ツール・ド・フランス2014 第14ステージマイカが独走でアルプス頂上ゴールを制覇 プロ初勝利、山岳賞争いにも名乗り上げる

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 ツール・ド・フランスは7月19日、グルノーブルからリズールまでの177kmで第14ステージが行われ、逃げ集団から飛び出したラファウ・マイカ(ポーランド、ティンコフ・サクソ)がラスト8kmを独走し、1級山岳の頂上ゴールでプロ初勝利を挙げた。個人総合首位のヴィンチェンツォ・ニバリ(イタリア、アスタナ プロチーム)は2位でゴールし、総合優勝争いでライバルとのリードを広げた。新城幸也(チーム ヨーロッパカー)は25分24秒遅れの集団でゴールしている。

歓喜のステージ優勝を果たしたラファウ・マイカ歓喜のステージ優勝を果たしたラファウ・マイカ

 アルプス2連戦の2日目となるこの日のコースは、スタートして間もなく上り基調となり、まずは登坂距離34kmにおよぶ1級山岳ル・ロタレ峠へ。続く超級山岳イゾアール峠は、距離19kmで平均勾配6%と上りも厳しいが、下りも急勾配。そして残り12.6kmから、平均勾配6.9%の1級山岳リズールの頂上へと向かう。

積極的な走りを見せたホアキン・ロドリゲス積極的な走りを見せたホアキン・ロドリゲス

 スタート直後のアタックはなかなか決まらず、先頭はニバリを含む40人程度の集団に。約15km地点でようやくアスタナが逃げを容認し、17人の逃げ集団が形成された。このなかには山岳賞争いでニバリに次いで2位につけ、繰り下がりでマイヨアポワを着用したホアキン・ロドリゲス(スペイン、チーム カチューシャ)や、ポイント賞争い首位のマイヨヴェールを着るペテル・サガン(スロバキア、キャノンデール)ら、逃げてポイントを稼ぎたい選手が含まれ、さらにマイカら有力なクライマーも顔をそろえた。

 40km地点の中間ポイントは、スプリントをすることなくサガンが先頭通過。20ポイントを積み上げ、マイヨヴェール獲得へ向けたこの日のミッションは完了した。

 そして1級山岳ル・ロタレ峠へ。頂上では中間ポイント同様に争うことなく、53ポイントで山岳賞争い2位につけるロドリゲスが先頭、40ポイントで5位のマイカが2番手で通過した。アスタナがコントロールするメーン集団と逃げ集団の差は約5分。

 超級イゾアール峠に入ると、逃げ集団から数人が脱落。頂上では再びロドリゲス、マイカの順でそれぞれ25、20ポイントを加算した。メーン集団ではアージェードゥーゼール ラモンディアルが前方に現れ、総合6位につけるジャンクリストフ・ペロー(フランス)が同3位のロマン・バルデ(フランス)のためのアシストを開始。頂上では逃げとメーン集団の差は3分を切り、ペローはそのまま下りでもバルデを強力に牽引していった。

チームメートにアシストされて上りをクリアするヴィンチェンツォ・ニバリチームメートにアシストされて上りをクリアするヴィンチェンツォ・ニバリ

 ラスト12.6kmからいよいよ1級リズール峠へ。メーン集団と逃げ集団のタイム差は約40秒。ここで逃げ集団から、前日に敢闘賞を獲得したアレッサンドロ・デマルキ(イタリア、キャノンデール)らがアタックして先行すると、残り10kmでマイカが痺れを切らしたように飛び出した。あっという間にデマルキを抜き去り、これまで170km近く逃げてきたとは思えない勢いで上っていった。山岳賞を争うロドリゲスも追い上げるが、デマルキと合流するだけで精一杯だった。

 メーン集団は依然としてペローが牽引していたが、ついにマイヨジョーヌを着るニバリがアタック。これに対し、バルデをアシストし続けてきたペローがチェックに入り、2人で先頭のマイカを追う形となった。

 後方では総合2位のアレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター チーム)を包囲するように総合上位勢同士の争いが繰り広げられた。ティージェイ・ヴァンガードレン(アメリカ、BMC レーシングチーム)のアタックでバルベルデは追走集団から離され、ティボー・ピノ(フランス、エフデジ ポワン エフエル)も総合でのタイム差を縮めるために自ら牽引。ガドレは総合と新人賞を争うピノをしっかりマークした。

 先頭を独走するマイカのペースは衰えず、ニバリからもリードを保って力走。頂上ゴールまで大逃げを決めてみせた。ガッツポーズとともに、雄叫びをあげるような表情で歓喜のゴール。喜びのせいか、ジャージのファスナーを閉めることも忘れていた。

 マイカは24歳という若さながら、アルベルト・コンタドール(スペイン)が出場しないステージレースではエースを任されることが多く、昨年のジロ・デ・イタリアで総合7位、今年は総合6位という結果を残してきた。しかし、意外にも今回がプロ初勝利だ。今大会にはアシストとして参加したが、エースのコンタドールが落車でリタイア。最大の目標を失っていたチームに今大会初勝利をもたらした。レース後には「ツールはまだ続く。ベストを尽くして、次の勝利を狙っていく」と語り、早くも2勝目を見据えている。

大きく遅れ、総合トップ10から脱落したユルヘン・ヴァンデンブロック大きく遅れ、総合トップ10から脱落したユルヘン・ヴァンデンブロック

 マイカには届かなかったもののニバリが2位に入り、総合争いでライバルへのリードをさらに広げた。ペローは3位でゴールし、総合争いでは最終日の表彰台も見えるタイム差にまで縮まってきた。バルデとピノはもがきながら同タイムでゴールし、総合2位のバルベルデとのタイム差を縮めることに成功。一方でユルヘン・ヴァンデンブロック(ベルギー、ロット・ベリソル)は早い段階で遅れ、5分近くタイムを失って総合争いから脱落した。

 1級頂上ゴールを制したマイカは山岳ポイントを20獲得し、2位でゴールしたニバリも16ポイントを積み重ねた。これにより山岳賞争いはロドリゲスとマイカが88ポイント、ニバリが86ポイントという激戦になっている。

ラファウ・マイカと同ポイントながら再び山岳リーダーについたホアキン・ロドリゲスラファウ・マイカと同ポイントながら再び山岳リーダーについたホアキン・ロドリゲス

 続く第15ステージは、タラールからニームへ向かう222km。アルプスの山を乗り越えたスプリンターたちにとって待望の平坦ステージで、総合争いを小休止となりそうだ。

(文 平澤尚威/写真 砂田弓弦)

第14ステージ結果
1 ラファウ・マイカ(ポーランド、ティンコフ・サクソ) 5時間8分27秒
2 ヴィンチェンツォ・ニバリ(イタリア、アスタナ プロチーム) +24秒
3 ジャンクリストフ・ペロー(フランス、アージェードゥーゼール ラモンディアル) +26秒
4 ティボー・ピノ(フランス、エフデジ ポワン エフエル) +50秒
5 ロマン・バルデ(フランス、アージェードゥーゼール ラモンディアル) +50秒
6 ティージェイ・ヴァンガードレン(アメリカ、BMC レーシングチーム) +54秒
7 フランク・シュレク(ルクセンブルク、トレック ファクトリーレーシング) +1分1秒
8 ローレンス・テンダム(オランダ、ベルキン プロサイクリングチーム) +1分7秒
9 レオポルド・ケニッグ(チェコ、チーム ネットアップ・エンデューラ) +1分20秒
10 アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター チーム) +1分24秒
129 新城幸也(日本、チーム ヨーロッパカー) +25分24秒

個人総合(マイヨジョーヌ)
1 ヴィンチェンツォ・ニバリ(イタリア、アスタナ プロチーム) 61時間52分54秒
2 アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター チーム) +4分37秒
3 ロマン・バルデ(フランス、アージェードゥーゼール ラモンディアル) +4分50秒
4 ティボー・ピノ(フランス、エフデジ ポワン エフエル) +5分6秒
5 ティージェイ・ヴァンガードレン(アメリカ、BMC レーシングチーム) +5分49秒
6 ジャンクリストフ・ペロー(フランス、アージェードゥーゼール ラモンディアル) +6分8秒
7 バウケ・モレマ(オランダ、ベルキン プロサイクリングチーム) +8分33秒
8 レオポルド・ケニッグ(チェコ、チーム ネットアップ・エンデューラ) +9分32秒
9 ローレンス・テンダム(オランダ、ベルキン プロサイクリングチーム) +10分1秒
10 ピエール・ローラン(フランス、チーム ヨーロッパカー) +10分48秒
79 新城幸也(日本、チーム ヨーロッパカー) +2時間12分51秒

ポイント賞(マイヨヴェール)
1 ペテル・サガン(スロバキア、キャノンデール) 361 pts
2 ブライアン・コカール(フランス、チーム ヨーロッパカー) 191 pts
3 アレクサンドル・クリツォフ(ノルウェー、チーム カチューシャ) 172 pts

山岳賞(マイヨアポワ)
1 ホアキン・ロドリゲス(スペイン、チーム カチューシャ) 88 pts
2 ラファウ・マイカ(ポーランド、ティンコフ・サクソ) 88 pts
3 ヴィンチェンツォ・ニバリ(イタリア、アスタナ プロチーム) 86 pts

新人賞(マイヨブラン)
1 ロマン・バルデ(フランス、アージェードゥーゼール ラモンディアル) 61時間57分44 秒
2 ティボー・ピノ(フランス、エフデジ ポワン エフエル) +16秒
3 ミハウ・クフィアトコフスキー(ポーランド、オメガファルマ・クイックステップ) +14分34秒

チーム総合
1 アージェードゥーゼール ラモンディアル 185時間56分38秒
2 ベルキン プロサイクリングチーム +12分42秒
3 チーム スカイ +38分16秒

敢闘賞
アレッサンドロ・デマルキ(イタリア、キャノンデール)

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