ルート選定やガイド育成、サイクルラック設置も北海道を自転車の聖地に 環境整備で新たな観光の柱へ ツアーには外国人も参加

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北海道旭川市の「就実の丘」を走る、台湾から来訪した自転車愛好家 =6月下旬北海道旭川市の「就実の丘」を走る、台湾から来訪した自転車愛好家 =6月下旬

 「北海道をサイクリングの聖地」に―。サイクリング目的の観光客が増加中の北海道で、自治体や自転車店、宿泊施設などがタッグを組んで自転車環境の整備に乗り出している。新たな観光スタイルに発展させることが関係者の共通の願いだ。

 6月下旬、大雪山系や十勝岳連峰が見渡せる旭川市の「就実の丘」を台湾からの愛好家ら27人が走った。全員がスポーツタイプ自転車のロードバイクを持参し、3日間で周辺約200キロをめぐる行程だ。台北市から参加した男性建築士(48)は「北海道は道が広く走りやすい。壮大な景色も魅力」と笑顔で話した。

 ツアーは台湾の大手自転車メーカー「ジャイアント」が5年前から毎年実施。参加者は増加を続け、今年は昨年より2回多い年4回のツアーを開催する。同社社長で今回ツアーに参加した羅祥安さん(65)も「北海道は道路が起伏に富み環境が良い。サイクリング観光が普及する可能性は十分ある」と太鼓判を押す。

 初心者向けのサービスも広がる。札幌市の自転車ツアー企画会社「サイクリングフロンティア北海道」は5年前に他社に先駆けツアーを始めた。自転車競技の元選手らがガイドになり、走りながら観光案内する。ロードバイクはレンタルでき、利用者は毎年倍増。昨年は初めて1000人を超えた。

 同社によると、利用者の半数はロードバイク初心者で、興味はあってもきっかけがなかった人が多い。ツアーを企画する自転車店も増加中だ。

北海道富良野市の商業施設に設置されているサイクルラック北海道富良野市の商業施設に設置されたサイクルラック

 自治体主導の環境整備も進む。富良野市など近隣6市町村でつくる観光協議会は、ラベンダー畑など人気観光地を巡れる約10のルートを今秋までにまとめる。今まで自治体ごとにつくっていたルートを精査し、地域全体でサイクリングを観光の目玉に育てたいという。

 また道内各地の自治体や自転車団体などでつくるサイクル・ツーリズム北海道推進連絡会は、駐輪用のサイクルラックを景勝地や空港など約70カ所に設置した。高価なロードバイクを屋内で保管できる宿泊施設や、整備技術を持つ自転車店のリストも作り、地域も巻き込んだ活動となっている。

 課題もある。同連絡会は「ラックやガイドの数はまだ不十分」と話す。1機約2万円のラックを道内全域にそろえるのは資金的に困難。ガイドには自転車の走力、話術や外国人客に対応する語学力も必要で育成には時間もかかる。秋までにガイド研修会や勉強会を開き今後の対応を検討する。

 だが将来への期待は高い。富良野市商工観光課の石出訓義さん(39)は「少しずつ環境を整え、いつかレンタカーに並ぶ北海道の移動手段にしたい」と夢を語った。

SankeiBizより)

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