サイクリングも旅情も満喫ぶらり、尾道からしまなみ海道 そして「いい日旅立ち」の街・鞆の浦へ

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 世界で最も素晴らしい自転車道の一つと絶賛される「瀬戸内しまなみ海道」。広島県と愛媛県を結ぶ全長70kmの本州側の起点が尾道市だ。昔懐かしい風景が残り、数多くの映画・ドラマのロケ地になった風光明媚な港町を中心に、サイクリングや船、徒歩による旅で瀬戸内の夏を満喫した。(サンケイスポーツ 鹿間浩平)

着きました! 全長1480mの斜張橋「多々羅大橋」着きました! 全長1480mの斜張橋「多々羅大橋」

拠点は「ONOMICHI U2」

 広島空港から車で40分。今回の旅の拠点となる「ONOMICHI U2」に到着した。今年3月22日にオープンした全国初の自転車複合施設で、県営倉庫を改修した施設内には世界一の自転車メーカー「GIANT」のショップが併設され、ホテルの自室に愛車を持ち込めるなどサイクリストにはたまらない空間だ。

「ONOMICHI U2」内の宿泊施設「HOTEL CYCLE」の客室「ONOMICHI U2」内の宿泊施設「HOTEL CYCLE」の客室
宿泊する室内に愛車を持ち込める宿泊する室内に愛車を持ち込める

 また瀬戸内の味覚を堪能できるレストラン「THE RESTAURANT」や、こだわり粉と天然酵母を使用したパン屋「Butti Bakery」など、自転車に乗らない人も満喫できるこの施設。この日も平日にも関わらず大勢の客で賑わっていた。総支配人の新井さんは「サイクリストだけではなく、一般の観光客も来ていただきたい」と意気軒昂。日本有数の観光地・尾道で、いま最も注目のスポットだ。

注文してから作ってくれる朝食の卵料理注文してから作ってくれる朝食の卵料理
昼食に頂いたイカスミのパスタ。旬の味覚に舌鼓昼食に頂いたイカスミのパスタ。旬の味覚に舌鼓

いざ、海道をゆく

 いざ、と威勢よく言ったものの、全長70kmの「しまなみ海道」を走破するのは厳しい。ということで、大三島の「多々羅しまなみ公園」から生口島の「瀬戸田サンセットビーチ」までの区間を、1時間かけてゆっくり走ることにした。

サイクリングコースまでは船で移動。見えてきました多々羅大橋サイクリングコースまでは船で移動。見えてきました多々羅大橋
「多々羅しまなみ公園」で自転車を借りて、いざ出発「多々羅しまなみ公園」で自転車を借りて、いざ出発
青空に映える多々羅大橋青空に映える多々羅大橋

 「多々羅しまなみ公園」で自転車を借りて出発。爽やかな潮風を浴び快適に走ること10分。日本一の中央径間長を有する斜張橋「多々羅大橋」に着いた。橋から眺める島々と海はまさに壮観。スイスイ走りきるのも愉快だが、自転車を下りて歩きながら渡るのも良いかもしれない。

目指す多々羅大橋まであと少し目指す多々羅大橋まであと少し
多々羅大橋を走破! ゆっくり進んで20分、充実のひとときでした多々羅大橋を走破! ゆっくり進んで20分、充実のひとときでした

 6つの島を橋で結ぶしまなみ海道。7月19日から自転車通行料が無料になり、ますます便利になった。さらに10月26日には国内最大級の自転車イベント「サイクリングしまなみ」が開催される。15kmの「多々羅大橋往復コース」から111kmの「最難関ロングライド」まで9つのコースが設定され、初心者から上級者まで幅広く楽しめる大会だ。企画から3年、実働2年という異例のスピードで開催に至ったわけだが、広島県商工労働局の村木さんは「広島・愛媛・岡山・兵庫・徳島・香川と連携して瀬戸内海を〝走破〟する自転車大会を開催したい」と壮大なプランを語ってくれた。

眺める先は「多々羅しまなみ公園」。あそこから来たんだなぁ…眺める先は「多々羅しまなみ公園」。あそこから来たんだなぁ…

 写真を撮りながら20分かけて橋を渡り切ると、緩やかな下り坂に。サーっと気持ちよく下ると、あとはゴールまで一直線。「瀬戸田サンセットビーチ」で自転車を返却し、6.5kmを走り切った。しまなみ海道には乗り捨て可能なレンタサイクルターミナルが15カ所あり、ふらっと訪れた観光客も気軽に楽しめる。島々の景観や道路の充実とともに、その利便性も、国内外から絶賛される所以かもしれない。

ぶらり尾道散歩

 朝5時。普段は宵っ張りなのに目が覚めた。さぁ、散歩に出かけよう。海沿いを歩いて20分の間に渡船、渡船、渡船の文字。それもそのはず、尾道と向島とを隔てる「尾道水道」は片道5分弱の距離に渡船航路が3本もある。東京では遊覧船や屋形船と言った観光船をよく見るが、地元の方いわく「高校の通学で使っていました」。船は現役バリバリの〝市民の足〟なのだ。

CM撮影で「キムタク来る」の報せを受け、渡船場に集った地元の女性たち。〝待ち人〟は現れなかったが、朝5時30分からこのテンション。元気いっぱいですCM撮影で「キムタク来る」の報せを受け、渡船場に集った地元の女性たち。〝待ち人〟は現れなかったが、朝5時30分からこのテンション。元気いっぱいです
サイクリストもそうでない方も、船で島を一跨ぎ!サイクリストもそうでない方も、船で島を一跨ぎ!

 海沿いから商店街を抜け、〝坂の上〟を目指す。線路の手前でちびっ子の集団が。時刻は朝6時、どこに行くのと尋ねると「ラジオ体操」。坂の方に向かっているので付いていくと、神社の鳥居の前で別の一団と合流し、路地裏の道をひたすら上る。10分、20分…夏の間とはいえ毎日のことだそうだ。足腰が丈夫になるだろうなと思いながら汗だくで進むと、尾道有数の名所、千光寺に着いた。

艮神社の鳥居に集まった子供たち。ラジオ体操へレッツゴー艮神社の鳥居に集まった子供たち。ラジオ体操へレッツゴー
坂の街、尾道をグングン上る坂の街、尾道をグングン上る
手を繋いで仲良しこよし手を繋いで仲良しこよし
千光寺から眺める尾道水道。あぁ絶景かな千光寺から眺める尾道水道。あぁ絶景かな

 少年少女が導いてくれた、境内から尾道水道を望むしまなみの絶景。そういえば尾道は、映画監督が選ぶ世界の映画1位になった名作「東京物語」のロケ地の一つ。海あり、島あり、山あり。〝絵〟になる場所が満載の映画の街。さぁカメラ片手に街へ出よう!

鞆の浦で、いい日旅立ち

 ところ変わってJR福山駅から車で40分。映画「崖の上のポニョ」の舞台のモデルになった鞆の浦。坂本龍馬が乗る蒸気船「いろは丸」が紀州藩の明光丸に衝突され沈没し、その賠償交渉が行われた地としても知られる〝潮待ちの港〟に「福禅寺 對潮楼」がある。江戸時代を通じて朝鮮通信使のための迎賓館として使用され、通信使から「日東第一形勝」と称えられた景勝地。谷村新司の名曲「いい日旅立ち」のCDジャケットに使われた。瀬戸内海をゆく「平成のいろは丸」を眺めながら往時をしのび、時の流れに身を任せる。

「福禅寺 對潮楼」から望む「日東第一形勝」の絶景「福禅寺 對潮楼」から望む「日東第一形勝」の絶景
鞆の浦でエビを干していたお母さんたち鞆の浦でエビを干していたお母さんたち

 日常に追われる現代人に欠けている、のんびりした空気。「いい日旅立ち」。何だか明日への活力が湧いてきた。

鞆の浦にて。海と同様に〝澄んだ〟心でハイチーズ鞆の浦にて。海と同様に〝澄んだ〟心でハイチーズ

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