ツール・ド・フランス2014 第15ステージ集団スプリントを制したクリツォフが今大会2勝目 逃げた2人は惜しくもゴール目前で吸収

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 ツール・ド・フランス第15ステージは7月20日、タラールからニームの222kmで行われ、集団スプリントを制したアレクサンドル・クリツォフ(ノルウェー、チーム カチューシャ)が今大会2勝目を挙げた。レースではスタート直後にアタックした2人が200km以上にわたって逃げ続けたが、ゴールの直前で大集団に飲み込まれ殊勲を逃した。総合上位勢は集団内でゴールしたためタイム差はなく、ヴィンチェンツォ・ニバリ(イタリア、アスタナ プロチーム)がマイヨジョーヌをキープ。新城幸也も同タイムの44位だった。

今大会2勝目を飾ったアレクサンドル・クリツォフ今大会2勝目を飾ったアレクサンドル・クリツォフ

 前日までにアルプスの山岳2連戦を終えたプロトンは、西に進路をとり、ピレネーへと向かうステージに臨んだ。カテゴリー山岳のない平坦基調のコースで、スプリンターを擁するチームが主導権を握る展開となった。

 レース開始直後、ジャック・バウアー(オーストラリア、ガーミン・シャープ)とマルティン・エルミガー(スイス、イアム サイクリング)のアタックが決まり、222kmにおよぶ2人だけの逃げが始まった。

チームメートに守られながら走るヴィンチェンツォ・ニバリチームメートに守られながら走るヴィンチェンツォ・ニバリ

 メーン集団はニバリ率いるアスタナ プロチームのほか、クリツォフのチーム カチューシャ、マルセル・キッテル(ドイツ)のチーム ジャイアント・シマノ、アンドレ・グライペル(ドイツ)のロット・ベリソルと、スプリント勝負を狙うチームがコントロール。逃げとメーン集団は6分ほどのタイム差で進んでいった。

ステージ中盤での新城幸也ステージ中盤での新城幸也

 残り45km地点に設定された中間ポイントでは、逃げの2人は争うことなくローテーションしながら走り抜けた。メーン集団は逃げから1分30秒遅れで、ブライアン・コカール(フランス、チーム ヨーロッパカー)が先頭、ペテル・サガン(スロバキア、キャノンデール)が3番手で通過した。この中間ポイント付近から雨が降り始め、路面の状況は急激に悪化。視界が霧のように白く霞んだり、辺りが急に暗くなったりと不安定な天候に。逃げる2人と集団のタイム差は、再び2分ほどまで開いた。

 ここからジャイアント・シマノやロット・ベリソルが牽引して追い上げるが、残り10kmで50秒差、さらに残り5kmで35秒差とあまり縮まらない。ペースが上がらないのを見かねてか、タイムトライアル世界チャンピオンのトニー・マルティン(ドイツ、オメガファルマ・クイックステップ)がアタックして単独で追走を図る場面もみられた。

南仏特有の強い風が吹き始めると、オメガファルマ勢が先頭に立った南仏特有の強い風が吹き始めると、オメガファルマ勢が先頭に立った

 残り1kmで13秒差。バウアーとエルミガーは後ろを振り返って集団との距離を確認しながらも、牽制することなくローテーションしてゴールへ向かった。今度はオメガファルマ・クイックステップが集団先頭でトレインを組んで猛追。

 残り300m、バウアーがスプリントでエルミガーを引き離す。集団ではマーク・レンショー(オーストラリア、オメガファルマ・クイックステップ)、その後ろからクリツォフとグライペルがスプリントを開始。ここでクリツォフがスピードを見せた。グライペルらの前に出ると残り50mでバウアーも抜き去り、手に汗握る接戦を制した。

 クリツォフにとっては第12ステージに続く今大会2勝目で、エーススプリンターとして期待に応える見事な活躍。キッテルやグライペルが万全の体勢から発車した勝負では後塵を拝しているものの、混戦のなかでの加速力と伸びのあるスプリントが光る。今季はこれまでにミラノ~サンレモ優勝、ツールでステージ2勝という結果を挙げており、トップスプリンターの1人として数えられる存在になるだろう。

 222kmを懸命に逃げた2人だったが、大金星にはわずかに手が届かなかった。バウアーは10位、エルミガーは16位でフィニッシュし、敢闘賞はエルミガーが獲得。ゴール後のバウアーは、しばらくその場に佇み、時おり目頭を押さえて悔しがった。ガーミン・シャープのチームメートたちは次々とバウアーのもとへ駆け寄って慰めた。

逃げ切れず、ゴール後に肩を落とすジャック・バウアー逃げ切れず、ゴール後に肩を落とすジャック・バウアー

 総合上位勢と新城はメーン集団内でゴールし、タイム差はつかなかった。一行は2回目の休息日をはさみ、ピレネーの山岳3連戦へ。カルカソンヌからバニェール・ド・リュションの237.5kmで行われる第16ステージは、超級山岳ポール・ド・パレスの下りゴールとなる長距離ステージだ。

(文 平澤尚威/写真 砂田弓弦)

第15ステージ結果
1 アレクサンドル・クリツォフ(ノルウェー、チーム カチューシャ) 4時間56分43秒
2 ハインリッヒ・ハウスラー(オーストラリア、イアム サイクリング) +0秒
3 ペテル・サガン(スロバキア、キャノンデール) +0秒
4 アンドレ・グライペル(ドイツ、ロット・ベリソル) +0秒
5 マーク・レンショー(オーストラリア、オメガファルマ・クイックステップ) +0秒
6 ブライアン・コカール(フランス、チーム ヨーロッパカー) +0秒
7 ラムーナス・ナヴァルダウスカス(リトアニア、ガーミン・シャープ) +0秒
8 ロマン・フェイユー(フランス、ブルターニュ・セシェ アンヴィロヌマン) +0秒
9 ミヒャエル・アルバジーニ(スイス、オリカ・グリーンエッジ) +0秒
10 ジャック・バウアー(オーストラリア、ガーミン・シャープ) +0秒
44 新城幸也(日本、チーム ヨーロッパカー) +0秒

個人総合(マイヨジョーヌ)
1 ヴィンチェンツォ・ニバリ(イタリア、アスタナ プロチーム) 61時間52分54秒
2 アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター チーム) +4分37秒
3 ロマン・バルデ(フランス、アージェードゥーゼール ラモンディアル) +4分50秒
4 ティボー・ピノ(フランス、エフデジ ポワン エフエル) +5分6秒
5 ティージェイ・ヴァンガードレン(アメリカ、BMC レーシングチーム) +5分49秒
6 ジャンクリストフ・ペロー(フランス、アージェードゥーゼール ラモンディアル) +6分8秒
7 バウケ・モレマ(オランダ、ベルキン プロサイクリングチーム) +8分33秒
8 レオポルド・ケニッグ(チェコ、チーム ネットアップ・エンデューラ) +9分32秒
9 ローレンス・テンダム(オランダ、ベルキン プロサイクリングチーム) +10分1秒
10 ピエール・ローラン(フランス、チーム ヨーロッパカー) +10分48秒
79 新城幸也(日本、チーム ヨーロッパカー) +2時間12分51秒

ポイント賞(マイヨヴェール)
1 ペテル・サガン(スロバキア、キャノンデール) 402 pts
2 ブライアン・コカール(フランス、チーム ヨーロッパカー) 226 pts
3 アレクサンドル・クリツォフ(ノルウェー、チーム カチューシャ) 217 pts

山岳賞(マイヨアポワ)
1 ホアキン・ロドリゲス(スペイン、チーム カチューシャ) 88 pts
2 ラファウ・マイカ(ポーランド、ティンコフ・サクソ) 88 pts
3 ヴィンチェンツォ・ニバリ(イタリア、アスタナ プロチーム) 86 pts

新人賞(マイヨブラン)
1 ロマン・バルデ(フランス、アージェードゥーゼール ラモンディアル) 66時間54分27秒
2 ティボー・ピノ(フランス、エフデジ ポワン エフエル) +16秒
3 ミハウ・クフィアトコフスキー(ポーランド、オメガファルマ・クイックステップ) +14分34秒

チーム総合
1 アージェードゥーゼール ラモンディアル 200時間46分47秒
2 ベルキン プロサイクリングチーム +12分42秒
3 チーム スカイ +38分32秒

敢闘賞
マルティン・エルミガー(スイス、イアム サイクリング)

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