速度はサイクリストの良識任せ自転車通行無料化でにぎわう「しまなみ海道」 サイクリング客増も安全性に懸念

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上り下りが混在する因島大橋の自転車、原付バイクの兼用道路と、歩行者専用道路(右)=広島県尾道市(児玉佳子撮影) 上り下りが混在する因島大橋の自転車、原付バイクの兼用道路と、歩行者専用道路(右)=広島県尾道市(児玉佳子撮影)

 瀬戸内海に架かる橋で本州と四国をつなぐ「瀬戸内しまなみ海道」が、広島県尾道市と愛媛県今治市にまたがる「島並み」をめぐる〝聖地〟としてサイクリストの間で人気だ。7月には、自転車通行料も無料化された。これによってサイクリング客の増加が期待される一方、速度規制の不備や交通ルールが周知されていないことなどから、地元では事故を懸念する声も上がっている。(産経新聞福山支局 児玉佳子)

サイクリング客は19万人に

 しまなみ海道は自動車専用の高速道路だが、各橋梁には自転車と原付バイク、歩行者が通行できる側道が設けられている。サイクリストたちは、多島美を堪能しながら橋を渡り、島では一般道を走ることで、本州―四国間を走破することができる。4月にはサイクリング用の自転車を持ち込める高速バスが尾道―今治間で運行を始めるなど、サイクリングのための環境整備も充実してきた。尾道、今治両市によると、しまなみ海道を走るサイクリング客は、昨年度が約17万5千人。今年度は19万人に上ると推測している。

 活性化を歓迎する一方で関係者らが懸念するのが転倒などの事故。両市が把握できるレンタサイクルだけでも、平成23年度31件▽24年度42件▽25年度32件―の事故があった。平成15年には、歩行者がサイクリング大会の参加者にはねられて亡くなる事故も起きている。自分の自転車で走る人は、レンタサイクル利用者より多いにもかかわらず、軽い事故は申告されないため、実態が分からない。

 島の中を走るサイクリングロードは、一般道の車道の外側に塗装した青いラインで表示。だが、ほとんどは自転車1台分の幅しかなく、歩道と兼用の場所もある。尾道市瀬戸田町の男性(66)は「車を運転していると併走した自転車が車道にはみだし、危険を感じることもある」と話す。

「安全な速度」前提、基本的ルール順守を

 本州四国連絡高速道路によると、自転車道がある6橋のうち、原付バイクと兼用の因島大橋、大三島橋、伯方・大島大橋の3橋には、時速30キロの速度制限を表示。しかし、原付バイクが別の側道を走る生口橋、多々羅大橋、来島海峡大橋の自転車道には、速度標識がない。

 自転車で出せる速度は、「脚力や性能などによって異なるが、平均は時速25~30キロといったところ。上級者や下り坂の場合は50キロほど出ることもある」(尾道市のスポーツサイクルメーカー「アンデックス」)。

 広島県警によると、自転車は「安全な速度」で走行することが前提だが、道交法による速度制限はなく、サイクリストの良識に任されているという。尾道署交通課は、自転車の事故は増加傾向にあるとした上で、「通常は速度計がなく、正確な速度が運転者に分からないからこそ、基本的なルールを守る心がけが必要」と呼びかける。

 無料化で利用者が増えるのはうれしいことだが、サイクリストたちはルールを守って、楽しいレジャーを事故で台無しにしないよう努めてほしい。

「しまなみ海道」自転車通行料の無料化

自転車の通行料は橋梁ごとに定められ、6橋すべて渡ると計500円かかっていた。無料化は3月末までの試行で、来年度以降は未定。料金負担より、橋を渡るたびに自転車を止めて支払う「手間」が面倒という指摘が出ていた。

産経新聞・備後版より)

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