としている。


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