ツール・ド・フランス2014 第12ステージミラノ~サンレモの覇者クリツォフがグランツール初勝利 サガンはまたもチャンスを逃し2位

  • 一覧

 ツール・ド・フランス第12ステージが17日に行われ、アレクサンドル・クリツォフ(ノルウェー、チーム カチューシャ)が集団スプリントでペテル・サガン(スロバキア、キャノンデール)らを振りきってツール初勝利を挙げた。タイム差なしでゴールしたヴィンチェンツォ・ニバリ(イタリア、アスタナ プロチーム)が個人総合首位をキープ。新城幸也もメーン集団のなか55位でゴールした。

念願のステージ優勝を飾ったアレクサンドル・クリツォフ念願のステージ優勝を飾ったアレクサンドル・クリツォフ

 ブールカンブレスからサンテティエンヌまでの185.5kmで行われたレースは、3級2つ、4級2つと山岳の難易度は低めの設定。最後の4級山岳を下れば残りは平坦路となり、展開次第ではピュアスプリンターも勝負できるコースだ。

 前日、遅れながらもなんとか単独でゴールまでたどり着いたアンドルー・タランスキー(アメリカ、ガーミン・シャープ)は、この日は出走せず。クリストファー・フルーム(イギリス、チーム スカイ)、アルベルト・コンタドール(スペイン、ティンコフ・サクソ)に続き、総合優勝候補に挙げられた選手がまた1人ツールを離れた。

炎天下を走る逃げ集団炎天下を走る逃げ集団

 レース序盤、セバスティアン・ラングフェルド(オランダ、ガーミン・シャープ)のアタックをきっかけにサイモン・クラーク(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ)、ダビ・デラクルス(スペイン、チーム ネットアップ・エンデューラ)ら5人が逃げ集団を形成した。

 メーン集団はチーム ジャイアント・シマノが序盤から積極的に牽引。今大会3勝を挙げているエーススプリンターのマルセル・キッテル(ドイツ、チーム ジャイアント・シマノ)か、上りもこなせるジョン・デゲンコルプ(ドイツ、チーム ジャイアント・シマノ)で勝利を狙う構えを見せた。39.5km地点に設けられた中間ポイントでは、キッテルがスプリントに参加し集団先頭で通過。途中からは、チーム ヨーロッパカーも集団のコントロールに加わった。

逃げ集団に入りながら落車でリタイアしたダビ・デラクルス逃げ集団に入りながら落車でリタイアしたダビ・デラクルス

 レース中盤、逃げ集団のデラクルスがコーナーでバイクを滑らせ、ラングフェルドを巻き込みながら落車。肩から落下したデラクルスは、起き上がれずそのままリタイアとなった。ラングフェルドはすぐに復帰。その後、3つ目の山岳に入るとラストとヴァションが遅れ、逃げは2人に。

 残り約30kmからの4級山岳、メーン集団とのタイム差が縮まる中でクラークがアタックすると、ラングフェルドはついていけず、クラークが単独で先頭に立った。ところが、この上りでチーム ヨーロッパカーのペリグ・ケムヌール(フランス)とシリル・ゴティエ(フランス)が2人でアタック。クラークを捉え、3人での逃げが始まった。

 この4級山岳でキッテルは遅れたが、ジャイアント・シマノはデゲンコルプで勝利を狙ってメーン集団を牽引。さらにスプリントになれば勝利を狙えるマーク・レンショー(オーストラリア、オメガファルマ・クイックステップ)も上りで脱落した。

 ケムヌールがアシストを終えて離脱すると、先頭交代を要求するゴティエと逃げ続けたクラークは協調がとれなかった。ステージ優勝を狙ったヨーロッパカーの動きは不発に終わり、逃げ集団は残り5kmで吸収された。

チーム ヨーロッパカーのペリグ・ケムヌール(左)とシリル・ゴティエが2人でアタックチーム ヨーロッパカーのペリグ・ケムヌール(左)とシリル・ゴティエが2人でアタック

 ここからキャノンデールが集団先頭で位置取りを開始。ゴールに向けて緊張感が高まる中、スプリント勝負に加わりたいアンドレ・グライペル(ドイツ、ロット・ベリソル)がシルヴァン・シャヴァネル(フランス、イアム サイクリング)と絡んで落車してしまった。

 残り1km付近でキャノンデールやチーム カチューシャのアシストが外れると、第7ステージを制したマッテーオ・トレンティン(イタリア、オメガファルマ・クイックステップ)が2人のアシストと共にトレインを組み、有利な態勢を整えたかに見えた。しかし残り250m、リードアウトの左に進路をとったトレンティンはデゲンコルプとぶつかり、2人とも失速。

 一方、右側から飛び出したクリツォフは瞬時に加速して先頭へ。追い上げるサガン、アルノー・デマール(フランス、エフデジ ポワン エフエル)を粘り強いスプリントで振り切ってゴールへ飛び込んだ。

 今年3月に“スプリンターズクラシック”ミラノ~サンレモで殊勲を挙げたクリツォフは、それ以降もヨーロッパのレースで勝利を量産。その勢いで臨んだツールでは、ここまで2位が2回と惜しくも勝利を逃してきたが、ついに念願のステージ優勝を挙げた。

 ツール初勝利の喜びを「ついにやった、というすばらしい気持ち」と表したクリツォフは、「ツールで勝つことをいつも夢見ていた。きのう脚を使わなかったことが、きょう勝てた鍵だったかもしれない。ゴール前ではどのチームも先頭に出たがっていたが、ひたすら待っていいタイミングで飛び出せた」とレースを振り返った。

終盤に落車したアンドレ・グライペル終盤に落車したアンドレ・グライペル

 クリツォフに届かなかったサガンは、今大会4度目の2位。それ以外にも優勝のチャンスを何度か逃しているため、悔しさは募る。総合では、ニバリが危なげなくマイヨジョーヌをキープ。フランス革命記念日のマイヨジョーヌ着用、第11ステージの勝利と活躍を続けていたトニー・ガロパン(フランス、ロット・ベリソル)は5分45秒遅れでゴールし、総合順位を5位から20位に落とした。

 続く第13ステージからは、頂上ゴール2連戦。総合争いで重要なレースがプロトンを待ち受ける。

(文 平澤尚威/写真 砂田弓弦)

第12ステージ結果
1 アレクサンドル・クリツォフ(ノルウェー、チーム カチューシャ) 4時間25分45秒
2 ペテル・サガン(スロバキア、キャノンデール) +0秒
3 アルノー・デマール(フランス、エフデジ ポワン エフエル) +0秒
4 ミヒャエル・アルバジーニ(スイス、オリカ・グリーンエッジ) +0秒
5 ラムーナス・ナヴァルダウスカス(リトアニア、ガーミン・シャープ) +0秒
6 ダニエーレ・ベンナーティ(イタリア、ティンコフ・サクソ) +0秒
7 ブライアン・コカール(フランス、チーム ヨーロッパカー) +0秒
8 ダニエル・オス(フランス、BMC レーシングチーム) +0秒
9 サミュエル・デュムラン(フランス、アージェードゥーゼール ラモンディアル) +0秒
10 ホセホアキン・ロハス(スペイン、モビスター チーム) +0秒
55 新城幸也(日本、チーム ヨーロッパカー) +0秒

個人総合(マイヨジョーヌ)
1 ヴィンチェンツォ・ニバリ(イタリア、アスタナ プロチーム) 51時間31分34秒
2 リッチー・ポート(オーストラリア、チーム スカイ) +2分23秒
3 アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター チーム) +2分47秒
4 ロマン・バルデ(フランス、アージェードゥーゼール ラモンディアル) +3分1秒
5 ティボー・ピノ(フランス、エフデジ ポワン エフエル) +3分47秒
6 ティージェイ・ヴァンガードレン(アメリカ、BMC レーシングチーム) +3分56秒
7 ジャンクリストフ・ペロー(フランス、アージェードゥーゼール ラモンディアル) +3分57秒
8 バウケ・モレマ(オランダ、ベルキン プロサイクリングチーム) +4分8秒
9 ユルヘン・ヴァンデンブロック(ベルギー、ロット・ベリソル) +4分18秒
10 ヤコブ・フルサング(デンマーク、アスタナ プロチーム) +4分31秒
99 新城幸也(日本、チーム ヨーロッパカー) +1時間28分16秒

ポイント賞(マイヨヴェール)
1 ペテル・サガン(スロバキア、キャノンデール) 341pts
2 ブライアン・コカール(フランス、チーム ヨーロッパカー) 191pts
3 アレクサンドル・クリツォフ(ノルウェー、チーム カチューシャ) 172pts

山岳賞(マイヨアポワ)
1 ホアキン・ロドリゲス(スペイン、チーム カチューシャ) 51pts
2 トマ・ヴォクレール(フランス、チーム ヨーロッパカー) 34pts
3 トニー・マルティン(ドイツ、オメガファルマ・クイックステップ) 26pts

新人賞(マイヨブラン)
1 ロマン・バルデ(フランス、アージェードゥーゼール ラモンディアル) 51時間34分35秒
2 ティボー・ピノ(フランス、エフデジ ポワン エフエル) +46秒
3 ミハウ・クフィアトコフスキー(ポーランド、オメガファルマ・クイックステップ) +1分38秒

チーム総合
1 アージェードゥーゼール ラモンディアル 154時間42分16秒
2 アスタナ プロチーム +3分19秒
3 ベルキン プロサイクリングチーム +4分25秒

敢闘賞
サイモン・クラーク(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ)

関連記事

この記事のタグ

ツール・ド・フランス2014 ツール2014・レース詳報

  • 一覧

新着ニュース

もっと見る

ピックアップ

e-BIKE最新特集

スペシャル

自転車協会バナー

ソーシャルランキング

インプレッション

インプレッション一覧へ

連載